世田谷散策記 ~世田谷を楽しもう!~

世田谷花ごよみ

世田谷区内にあるちょっといいかもと感じた花の名所や花のある風景を訪れた範囲内で紹介しています。

ものすごく有名だったり、広大なスポットはありませんが、手軽に季節を感じられる場所かなといった感じです。

紹介した以外にも緑道や公園の花壇などに季節の花が植えられていますので、色々と遠回りをしつつ気に入った花の風景を探してみてください。

広告

* 梅の花(2月中旬から下旬ころ) *

・羽根木公園

羽根木公園の梅

小田急線梅ヶ丘駅の北側の小高い丘に区立羽根木公園があります。野球場あり、テニスコートあり、子供の遊び場がたくさんありといった総合公園です。

園内の南側斜面には、約700本の梅の木が植えられていて、23区内に限れば最大規模の梅林となるでしょうか。この梅林は昭和42年に世田谷区議会に当選した55名が55本の梅の木を植樹したことに始まり、その後、機会があるごとに植樹され、現在の規模になりました。

梅林には様々な品種の梅の木が植えられていて、一斉に多くの木に花がついて梅爛漫になるのではなく、いつ訪れてもほどほどに咲いているといった感じです。あくまでも鑑賞用の梅林です。

2月にはせたがや梅まつりが行われ、郷土芸能などのステージイベントや茶席、撮影会などが行われ、会場内には地元自治体の売店が並びます。あまりイベントなどが多くない時期でもあるので、区外からも多くの人が訪れています。

  • <場所>
  • ・代田4丁目38−52(google map

・砧公園

砧公園の梅林

東名インターの近くにある砧公園。環八の入り口から入ってすぐの広場はねむの木広場で、その北側には梅林があります。

ここには紅白の梅に、枝垂れ梅などが植えられていて、密集しているのと、似た種類が植えられているので、開花時期には梅爛漫となり、ちょっとした梅林風景となります。

梅林の下で花見をするのもよし、梅林の中を歩いて梅の香りに癒されるのもよしといった感じです。

ファミリーパーク内にも梅林がありますが、ねむの木広場のほうが日当たりがいいのでお勧めです。

  • <場所>
  • ・砧公園1−1(google map

・大蔵総合運動場

大蔵総合運動場の梅林

砧公園の西側、大蔵通りを挟んであるのが「世田谷区立総合運動場」です。運動公園なので、体育館、野球場、陸上競技場、テニスコート、温水プールといった運動施設があるのはもちろん、アスレチックコーナー、各種子供の遊び場なども充実しています。

この運動公園の西側、道路とテニスコートに挟まれたエリアにちょっとした規模の梅林があります。というより、なぜここに梅林があるの?と、ちょっと浮いた存在のように感じてしまいます。

鑑賞用ではないので、この場所を公園として整備する以前にあったものを、そのまま残したのでしょうか。土地を農地とするために手のかからない梅を植えた人も多かったようですし・・・。

  • <場所>
  • ・大蔵4丁目6−1(google map

・用賀いらか道

いらか道沿いの梅林

用賀駅から砧公園までは用賀プロムナード、通称いらか道でつながっています。いらか(瓦)が敷き詰められた道には様々なオブジェが設置されていて、また緑も多く、とても雰囲気がいいです。地面のいらかに百人一首の歌が彫られていることでも知られています。

このいらか道の周囲には古くから梅林があります。一昔前は、なんでこんなに梅林があるの?というぐらい多くの梅林がありました。節税対策で梅を植えて農地にしたものだと思います。

ただ、とても地価の高い土地。相続などが起きると、止む無く土地が売られ、跡地にマンションや住宅が建てられることになります。現在ではめっきり減ってしまいました。それでも、まだいらか道の横で梅林を維持している方がいて、いらか道からも梅林を眺めることができます。

また、青梅の季節には梅の販売もしています。せたがや育ちということで、用賀産梅酒なんていうのを作って話のネタにしてみるのもいいのでは。

  • <場所>
  • ・上用賀5丁目(google map

・静嘉堂文庫庭園

静嘉堂文庫庭園の梅

三菱財閥の創始者は岩崎弥太郎です。その弟、弥之助と、その子、小弥太によって収集された和漢の古書を収蔵した静嘉堂文庫が岡本にあります。

建物自体も素晴らしく、イギリス様式でスクラッチタイルが一面に貼り付けられています。また、敷地内には日本近代建築の父であるジョサイア・コンドル氏が設計した岩崎家の廟もあります。

残念ながら静嘉堂文庫の建物内へは一般の人は入れません。以前は収蔵されている古美術品、茶器、書物などは隣接した静嘉堂文庫美術館で展示されていました。しかし、2022年に丸の内に移転してしまいました。

この美術館の裏は崖を利用した庭園となっていて、梅の木が植えられています。そこまで多くありませんが、梅が咲いているのをきっかけに訪れてみてはどうでしょう。

ただ、美術館が移転してからは土日は閉鎖され、平日しか敷地に入ることができなくなっています。

  • <場所>
  • ・岡本2丁目23−42(google map

・菅原神社

菅原神社の梅

松原町域の村社は、菅原神社になります。社伝によると、この地にあった寺子屋に学問の神様である菅原道真公を祀る「大願成就南無天満宮自在天神」と刻んだ石碑を建てたのが、神社の始まりだとか。菅原神社という名からして深く菅原道真公への敬意や愛が表れているように感じます。

その菅原道真公はとても梅を愛しました。京から九州の大宰府に左遷された時に、育てていた梅が飛んで太宰府にやって来たという飛梅伝説なんて言うものもあります。

全国にある菅原道真を祀る天神様では、賽銭箱や絵馬にも梅の花柄をあしらった梅紋が付けられ、境内にも梅の木が植えられています。

ここ菅原神社でも、数としてはそんなに多くありませんが、社殿付近に梅が植えられています。天神様といえば梅。梅の時期にお参りすると、ご利益も叶いそうな気がします。

  • <場所>
  • ・松原3丁目20−16(google map

* 菜の花とスイレン *

・砧公園

砧公園の菜の花とスイレン

桜の名所として有名な砧公園。広い芝生と桜と、運動施設や世田谷美術館がある公園といった認識の人が多いかと思います。

実は砧公園には手つかずの自然や池が残っています。それがあるのは大蔵運動場付近の西側。ここはバードサンクチュアリになっていて、人は入ることはできません。

鳥を怖がらせずに観察できるような観察窓も設置されています。その観察窓がある付近には大きな花壇が設置されています。春先には菜の花とスイレンが見ごろとなり、なかなか美しいです。ここまで訪れる人はなかなかいないので、穴場的な存在になるでしょうか。

  • <場所>
  • ・砧公園1−1(google map

・蘆花恒春園花の丘

蘆花恒春園花の丘 菜の花と桜の写真

環八の千歳台交差点付近に蘆花恒春園(芦花公園)があります。芦花公園は文豪徳富蘆花が暮らした土地を整備した公園で、園内には東京都の史跡に指定されている徳富蘆花氏の旧宅や墓石、遺品などを展示した記念館があります。

この芦花公園の南側には花の丘という区域があります。花の丘にはシンボル的存在である15本ある高遠コヒガン桜が並んでいて、春にはとても素晴らしい風景となることで知られています。

丘の中央には花壇があり、ボランティアの方々によって四季折々の花を楽しむことができます。この花壇とは別に周辺の小学校の生徒たちが実習で管理している大きな花壇があります。学年ごと、クラスごと、小学校ごと、その辺の事情は分かりませんが、春には菜の花、夏にはヒマワリ、秋にはコスモスが一面に咲く様子は圧巻です。

菜の花が咲く時期は、だいたい桜の開花と重なり、黄色い絨毯となっている菜の花越しに見る桜もいいものです。また、3月第一日曜日には菜の花まつりも行われます。

  • <場所>
  • ・粕谷1-20−1(google map

* チューリップ *

・砧公園

砧公園 チューリップの花壇

桜の名所として広く名が知られている都立砧公園。特にかつてゴルフのコースだったことをうまく利用し、広々とした芝生のあるファミリーパークに、多くの桜が咲く様子は美しいです。

その砧公園内には、多くの花壇が設置されていて、それぞれに特徴があります。チリリン広場近くのファミリーパーク内にある花壇には、多くのチューリップが植えられていました。大きな花壇に数多くのチューリップが咲いている様子は素晴らしく、とても目を引きます。

桜の時期と重なると、その素晴らしさも増すというもの。というより、砧公園は桜だらけなので、かえってチューリップの美しさが目を引くのでしょう。多くの人が写真を撮っていました。

  • <場所>
  • ・砧公園1−1(google map

・蘆花恒春園花の丘

蘆花恒春園花の丘 チューリップの写真

環八の千歳台交差点付近にある蘆花恒春園(芦花公園)の南側には、花の丘という区域があります。花の丘にはシンボル的存在である15本ある高遠コヒガン桜が並んでいて、春にはとても素晴らしい風景となることで知られています。

中央には花壇があり、ボランティアの方々によって四季折々の花を楽しむことができます。この花壇はボランティアの方々が今年はこんな風にしようなどと、アイディアを出し合って決めているのでしょう。年ごとにデザインや、植えられている花の構成が違います。

年によって違うかもしれませんが、チューリップが花壇一面に植えられていると、とても美しく感じます。その様子を見ると、春の花壇の王様はチューリップかなと思ってしまいます。

周囲にある高遠コヒガン桜と同じ時期に咲くと美しさも増すのですが、この桜は普通のソメイヨシノよりも少し早めに咲くので、ギリギリ被るかな・・・といった感じでしょうか。

  • <場所>
  • ・粕谷1-20−1(google map

* ハナミズキ (4月中旬頃) *

・二子玉川のハナミズキ

二子玉川駅前通りの花水木

近年の再開発で町の風景が大きく変わった二子玉川。二子玉川では町づくりの一環として、花水木(ハナミズキ)を二子玉川の花(シンボルツリー)として指定し、昭和53年から玉川高島屋、建設省、東京都、世田谷区などの協力を得て着々と植え続け、その数は500本以上になります。

ハナミズキは駅前の通り、駅周辺の道沿い、砧線跡歩道、二子玉川公園などの公園に植えられていて、開花時期の4月中旬頃から町中が華やかに感じます。近年では再開発によって町がおしゃれになり、ハナミズキがおしゃれな街並みに一役買っているといった感じでしょうか。

ハナミズキというのは、アメリカに友好の象徴として贈った桜の返礼に贈られた植物。その後、大きくならない特性から爆発的に街路樹として増え、ありきたりな植物になりました。

二子玉川がハナミズキの町と知られているのは町中にハナミズキの木が多いからだけではなく、アメリカから贈られた原木(何度も贈られています)が二子玉川小学校や二子玉川公園に植えられていたり、4月29日にハナミズキフェスティバルが行われているからです。

・玉電砧線跡歩道のハナミズキ並木

砧線跡歩道の花水木

駅の北側、玉川高島屋の少し北側に花水木が並木となっている遊歩道があります。

区内には川を暗渠にした緑道が多くあり、ここもそういった緑道に似た感じですが、実はこの遊歩道は玉電砧線の線路跡で、廃線となった後に砧線跡歩道として整備されたものです。

旧246号付近から多摩堤通りまで線路跡らしく真っ直ぐの遊歩道で、開花の時期はハナミズキを近くに感じながら歩くことができます。

  • <場所>
  • ・玉川3丁目と4丁目の間(google map

・谷沢川のハナミズキ並木(中町)

谷沢川のハナミズキ並木

谷沢川といえば下流域の等々力渓谷、あるいは国道246号付近の桜並木が有名ですが、上の橋から駒沢通りまでの間ではハナミズキ並木を見ることができます。

区内の川沿いには桜を植えているところが多く、ハナミズキが川沿いに植えられている場所は見かけません。川の縁にはサツキなども植えられていて、いかにも水路っといった感じがなく、ちょっといい雰囲気です。

ただ、2013年7月の大雨の時に川が増水し、一部で溢れてしまいました。それ以降になるかと思いますが、川の淵へ伸びていた下草の枝はきれいに刈られ、今ではさっぱりした感じになっています。

* ツツジ (4月中旬頃~) *

・烏山ツツジ緑地・西沢つつじ園

烏山ツツジ緑地のツツジ

烏山の国道20号にある烏山総合支所入り口交差点の北側に昭和大烏山病院があり、ちょうどその裏手に世田谷を代表するツツジの名所があります。

ここは約3000平方メートルにおよぶ西沢さん所有の西沢つつじ園と、区立の烏山つつじ緑地、1000平方メートルとに分かれていて、一面ツツジが咲く様子を見ることができます。

ここのツツジは庭園として植えられているものではなく、造園業を営む西沢さんのツツジ畑になります。なので、平坦な土地にツツジが植えられていて、庭園やお寺のような立体感はありませんが、一面に様々な色で咲くツツジはまるでカラフルな絨毯のようです。これはこれで美しく、魅力的な風景だと感じます。

  • <場所>
  • ・北烏山6丁目16(google map

・烏山寺町妙寿寺

烏山寺町妙寿寺のつつじ

烏山の北には26の寺が集まっている寺町があります。古くからこの地にあったのものではなく、関東大震災で焼け出されたり、その後の都市開発で移転を余儀なくされた寺院が土地が安く、静かな環境を求め、この地にやって来ました。

それなりの敷地を擁する寺が集まっているので、寺町には程よく自然の環境が残っていて、都会の喧騒を離れて散策するのにはちょうどいいです。

寺町にある妙寿寺は関東大震災で被災し、この地に移ってきました。客殿の旧鍋島候爵邸は明治期の建物を移築したもので、世田谷区指定文化財に指定されています。

この客殿前にはツツジが植えられていて、つつじの季節にはとても美しい光景になります。実はこのツツジ、檀家である西沢ツツジ園の西沢さんが寄進したものです。普段は非公開ですが、ツツジの季節に客殿を一般公開しているときがあります。2階から見下ろすツツジもまた絶景です。

  • <場所>
  • ・北烏山5丁目15−1(google map

・世田谷公園

世田谷公園のつつじ

三宿通り沿い、住所的には池尻になりますが、世田谷公園があります。開放感のある大きな噴水がある広場を中心に都会っぽく縦長の構造をしていて、あまり広いとはいえない敷地内には所狭しと野球場、プール、テニスコート、洋弓場、交通児童公園、タイムカプセルの丘、SL広場、遊具広場、プレイパークが設置されています。

噴水広場に面したタイムカプセルの丘にはツツジが植えられていて、開花時期には丘全体が鮮やかな色に包まれます。

噴水越しに見てもいいし、丘の上から眺めるのもいいです。噴水広場自体が絵になっているので、どのような見方をしてもいい感じです。また子供の日にかけて鯉のぼりも設置されます。

  • <場所>
  • ・池尻1丁目5−27(google map

・弦巻通り

弦巻通りのツツジ

環七の駒留陸橋から弦巻を西へ横切っていく通りは、弦巻通り。この通りでは歩道の車道側に街路樹としてツツジが断続的に植えられていて、つつじの開花時期には通りが華やかになります。

弦巻通りは蛇崩川緑道と並行していて、途中の弦巻1、2丁目付近では歩道部分が緑道と一体化しています。この部分では歩道がとても広くとられていて、歩道の外側にもツツジが植えられています。

なので、まるで歩道がツツジの花道状態。満開時に歩道を歩くと、ちょっと幸せな気分を味わえます。

  • <場所>
  • ・弦巻1丁目と2丁目の間(google map

* バラ (5月中旬頃) *

・都立園芸高校

都立園芸高校のバラ園

深沢にある都立園芸高校は、日本で最初に設立された園芸に特化した高校です。ハナミズキの原木や立派なイチョウ並木、徳川家光(第三代将軍)が遺愛したと言われる松(ゴヨウマツ)の盆栽2鉢(三大将軍の松)があることで知られています。

創立80周年記念行事の一環として、平成2年にバラ園が開設されました。開園に当たっては、園芸高校出身で世界的に有名なバラの育種家鈴木省三氏が長年に渡って収集した約200種類のバラが寄贈され、栽培されています。貴重な原生種もあるので、管理、育成している生徒はいい勉強ができているはずです。

バラのシーズンにあたる毎年5月には、受験生への学校見学会を兼ねたバラ園公開が行われ、その際にバラ園を見学することができます。あまり一般的に情報が出回る公開ではありませんが、結構多くの人が訪れ、希望すれば生徒が丁寧に解説してくれます。バラの一部は秋にも咲くので、11月の園芸展の際にも見学することができます。

ちなみに鈴木省三氏は「ミスターローズ」の異名を持つほどのバラ作出家で、1938年に奥沢に「とどろきばらえん」も開園しています(~1974)。バラ園の隅に彼の石碑が建てられていて、「この薔薇を愛す」とだけ書かれているのが印象的でした。

  • <場所>
  • ・深沢5丁目38−1(google map

・瀬田フラワーランド

瀬田フラワーランドのバラのアーチ

砧公園の南側には東名高速が通っていて、その先は瀬田の住宅地が広がっています。その瀬田の住宅地の中に埋まるようにして瀬田フラワーランドがあります。「花づくりのできる公園」として、昭和61年に開園した公園で、正式名称は瀬田農業公園となります。

フラワーランドの名の通り一年中様々な植物を楽しむことができますが、やはり印象的なのがバラ。ここに植えられているのは地味な宿根草などが中心なので、バラの華やかさが鮮烈に印象に残ります。

特に管理棟の横にあるバラのアーチは見事で、このバラのトンネルをくぐると、少し幸せな気分になれるのではないでしょうか。

また、バラの開花時期にあたる5月中旬の週末には、フラワーランド春の花まつりも開催されます。園芸に興味のある人には楽しいイベントになるのではないでしょうか。

  • <場所>
  • ・瀬田5丁目30−1(google map
  • <詳細ページ>
  • ーーー

・砧公園

砧公園のバラ園

東名インターの近くにある砧公園は、桜と広い芝生で知られています。広大な園内には木々が多く、またあちこちに花壇があり、チューリップや菜の花などといった植物が植えられています。

昔からサッカー場の前にある母子像の周りにバラが植えられていましたが、近年ではアスレチック広場の斜面に本格的なバラ園が設置されました。多くの種類のバラが植えられていて、開花時期にはとても華やかになります。

管理や手入れを行っているのは、ボランティア団体KPAで、春と秋のバラの開花時にはバラを観る会が開かれ、バラ園が解放されます。

  • <場所>
  • ・砧公園1−1(google map

・大蔵総合運動場

大蔵総合運動場のバラの花壇

砧公園の西側、大蔵通りを挟んであるのが「世田谷区立総合運動場」です。運動公園なので、体育館、野球場、陸上競技場、テニスコート、温水プールといった運動施設があるのはもちろん、アスレチックコーナー、各種子供の遊び場なども充実しています。

大蔵運動場のシンボル的存在なのが、ピラミッド型をした体育館。昭和の時代はその斬新な外観から特撮やドラマなどの撮影によく使われていました。砧公園側の入り口からその体育館へ続くのがメイン通り。その真ん中は花壇になっていて、そこにバラが植えられています。

運動公園にバラというのは、お洒落すぎてミスマッチな感じがもしますが、ここは園内には木々が多く、落ち着いた雰囲気があり、また、斬新なピラミッド型の体育館などもあるので、バラがよく似合っています。

  • <場所>
  • ・大蔵4丁目6−1(google map

* 花菖蒲など (5月中旬~)*

・呑川親水公園

呑川親水公園 せせらぎに咲くカキツバタの写真

サザエさんの町、桜新町を南下していくと、国道246号と首都高の高架をくぐります。この国道246号から駒沢通りまでの1キロ弱の区間、呑川親水公園と整備されていて、循環水を利用したせせらぎが設けられています。

ここの凄いのは、せせらぎの両脇に桜並木がずっと続いていることです。とても長い区間桜並木が続くので、歩いていると圧巻とか、恐れ入りましたといった気分になります。

桜ばかりが注目されがちですが、せせらぎの中には水生植物が植えられています。植えられているのはカキツバタが中心になるでしょうか。黄色のカキツバタが群生している様子は美しく感じます。桜のない時期の呑川親水公園の散策もいいものです。

  • <場所>
  • ・新町1丁目、深沢6、7、8丁目の間(google map

・上野毛自然公園

上野毛自然公園の花菖蒲の写真

上野毛自然公園は、大井町線上野毛駅から多摩川へ向かって国分寺崖線を下っていく道沿いにある公園です。自然公園ということで、崖の動植物の自然形態を保護する目的で造られていて、崖上の広場に桜が植えられているほかは、林と階段ばかりの公園です。

多くの人が知らないと思いますが、崖下の丸子川沿いにも少し平らなスペースがあります。花マップに花菖蒲の記載があったので、期待しつつ訪れてみましたが、こぢんまりとした菖蒲畑があるといった感じでした。満開時に訪れたならそれなりに楽しめるといったところでしょうか。

  • <場所>
  • ・上野毛2丁目17−19(google map

* アジサイ (6月頃) *

・蘆花恒春園花の丘

蘆花恒春園花の丘のアナベル

環八の千歳台交差点付近に蘆花恒春園(芦花公園)があります。芦花公園は文豪徳富蘆花が暮らした土地を整備した公園で、園内には東京都の史跡に指定されている徳富蘆花氏の旧宅や墓石、遺品などを展示した記念館があります。

この芦花公園の南側には花の丘があります。花の丘にはシンボル的存在である15本ある高遠コヒガン桜が並んでいて、春にはとても素晴らしい風景となることで知られています。

丘の中央には花壇があり、ボランティアの方々によって四季折々の花を楽しむことができます。この花の丘の外周にはアジサイの一種、アナベルがたくさん植えられています。

アナベルは白いアジサイで、アジサイ独特の彩鮮やかといった風景にはなりませんが、通路沿いに白い花がずらっと並ぶ様子は圧巻です。

  • <場所>
  • ・粕谷1-20−1(google map

・世田谷線沿線

世田谷線とアジサイ

三軒茶屋から下高井戸までを結んでいる東急世田谷線。小柄でカラフルな車両が走っている様子は、どこか楽しそうで、愛くるしくも感じます。

この世田谷線の沿線にはアジサイが多く植えられています。特に世田谷八幡神社付近ではまとまって植えられていて、ちょっとした世田谷線の撮影スポットになっているようです。

彩鮮やかなアジサイとカラフルな世田谷線の車両。子供が喜びそうな組み合わせで、線路沿いで親が子供をあやしていたり、一緒に写真を撮っている姿をよく見かけます。

  • <場所>
  • ・世田谷線宮の坂駅~山下駅瀬田(google map

・目青不動の教学院最勝寺

教学院最勝寺のあじさい

世田谷線の三軒茶屋駅はキャロットタワーの足元にあります。駅を出てすぐの線路沿いに教学院最勝寺があります。ビルの真下のような場所にお寺が・・・といった感じです。

線路沿いからは広い駐車場を通ることになりますが、元々の参道は狭い路地に通じていて、その参道にはアジサイが植えられています。昔はアジサイ寺としても有名だったようですが、現在では家が密集しているので、通路に植えられているといった印象を受けるかもしれません。

ちなみにこの教学院最勝寺の不動堂には江戸五色不動の一つ目青不動があります。目黒不動、目白不動といったあれです。

  • <場所>
  • ・太子堂4丁目15−1(google map
  • <詳細ページ>
  • ーーー

・岡本公園と丸子川

岡本民家園のアジサイ

坂の多い岡本町。崖の下を崖から湧き出る湧水を集めながら丸子川が流れています。

水神橋付近と岡本公園付近では親水公園として整備されていて、美しい小川といった雰囲気になっています。数は多くありませんが、春には桜を、梅雨頃にはアジサイを楽しむことができます。

梅雨時分といえば、ホタル。かつて岡本公園では湧水を利用してホタルを飼育していましたが、廃止となってしまいました。今では園内にはザリガニがいるぐらいでしょうか。付随する民家園には入り口付近にアジサイがあり、日本の原風景を感じることができます。

  • <場所>
  • ・岡本2丁目19−1(google map

・静嘉堂文庫岩崎廟

静嘉堂文庫岩崎廟のアジサイ

岡本にある静嘉堂文庫はイギリス様式の美しい建物で、建物内には旧三菱財閥の創始者岩崎弥太郎氏の弟、弥之助、その子、小弥太によって収集された和漢の古書が収蔵されています。

この場所というか、この丘全体はかつて三菱財閥が買い上げ、所有していました。それはお墓や別荘を造るため。古代人が古墳をつくるような感覚になるでしょうか。財閥の力、恐るべしといった感じです。

で、造られたのが、岩崎家の玉川廟。設計したのは日本近代建築の父であるジョサイア・コンドル氏。これが立派な建築物で、小さな聖堂といった感じです。

この廟の周囲にはアジサイが植えられています。岩崎家の人はアジサイが好きだったのでしょうか。そのえんの事情は分かりませんが、梅雨時分には廟が彩鮮やかなアジサイに囲まれ、どこかメルヘンチックな印象を受けます。

  • <場所>
  • ・岡本2丁目23−42(google map

・次大夫堀公園

次大夫堀公園 田植えとアジサイ
田植えとアジサイ

喜多見の野川沿いに次大夫堀公園があります。かつて狛江で多摩川の水を取水し、六郷まで農業用水を供給する六郷用水が造られました。この用水を手がけたのが、小泉次大夫になります。

ここまでは普通の話なのですが、この用水は喜多見、大蔵と進み、現在の丸子川と重なります。世田谷を流れていたものの、地元ではその水を使えませんでした。ようやく使えるようになったのは完成してから100年後。その恨みつらみから世田谷では六郷用水のことを次大夫堀という呼び方をしています。

で、次大夫堀(用水)を再現したのが次大夫堀公園となり、区内にあった古民家などが集められ、かつての農村風景を再現しています。更には、用水路の横には区内唯一の田んぼも設けられています。

田んぼに水を張った様子、稲を植えて間もなくの様子は、とても美しいものです。世田谷ではかなり昔に失われてしまった風景となります。そんな田の風景と、田んぼの脇などにあるアジサイと合わせてみると、日本の原風景のようになり、懐かしさなどを感じる・・・人もいるかもしれません。

  • <場所>
  • ・喜多見5-27−14(google map
  • <詳細ページ>
  • ーーー

* ねむの木 (6~7月頃) *

・砧公園ねむの木広場

砧公園のねむの木

東名高速東京インター入り口付近に桜と広い芝生で有名な都立砧公園があります。用賀駅から続くいらか道を通り、環八を渡って公園に入ると、まず「ねむの木広場」があります。

その名の通りで、ここには大きなねむの木があります。ねむの木は豆科の植物で、初夏、6月から7月ころに開花します。筆の刷毛のようなピンク色の花を咲かせ、少し甘い香りが周囲に漂います。

なぜねむの木なのか。それは夜になると葉が閉じる習性があることに由来しています。まるで木が眠っているように見えるから、そう名付けられたようです。

大きなねむの木が大量の花をつける様子はなかなか見ごたえがあります。それに、広い空間もあるので、ちょっとだけ「この木なんの木気になる木」といった気分にもなれます。

  • <場所>
  • ・砧公園1−1(google map

* さぎ草 (7月頃) *

・九品仏浄真寺

九品仏浄真寺のさぎ草

奥沢にある九品仏浄真寺。九品仏の愛称で呼ばれているのは、9体の品を結んだ阿弥陀如来像があるから。境内には世田谷一立派な楼門、都の天然記念物となっているカヤやイチョウの大木があることで知られています。

浄真寺の境内は、かつて奥沢城だった場所です。その奥沢城には悲しい鷺草伝説が残っています。奥沢城主の娘、常盤は、飼っていた白鷺を縁に世田谷城主吉良頼康に嫁ぐものの、寵愛を一身に受けたために他の側室から妬みをかい、罠にかけられ、自害してしまいました。

伝説の地である浄真寺には、小さな池が設けられていて、常盤伝説に出てくるさぎ草が植えられています。戦国の世やサギ草伝説に思いをはせながら鑑賞してみてはどうでしょう。

  • <場所>
  • ・奥沢7丁目41−3(google map

・大蔵妙法寺

大蔵妙法寺のさぎ草

桜並木で有名な世田谷通りの大蔵団地付近は長い坂道となっています。その坂を下ると仙川があり、仙川に架かる橋から大きな大仏が見えます。これは大蔵妙法寺の回転大仏で、時間によって向きが変わるといった面白い大仏様です。境内に大きな枝垂れ桜があることでも、いや、こっちの方がよく知られているでしょうか。

妙法寺では、夏に本堂前で鷺草展が行われます。鷺草は世田谷区の花で、育て方の講習などもよく行われていますが、湿地帯に育つ植物なのでなかなか育てるのが難しいです。

ここではうまく鉢植えで育てていて、その鉢が本堂の前にずらっと並ぶ様子は圧巻です。鷺草をじっくりと見たいというなら妙法寺がお勧めです。

  • <場所>
  • ・大蔵5-12-3(google map

* 蓮、睡蓮 (7月頃~) *

・烏山高源院の弁天池(鴨池)

烏山高源院の弁天池の睡蓮

烏山寺町の一番北にある高源院には、目黒川(烏山川)の源泉となっている弁天池があります。自然の湧水によって水が蓄えられているといった環境から、烏山弁天池特別保護区に指定されています。

昭和の時代には、冬になるとカモが飛来し、越冬していたことから鴨池と親しみを込めて言われていましたが、現在では留鳥のカルガモしかいません。

池はそこそこ広く、夏になると池の大部分を睡蓮の葉が埋め尽くします。そして7月ころになると可憐な花を咲かせます。水辺の鳥や昆虫も多く、小さな生き物の様子を観察するのにもいい場所です。

  • <場所>
  • ・北烏山4丁目30−1(google map

・代田の円乗院

代田の円乗院の蓮

小田急線世田谷代田駅の南側、環七付近から北沢川緑道の桜並木とせせらぎが始まります。その始まり付近に円乗院があります。

境内には高野槇の枯木が不気味な感じで聳えています。これはアメリカ軍による空襲で焼かれたもので、代田地域の空襲の記憶をとどめようと、あえて保存されているものです。

庫裡の前には大きな鉢がたくさん並んでいます。寒い時期に訪れると、「何だろう、この鉢の大群は?」といった感じなのですが、これらは蓮の鉢です。

夏になると、大きな葉と大きな花を咲かせ、境内がさわやかな感じになります。鉢と池とで、どちらが管理がしやすいのかわかりませんが、これだけの数を管理しているのは大変なはずです。その労力にも感動してしまいました。

  • <場所>
  • ・代田2丁目17−3(google map
  • <詳細ページ>
  • ーーー

・大蔵妙法寺

大蔵妙法寺の蓮

回転大仏と大きな枝垂れ桜があることでも知られている大蔵の妙法寺は、境内に木々や花が多くあるので、季節ごとに訪れる楽しみがあります。

夏前には花菖蒲、夏には蓮が見ごろになります。といっても大きな池があるわけではなく、どちらも水を張ったプランターやバケツなどで育てられています。

これがなかなか立派な花を咲かせていて、プランターなどでもこんなに大きく、きれいに育つものなんだなと感心してしまいます。

  • <場所>
  • ・大蔵5-12-3(google map

* ひまわり (7月中旬~) *

・蘆花恒春園花の丘

芦花公園花の丘 ひまわりの花壇

真夏の花といえば、やっぱりひまわり。区内を散策していると、公園の花壇、個人宅の庭先、企業の店舗前など、あちこちで見かけ、夏らしさを感じます。

ただ、ひまわりといえば、辺り一面・・・とまではいかなくても、ある程度まとまって生えている光景に憧れます。空いた土地の多い地方ではそういったことが可能でしょうが、世田谷ではなかなか難しいこと。何とかまとまって生えているのが、蘆花恒春園(芦花公園)の花の丘になります。

年によって違うのかも知れませんが、上の写真のヒマワリは背後に写っている千歳台小学校の生徒が育てたもの。4月の終わりに植えて、7月の終わりが写真の状態。完全に子供たちの身長を越えて、大人でも張り合える人は少ない状態まで育っていました。

親と一緒に見に来たのなら、あんたよりも立派に育っているじゃない・・・などと皮肉を言われていそうです(笑)。

  • <場所>
  • ・粕谷1-20−1(google map
世田谷花ごよみ 2025年5月改訂 - 風の旅人
広告
広告
広告