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せたがや百景 No.15

下北沢の阿波おどり

8月、地元の諸連が総出で踊りまくる。下北沢のまちには阿波踊りが不思議なくらいよく似合う。今では、下北沢の夏には欠くことのできない一大イベントとなっている。工夫をこらしたそれぞれの踊りを見ていると、いつまでも飽きない。(せたがや百景公式紹介文の引用)

・場所 : 下北沢一番街商店街一帯(下北沢駅北口一帯)
・備考 : 毎年8月の金土に開催。詳しい日時は商店街のサイトを参照。

*** 下北沢の阿波おどりの写真 ***

阿波踊りの様子を写した写真
地元下北沢ひふみ連

伝統的に下北沢阿波踊りと言えば
ひふみ連となるのでしょうか。

阿波踊りの様子を写した写真
ひふみ連のお姉さん方

楽しそうに踊っている姿がいいですね。

阿波踊りの様子を写した写真
ひふみ連の組踊り

地元連だけあってここは人が多かったです。

阿波踊りの様子を写した写真
ひふみ連の組踊り

終わる間際の総踊りです

阿波踊りの様子を写した写真
ひふみっ子連

大勢の子どもたちが小雨の中でも頑張っていました。

阿波踊りの様子を写した写真
ひふみっ子連の子供達

撮影したりする付き添いの保護者もかなり多く、大行列となります。

阿波踊りの様子を写した写真
地元下北沢やっとこ連

踊りの質の高さはなかなかのものです。

阿波踊りの様子を写した写真
花道を行く

一番沿道からの声援が多かったように思います。

阿波踊りの様子を写した写真
やっとこ連の組踊り

小雨の中でしたが多くの人が集まっていました。

阿波踊りの様子を写した写真
やっとこ連の組踊り

踊っているときの表情がいいですね。

阿波踊りの様子を写した写真
昭和信用金庫連

地元下北沢に本店がある企業の連です。

阿波踊りの様子を写した写真
・・・・

一日目は下を向いて踊っていると思ったら、
二日目は網笠が天蓋笠みたいになっていました・・・

阿波踊りの様子を写した写真
すだち連と観光PRマスコット

すだち連と一緒に訪れたマスコットですが、
暑い中この被り物はちょっときつそうでした。

阿波踊りの様子を写した写真
子供の姿も

お母さんに連れられて踊る子供も多いですね。
10年後は花形でしょうか。

阿波踊りの様子を写した写真
小雨の中での見学

少々の雨でも阿波踊りは開催されます。
頭にタオルを置いて見学しているお嬢さん方も

阿波踊りの様子を写した写真
ある意味これも下北沢名物

阿波踊りが始まる頃はちょうど列車のラッシュ時。
連は人数が多いので一度に渡り切らなかったり、
長く踏切で待たされる事も

阿波踊りの様子を写した写真
目黒銀座連

こちらのお膝元の中目黒阿波踊りも
下北沢と同じく今年で44回目。
今回初めて下北沢に来たというのは驚きました。

阿波踊りの様子を写した写真
高円寺しのぶ連

関東でも迫力のある太鼓で有名なしのぶ連。
世田谷にはよく来るので比較的馴染みのある連となるのでしょうか。

* 下北沢の阿波おどりについて *

毎年8月、下北沢駅北側の一番街商店街を中心に阿波踊りが行われます。開催時期は年によって上旬であったり、中旬であったり、下旬であったりとまちまちですが、開催日と時間はここのところ金曜日と土曜日の19時から21時までと固定されているようです。

スケジュールは2日間とも19時から20時半にかけて商店街を踊り歩き、最後の30分間、20時半から21時の間は決められた場所(路上)で組踊りを行います。聞くところによると、毎年12程度の連がやってきて踊りを競い合い、阿波踊りを盛り上げているそうです。

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下北沢の阿波踊りは「下北沢名物阿波踊り」と公言しているだけあって歴史が古く、昭和41年から始まり2009年時点で第44回目の開催となります。44回も開催されていれば下北沢名物として地元に定着するだけではなく、下北沢に阿波踊りありと広く知れ渡るわけで、関東の阿波踊り大会としてはそこそこの認知度があります。

2009年に関して言えば本場徳島からも「佐那河内すだち連」がやってくるなど、もはや全国区な阿波踊り大会・・・なのかもしれません。もっとも後援に世田谷区が付いているので詳しい事情はわかりませんが・・・。

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それよりも年配の観客の関心は今年は高円寺から幾つ来ている?といったところでしょうか。そういった会話が聞こえてくると、やはり多くの商店街と同様に高円寺商店街に続けとばかりに阿波踊りを始め、高円寺を手本に歴史が積み重ねられていった感じがします。

ちなみに2009年時点で関東で一番有名な高円寺の阿波踊り大会は第53回目、都内で人気のある神楽坂は第38回目、比較的近所で大きな大会である中目黒が第44回目(途中中断あり)、区内の経堂が第36回といった感じです。

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現在の下北沢駅周辺は多くの小売店がひしめき合っています。狭い路地には多くの個性的な店が並び、若者を中心に多くの人で駅周辺の通りや商店街は賑わっています。下北沢と言えばショッピングの町と考えている人も多いのではないでしょうか。

そんな下北沢の歴史を紐解いてみると、昭和2年4月に小田急線が開通し、昭和8年8月には京王井の頭線が開通し、下北沢の発展が始まりました。ただ商店街に関して言えば大きく発展したのは戦後でした。交通の便が良く、しかも空襲の影響が少なかった事で多くの小売店が集まってきて、商店街は急速に発展していきました。

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そして昭和39年に下北沢商店街振興組合が結成され、翌40年に下北沢一番街と商店街の名称が名付けられました。その翌年から商店街の活性化のために阿波踊りが始まったのですが、その頃はようやく高円寺の阿波踊りが軌道に乗り、マスコミに取り上げられ有名になった時期です。

踊りに関してもようやく阿波踊りもどきから本場の阿波踊りらしくなったといった状態だったようです。高円寺ですらそんな状態だったので、新しく始めた下北沢での様子は・・・恐らく商店街を結成した勢いと高度経済成長期の勢いにまかせて踊っていたような光景が思い浮かぶのですがどうでしょう。

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阿波踊りが始まった当時にきちんとした地元の連があったかはよくわかりませんが、現在ある「下北沢ひふみ連」は昭和48年の設立という事です。ひふみは漢字で書くと「一二三」。一番街商店街の1区、2区、3区の青年部員が立ち上げた事からこのような名前になったそうです。また、ひふみ連には平成六年に創設された弟分のひふみっ子連があります。これは小学校1年生から4年生までの子供達が中心の連で、大人達に混じって元気よく踊る様子は愛らしく、下北沢阿波踊りの人気者です。

その他には「下北沢一番街やっとこ連」があります。こちらは比較的新しく結成されたようで、メンバーも踊りも若さがあふれている感じです。踊りに関してはなかなか表現豊かで、勢いというか、元気良さというのを強く感じました。やっとこ連は川崎の阿波踊りに参加したり、遠くは伊東の温泉街に遠征したりと、区外の阿波踊り大会にも遠征し、下北沢にやっとこ連ありといった感じで精力的に活動を行っているようです。このまま活動を続けていれば経堂のむらさき連のいいライバルになるのではないでしょうか。ただこのひふみ連とやっとこ連は全く別々というわけではなく、時々共同で下北沢連として他の地域で行われる阿波踊りに参加していたりもするようです。

もう一つ地元連というか地元企業連の「昭和信用金庫連」があります。時々踊りながら営業用の挨拶をしているのが味噌でしょうか。しかしながら女性の踊り手の多くはひたすら下を向いて踊っているのがなんとも残念なところです。でも昭和信用金庫は下北沢やその周辺のお祭りや縁日でよく見かけます。いくら地域密着を目指すと行ってもここまでやる企業はなかなかなく、きっと経営者や社員がこういったお祭りに参加する事が好きなのでしょうね。できればもっと自信を持って踊ってもらいたいものです。

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下北沢の阿波踊りは比較的道幅のある一番街本通りが一番の中心となります。連の紹介など司会進行を行う大会本部もこの通りの真ん中付近にあり、沿道の観客もこの辺りは一際多くなります。一番街栄通りとの交差点付近から本部ぐらいまでの間が一番混み合っている感じでした。歩道がある道ではないので、阿波踊りがやってくると白線まで下がって下さいといったスタイルで大会が進行されます。そのあたりは経堂と同じなのですが、経堂に比べると細々とした路地が多い為、一般通行人が迂回する事がしやすく、比較的息苦しさは感じませんでした。もっとも音楽祭や天狗祭りなどでも同じ場所をパレードが通行するので町の人が慣れているといった部分もあるかもしれません。

落ち着いて見るには本通りの大会本部よりも駅から離れた場所か、栄通りの駅に近い付近が空いていていいようです。また、かなり細い路地の仲通りにも阿波踊りが入ってきますが、ここまで細い路地で阿波踊りを行うのは他にはないのでは・・・。ここはある意味一番下北沢的で穴場的な場所かもしれません。個人的にはここでの見学が一番気に入りましたが、写真を撮るには近すぎて微妙かもしれません。

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最後に世田谷区での阿波踊りは7月中旬の経堂まつりから始まって、8月頭のせたがや区民祭、8月中の下北沢阿波踊り、8月終わりの三軒茶屋の阿波踊りと続きます。区民祭の入場者数は断トツですが、ここではあくまでも全体の一演目として阿波踊りを踊るだけなので阿波踊り大会としては除外するとして、下北沢の阿波踊りが間違いなく世田谷の阿波踊りの中では一番大きな大会となります。

経堂の阿波踊りに関しては踊り歩く連が5~7と下北沢に比べると少なく、踊る場所も農大通り一本だけで行われるので短く、全体的に小規模です。三軒茶屋でも小さな大会が行われていますが、完全にサンバに負けている感じです。下高井戸でも以前は阿波踊りが行われていましたが、今ではなくなってしまいました。全体的に見ると、世田谷では阿波踊りは下火になってしまったなといった印象です。

それよりも比較的若い人が楽しく踊れるよさこいなどの方が盛んで、幾つかの小学校や中学校のチームを見かけました。やはり本格的な構成で行われる阿波踊りは大人の協力者が多くないとできないですし、練習なども大人の人に合わせてといった感じで時間も取り辛いですし、気軽にという訳にはいかないのが実際のところでしょうか。でもここ下北沢では他の地域で行われる阿波踊りに比べて子供たちが阿波踊りに参加している数が多いので、下北沢名物阿波踊りの前途は明るいような気がしました。

<せたがや百景 No.15 下北沢の阿波おどり 2008年6月初稿 - 2015年10月改訂>