世田谷散策記 せたがや百景のバーナー
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せたがや百景 No.14

天狗まつりと真竜寺

小田原大雄山最乗寺の分院真竜寺は昭和4年に下北沢に建てられた。小さな石段を上がって境内に入ると、大きな天狗の面が目につく。節分の日の天狗まつりには、天狗の面と大天狗、裃姿の年男などが豆をまきながら商売繁昌、家内安全を祈り、商店街を練り歩く。(せたがや百景公式紹介文の引用)

・場所 : 北沢2-36-15(真竜寺)、天狗まつりは下北沢一番街商店街
・備考 : 天狗まつりは節分前の週末

*** 天狗まつりと真竜寺の写真 ***

真竜寺の入り口を写した写真
真竜寺の入り口

大きなお寺ではありません。

真竜寺の境内を写した写真
真竜寺の境内

手前の建物の中に天狗のお面が飾ってありました

真竜寺の本堂を写した写真
真竜寺の本堂と賽銭箱

葉団扇の紋が目をひきます。

真竜寺の大天狗の面を写した写真
大きな天狗のお面と高下駄と葉うちわ

普段でも見ることができます。

夏の縁日を写した写真
夏の縁日

子供のための縁日が開かれます。

夏の縁日の様子を写した写真
縁日の様子

多くの子供でにぎわっていました。

* 節分祭 *

節分際のときの本堂を写した写真
真竜寺の本堂

祭事が行われた後です。

神事に使われた釜などを写した写真
豆を煎る釜

 

天狗パレードの様子を写した写真
天狗パレードの先頭

結構長い列になります。

天狗パレードの様子を写した写真
パレードの様子

通りがかった人は足を止めます。

天狗パレードを練り歩く天狗様を写した写真
大天狗と天狗の面

下駄が高いので歩くのが大変です。

大天狗の面の台車を写した写真
天狗の面の台車

車がついているので楽チンです。

豆まきの様子を写した写真
天狗様が見守る豆まき
豆まきの様子を写した写真
豆まきの様子
天狗様と袴犬を写した写真
天狗様と袴犬

これには天狗様もビックリ?

パレード後の清掃の様子を写した写真
お掃除部隊(グリーンバード)

パレードが通過した後はお掃除部隊が活躍します。

* 関連の写真 (小田原大雄山最乗寺) *

大雄山最乗寺の大下駄を写した写真
奉納された巨大な下駄

巨人用といった感じです。

大雄山最乗寺境内の様子を写した写真
うっそうとした境内と長い階段・・・汗

雰囲気はいいんだけど、しんどいです。

* 天狗まつりと真竜寺について *

下北沢の北口の商店街から少し外れた場所に真竜寺(道了尊)があります。曹洞宗のお寺で昭和4年にこの地に建てられました。境内には大きな天狗のお面が神輿舎のような建物の中にドンと置かれていて目をひきます。面の他にも葉団扇や高下駄も置かれていて、そこに書かれている解説によると、天狗の長い鼻は商売繁盛を、葉うちわは平和を、高下駄はどんな困難にも負けない勇気を表しているとの事です。これ以外は特に何もなく、寺自体も小さく、特に歴史があるとか、見所がある寺ではありません。

そんな小寺が百景に選ばれたのは、節分の頃の週末に一風変わった節分行事、「しもきた天狗まつり」が行われるからです。この行事の天狗道中では高さ3m、幅約2mの大きな天狗の面と共に大天狗や裃姿の年男など100人あまりが下北沢の商店街を練り歩き、豆をまいて商売繁盛や家内安全を願います。商店街が続く賑やかな下北沢の町を練り歩くということでそれなりに盛り上がるイベントとなっています。

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この真竜寺と天狗まつりの関係ですが、この寺が天狗寺で有名な小田原大雄山最乗寺の分院だからです。小田原大雄山最乗寺といえば、小田原から大雄山まで参拝客のために鉄道が敷かれたというぐらいの古刹であり、霊験新たかな修験場であります。東京から近いので行かれた方も多いでしょうが、うっそうとした森の中にあり、神秘的な雰囲気満点のお寺です。

とはいえ、そういったイメージを抱きつつ下北沢の真竜寺を訪れるとがっかりする事でしょう。まるで本山のような神秘的な雰囲気は全くありません。しいて面影を探すなら、天狗のお面と賽銭箱の柄が天狗の団扇というぐらいでしょうか。ちなみに本山ではでかい天狗のお面はなく、でかい下駄が奉納されています。後、奥の院まで行くにはとんでもなく長い階段が待っています。奉納する鉄下駄で歩いていけばスポーツ漫画並みの脚力と根性が付きそうです。

ちなみに天狗の面といえば群馬県沼田市にある迦葉山弥勒寺が有名です。ここは大きな天狗の面だらけなのですが・・・、実は天狗の鼻には別の意味もあるんですよね・・・笑。当たり障りなく書くなら子孫繁栄ってな。

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話を戻して、下北沢の天狗まつりに関してですが、この行事はきちんと節分の日に行われる訳ではなく、節分に近い週末に行われています。ですから正統派の節分行事というより、どちらかというと商店街主催のイベント色の強い行事となっています。

当日はまず境内で式典や豆炒り式などが行われます。その後隊列を整えて下北沢の町へ繰り出していきます。この行事は真竜寺のある一番街商店街の管轄のようで、小田急線の北側にある商店街を練り歩きます。だいたい阿波踊りが行われるエリアと同じです。先頭は商店街会長だったでしょうか。そして区議会議員の人や天女役?の人などが続き、白い衣装をまとった太鼓部隊が続き、赤い面を付けた大天狗、黒い面を付けた小天狗、そして大勢の年男、年女が続いて、しんがりに大きな天狗の面を載せた台車が続きます。

天狗祭りの目玉はこの天狗道中という事になるのですが、町を練り歩きながら豆をまくという節分行事は他ではあまりない行事かと思います。しかも鬼ではなく天狗様が登場って・・・。さすがは若者の町下北沢といった感じの豆まきでしょうか。って、よく調べてみると、真竜寺が建てられた昭和4年頃から行われていたとか。実は伝統ある行事という部類になるようです。ただ、昭和40年頃から昭和53年までは中断していたので、現在行われているのは第二期天狗道中といった扱いになるようです。

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所々で豆をまきつつ進み、何カ所かの決められた場所で一列に年男や年女が並んで大々的に豆をまきます。ここでの特徴は「鬼は外」と言わない事です。それは天狗に関係していて、ここの天狗は道了尊の化身とのことで威徳と神通力で厄災を追い払ってれます。それに真竜寺を開いた道海禅師の教えにも「心の中に福が充満すれば、鬼は自ら退散していく」とあり、「鬼は外」と言う必要がないから言わないのだそうです。

道了尊について書いておくと、道了尊とはお寺の守護を願い天狗となって昇天したといわれる道了薩たという方の事で、ここ真竜寺の守護神となっています。

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豆まきは何処でも同じで熾烈な争奪戦が繰り広げられますが、ここでは景品の入った袋などはないし、下さいと頼めば豆をくれるので争奪戦を楽しんでいるといった感じです。豆が投げられるのを待つ人々の楽しそうな笑顔が印象的でした。そして途中で休憩を挟んで商店街を回り、真竜寺に戻っていきます。

そして真竜寺では本格的な豆まきが行われ、今度は景品の引換券が入った袋などが混ざるようなので、今度こそ熾烈な豆まきになるのではないでしょうか。こちらの方は訪れたことはないので詳しくはわかりません。

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感想としては面白い豆まきだなといった感じです。誰でも楽しめるし、何より見ていて楽しいものです。区議の人もまあ選挙目的と言えばそれまでだけど、祭りを盛り上げるように声を張り上げて頑張っていました。そして見ていて思ったのが、もちろん豆を受け取るための袋などを用意して天狗パレードをお目当て出来ている人は楽しんでいるのですが、たまたま歩いていて、なんかやっていると豆まきなどに参加して楽しんでいる人が多いなと思いました。

歩いていて、「あっ、なんかやっているよ。」「あっ、天狗だ。」「ねぇねぇついて行ってみようよ」といった若い人の会話がよく聞こえてきました。そうやって下北沢のファンがどんどんと増えていくのでしょうね。いいことだと思います。また、パレードが通ると商店街の人が出てきて豆をもらったり、「~~さんご苦労様です」とパレードに協力的な人が多いことです。中には豆が店に入ってくるので露骨に嫌がっているお店の人もいましたが・・・稀でした。

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地域全体で盛り上がり、そしてみんなが楽しめる行事はいいものです。特にパレード的な行事が少ない世田谷では貴重なイベントだと思います。しかしながら年々その混雑が増してきているのには困ったものです。徐々にのどかな豆まきから余裕のない豆まきに変わりつつあるような気がします。

ちなみに節分祭後の路上掃除、音楽祭期間中の掃除やパレード、日常においての掃除を行っているグリーンの22番のゼッケンを付けている方々は、グリーンバード(green bird)の下北沢チームの皆さんです。見かけたら是非応援してあげて下さい。

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また7月に行われる下北沢音楽祭では境内が音楽祭の会場の一つになります。天狗の面の神輿殿前にステージが設けられ、出演者による演奏が行われます。その時に子供縁日も行われ(年によって重ならない事もありますが)、境内が賑わいます。普段はあまり訪れる人がいなく静かですが、こういうにぎやかな縁日の日に訪れてると別の一面を見ることができます。

<せたがや百景 No.14 天狗まつりと真竜寺 2008年6月初稿 - 2015年10月改訂>