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せたがや百景 No.86

サマー世田谷ふるさと区民まつり

夏の緑を背に真っ赤なカンナの花が咲く8月初旬、馬事公苑を舞台に「ふるさと区民まつり」が開かれる。郷土芸能、ミニSL、おみこし、盆踊りや阿波踊りに馬の曲芸や試乗も加わり、大変な人気を呼ぶ。植木市や数えきれないほどの出店もたち並んで世田谷の一大夏の風物詩となった。(せたがや百景公式紹介文の引用)

・場所 : 上用賀2-1(馬事公苑内と公苑前のケヤキ公園で開催)
・備考 : 8月第一週末に開催

*** 世田谷ふるさと区民まつりの写真 ***

世田谷ふるさと区民まつりの写真
舞台ステージ08’

毎年デザインが変わっています

世田谷ふるさと区民まつりの写真
舞台ステージ09’

オープニングの舞台です

世田谷ふるさと区民まつりの写真
出店が並ぶメイン通り

一番混み合う場所です。

世田谷ふるさと区民まつりの写真
自転車置き場

まるで東南アジアの市場の駐輪場みたい・・・

世田谷ふるさと区民まつりの写真
ケヤキ並木のサブステージ

太鼓の演奏など小規模な演目が行われます。

世田谷ふるさと区民まつりの写真
ケヤキ並木の物産展

神輿やら物産展の屋台やらでごった返しています。

世田谷ふるさと区民まつりの写真
子供コーナー

子供が工作を楽しめるエリアです。

世田谷ふるさと区民まつりの写真
昔の懐かしい遊びを体験する子供達

お年寄りが張り切っていました。

世田谷ふるさと区民まつりの写真
パターゴルフ
世田谷ふるさと区民まつりの写真
ローラーコースター
世田谷ふるさと区民まつりの写真
神輿パレードの高提灯

区内の神輿の団体(睦会)が集まります。

世田谷ふるさと区民まつりの写真
神輿パレード

見物人も多いので張り切って担いでいました。

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* 世田谷ふるさと区民まつりについて *

世田谷で一番大きなイベントは・・・と考えると、「やはりボロ市かな。恐ろしく混んでいるし。その次は玉川の花火大会で・・・」と思っていたのですが、何気にこの「ふるさと区民まつり」も負けていないほどの来場者数を誇っていました。とはいえ、天候次第では来場者数が半分以下になったり、イベント内容によっては不調だったりと結構年によって波のあるイベントのようです。

一応公式の観覧者数が発表されていて、2009年(平成21年)の「ふるさと区民まつり」は34万人(2日間)、2009年のたまがわ花火大会は世田谷岸29万5千、川崎岸7万8千の合わせて37万3千人、平成20年度のボロ市は77万人(4日間)です。

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これだけの数字で見ても訪れたことのない人には状況がわからないと思います。花火大会の場合は河川敷での観覧数なので、それ以外の場所でも見ている人も多いし、同日開催される川崎側の花火大会の観覧者数、野毛方面の人数は入っていないので、実際の数は公式の数よりも更に多くなるのは間違いありません。更には夕方から夜にかけての短い時間での集客数ということになるので、時間単位なら断トツで世田谷一となります。

区民祭りとボロ市は一日あたりにすると同じぐらいの人出になりますが、広い馬事公苑で行う区民まつりに対して、ボロ市は狭い場所で行われるので混雑指数というものを考えるなら区民まつり以上なのは間違いありません。とまあこの三つが世田谷でも大きなイベントであり、鉄道が特別ダイヤで運行されるほどの賑わいをみせています。

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毎年8月の第1週目の週末に馬事公苑で「ふるさと区民まつり」が行われます。天候不順などの要因で年によって上下しますが、だいたい平均すると毎年40万人前後の人が訪れている感じなので、とても大きなイベントだといえます。

この区民まつりは昭和53年に第1回目が開催され、2009年時点で第32回と着実に回数を重ね続け、今ではすっかり世田谷の夏の風物詩として定着しました。特筆すべきことは開催して以来ずっと「世田谷区民まつり実行委員会」を中心に区民の手づくりイベントとして行われてきた事です。

ですから訪れると若い学生達が一生懸命頑張っている姿を目にする事でしょう。こういったボランティアの人々の努力の積み重ねで今に至っているわけで、世田谷区制施行75周年の際には、永年にわたり区民の連帯感と愛着心の向上に多大なる貢献をされてきたということで、「世田谷区民まつり実行委員会」が世田谷区から永年の功労を表彰されています。

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訪問したことのある人には説明の必要はないと思いますが、行ったことのない人、初めてその存在を知った人には、一体区民まつりって何を行っているの?「ふるさと」って・・・世田谷にふるさとっぽいものってあるの?というのが率直な疑問だと思います。

ここ数年のプログラムから抜粋すると、大小3カ所でのステージイベント(区内の学生や団体による演芸や地方の伝統芸能、子供用の戦隊ショウやポニー演技など)、色々な手作り体験ができる子供コーナー、昔懐かしい遊びや紙芝居などを行う昔遊びコーナー、馬の試乗、囲碁・将棋コーナー、落語や小芝居が行われる演芸コーナー、大道芸に武蔵野の林が残るエリアでは暗くなってから肝試しなども行っています。そして馬事公苑前のケヤキ並木広場では多くの地方からのふるさと物産展が並びます。

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大きなイベントとしては土曜日の夕方から行われる盆踊り、阿波踊り、ねぶた、サンバなどが踊るせたがや踊りざん舞に、日曜日の昼下がりに行われる区内の団体によるおみこしの連合行進と太鼓の饗演はケヤキ並木から馬事公苑内をパレードします。

そして日曜日の夜に行われるフィナーレコンサートは08年が「夏川りみ」、09年が「ゴダイゴ」と一流のアーティストが毎年やってくる人気のステージなので、毎年とても混雑するようです。なお、さりげなく朝一番も出店や物産展で先着何名様といった商品があるので混雑しています。

それにしても・・・、駐輪場の自転車の数にはビックリしました。まるで東南アジアの市場にずらっとならんだ自転車みたい。万単位の自転車が並んでいる様子は圧巻です。

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百景の文章と比べると若干違う感じですが、それは単に時代の流れです。古い記録を見ると金曜日に前夜祭を行っていた時期もありましたし、クラシックカーによるパレードを行ったり、代官屋敷から世田谷通りをミス世田谷や神輿などがパレードしていた時期もありました。

平成の初め頃は有名サッカー選手を招いて少年サッカーフェスティバルを行っていたり、富永一郎氏による漫画コーナー、流行に合わせてカラオケ大会を行っていた時期もありました。ジャンボ迷路や熱気球、レーシングカーが登場した年もあったようです。

せたがや百景でいうなら昭和59年の第七回区民まつりでは百景の候補地の写真パネルと投票箱が設置され、百景の選定に一役かっています。

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イベントというものは面白かったり、訪問者に何かしらメリットがないと人は集まらないものなので、毎年40万人もの人が集まっている事を考えればそれなりに誰でも楽しめるようなイベントだと思いますし、それを継続しているのは素晴らしい事だと思います。特に子供達に楽しんでもらおう、色んな事を体験してもらおうというイベントや体験コーナーの充実にはさすが世田谷といった感じで脱帽です。

その反面、「ふるさと区民まつり」と名付けられているのに少し疑問を感じたりもします。例えば30周年の際のアンケートで人気のコンテンツは地方の物産展が断トツで一番でした。区民祭のイベントよりも物産展目当てで訪れている人も多いようです。しかしながらそれら多くの物産展は地方からのもの。友好市町村からのものが中心ですが、でもこれではデパートの物産展と変わりません。

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一番のメインイベントが有名歌手のステージというのはどこでも一緒ですが、目玉となっているイベントが地方のお祭りのものだったりします(近年はねぶた)。その地方出身者にはふるさとを感じるかもしれませんが、それはちょっと違う意味でのふるさとです。ふるさとと謳いながら地方の物産展や伝統芸能ばかりやっていてはふるさとの文字の意味に疑問を感じ、単なる世田谷区民祭でいいのではと思ってしまう部分もあります。

もっとも40万人も集客を誇るような大きなイベントですから色々と外部には分からないような難しい問題を多く抱えているのでしょうし、世田谷にふるさとと誇れるような芸能、しかも集客率を確保できるようなものがあるかといわれると、これまた難しい問題なのです。古くからの文化は廃れていく傾向です。それは過疎化が進む地方ならともかく、都会では人々が関心を示さなくなったからであって、そういったものを今更行っても盛り上がらないものです。一応神輿パレードや太鼓の演奏ぐらいでしょうか。ずっと続いているのは。

ちなみに目黒の区民祭はあの秋刀魚を1万5千匹焼くという目黒秋刀魚祭りです。落語の目黒の秋刀魚に因んだアイデアや区の内外への話題性もあっていいのですね。これだといった特徴があると実行委員の人もやりやすいかもしれません。また隣の川崎市高津区の区民祭は大山街道を利用したもので、大山詣でを再現したり、パレードを行ったりしています。世田谷では阿波踊りやサンバ、盆踊りが盛んなので「せたがや踊りざん舞!」といったようなイベントは今後の世田谷の顔となるといいかなと感じたりもします。

<せたがや百景 No.86 サマー世田谷ふるさと区民まつり 2009年12月初稿 - 2015年10月改訂>