世田谷散策記

 ~せたがや百景~

せたがや百景 No.12

若者と下北沢のまち

本多劇場、ロングラン・シアター、ザ・スズナリなどの劇場があり、演劇の新しいメッカとなっている。まちにはたくさんの若者が訪れ、ユニークな店も目立っている。探れば探るほど、多くの顔を見つけることのできるまちといえるだろう。(せたがや百景公式紹介文の引用)

・場所 :下北沢の駅周辺一帯
・備考 :下北沢演劇祭は2月中、下北沢音楽祭は7月第1週
世田谷百景のロゴ

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* 下北沢の町と若者 *

下北沢の街並み
下北沢の街並み

下北沢の町は道が狭く雑踏感があります。

せたがや百景に中にあって唯一抽象的な項目がこの「若者と下北沢のまち」です。他のものはこれだといった「もの」があったり、過去にあったのですが、これは町全体と若者って・・・あまりにも抽象過ぎるような気がします。

抽象的な項目なので、人それぞれに解釈が違ってくるのは当然で、今の下北沢を見てそう感じる人、または時代の流れを感じながら解釈する人、若者から見た目線に年寄りから見た目線など人それぞれの「若者と下北沢」があると思います。全くそう感じない人もいるかもしれませんが・・・。

仮にせたがや百景を題目に写真コンクールを開いた場合、この項目だけは極端に写真が違ってきてきっと面白いに違いありません。

本多劇場脇の高架橋
本多劇場脇の高架橋

再開発前はなんと高架橋がギリシャ神殿風になっていました。

下北沢の町は昔からごちゃごちゃした町でした。ちょっと怪しい店とかも多く、私の昔の印象は何でもありな町といった感じでした。

近年では街から怪しい部分が減り、今どきの町になりつつあります。最近では消防法とかの法律が厳しくなったり、老朽化したた獲物の建て替えやら、再開発やらで町並みも昔に比べると落ち着いたのかなといった印象も持ちました。

なんていうか、時代の流れとともに小ぎれいな感じに街が変わっているといった印象です。

下北沢 今はなき小田急線の踏切
今はなき小田急線の踏切

時間によっては多くの人が開くのを待っていました。

時代の流れといえば、小田急線が地下を走るようになり、町から踏切が消えてしまいました。ごちゃごちゃした町並みの中に踏切があると雑踏的な情緒が増し、いい意味で下北らしさというか、魅力の一つだったように思います。

もちろんそんなことを言っていられるのは時々散策に来る人間ぐらいっだと思います。電車のラッシュ時には踏切がなかなか開かなくて、人も車も大変そうでした。

下北沢の服屋と街並み
下北沢の服屋と街並み

ファッション関係の店が多いです。

下北沢に多いのはファッションの店と飲食店です。場所によってはお洒落な店が並び、まるで原宿や渋谷を歩いているような感じを受けます。もちろん昔から個性的な店が多かったのですが、より若者志向や変わった外観や個性的な店が増えたかなといった印象です。

そしてそういった店では多くの若者が物珍しさや、斬新さにひかれて足を止め、服や雑貨など品定めをしています。今どきの言葉で言うならSNS映えするような店や商品が多いって感じでしょうか。

下北沢の変わった外装のお店
変わった外装のお店

思わず足を止めたくなるお店です。

下北沢になぜ若者が多いのか。一つに乗客の多い京王井の頭線と小田急線が交わる乗換駅というのがあると思います。

沿線に学校が多く、時間のある高校生が乗り換えついで友人などと途中下車などをして町歩きを楽しんでいるのは昔からの光景です。そんなにお金のない高校生には定期で行ける町というのは、親しい友人と休日になんとなくぶらぶらするのにも最適です。

もちろんそういった利便性も大事ですが、やはり流行に敏感な若者に支持されるというのは、町自体が魅力的でなければなりません。

若者の文化といっても10年ひと昔。想像以上に代替わりが激しいものです。流行りを追いかけ、流行に合わせていてもすぐに次の流行が来てしまいます。町自体にも伝統云々よりも柔軟さがないと駄目です。

若者の町=若者に魅力ある町=活気がある町=時代の流れとともにどんどんと進化している町。とまあやはり行き着くところは、新しい文化をどんどんと取り入れ、若者の活気で溢れている雰囲気がする町が下北沢で、下北沢の魅力ということになるでしょうか。

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  • ・せたがや百景
  1. せたがや百景とは?
  2. 世田谷公園
  3. 大山道と池尻稲荷
  4. 世田谷観音とその一帯
  5. 世田谷線(玉電)が走る
  6. 太子堂下ノ谷界わい
  7. 太子堂円泉寺とけやき並木
  8. 北沢川緑道桜並木と代沢の桜祭り
  9. 代沢の住宅街
  10. 代沢阿川家の門
  11. 北沢八幡の秋祭り
  12. 淡島の灸の森巌寺
  13. 若者と下北沢のまち
  14. 下北沢北口の市場
  15. 天狗まつりと真竜寺
  16. 下北沢の阿波おどり
  17. 羽根木神社の参道
  18. 梅と桜の羽根木公園
  19. 松陰神社と若林公園
  20. 上馬の駒留八幡神社
  21. さぎ草ゆかりの常盤塚
  22. 招き猫の豪徳寺
  23. 世田谷城址公園
  24. ボロ市と代官屋敷
  25. 蛇崩川緑道
  26. 駒沢給水所の給水塔
  27. 弦巻實相院界わい
  28. 宮ノ坂勝光院と竹林
  29. 収穫祭と東京農大
  30. 経堂の阿波おどりと万燈みこし
  31. 奉納相撲の世田谷八幡
  32. 北沢川緑道ユリの木公園
  33. 松原のミニいちょう並木
  34. 松原の菅原神社
  35. 下高井戸の阿波おどり
  36. 日大文理学部の桜
  37. 上北沢の桜並木
  38. 船橋の希望丘公園
  39. 廻沢のガスタンク
  40. 芦花公園と粕谷八幡一帯
  41. 粕谷の竹林
  42. 烏山西沢つつじ園
  43. 烏山寺町
  44. 烏山の鴨池
  45. 北烏山の田園風景
  46. 旧甲州街道の道筋
  47. 給田小学校の民俗館
  48. 祖師谷つりがね池
  49. 上祖師谷の六郷田無道
  50. 武家屋敷風の安穏寺
  51. 上祖師谷神明社
  52. 成城学園前のいちょう並木
  53. 成城の桜並木
  54. 成城学園の池
  55. 成城住宅街の生け垣
  56. 成城の富士見橋と不動橋
  57. 成城3丁目桜ともみじの並木
  58. 成城3・4丁目の崖線
  59. 野川と小田急ロマンスカー
  60. 喜多見氷川神社と梼善寺跡
  61. 喜多見慶元寺界わい
  62. 宇奈根氷川神社
  63. 砧小学校の桜
  64. 大蔵団地と桜
  65. 大蔵の五尺藤
  66. 大蔵の総合運動場
  67. 砧ファミリーパーク
  68. 東名高速の橋
  69. 大蔵の永安寺
  70. 岡本玉川幼稚園と水神橋
  71. 岡本三丁目の坂道
  72. 岡本もみじが丘
  73. 岡本民家園とその一帯
  74. 岡本静嘉堂文庫
  75. 多摩川灯ろう流し
  76. 多摩川の緑と水
  77. 新二子橋からの眺め
  78. 兵庫島
  79. 多摩川沿いの松林
  80. 多摩川土手の桜
  81. はなみずき並木の二子玉川界わい
  82. 瀬田の行善寺と行善寺坂
  83. 環八アメリカ村
  84. 玉川台自然観察の森
  85. 用賀観音の無量寺
  86. 馬事公苑界わい
  87. サマー世田谷ふるさと区民まつり
  88. 駒沢緑泉公園
  89. 駒沢オリンピック公園
  90. 桜並木の呑川と緑道
  91. 谷沢川桜と柳の堤
  92. 上野毛五島美術館一帯
  93. 上野毛自然公園
  94. 玉川野毛町公園
  95. 野毛の善養寺と六所神社
  96. 等々力渓谷と等々力不動
  97. 等々力の満願寺
  98. 等々力の玉川神社とその周辺
  99. お面かぶりの九品仏と参道
  100. 田園調布のいちょう並木
  101. 奥沢駅前の広場

* 演劇の町、下北沢 *

下北沢 本多劇場の入り口
本多劇場の入り口

演劇の町下北沢の本山的存在です。

そして下北沢といえば何と言っても演劇。・・・って、実はあまり演劇に関心がなかったので私は知りませんでした。

今でも多くの劇場が下北沢にあるのですが、そのほとんどが本多劇場グループとなっています。

本多劇場の創始者である本多一夫氏は、元映画俳優です。自分が若い時に苦労した経験から若い演劇人に発表の場を与えてやろうとの思いで下北沢駅周辺に貸し劇場を次々に設けたそうです。

きっと下北沢で演劇を行う人たちにとっては演劇の神様的存在なのでしょうね。

下北沢 ザ・スズナリ
ザ・スズナリ

ここは昭和のまんまの雰囲気が残っています。

下北沢 劇団の看板
劇団の看板

路地を散策していると劇団やダンススクールがあるのに気が付きます。

あまりよくは知りませんが、演劇は流行ったり、廃れたりと時代の荒波にもまれて今に至っているようです。

それでも今なお多くの劇場が下北沢に残っていることを考えると、下北沢の町は演劇の町として演劇に関わる人には定着しているように感じます。

演劇の発する文化的パワーは意外と強いです。表現豊かで一つの動作をオーバーアクションに演じるところがそう感じるところなのですが、下北沢が個性的な雰囲気の町となっているのは演劇から影響を受けているといった一面もあるかもしれません。

下北沢 「劇」小劇場
「劇」小劇場

演劇祭の期間はちょっと華やかです。

毎年2月には町をあげて下北沢演劇祭が開かれます。といっても演劇がいつもよりも多く上演されるといった感じなので、町を歩いてもいつもよりポスターが多いぐらいしか変化はありません。

演劇を上演する劇場は、一番大きな本多劇場で収容人数が380人、後は100人前後の小劇場です。超有名な劇団の大舞台は期待できませんが、その分、手頃な値段で気軽に若手劇団員の演劇を楽しむことが出来ます。

そんなに値段は高くないので、デートで映画を見に行く予定を演劇に変えてみてはどうでしょう。思い出に残るデートになるかもしれませんよ。

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* 下北沢音楽祭とパレード *

下北沢音楽祭のパレードの様子
下北沢音楽祭のパレード

音楽祭のパレードと言えばやはりこの名物おじさん

近年では7月の第1週に行われる下北沢音楽祭も演劇祭と並んで下北沢の顔となりつつあるようです。

音楽祭の期間中には町の何カ所かにステージが設置され、地元のバンドマンや団体、学生などによる演奏が行われます。

町の中が音楽一色とまではいかないまでも、屋内で行われる演劇祭とは違って町の中が音楽によって活気づいているように思えます。

下北沢音楽祭のパレードの様子
パレードの様子

楽器は各々が持ち寄ったものなので多彩です

その音楽祭では下北沢らしいと言うか、とても面白い音楽パレードが行われます。クリーンクリーンパレードと名付けられ、環境美化推進をテーマに掲げながら町をパレードするといったものです。

パレードでの演奏の中心はニューオリンズスタイルのバンド「ブラックボトムブラスバンド(BBBB)」と区立富士中学校ブラスバンドで、それに楽器を持った有志が加わり、また商店街や町会などの協力を得て町を演奏しながら歩きます。

下北沢グリーンバードの方々
グリーンバードの方々

今では下北沢のイベントには欠かせない存在ですね

下北沢の環境美化と言えば日頃下北沢の町でゴミ拾い活動を続けているNPO法人のグリーンバード、下北沢チーム抜きでは語れません。今や彼らは下北沢のイベントには欠かせない存在となっています。

このパレードにもグリーンバードのメンバーが加わっていますが、音楽パレードは音楽のできる人に任せて、ゴミのポイ捨て禁止などの横断幕やのぼりを掲げていました。いつもは縁の下の力持ち的な存在ですが、このときはちょっと輝いて見えました。

こういった華やかなイベントは若者にふさわしく感じますが、影で清掃活動をしたり、イベントの準備をしたり、町の協議会などに参加して町づくりを真剣に考えているのも若者なのです。本当に下北沢を歩く度に若者の街下北沢という謳い文句をあちこちで実感します。

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* イベントなど *

下北沢 サンバパレード
サンバパレード

熱気に溢れていました。

下北沢はとてもイベントの多い街です。イベントの多い街というのは街が活気のある証であります。

これは私の経験則ですが、イベントの多い街は柔軟な思考を持った人が多いです。そうでないと新しいことをやることでの苦情やらの対応、関係各位の調整がうまくいかないからです。

実際に下北沢のイベントはイベントを運営する若者、イベントに参加する若者が多く、このことからも若者の町下北沢がふさわしく感じます。

下北沢 盆踊り大会
盆踊り大会

再開発でできたスペースで行われていました。

下北沢で行われるイベントは、この項目の演劇祭や音楽祭、そして他の百景の項目に登場する節分の天狗道中や夏の下北名物阿波踊り、北沢八幡神社の秋祭りは町をあげての大きな行事です。

この他にも夏には夏祭りとして盆踊りといった伝統的なイベントが行われたり、サンバパレードという新しい試みが行われたり、路上でフリーマーケットが行われていたりします。

下北沢には多くの商店街があり、多くの人が訪れるし、商店街ごとに独自にイベントを行いやすい環境があるといえます。下北沢の街自体が演劇場といった感じなのかもしれません。

下北沢 フリーマーケットの会場<
フリーマーケットの会場

細い道沿いでやっていました。

こういった商店街を中心とした数々のイベントは演劇や音楽といった芸術活動、若者のファッションなどといった文化に負けないぐらい魅力的なものです。

このような多角的な魅力が下北沢が多くの人をひきつける要因になっているのは確かです。

そしてイベントに参加する若者が多いということは、町に関心を持つ若者が多くなるということでもあります。イベントを通して町の事情や生活する人を知り、町をどうしたいといったビジョンを描ける若者が多いのも下北沢の強みなのかもしれません。

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* 感想など *

下北沢のユニークなお店
下北沢のユニークなお店

こういった店も下北沢の町ではあまり違和感がありません。

アジアの雑踏が好きな私にとっては、細い路地が入り組んでいるごちゃごちゃした町並みやら、生活感漂っている町の雰囲気、町歩きをしているときに感じる楽しさや高揚感、街の雰囲気や匂いといったものが下北沢の魅力に感じるのですが、感じ方は人それぞれです。

個性的なお店がいっぱいあるから好きだという人もいるかもしれませんし、ごちゃごちゃしてあまり好きではないという人もいることでしょう。ぜひ好きになって欲しい街でありますが、人間関係でも相性といったものがあるように、町との相性というものもあります。

もし面白い街と感じたのなら様々な楽しみ方がある街なので、自分の好きを色々と探求し、町のイベントなどにも積極的に参加してみてください。

ー 風の旅人 ー

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* 地図、アクセス *

・住所下北沢の駅周辺一帯
・アクセス最寄り駅は下北沢駅。

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<せたがや百景 No.12 若者と下北沢のまち 2009年3月初稿 - 2017年8月改訂>

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