世田谷散策記 せたがや百景のバーナー
せたがや百景のロゴ

せたがや百景 No.13

下北沢北口の市場

暮らしに密着した食料や衣料などが所狭しと並び、活気に満ちている。通路が買い物客で身動きできないほど賑わう。戦後間もないころのことがふと思い出される。買い物客が引け、店が閉まった後の風情も捨てがたい。暮らしのエネルギーが残してきた風景といえよう。(せたがや百景公式紹介文の引用)

・場所 : 北沢2-24
・備考 : 再開発で取り壊されました。

*** 下北沢北口の市場の写真 ***

下北沢駅北口の通りを写した写真
下北沢駅北口の通り

駅前なのに空がよく見えます。

北口市場の入り口を写した写真
古さが残る入り口の文字

正式には駅前食品市場となるようです。

北口市場の様子を写した写真
薬局の横の通りは明るい雰囲気

量販店の横は明るいですね。

北口市場の様子を写した写真
広く歩きやすいメイン通路

通り抜ける人が多いです。

北口市場の様子を写した写真
奥に行くと食品市場らしい雰囲気
北口市場の様子を写した写真
かなり怪しい感じ
北口市場の様子を写した写真
衣料品関係の店も
北口市場の様子を写した写真
線路側の細い通路
東側の踏み切り前の入り口を写した写真
東側の踏み切り前の入り口
東側の踏み切りを写した写真
東側の踏み切り

* 下北沢北口の市場について *

下北沢の北口にこんな市場があるとは知りませんでした。正式には下北沢北口駅前食品市場となります。残念ながら小田急線の地下化と駅前の再開発によってそのほとんどが取り壊されました。最近訪れていないので現状がどうなっているのか分かりませんが、昔の面影はもうないはずです。

line

この市場は戦後のバラック商店が寄せ集まってできた商店街といった独特な雰囲気の商店でした。特に高いところから見下ろした写真を見ると、寄せ集めの店が密集して市場を形成しているのがよく分かります。こういった戦後の雰囲気を持つような市場が近年まで下北沢の駅前に残っていたこと自体が奇跡だったとも言えるのではないでしょうか。地元の人からもそのうち取り壊されるのでは・・・と思われつつも、ずっと踏みとどまってきたといった感じです。

普通に考えればこれだけの土地が一気に空けば大きな駅ビルを建てることができ、駅前の再開発を行うことができます。土地の少ない東京ではこういった一等地の頭上部分が利用されていないのは非常にもったいない気もしますが、逆に考えれば貴重というか、贅沢な空間ともいう事ができるのではないでしょうか。

でもいったなぜ駅前にこんな市場があったの?といった疑問がもたげてくるのですが、古い下北沢の記述を読むと、市場の真ん中にドカッと下北沢の駅を造ってしまったようです。そもそも名前からして商店街ではなく市場と付いていることから、元々は小売店がぎっしり並んだ市場だったようです。

line

そんな北口市場を歩いてみると、メイン通りというか、道幅の広い通路は比較的きれいにしてあり、ちょっとした駅の地下街といった雰囲気でした。しかし細い通路に入ると、そこはごちゃごちゃとしていて、なんとなく東南アジアの市場を思い出すような雰囲気でした。

とはいえ、百景の文章では戦後の・・・とありますが、現在ではかなりきれいになっていて、さすがにそこまで想像してしてしまう人はいないかと思います。外観はどうかしりませんが、内部に関してはそんなに古くない時期に大掛かりな補修を行ったような感じです。

line

最初は訪れた時は日曜日だったのですが、残念ながらごった返すような活気はありませんでした。ほとんどの人が通り抜けるために使っているといった感じで、スタスタと足早に歩いているだけ。アメ横並みの活気を・・・と期待していただけにちょっとがっかりでした。

そして後日、今度は土曜日の夕方に訪れてみると、日曜日にはやっていなかった食料品店が営業していて、ちょっといい雰囲気になっていました。これこそアジア的な市場って感じです。しかしながら相変わらず活気が・・・。町中の通りを多くの若者がショッピングを楽しみながら歩いているのを見た後でここに来ると、ここだけ時間が止まってしまった感じが余計にしてしまいます。

line

でもこれはこれでここの良さなのかもしれません。ただ個人的な欲を言うと、匂いがあまりないのが不満です。市場らしい匂いというか、東南アジアの市場や中国の市場、日本のアメ横にしても強烈な匂いを持っています。そういう意味では世田谷にあるせいか雰囲気はあっても上品な市場なのかなといった感想でした。ただ怪しい雰囲気と言えば、夜に本領を発揮するものです。立ち食い飲み屋が大盛況で、夜になるとまたちょっと違った一面もあったりしたそうですが、残念ながら間もなく終焉を迎えるようです。

<せたがや百景 No.13 下北沢北口の市場 2008年6月初稿 - 2015年10月改訂>