世田谷散策記 せたがや百景のバーナー
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せたがや百景 No.85

馬事公苑界わい

東京オリンピックの馬術競技の会場になったことで有名。背の高いケヤキ並木をくぐって入る苑内は広大で、多くの樹木や草花が季節をいろどる。雑木林を散策するとかつての武蔵野の姿が思い浮かぶ。ケヤキ並木の道は広場として整備され、また一つ魅力を加えた。(せたがや百景公式紹介文の引用)

・場所 : 上用賀2-1
・備考 : JRA(日本中央競馬協会)の管理する公園。5月3~5日のホースショウ、9月23日の愛馬の日はJRAが主催する大きなイベントです。春には桜祭り、8月には区が主催する区民祭なども開かれます。

*** 馬事公苑の写真 ***

* 馬事公苑前けやき広場 *

馬事公苑前けやき広場の写真
馬事公苑前のケヤキ並木

参道みたいな感じです。

馬事公苑前けやき広場の写真
紅葉時のケヤキ並木内

秋には紅葉と、落ち葉が凄いです。

馬事公苑前けやき広場の写真
イベント時のケヤキ並木

風船の簡易アーチが設置されることが多いです。

* 馬事公苑の施設など *

馬事公苑の施設などの写真
馬事公苑入り口

ケヤキ並木の先にある正面入り口です。

馬事公苑の施設などの写真
馬の像と管理棟

売店もあります。

馬事公苑の施設などの写真
馬車型の置物と里桜

普通の公園と違って整然としています。

馬事公苑の施設などの写真
馬事公苑三訓の碑

初代馬事公苑苑長だった山本寛氏の言葉です。

馬事公苑の施設などの写真
メインアリーナ

練習や馬術大会に使用されます。

馬事公苑の施設などの写真
馬術大会

週末に行われていたりします。

馬事公苑の施設などの写真
練習風景

大会などのない日は練習が行われています。

馬事公苑の施設などの写真
公苑内の一コマ

こういった光景は日常です。

馬事公苑の施設などの写真
オリンピック記念碑

なぜか石垣です。

馬事公苑の施設などの写真
愛馬の碑

供養のためのものです。

馬事公苑の施設などの写真
日本庭園

ヒョウタン型の池を中心にした庭園です。

馬事公苑の施設などの写真
日本庭園の枝垂れ桜

園内には色んな種類の桜の木があります。

馬事公苑の施設などの写真
菖蒲池の枝垂れ桜

枝垂れ桜が美しい池です。

馬事公苑の施設などの写真
桜広場

こういった子供の遊べる広場が幾つかあります。

馬事公苑の施設などの写真
ふれあい広場

花見客が多い広場です。

馬事公苑の施設などの写真
ふれあい広場前の桜のトンネル

里桜のトンネルができます。

馬事公苑の施設などの写真
芝のターフと桜
馬事公苑の施設などの写真
ダートの走路と桜
馬事公苑の施設などの写真
秋の放牧場と馬

紅葉時も趣があっていいです。

馬事公苑の施設などの写真
馬車の駅

イベントの時に使われます。

馬事公苑の施設などの写真
馬車道の桜のトンネル

圧巻の光景です。

馬事公苑の施設などの写真
同じく秋の様子

秋もいいですね。

馬事公苑の施設などの写真
武蔵野自然林

かつての原生林といった感じです。

馬事公苑の施設などの写真
お花畑

ガーデンといった場所で温室もあります。

* 馬事公苑について *

馬事公苑というのはご存じでしょうか。その存在は知っていても、「特別な時以外一般の人が入れない競馬の施設なのでしょ」とか、「入るのに面倒な手続きや入場料があったりするのでしょ」とか、「入っても馬に興味がないと面白くないんじゃないの」と思っている人も多いようです。

実際、区内にある大きな公園は都立だったり、区立だったりするのですが、この馬事公苑は名前の通り馬事に関わる公園という事で、JRA(日本中央競馬会)所有の公園というか、正式には馬術競技場です。とはいっても現在は特別な事がない限り開園時間は誰でも気軽に入る事ができ、また馬術競技が行われている時にも誰でも観覧する事ができます。とりわけ世田谷区との関わりでいうなら次の項目のふるさと世田谷区民まつりはこの馬事公苑で開催されるので、その機会に馬事公苑の存在を知ったという方も多いかと思います。

ちなみに馬事公苑の「苑」の字ですが、「園」は植物のある庭という意味で、「苑」は動物のいる庭という意味がある事から「苑」の字が開苑当時から使われています。もっとも新宿御苑、皇居の東御苑などにも使われているので、ありきたりの公園ではないとか、格式の高さといった意味合いも込められているようです。

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世田谷通りの農大付近、農大と道を挟むような感じで用賀側に馬事公苑があります。この付近は世田谷通りを挟んで行政区分が玉川地区と世田谷地区とに分かれていて、実際に町並みもかなり異なっています。道が狭くてごちゃごちゃしている事から配達員泣かせと言われる世田谷ですが、玉川地区にあたる馬事公苑側の用賀(上用賀)地域は碁盤の目状に区画がきれいに整備されていて、しかも道幅も広く、配達の人にとって楽ちん仕様になっています。

これは昭和の初めに玉川村の豊田村長が推し進めた玉川全円耕地整理事業という大事業のたまもので(玉川神社の項を参照)、ここから田園調布の辺りまできれいに整備された区画がずっと続いています。馬事公苑があるのはその一番北の端という事になります。

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馬事公苑のある用賀地域には駅から世田谷通りの間までに用賀一条通りから用賀十条通りまでと10筋の通りが設けられています。まるで京都のような感じですが、これも碁盤の目状の区画整備の賜なのです。その用賀七条通りから北、用賀中町通りの東の上用賀二丁目の大部分が馬事公苑の敷地となっています。

これだけの広大な敷地は一体どのようにしてできたのでしょうか。これは先に書いた玉川全円耕地整理事業と深く関わってきます。この事業は玉川村をあげての大事業でありながら、都や国の援助を受けていませんでした。それに田園調布や成城などと違って企業が整地して売る出すといった類のものでもありません。ですから資金繰りには困っていました。

ちょうどその時に帝国競馬協会が広大な敷地を要する馬事施設を建設するための土地を探していて、用賀地区のこの土地(5万坪)を30万円で購入したという経緯があります。それが昭和9年の事で、おかげで用賀地区の区画整備は他の地域よりも早く昭和13~14年頃には完成しました。

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そもそもこの時期になぜ馬事公苑が必要だったのか。当時日本には総合的な馬事施設がなく、関係者の間で人材の育成や馬事競技が行える施設の建設が望まれていました。そして昭和8年12月23日に御誕生になった皇太子殿下(平成天皇)の奉祝記念行事として一大馬事施設の建設計画を立て、翌年に決議されました。当時はまだ軍隊で馬の需要が多くあった時代であり、軍事、特に富国強兵に直結する事はスムーズに決議された時代でした。

昭和11年になると少し事情が異なってきて、第十二回オリンピックが東京で開催されることが決まりました。その事によって東隣に1万5千坪の敷地をすぐに追加で購入しました。現在JRAの社宅などとして使われている区画です。昭和11年12月に帝国競馬協会が解散し、日本競馬会が設立され、馬事公苑の建設は日本競馬会に引きつがれる事になります。しかしながら支那事変などの政情により、昭和13年にはやむなくオリンピックの開催地を返上するなど、ゴタゴタが続くことになります。

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昭和12年に始まった支那事変(日中戦争)によって建築資材の不足や制約によって施設の建設は滞ってしまいました。馬ごときに構ってられないといった感じだったのでしょうが、逆に戦時中に馬事公苑(馬事訓練施設)の重要性が認識される事となりました。それは戦時中に大量の馬を投入するものの、馬を正しく管理できる人材の不足が露呈してうまく機能しなかったからです。

滞っていた馬事公苑の建設は昭和14年3月にようやく着手され、昭和15年9月に開苑となります。支那事変が一段落するとその教訓を生かして馬事公苑の設備や教育システムが整備されました。その後第二次世界大戦に突入すると競馬や馬術どころではなくなり、馬事公苑は修錬場と改称され、補給部隊である輓馬機動隊の部隊事務所として使われる事となります。

さすがに飛行機や戦車といった内燃機関を使用した近代兵器が第一線で使われる時代となってしまい、馬を使った騎兵隊や騎馬隊が活躍する時代は終わってしまったので、後方支援や荷物運びが中心でした。

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敗戦後はそのまま輓馬事業本部となり復興のための補給部隊の本部として使われました。それと同時に進駐軍の娯楽としての乗馬場としても使われたようです。 戦後の混乱が一段落した昭和23年には競馬法の改正により、全ての競馬は国営、公営の形態となりました。馬事公苑も日本競馬会から農林省東京競馬事務所の管轄となります。

その後、朝鮮特需を経て経済的にも安定した昭和29年には再び民営化され、特殊法人日本中央競馬会が発足。そして大戦中に改称された馬事公苑の名前も復活します。昭和34年には再び東京でオリンピックが行われる事が決まります。それにより馬事公苑の施設の再点検が行われ、国際規格に適した設備に造り替えられました。

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馬事公苑といえばなんと言っても東京オリンピックでしょうか。東京オリンピックはご存じ第18回オリンピック東京大会の事で、昭和39年に開催されました。その時に馬術競技が行われた会場がこの馬事公苑だったというのは広く知られている事です。駒沢競技場と並んで世界的な大会であるオリンピックの行われた会場が世田谷区に2つもあるのは誇らしい事です。

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しかしながらよくよく当時の記録を見ると、馬事公苑では9月15日から11月5日の間、馬術に関わる競技や練習に使われたようなのですが、実際にここで公式な競技として開催されたのは意外にも大賞典馬場馬術競技だけだったようです。馬術に関わる大半の事がここで行われていたとばっかり思っていたのでこれにはちょっとビックリしました。

馬事公苑以外では軽井沢総合馬術競技場、国立競技場、近代五種は千葉の東京大学検見川総合運動場で行われたようです。もっとも現在も当時も一緒なのですが、馬術に関わる競技自体が総合馬術、大賞典馬場馬術、大賞典飛越馬術、近代五種と少ないのでこんなものなのでしょうか。

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当時の面影を捜すのは難しいのですが、オリンピック開催を記念してオリンピック記念碑というものが敷地内に建てられています。ただ・・・、かなり微妙な存在です。この碑を目的に歩いていないと、たぶん通り過ぎてしまうと思います。正直感想に困ってしまうような何の変哲のない石垣といった感じです。

一応詳しく書くなら昭和38年に新橋に日本中央競馬会本部事務所を建築する際に地中から江戸城の外堀の石垣が出てきて、これを馬事公苑に運び、滋賀県の石工に頼んで石垣にしてもらったものだそうです。でもやっぱりオリンピックの碑が単なる石垣って・・・といった感想です。

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次の2020年の東京オリンピックはどうなのでしょう。2016年の招致の時もそうだったのですが、コンパクトなオリンピックを目指すということで、多くの競技が行われる東京湾のベイゾーンに新しく馬術施設を造る計画になっていました。

2020年の招致が決まった際の計画でも馬事公苑は構想外になっていて、まあきっと練習には使われるだろうから練習風景でも見に行こうかなと思っていたのですが、予算削減のため新しい会場を建設しない事となり、馬事公苑で馬術競技が開催される運びになりました。世田谷でもオリンピックが行われるとはうれしい限りです。きっと馬事公苑縁の天皇陛下もご観覧にいらっしゃるのではないでしょうか。オリンピックに向けて楽しみが増えました。

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近年の馬事公苑はというと、周辺の宅地化が進み、周りには高層マンションも建ち並んでいます。設立当時ののどかな農村風景は完全になくなってしまい、馬事公苑自体が都会のオアシス的存在となってしまいました。その事により市民の憩いの場所的な役割が大きくなり、入園者が増加していきました。

また都心に近い数少ない馬術場という事で多くの大会やイベントが開かれるようになり、本来の存在意義であった騎手講習生や競馬に携わる人材の訓練に専念できる環境ではなくなってしまいました。そういったわけで馬事公苑の二大方針の一つである騎手育成業務は中山競馬場の競馬学校へ移管されました。そしてもう一つの乗馬普及と馬術指導に力が入れられるようになりました。ですから乗馬などの馬事に関わる事の普及と市民の憩いのために普段でも自由に入園できるようになっているといったわけです。

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世田谷通りから馬事公苑までの間はとても立派なケヤキ並木になっています。現在は世田谷区のけやき広場になっていますが、ケヤキ並木の入り口に馬事公苑の碑が建てられている事から昔は馬事公苑への参道といった感じになっていたのではないでしょうか。

今では広場と名付けられているのもあって車などの通行ができないようになっていて、ケヤキに囲まれたとても雰囲気のいい空間となっています。特に秋の紅葉時は美しく、感動的です。またこの広場を使って園芸市やガーデニングフェアー、地酒や陶器市などが行われ、その際には出店が広場に並びます。

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公苑内はケヤキ並木にある正門と弦巻の方にある弦巻門から入れますが、自転車の通り抜けはできないようになっているので、自転車の場合は正門から入る事になります。正門を入ると左にガードマン詰め所があり、ペット連れ等問題のある場合は注意されます。そして駐輪場があり、自転車の場合はここに停めます。子供用の椅子がついた自転車がずらっと並んでいることから、子供連れのお母さんが多いことが伺えます。

自転車置き場の反対側には三つの苑訓の碑が建てられています。この訓は初代馬事公苑苑長である山本寛氏の言葉です。「騎道作興(きどうさっこう)」とは、誠実・まごころを以って騎道を作興(盛んにする・ふるいおこす)すること。「百練自得(ひゃくれんじとく)」とは、努力して100回練習(又は人の100倍練習)して自分のものに会得すること。「人馬一如(じんばいちにょ)」は、お互い心をあわせ、折り合いをつけ、人と馬がひとつになること(以上、馬事公苑のサイトより)。

 開苑当時は正門の門柱に苑訓が刻まれていましたが、平成2年の改修工事の際に現在の石碑にされました。ちなみに題字筆者は雑誌「優駿」題字筆者である土屋晴雨氏です。って、競馬好きでないと知らないでしょうが・・・。

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苑内は関係者以外は入れない場所もありますが、とても広く、散策するには最適です。大まかに分けると3つの部分からなっていて、一つ目はメインアリーナ周辺です。メインアリーナは管理ビルの真ん前にあるダートの競技場で、週末などに訪れると馬術競技が行われていたりします。この南側には少し小さなメインスクエアがあり、こちらは補助競技場という形で、練習場となったり、出場前の馬が待機する場所になります。

このメインアリーナやメインスクエアを囲むようにして舗装された道が設置されていますが、花が設置されていたり、桜並木になっていたり、障害用の備品が置かれていたりとこ洒落た雰囲気になっています。特に正門から続く道は広く、イベントではパレードなどに使われます。正門側ではない方の通りにはふれあい広場が設置されていて、ここは花見の時期には多くの花見客で賑わっています。

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二つ目は関係者以外立ち入り部分などです。メインアリーナの南側、正門から見て一番奥には馬が暮らしている厩舎があります。この中は馬のストレスや伝染病等のリスク、安全上の理由から関係者以外立ち入り禁止となっています。

この厩舎の南側、道路を挟んでいますが、インドアアリーナ(覆馬場)とサウススクエアがあります。こちらは訪れた事がないので分かりませんが、雨天時にも利用できる馬場となるのでしょうか。この施設の東側付近には中央競馬会の寮や社宅が並んでいます。その社宅エリアの中にはJRA弦巻公園があります。

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三つ目は馬事公苑の右半分を占めている走路エリアです。正門から入って右側部分は大きな円周のダートコースになっています。外周部分は入れないようになっている部分もありますが、コースの内側は入れるようになっていて、芝生が敷き詰められ、屋根付きのスタンドもある大きなグラスアリーナがあります。

ホースショーの時など芝生を使った競技が行われる際に使用されます。また区民祭の時にはメイン会場となり、舞台が設置され、歌手のコンサートが行われたりします。このグラスアリーナの北側には馬車の駅があります。イベント時に運行される馬車の乗り場で、この駅のある馬車通りは里桜のトンネルになっていて、春の開花時期、また紅葉の時期には大変美しい通りになります。

この馬車道の北側にはお花畑があります。お花畑といっても洋館のお花畑といった感じで、とても広く、手入れが行き届いていて見応えがあります。温室もあるので、冬にも楽しめたりします。

グラスアリーナの西側にはオリンピック記念碑があり、更に西側には武蔵野自然林があります。馬事公苑ができる前のこの付近は木が生い茂り、人気のない場所でした。そういった昔の面影が残っている場所です。ちなみに区民祭の時にはここにお化け屋敷が設置されます。薄暗くて結構怖いかも。

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グラスアリーナの南側は走路が入り組み、そして走路がない部分には色んな広場が造られています。その中でも大きいのが日本庭園です。ヒョウタン型の池を中心とした庭園といった感じで、まあ日本庭園というほど日本庭園っぽくもないのですが、枝垂れ桜が池の周りに植えられているので、春に訪れると日本庭園らしく感じるかもしれません。

またこの庭園の北側には菖蒲池があり、ここには水路への放水口が設置されています。この池は湧き水に拠るもののはずですが、近年は湧き水の量が減っているので、水に関しての詳細は分かりません。

日本庭園の周りにはサクラ広場、ヒマワリ広場、ウメ広場と子供が遊べる遊具が置かれている広場が並んでいます。子供連れの家族などにはお昼を持参してピクニック気分で遊べるので人気です。

この一画には愛馬の碑や馬頭観音の石碑が置かれた広場もあります。愛馬の碑は開苑1周年記念に設置されたもので、毎年9月下旬に馬頭祭が行われています。この他にも馬の放牧エリアがあったり、立ち入り禁止の施設などがあります。

*** 馬事公苑で行われるイベント ***

* 桜祭り *

桜祭りの写真
パレード

サイドサドル(横鞍)での騎乗です。

桜祭りの写真
トリックホース(ポニーの演技)

様々な芸をします。

桜祭りの写真
ポニーと子供の競争

ポニーが本気で走ったら勝負になりません・・・

桜祭りの写真
ポニー競馬

ビックリするぐらい速いです。

* ホースショウ *

ホースショウの写真
障害の飛躍

様々なカテゴリーの障害競技が行われます。

ホースショウの写真
フリーダムホースショウ

人馬一体といった感じでした。

ホースショウの写真
レプリーズ

警視庁第三方面交通機動隊騎馬隊です。

ホースショウの写真
有名競争馬の展示

知っている人は懐かしいことでしょう。

* 愛馬の日 *

愛馬の日の写真
武田流流鏑馬

人気のある演目です。

愛馬の日の写真
チャグチャグ馬コ

岩手県の祭りです。

愛馬の日の写真
トラディショナルスタイル

上品で優雅な感じの乗り方です。

愛馬の日の写真
子供ポニー競馬

全国ポニー競馬選手権の関東予選です。

* 馬に親しむ日 *

馬に親しむ日の写真
体験乗馬

一人乗りと親子乗りがあります。

馬に親しむ日の写真
馬車試乗会

整理券の配布には並ばないと駄目です。

* 馬事公苑で開催されるイベントについて *

馬事公苑では年間を通じて多くのイベント、馬術大会が行われています。平日に訪れても小さな大会や馬術の練習が行われていることもありますが、そういった情報は馬事公苑のサイトの年間スケジュールを見れば、いついつに何が行われているのかが分かるようになっています。

そういった馬事公苑で行われているイベントの中でも大きく、一般の人でも楽しめるイベントは春に行われる「桜祭り」、5月連休に開催の「ホースショウ」、8月第一週末の「ふるさと世田谷区民まつり」、9月23日の「愛馬の日」です。「ふるさと世田谷区民まつり」は世田谷区主催のイベントで、場所の提供が主で馬とあまり関係ないし、別の項目で取り上げているので、その他のイベントについて少し書いてみます。

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「桜祭り」は3月の最終週末か4月の第一週末の土日二日間に渡って行われるイベントです。馬事公苑には多くの桜が植えられていて、桜の多い世田谷区内でも有名な桜スポットとなっています。一般的なソメイヨシノも多く咲いているのですが、枝垂れ桜なども多く、とりわけ4月中旬に咲く里桜が多いのが特徴です。桜祭りではパレードとか、様々なホースショーとか、体験アトラクションが行われます。

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基本的には馬事公苑で行われるイベントは

・アンダルシアンホースダンス
スペインのアンダルシアン種による「スペイン常歩」「横歩」「パッサージュ」、騎乗者の人馬一体となった「お辞儀」「お座り」「クールベット(立ち上がり)」といった数々の演技演技。

・トリックホース(ポニーの演技)
アメリカでトリックホースと呼ばれ、サーカス等でも披露されている演技で、ポニーに調教師が合図を送り、後ろ肢2本で立ち上がって歩いたり、シーソーで遊んだり、数字ボードを使用して足算・引算などを行なったりもします。

・ファンタジックホースショー(フリーダムホースショウ)
手綱などの一切の道具を使わずに騎乗者が馬を自由に操るという演技で、人馬一体となり馬が自由に、自然に楽しそうに走りまわりながら調教師の指示通りにさまざまな技を披露します。

・ロングレーンホースダンス
ロングレーン(長手綱)を使って馬を操る演技で、馬には乗らずに馬場馬術的な難度の高いパッサージュ(弾力のある速歩)やピアッフェ(その場での速歩)、スペイン常歩、クールベット(立ち上がり)などを披露します。

・サイドサドル(横鞍)
馬に跨らずに両足を左側に置き、横向きに乗る騎乗方法です。「女王の鞍」とも呼ばれ、起源は600年くらい前のヨーロッパ大陸の荘園にさかのぼるようです。19世紀後半には、イギリスの乗馬好きな女性たちの間に広まり、狩猟や普通の鞍と同じように障害を飛越したりもしています。

などといった馬を使った演技が行われます。

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「桜祭り」ではその中から都合が付いた演技が行われるといった感じです。演技の他にはポニー競馬といったポニーによる競馬が行われたり、体験乗馬や馬車の試乗も行われますが、こちらは先着順となっているので早めに来て整理券の配布を受ける必要があります。

馬車乗り場はグラスアリーナの北側にあり、乗り場のある道は馬車通りと名付けられ、里桜のトンネルとなっています。桜祭りの時は残念ながら時期が早く、桜が開花していませんが、ホースショーの時や紅葉時にうまくタイミングが合えば感動的な馬車の道中になる事でしょう。

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毎年ゴールデンウィークに行われるJRAホースショーは、昭和47年に馬事公苑馬術大会、馬場馬術及び障害飛越の馬術大会として開催されたのが始まりです。第5回大会からは馬術大会として馬術関係者ばかりが集まるのではなく、海外でも華やかに行われていたホースショー的なアトラクションを入れて関係者以外の多くの人にも楽しめるように変更が行われました。

現在ではホースショーは三日間にわたって行われ、競技においては参加条件が前年の国内馬術競技会上位入賞人馬に限定されているので、名実ともに国内トップレベルの競技会となっています。競技の合間には各種アトラクション(アンダルシアン演技・ポニー演技・横鞍演技・軽乗演技・警視庁騎馬隊による集団演技・ポニー競馬など)が行われますが、こちらもかなり気合が入ったプログラムとなっています。

この他、体験乗馬・馬車試乗会はもちろん、ポニー競馬や有名競走馬の展示、ダービー馬の予想など様々な馬に関するイベントが行われます。

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毎年秋分の日に秋の最大イベントである「愛馬の日」というイベントが行われています。イベント名は愛馬の碑にかけているのでしょうか。イベント名だけ見たら何のイベントで、何をやっているのかわかりにくいのですが、全国各地の伝統馬事芸能を紹介するという形で昭和43年から始まったイベントです。

今まで紹介した日本の伝統馬事芸能は、北は北海道、南は沖縄に至るまで二十団体以上になるそうです。古くからの馬と人との結びつきはあり、日本各地に馬に関する祭りや伝統行事が伝わっています。そういったものが手軽に見れるとあって人気のイベントとなっています。

伝統芸能の他にはいつものアトラクションなども行われ、一日中楽しむ事ができます。なお平成11年、21年には平成天皇が観覧にいらしています。その時は入り口に空港張りの荷物検査ブースが並び、ちょっとビックリしました。馬事公苑自体が平成天皇の誕生を祝った奉祝記念行事の一環として計画されたというのもあるのかもしれません

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この愛馬の日のイベントとホースショーは区外からも大勢の人が訪れるイベントで、広く世間に知られています。この他、年間8回程度「馬とのふれあい」を設け、体験乗馬・馬車試乗会やポニーの演技などが行われています。比較的空いているので、体験乗馬・馬車試乗会はこの日をねらった方がいかもしれません。

<せたがや百景 No.85 馬事公苑界わい  2009年11月初稿 - 2015年10月改訂>