世田谷を楽しもう! 風の旅人 世田谷散策記

世田谷の観光10選

「旅とは日常からの脱出である!」ということで、世田谷を散策ではなく、観光したいという人は遠方の人や世田谷とあまり接点のない人になります。

区内や近隣に住む人にはあまり関心がなかったり、普通だったりベタな場所でも、他の地域から来た人は色々と物珍しく感じるものです。

ここでは観光に訪れる人やあるいは遠方からの来客を連れていくのにおすすめの観光スポットを10カ所ほど紹介しています。

広告

* 世田谷の観光10選 *

1、彦根藩井伊家菩提寺、豪徳寺と招き猫

豪徳寺の招き猫

世田谷の観光名所は・・・と考えなければならなかったのは昔の話。NHK大河ドラマ篤姫から始まり、度々井伊家の菩提寺として豪徳寺が紹介されたので、全国的に知名度が向上し、世田谷を代表する観光地となりました。

また、今では空前の猫ブーム。寺に伝わる招き猫の伝説や大量の招き猫が奉納されている様子はすっかりとおなじみの風景となり、招き猫の聖地としても知られるようになりました。

歴史やお寺に興味のない人も多く訪れるようになり、また観光地らしく豪徳寺のキャラクター「たまにゃん」と一緒に写真を撮っている人も多いです。

招き猫は社務所で売られていて、お土産に買っていく人もいます。食べれる招き猫、招福最中も経堂の亀屋さんで売られているので、おいしい招き猫のほうがいいという方はそちらのほうをお求めになるといいです。

招き猫が有名になり過ぎましたが、豪徳寺は由緒ある彦根藩主井伊家の菩提寺というのが本筋です。奥にある墓地の一画は国指定史跡の井伊家墓所があり、並ぶ墓石の中には歴史的に有名な大老井伊直弼の墓もあります。

その他、大名家の菩提寺らしく重厚な建物が整然と並ぶ境内の雰囲気は良く、文化財も多くあり、特に紅葉の時期の境内の素晴らしさは必見です。

また、豪徳寺は世田谷城の一部だったのではと言われています。すぐ近くには世田谷城址公園もありますので、併せて立ち寄ってみるといいでしょう。特に何があるといったわけではありませんが、世田谷城を訪れたぞ!といった幾ばくの満足感は得られるかと思います。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.21

2、ボロ市と世田谷代官屋敷

世田谷ボロ市の様子

冬の風物詩として知られる世田谷ボロ市。今では区外からの来訪者も多くなりました。

やっぱり世田谷を代表する行事といえばボロ市です。開催日となっている12月15、16日と1月15、16日に都合がつくのなら、ぜひ訪れてほしいイベントです。

ボロ市が開催されるボロ市通りには立派な門のある世田谷代官屋敷があります。大名領の代官屋敷としては都内唯一のもので、国の重要文化財に指定されています。現在では同じ敷地にある世田谷区立郷土資料館とともに無料で一般に公開されています。

実際のところ代官屋敷と言っても上流民家を改造したものなので、普通の古民家といった感じです。現在の様子からは想像しにくいのですが、昔の世田谷は人の少ない農村でした。そういった世田谷の昔の様子なども郷土資料館で見ることができます。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.23

3、成城住宅地と猪俣邸など

成城の住宅地

世田谷といえば成城。なんていうか、成城のメディアへの露出度の高さ、そして他の地域の人々の成城の関心度の高さには驚いてしまいます。

地方の人から見れば憧れの地といった感じで、何かと気になる存在のようです。そのため世田谷を訪れた時に成城に行けるなら行ってみたいという人も多いです。

成城の街並みを散策しても楽しいと思いますが、実際に家の中、あるいは庭まで訪れることができ場所があります。世田谷トラストが公開している(猪俣邸、旧山田邸)、こもれびの庭市民緑地などがそうです。

成城の豪邸、せっかくなので訪れてみましょう。著名人や俳優のような気分になれるかも・・・しれません。もし都合がつけば春がお勧めです。森山朔太郎氏のさくらのモデルになった桜並木と成城の雰囲気のいい町並みの共演を楽しむことができます。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.54

4、サザエさんの町桜新町と長谷川町子美術館

長谷川町子美術館のサザエさんたち

国民的アニメ、サザエさん。そのモデルになったのは作者である長谷川町子氏が暮らした田園都市線桜新町駅周辺です。

駅前の通りにはサザエさん一家の銅像が置かれていて(一時期高額税金や波平の髪の毛が折られたりして話題になったやつ)、商店街にもパネルが設置されたり、シャッターなどに絵が描かれたりと町をあげてサザエさんの雰囲気を作っています。

原作者の長谷川町子氏は国民栄誉賞を受賞された人物です。その功績やサザエさんの原画、自身が収集した美術品などを展示してある長谷川町子美術館もあります。

駅前通りを歩行者天国にして行われる春の桜まつりと秋のねぶたでは桜新町がとても賑わいます。サザエさん一家もイベントに登場し、活躍するのでイベントに合わせて訪れてみるのもいいかと思います。

<詳細・関連ページ> せたがや散策プラスNo.18

5、キャロットタワー展望台と三軒茶屋界隈

キャロットタワーの展望台からの眺める富士山

単独で訪れるなら都庁や東京タワーなどを訪れたほうがいいかもしれませんが、世田谷線沿線の観光をするならぜひ立ち寄って欲しいのが、三軒茶屋駅にあるキャロットタワーです。

ここの展望台は無料で解放されていて、西側、多摩川や富士山の方の眺望が開けています。空気の澄んだ晴れた日には富士山も見ることができます。天上の人となって世田谷を見下ろせる場所といった感じでしょうか。

北側の都庁方面はエレベーター付近の窓から何とか見えるといった感じで、東側の都心部方面は主にレストランになっています。食事をしながら東京の夜景などを眺めるのもいい思い出になるかと思います。

また三軒茶屋界隈は、表通りは賑やかで、おしゃれな店も多いですが、一つ路地を入るとそこはカオスの世界。ごちゃごちゃとした昭和の世界です。路地が入り組み、飲食店関係の店が建ち並び、懐かしき昭和の東京といった雰囲気を求めるならこの界隈です。

<詳細・関連ページ> せたがや散策プラスNo.5

広告

6、都立駒沢オリンピック公園

駒沢オリンピック公園

多くの魅力的な公園がある世田谷ですが、その中でも別格なのが都立駒沢オリンピック公園です。

名前の通り昭和39年のオリンピックの会場となった公園で、オリンピックのために国が威信をかけて造っただけあってお金の掛け方が違います。綿密に計算された樹木の配置などはまるで大きな箱庭といった感じです。

施設は老朽化してきたので建て替えが進んでいますが、オリンピック記念塔や聖火台は当時のまま。体育館の中にはオリンピック関係のものを展示しているオリンピックギャラリーもあります。

年配の方にとっては東京オリンピックの思い出の地ですが、若い人にはバスケットやスケートボードなどといったストリートスポーツの聖地になります。またドラマなどのロケ地としてもよく使われ、その登場場面に憧れる人も多いです。

スポーツの大会だけではなく、東京ラーメンショウなどといった大きなイベントも行われることから区外の人にとっての認知度も高く、様々な世代の人が一度は訪れてみたいといった人気の公園となっています。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.88

7、松陰神社

松陰神社

名前の通り吉田松陰が祀られている神社で、実際に境内の奥に松陰や志士の墓があります。境内には墓域のほか、有名な松下村塾も再現されていたり、伊藤博文などが寄進した石灯籠が並んでいたりします。

山口に所縁のある人や受験生以外でそこまで吉田松陰に興味を示す人は多くなかったのですが、吉田松陰の妹を描いたNHKの大河ドラマ花燃ゆで注目を集め、参拝客もえらく増えました。世田谷の中でも観光地ランキングも上昇中といった感じです。

秋には神社と商店街で幕末維新祭りが行われ、維新志士のパレードや寸劇など幕末に関する祭りが華やかに行われます。この時は区外からも多くの歴史好きや観光客が訪れています。

ちなみに吉田松陰が処刑されたのは安政の大獄。それを行ったのが大老井伊直弼で、あまり離れていない豪徳寺に墓があります。そういった対比も面白く、一緒に訪れる人も多いです。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.18

8、静嘉堂文庫と五島美術館

静嘉堂文庫

世田谷の隠れ人気スポットが岡本にある静嘉堂文庫と上野毛にある五島美術館です。

静嘉堂文庫は三菱財閥の収蔵品を展示した静嘉堂美術館を持ち、五島美術館は東急の創始者五島慶太氏の収蔵品を展示しています。どちらも財閥らしく、多くの貴重な収蔵品を所蔵し、世間に名の知れた国宝を何点も所有しています。

入場料がそこそこするし、区内にいるといつでも行けるといった感じであまり関心がありませんが、地方から出てきた人、特に茶道に興味のある人にはこの機会に行っておきたいといった場所となるようです。

ただどちらも小さな美術館なのでお目当ての国宝がいつも展示されているとは限りません。事前に展示物を確認して訪れる必要があります。

五島美術館の方は崖に広がる立派な庭園があり、四季の花、紅葉も楽しむことができます。静嘉堂の方はイギリス式の建物やジョサイア・コンドル設計の岩崎家玉川廟といった建物も見ごたえあります。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.73(静嘉堂文庫) せたがや百景No.91(五島美術館)

9、二子玉川界隈

多摩川と二子玉川のビル群

再開発によってメディアの露出が増え、人気急上昇中の二子玉川です。今後は地方から上京してきた人の訪れてみたい町の一つになっていくのではと思ったりもします。

二子玉川は昔からある玉川高島屋、そして新しくできたライズショッピングセンターといった商業施設を中心としたショッピングの町です。それと同時に新しくできた二子玉川公園、そして昔から多摩川河川敷にある兵庫島公園と開放感のある憩いの場も多い地域です。

新しくできた町とか、ショッピングの町といったイメージを持つかもしれませんが、実は江戸時代から世田谷一の観光地でした。多摩川でのアユ料理や屋台船、川遊びは有名で、電車が開通したのちには多くの観光客が都心からどっと押し寄せたほどです。

昭和時代には二子玉川園といった遊園地があり、閉園後には日本初のゲームメーカーが運営するテーマパーク、ナムコワンダーエッグもありました。

今も昔も世田谷の随一の歓楽街二子玉川。トレンドを追いかけてショッピングをするのにも、川や公園でのんびりと過ごすのにも最適な町だと思います。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.80

10、九品仏浄真寺

九品仏浄真寺

九品仏浄真寺は世田谷区内では規模が大きく、特徴的なお寺なのですが、地域を広げてみると、少し大きなお寺といった感じになるでしょうか。

ここの特徴は、奥沢城跡を利用して造られた境内が少し変わった俯瞰をしていることと、九品仏の名となっている9体の品を結んだ阿弥陀如来像があること、そして世田谷一立派な楼門があることです。

大きな大仏様がたくさんある風景というのは都内ではあまりないので、外国人を連れて来ると喜びそうなスポットとなるでしょうか。

境内には都の天然記念物となっているカヤとイチョウの大木をはじめ、銀杏やモミジも多く植えられていて、紅葉の時期の美しさは豪徳寺に並ぶものがあります。

また3年ごとに行われるお面かぶり(二十五菩薩来迎会)は東京都の無形民俗文化財に指定されていて、区外から多くの人が訪れます。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.98-2

11、番外、その他

等々力渓谷

この他、都会の人工的な渓谷を見てみたいといった方には等々力渓谷、古墳が好きな方には野毛町公園などもお勧めですが、散策ならともかく、観光で世田谷にそういった期待を抱いて訪れる人はかなり少数だと思います。

祖師ヶ谷大蔵のウルトラマン商店街も様々なウルトラマンが商店街に散りばめられていて桜新町同様に面白いスポットですが、何かメインとなる展示館みたいなものが欲しいところでしょうか。

桜の時期なら都立砧公園JRA馬事公苑、文学などが好きな人は文豪徳富蘆花ゆかりの都立蘆花恒春園(芦花公園)世田谷文学館賀川豊彦記念館もお勧めです。

意外な穴場として世田谷の大地主秋山邸を訪れるというのも話のネタにはいいかもしれません。

<世田谷散策記 世田谷の観光10選 2018年11月改訂>

広告

*****   その他   *****

広告

広告