世田谷の桜1 (都立公園と施設)
今まで訪れた範囲内ですが、世田谷区内にある桜の散策スポットを< 1、都立公園と施設 > < 2、区立公園 > < 3、川沿い、緑道 > < 4、町並み > < 5、お寺と神社 > < 6、桜まつり >の6つに分けて紹介しています。
世田谷には4つの都立公園があり、都内でも公園の多い地域となっています。桜が多く植えられている施設も多く、その幾つかは都内でも有名な花見スポットとして知られています。
・都立砧公園

世田谷区で一番の花見スポットをあげるなら、間違いなく都立砧公園になるでしょう。まず桜の本数が930本と多い事。そしてその桜の木の見事なこと。思わず「この木なんの木~♪」と歌いたくなってしまうほどの立派な大木が揃っています。また、桜が群生し、大きな桜の木を形成しているような様子も必見です。
それだけでも十分素晴らしいのですが、ここの良さは何といっても約25ヘクタールもある芝生です。これだけ広い芝生があれば大人数での花見もなんのその。遅い時間帯に訪れても、花見の場所に困ることはないでしょう。それでも見頃の週末には、その広い芝生が花見客で埋め尽くされてしまうからビックリしてしまいます。
このだだっ広い芝生は、実はかつてゴルフ場だった名残になります。そういった目線で見ると、ゴルフコースっぽく感じるはずです。

付け加えておくと、広い芝生と桜が多く植わっているのはファミリーパークと呼ばれる部分ですが、ここはペットの連れ込みが禁止となっています。犬などを連れて花見をする場合は気をつけて下さい。
また、公園内に駐車場がありますが、開花時期、特に週末は環八が渋滞するほど混雑します。長居する人が多いので、普段よりも回転率は悪いです。公共交通機関を利用するほうがいいかと思います。

それから、砧公園の桜といえばファミリーパークに咲くソメイヨシノの印象が強いですが、環八側の入り口付近、八季の坂路と呼ばれる場所などには他の種類の桜が植えられています。しかも早咲きの寒桜から遅咲きの里桜まであるので、ソメイヨシノにタイミングが合わなくても、公園内のどこかしらで花見を楽しむことができます。
- <場所>
- ・砧公園1−1(google map)
- <詳細ページ>
- ・都立砧公園(百景66-1)
・都立駒沢オリンピック公園

駒沢オリンピック公園は、その名の通り昭和時代の東京オリンピックに使われた会場跡を利用した公園です。広い敷地内に多くの運動施設があり、スポーツ大会やイベントが頻繁に開催されることから、一年中多くの人が訪れています。区内の公園の人気度、知名度ランキングを付けるなら、間違いなくここが一番です。
園内には桜が400本程植えられているので、春になると多くの花見客で賑わいます。一番桜が多いのは補助競技場の裏側辺りになります。ここでは芝生での花見もできますが、いかんせん桜のあるエリアが狭いので、混み合います。
おまけに、ジョギングコースとなっている通路沿いがプチ桜並木になっているので、花見をするにはちょっと落ち着かない感じです。本来であれば、桜並木の中を爽快にジョギングやウォーキングするという利用方法が、この公園での理想的な使用方法となるでしょうか。

ただ、園内全般に桜がちりばめられている感じなので、密集しているこの場所を避けて花見をするのもいいのかと思います。遊具が置いてあるリス公園辺りの桜もきれいなので、子供連れの場合はそちらの方が喜ぶかもしれません。あとは、テニスコートの周りが並木になっていたり、硬式野球場の周りにも桜が植えられています。
園内に圧巻の光景だったり、絶好の花見スポットがあるわけではありませんが、スポーツ、アニメやドラマ、様々な分野で人気の駒沢公園で花見をすることに満足感が得られる人には、楽しいい花見になるでしょう。
ちなみに、公園のすぐ裏側に駒澤大学があり、また近くに日体大などもあるので、平日の昼間でも学生を中心に花見は混み合っています。
- <場所>
- ・駒沢公園1−1(google map)
- <詳細ページ>
- ・駒沢オリンピック公園(百景88)
都立蘆花恒春園 花の丘

難しい名称が付けられた公園ですが、ここで暮らしていた大正期の文豪、徳富蘆花にちなんだ都立公園です。無料の徳富蘆花資料館や旧宅を保存した蘆花恒春園エリアと、花壇が設置されて花いっぱいの花の丘エリアと、その他の公園らしいエリアに分かれていて、一般的には芦花公園という名で親しまれています。
ここの特徴は、花の丘に並ぶ「高遠コヒガン桜」です。その名前の通り、桜の名勝で有名な高遠から送られたもので、ピンクの色がとてもきれいな桜です。その他ヨーコー桜、カンザン桜、次郎桜など変わった種類の桜も植えられています。ちなみに、この高遠コヒガン桜は普通のソメイヨシノよりも1週間程度早く咲きます。

この花の丘には、ボランティアの人達が管理する花壇が幾つも設置されていて、年中美しい花を見ることができます。桜の時期なら菜の花やパンジーなどがきれいに花を咲かせています。チューリップは年によって咲いていることもあるといった感じでしょうか。
ここでの花見は、上に桜、目の前に色鮮やかな花壇の花や菜の花といった感じで、とっても贅沢なものです。更には、毎月第一日曜日にボランティアの方によって花の丘フェスタが行われていて、4月の第一土曜、日曜には高遠コヒガン桜まつりも行われます。
- <場所>
- ・粕谷1-20−1(google map)
- <詳細ページ>
- ・都立蘆花恒春園 花の丘(風景1-31)
- ・都立蘆花恒春園(百景39)
都立祖師谷公園

成城の北側、上祖師谷の仙川沿いに都立祖師谷公園があります。昭和50年に開園と比較的新しいことや、大通りに面していなかったり、駅から遠いといった立地的にも他の都立公園よりも地味な存在となるでしょうか。
ここも100本以上の桜が植わっています。桜は公園内を流れる仙川沿いを中心に植えられていて、近年では芝生広場の方にも少し植樹されたので、花見がしやすいようになりました。

ここの桜(仙川の西側)は「里帰りの桜」として知られています。明治45年に東京市長よりワシントン市に桜が贈られ、その桜はポトマック公園に植えられました。今では世界的な桜の名所となっていますが、その桜の実生より苗木が育てられ、寄贈されたのがここの桜になります。
また仙川沿いに設置されているテラス広場では、4月第一日曜日頃に祖師谷公園さくらフェスといった音楽と出店を中心としたイベントも行われます。
- <場所>
- ・上祖師谷3-22−19(google map)
- <詳細ページ>
- ・都立祖師谷公園(風景2-21)
JRA馬事公苑

世田谷通りの東京農大のある付近に、昭和、令和と2度の東京オリンピックで馬術競技に使われた施設、馬事公苑があります。ここはJRA(日本中央競馬会)が管轄している馬術に関する施設になりますが、広々とした園内は一般にも開放されています。
でも、馬術施設ばかりが並んでいて、馬に興味のない人が訪れても面白くないのでは・・・。そう思われがちですが、子供の遊び場や広々とした芝生広場、木々の生い茂る林などがあり、普通の公園のように使えます。ただ、入園時間が9時~17時で、ペットの入園不可などといった制約が幾つかあります。



2020年(2021年)の東京オリンピックを機に施設全体の改修工事が行われ、以前とは全く違う施設の配置になりました。新しくなってから訪れたことがないので、以前と比べてどうなのか分かりませんが、馬事公苑には桜が多く植えられていて、桜のスポットとして名が知られています。
敷地内に植えられている桜の本数は約500本と多く、しかも桜の種類が早咲きの河津桜(まだ若いけど)、ソメイヨシノ、枝垂れ桜、遅咲きの八重桜と多く、3月初めから4月下旬ぐらいまで楽しむことができます。私の中では砧公園に次ぐ桜スポットとなっています。
ただ、ここは駅から遠いので、どちらかというと地元の人が自転車で訪れる憩いの場所的な感じになるでしょうか。家族連れや子ども連れのお母さん方の姿をよく見かけます。

馬事公苑の一番の特徴というか、馬事公苑ならではとなるのは、園内に馬がいることでしょうか。実際に馬と触れ合うことはできませんが、放牧場でくつろいでいる様子を眺めることが出来たり、休日は馬術大会が行われていたり、平日でも学生などが桜の咲く園内で馬術の練習をしていたりします。
以前は桜まつりが開催され、その時には桜の木の下を通る馬車が運行されたり、体験乗馬、馬のアトラクションが公開されたりして、多くの家族連れで賑わっていました。事情は分かりませんが、東京オリンピック後は行われていないような感じです。
- <場所>
- ・上用賀2-1−1(google map)
- <詳細ページ>
- ・JRA馬事公苑(百景85)
JRA弦巻公園

馬事公苑の東側、JRAの社宅が並ぶエリアにJRA弦巻公園があります。この公園付近が蛇崩川の水源となっているようですが、いまいちはっきりしません。
この弦巻公園はよくある団地内にある遊具の置いてある公園といった感じで、馬事公苑のように馬と親しめる公園ではありませんが、敷地内に桜が何本か咲いていて、くつろぐにはいい感じの広場になっています。あまり人がいない公園なので、静かに花見ができる穴場になっているかもしれません。
- <場所>
- ・弦巻5-31(google map)
- <詳細ページ>
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・自衛隊三宿駐屯地 (2025年3月29日 土曜 11時~16時)

世田谷公園のある池尻、そして隣接する三宿、太子堂1丁目は、かつて兵隊村と呼ばれていたほど軍事施設の多い地域でした。広々とした世田谷公園も駒沢練兵場跡地を利用して整備されました。
その世田谷公園の東隣には、その名残と言うべき自衛隊の三宿駐屯地が残っています。近年のお洒落な三宿のイメージからすると、自衛隊の基地は無粋な感じもしますが、ここはバリバリの兵隊が軍事訓練などを行う施設ではなく、衛生学校、衛生教導隊、自衛隊中央病院、対特殊武器衛生隊、開発実験団(部隊医学実験隊)といった後方支援をするような基地となります。

この駐屯地の中には立派な桜並木があります。とはいえ、自衛隊の施設なので、普段は入ることができません。しかし、決められた週末に通り抜けといった形で桜並木を眺めることができます。警備の兵隊さんに見守られながらの花見もまた変わっていていいかもしれません。
ただ、早い時期に日程が決められるので、年によっては頭上が寂しい状態での通り抜けとなってしまうことがあります。
- <場所>
- ・池尻1-2−24(google map)
- <詳細ページ>
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・駒澤大学 深沢キャンパスの庭園 <2025年は改装工事のため中止>

駒澤大学といえば、駒沢オリンピック公園の隣にあることで知られていますが、多摩川沿いの宇奈根などにも校舎があります。そして、近年では駒沢公園通り沿いに新しく深沢キャンパスができました。
この深沢キャンパスは、かつて三越の迎賓館だった場所です。道路沿いの大きなビルは新しく建てられたものですが、奥にある迎賓館として使われていた建物や和室、庭園は残されていて、桜の時期に庭園が一般に開放され、無料で見学することが可能です。
桜は庭園の丘の部分に固まってあるといった感じです。感動的な風景かと問われると、返答に困ってしまいますが、桜をきっかけに訪れてみたい場所になるでしょうか。ちなみに秋の紅葉時にも公開されているようです。
- <場所>
- ・深沢6-8−18(google map)
- <詳細ページ>
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・NHK放送技術研究所

大蔵や砧付近の世田谷通り沿いに、NHK放送技術研究所(通称、NHK技研)の大きなビルがあります。昭和5年に放送用機材の技術開発を目的として設立された組織で、毎年5月下旬に研究成果を一般に公開する「技研公開」を行っていて、その時には多くの人が訪れ、賑わいます。
ちなみにいうと、比較的近くにTMC(東京メディアシティー)や東宝撮影所もあるので、環八から成城にかけての世田谷通りは撮影スタジオメッカとなっています。成城や大蔵、砧に芸能人が多く暮らしているのは、その為です。

ここNHK技研の凄いのは、ビルの周囲が遊歩道となっていて、桜並木になっていたり、芝生広場になっていたりするところです。
桜の本数もビルの周囲全て合わせると100本近くになるかもしれません。散策してもよし、お花見をしてもよし、ベンチや芝生でくつろいでもよしと、その辺の公園よりも快適に過ごせてしまうかもしれません。さすが金満企業のやることは違うなといったところでしょうか。
- <場所>
- ・砧1-10−11(google map)
- <詳細ページ>
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・砧小学校の百年桜

砧小学校の校庭には樹齢百年以上になる一対のソメイヨシノがあり、砧小学校の百年桜としてせたがや百景にも選ばれています。桜の老木が見守る小学校というのはいいですね。きっと卒業生には小学校時代のいい思い出になっている事でしょう。
しかしながら、小学校の校庭にあるので基本的には非公開の桜となります。ただ、学校が休みの春休みの期間には校庭解放日があったり、場合によっては正門のインターホンで許可を取れば見学することができるかもしれません。
桜の方は校庭の隅にドカッと佇んでいます。百年の貫禄といったところでしょうか。でも近年ではすっかり根が弱っているようで、色々と保護の対策が取られています。
現在、大蔵団地の建て替えとともに周辺人口の増加も見込まれ、建て替えの計画中です。桜はそのまま残されるようなので、今後も砧小学校のシンボルとして、子供たちを見守ってほしいものです。
- <場所>
- ・喜多見6-9−1(google map)
- <詳細ページ>
- ・砧小学校の百年桜(百景62)
・関東中央病院

旧登戸道を整備した世田谷通り。その環八と馬事公苑の間に総合病院として知られる関東中央病院があります。公立学校共済組合設置の病院で、昭和28年に設立されました。馬事公苑に近いことから区民祭りでは血圧測定のブースなどを設置していたりします。
この関東中央病院の横の道は西用賀通りといい、1kmにもわたって桜並木が続いています。その始発点というか、終着点が関東中央病院となり、世田谷通りに面した部分にある小山のような広場には多くの桜が植えられています。
南向きの斜面に多くの桜が植えられているので、日当たりもよく、よく青空に生える桜です。診察に来た方や入院中の患者さん達が散歩がてらよく桜の下を歩いています。公園のようなスペースとなっていますが、病院の敷地内なので、時間外には閉鎖されていたり、犬の散歩は禁止となっています。
- <場所>
- ・上用賀6-25−1(google map)
- <詳細ページ>
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・八幡山団地

高級住宅街と桜並木。歴史をさかのぼれば世田谷発祥の景観となり、ある意味世田谷の象徴的な町の風景になるでしょうか。その傾向は団地でも見られ、百景に選ばれている大蔵団地を筆頭に多くの団地に桜が植えられています。
ただ、団地は住居地であって公道と私道の区分が微妙なところで、一般の人が入れる団地と入れない団地があります。
ここ八幡山の団地はせたがや花マップにも載っているし、桜の時期には団地内の公園で八幡山地区さくらまつりも行っていたので(現在は行われていない模様)、紹介してもいいかなと載せています。
八幡山団地は八幡山の駅の南口から続く団地で、環八にあるドンキホーテなどのすぐ裏になります。団地内を南北に通る道沿いには桜が植えられています。北側にある小公園にも桜が植えられていて、ここでさくらまつりが行われていました。
- <場所>
- ・八幡山3丁目37(google map)
- <詳細ページ>
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・祖師谷団地と祖師谷ふれあい遊歩道

ウルトラマン商店街で知られる祖師谷大蔵駅の北口の商店街を進んでいくと、店が途切れて木々が植わっている広場があります。ここは祖師谷ふれあい遊歩道で、春にはちょっとした桜並木になります。
商店街の延長上にある桜並木ということで、桜の時期にはここで商店街による昇進会さくらまつりが行われます。

ふれあい遊歩道の裏側には、祖師谷団地が広がっています。祖師谷団地は、昭和30年~31年にかけて建設されました。敷地面積約7.8ha。全36棟。総戸数1,020戸という大規模な団地です。
特徴的なのは、建物と建物の間に桜が植えられていて、団地内にある中央公園、中央北公園には、多くの桜が植えられていることです。桜だらけの団地といった感じです。
現在では団地の建て替えの計画が進んでいます。ふれあい遊歩道や公園は公団の所有地なので、どう整備されるのかわかりませんが、今後とも桜の多い風景が残るといいですね。
- <場所>
- ・祖師谷2丁目5(google map)
- <詳細ページ>
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