* 下北沢北口の市場について *
下北沢の北口にちょっと変わった市場、正式には下北沢北口駅前食品市場がありましたが、小田急線の地下化と駅前の再開発によって取り壊されてしまいました。
この市場は戦後のバラック商店が寄せ集まってできた商店街といった独特な雰囲気だったようです。高いところから見下ろした古い写真を見ると、寄せ集めの店が密集して市場を形成しているのがよく分かります。
いったなぜ駅前にこんな市場があったの?といった疑問がもたげてくるのですが、古い下北沢の記述を読むと、市場の真ん中にドカッと下北沢の駅を造ってしまったようです。
名前からして商店街ではなく市場と付いていることから、元々は小売店がぎっしり並んだ市場だったようです。
そういった戦後の雰囲気を持つような市場が近年まで下北沢の駅前に残っていたこと自体が奇跡的なことでした。
そんな北口市場を歩いてみると、メイン通りというか、道幅の広い通路は比較的きれいにしてあり、ちょっとした駅の地下街といった雰囲気でした。
しかし細い通路に入ると、そこはごちゃごちゃとしていて、なんとなく東南アジアの市場を思い出すような雰囲気でした。
とはいえ、百景の文章では戦後の・・・とありますが、そんなに古くない時期に大掛かりな補修を行ったような感じで、さすがにそこまで想像してしてしまう人はいなかったと思います。
最初は訪れた時は日曜日だったのですが、残念ながらごった返すような活気はありませんでした。
ほとんどの人が通り抜けるために使っているといった感じで、スタスタと足早に歩いているだけ。アメ横並みの活気を・・・と期待していただけにちょっとがっかりでした。
そして後日、今度は土曜日の夕方に訪れてみると、日曜日にはやっていなかった食料品店が営業していて、ちょっとだけいい雰囲気になっていました。
しかしながら相変わらず活気が・・・。町中の通りを多くの若者がショッピングを楽しみながら歩いているのを見た後でここに来ると、ここだけ時間が止まってしまった感じが余計にしてしまいます。
ただ怪しい雰囲気と言えば、夜に本領を発揮するものです。メイン通りには立ち食い飲み屋が多く並んでいて、夜になるとちょっと賑わっていたようです。
そして市場内は昭和の空間となり、それ相当の年代の人には懐かしく、若い人にはレトロ的な雰囲気になっていたようです。