世田谷散策記 せたがや百景のバーナー
せたがや百景の案内板の写真

せたがや百景 No.7

北沢川緑道桜並木と代沢の桜祭り

せたがや地域風景資産 No.1-6

代沢せせらぎ公園と北沢川緑道

代沢地区の北沢川緑道の両側には、桜並木が続いている。満開になると花のトンネルになり、花見の宴が繰り広げられる。地元主催の桜祭りには甘酒の無料接待やパレードなども行われる。(せたがや百景公式紹介文の引用)

・場所 : 代田~代沢地域の北沢川緑道(環七からせせらぎ公園の間)
・地域風景資産の関連団体 : 北沢川文化遺産保存の会
・備考 : 桜祭りは桜開花時の週末、但し現在ではパレードが行われるような大規模なものではありません。

*** 北沢川緑道と桜並木の写真 ***

環七付近にある「せせらぎ」の始まり地点を写した写真
環七付近にある「せせらぎ」の始まり地点

ポンプで運ばれてきた水が湧き出しています。

円乗院付近のせせらぎを写した写真
円乗院付近

お寺の前なので落ち着いた雰囲気です。

山川医院付近のせせらぎを写した写真
山川医院付近

この付近は遊歩道といった感じです。

桜橋付近を写した写真
桜橋付近

 

桜橋から鎌倉橋方面のせせらぎを写した写真
桜橋から鎌倉橋方面

この付近は緑道の左右で高さが結構違います。

緑道上に設けられた公園を写した写真
緑道上に設けられた公園

水路は公園の下を通ります。

二子橋付近のせせらぎを写した写真
二子橋付近

 

茶沢通りの橋場橋付近を写した写真
茶沢通りの橋場橋付近

三茶と下北沢を結ぶ道です。

壁に魚が泳いでいる絵がある代沢小学校の壁を写した写真
代沢小学校の壁

壁に魚が泳いでいて楽しそうです。

代沢橋の先のせせらぎを写した写真
代沢橋の先

この付近から人が少なくなり落ち着いた感じとなります。

稲荷橋付近のせせらぎを写した写真
稲荷橋付近

この付近は小川といった趣です。

せせらぎ公園を写した写真
せせらぎ公園

緑道沿いにある公園です。

* 花見の様子 *

鎌倉橋付近で緑道で花見をする人たちの様子を写した写真
緑道で花見をする人たち(鎌倉橋付近)

緑道に人があふれていました。

桜橋付近で緑道で花見をする人たちの様子を写した写真
緑道で花見をする人たち(桜橋付近)

さすがにコンクリの上では尻が痛くなります。

* 風景資産など *

代田川緑道保存の会による案内板を写した写真
代田川緑道保存の会による案内板

地域の大事なコミュニティーとなっているようです。

代田さくら祭りの会場の様子を写した写真
代田さくら祭りの会場

北沢川文化遺産保存の会による地域案内

代沢小学校にある坂口安吾の旧宅に使用されていた門柱を写した写真
代沢小学校の裏門跡?ではなく文学碑

坂口安吾の旧宅に使用されていた門柱です。

* 桜以外の季節 *

せせらぎで秋に咲く黄色い花を写した写真
秋に咲く黄色い花

季節ごとに楽しみがあります。

伐採された桜の木を写した写真
伐採された桜の木

残念ながら寿命を迎えてしまったようです。

せせらぎ内で咲くアジサイを写した写真
アジサイの季節

この時期もいい感じです。

桜の木々と秋祭りの神輿を写した写真
桜の木々と秋祭りの神輿

桜の時期だったらいい絵になりそう

* せせらぎの生物 *

せせらぎを進む鴨を写した写真
せせらぎを進む鴨

カルガモも気持ちよさそうに進んでいました。

せせらぎを泳ぐ鯉を写した写真
せせらぎには鯉の姿も

ちゃんと日よけも設置されています。

大きなかえるの置物をを写した写真
大きなかえるも・・・

きっと口からビームが出てきます。

* 北沢川緑道と桜並木について *

北沢川緑道は都会にあって小川のせせらぎが・・・と書くと大袈裟ですが、そういった雰囲気を持った緑道だと思いました。現在の都会では鉄道が高架或いは地下に敷かれているのと同じで、小さな川もコンクリートで固められ、そしてふたをされ、地下に追いやられて暗渠化されています。治水対策、安全対策、衛生対策、雑草対策などといった様々な都市行政上の問題なのでしょうが、小川のある風景というのはめっきりと減ってしまいました。

もちろん子供が落ちたり、カエルやら虫の大量発生などがなくていいのですが、日常生活の圧迫感を感じない安らぎというか、自然の匂いや季節感を味わえるせせらぎがないという面ではちょっと寂しいものがあります。ただ、さすがに地下に追いやった川の上に建物を建てたり、道路を敷いたりするのは危険なので、大概緑道として整備されていて、そこは季節感ある草木が植えられていたり、ベンチなどが設置されるなど様々な形で憩いの場を提供してくれていたりします。

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多くの緑道が地下に川を流しているのに対して、この緑道は・・・といってもこの付近だけですが、小川として残っていたので、非常にびっくりしました。所々児童用の公園なども作られ、散歩によし、子供の遊び場によしとなかなかいい緑道です。緑道沿いには代沢小学校があり、壁には魚の群れが描かれていました。遊び心満点というか、ほのぼのとしていいものです。

また小学校の緑道沿いには意味深な門のようなものがありました。かつてはこちら側にも入り口(裏口)があったのでしょうか。小川にかかった小さな橋を渡り、桜並木を登下校する小学生。そんなほのぼのとするような光景を想像してしまうのですが、今の都会ではそんな光景を探すのは大変です。

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そう思いながらもなんか不自然さというか、きれいすぎるといった部分が引っかかっていたので色々と調べてみると、環状7号線から目黒川緑道合流点までの区間は、平成6年度から住民参加によってせせらぎ(小川)を復活させる整備が進めてきたようです。やっぱり人工的なせせらぎだったんだ・・・っと納得。

しかも小川に流れている水は北沢川と関係なく、東京都下水道局落合水再生センター(下水処理場)で水質を向上させて処理した再生水(高度処理水)を利用しているそうです。その再生水は地下を通って、「池尻北広場」まで送られていて、その水の一部を「代沢せせらぎ公園」内にある地下の浄化施設で浄化し、ポンプで少し上流の環七付近まで送り、せせらぎに送水しているといった仕組みになっているとか。

ちなみに大雨注意報が出るような大雨が降っても、このせせらぎ(小川)はあふれるどころか、再生センターからの送水は停止となる為に水位が下がるようです。って、やっぱり人工の川って感じです。もっとも簡単にあふれてもらっても困るのですが・・・。

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それから小学校の所にあった門もよく写真を見ると案内板が添えられていて、詳しく調べると、門柱を兼ねた安吾文学碑でした。この代沢小学校で一年間代用教員として勤めた坂口安吾氏が、その時のことを題材に書いたのが「風と光と二十の私と」という作品で、この門柱は彼が住んでいた蒲田の家の門柱だとか。よく見ると柱に取り付けられている住所表記が大田区になっていました・・・。

これは寄付金を募って北沢川文化遺産保存の会の方々が移転し、世田谷区教育委員会に寄贈したものです。それはそれで価値のあるものでしょうが、私個人的には正直、かつての裏門だった方が夢があったような・・・と思ってしまいました。

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こういった人工の水の循環施設にはどれくらい費用がかかるのでしょう。維持費用について書かれていた文章があったのでそれを抜粋すると、年間費用で、圧送水分担金73万円、浄化施設約1千300万円、せせらぎの巡回点検 清掃委託に約400万円、管理協定団体に約90万円、樹木の剪定作業等に約300万円かかっているようです。これに緑道や浄水施設の初期整備費用が18億円ちょっとかかかっているので、どこでもかしこでも設置するのは財政的にちょっと難しいですね。

こういった施設を人工で作らないでもいいような環境を維持するほうがはるかに安上がりかとは思うものの、近年世田谷では湧き水の量がめっきり少なくなり、また生活排水も下水に直行してしまう事から、小さな川が存在するのが難しいといった現実があります。

この北沢川もかつては上北沢にある都立松沢病院内の通称「将軍池」の湧水(武蔵野の伏流水)が主な水源でしたが、昭和40~50年代に北沢川本川に敷設された下水道幹線により、河川の水面が消失してしまい、このようなせせらぎにて復活せざるをえなかったようです。

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さて本題の桜並木ですが、世田谷区内には多くの桜並木があり、百景にも幾つか選ばれています。当然多くの桜並木の中から百景に選ばれるならそれなりに特徴があってのことです。ここ北沢川緑道の特徴は小川のような流れの両脇に桜が並んでいることです。

成城などの道沿いの並木や谷沢川のような川の土手沿いにあるものは区内、或いは都内に多いのですが、小さな小川に沿って並んでいる桜並木は珍しいと思います。それも環状7号線から淡島通りまでの間に約150本もの桜が並んでいるので、その様子はなかなかのものです。歩いているとひたすら桜の小道といった感じで、花見客の多さからもちょっとした桜の名所となっているのは確かです。

これらの桜は昭和8年に鎌倉橋の東側に橋場橋が架けられたときに記念して植えられたのが最初のようです。ちょうどこの頃は区内で区画整理の際に桜並木がつくられるのが流行っていたので、それを真似て植えられたのでしょう。もちろんこの頃はせせらぎなんて人工の川ではなくちゃんとした川が流れていたので、川の土手に植えられました。そしてその木が立派に育つと北沢川になくてはならない春の風物詩となっていきました。

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近年では桜の木の老木化が進み、2010年の秋、北沢八幡の秋祭りを見学した際に寄って見ると、あれっ、ここなんだか以前よりもすっきりしているぞと思う場所が多々。どうやら多くの桜の木が伐採されてしまったようです。帰ってから調べてみると、世田谷区が区内の桜を一斉に調査し、倒木の危険があるものは伐採し、治療できるものは処置をしてといった作業を行ったようです。

桜の木にも寿命があるのでいつかはこうなってしまう運命ですが、来年の春は少々寂しい花見になるかもしれません。今後新しく植林するにしても立派な桜の木になるのには時間がかかるし、他の木も次々と伐採されるかもしれないし、緑道の桜が昔のようにきれいに揃うのは時間がかかるかもしれません。気長に待つ事にしましょう。きっと地域の人の愛情のこもった手で新しい世代の桜並木を育ててくれることでしょうから。

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毎年春に行われる代沢桜祭りは、まだ緑道として整備される前から行われていた桜まつりだったようです。百景の文章から昔はパレードが行われるほど活気のある桜祭りだったようですが、残念ながら近年では大々的な桜祭りは行われていなく、緑道で各関係団体のPRといった小規模なイベントになってしまいました。

一応鎌倉橋から山下橋の間が代沢桜祭りで、環七から鎌倉橋までが代田桜祭りといった区分になるようです。ただ週末の緑道の賑わいには今なお健在です。正直訪れてびっくりしました。緑道がすべて花見客で埋まっていたからです。これでは緑道の意味がないような気もしますが・・・、まあ花見の時期の週末ぐらいは大目に見るべきなのかな。これぞ代沢の春といった独特の風情があって感じで楽しそうでした。でも、普通に考えればコンクリートの上にビニールシートを敷いただけでは尻が痛いです。なので常連さんは座布団を持参しています。

それにしてもこの辺りは、春には北沢川緑道の桜祭りがあり、秋には北沢八幡の秋祭りがあり、下北沢もそう遠くない事を考えると、夏には阿波踊り、冬には天狗祭りも・・・と色々と楽しそうなイベントが思い浮かんできます。ちなみに代田八幡の例大祭の時には少しの区間だけですが、北沢緑道を神輿が連合渡御していきます。もしこれが桜の時期だったらと想像すると、とても絵になっていそうでワクワクしてしまいます。

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またこの緑道はせたがや地域風景資産にも指定されています。おそらく緑道を歩いた人の多くが感じたことだと思いますが、緑道とせせらぎの内部がきれいに整備、清掃されています。花が植えられていたり、置物が置かれていたり、雑草が見苦しくない程度に除去されていたりと、業者に任せて適当に整備しているだけではこんなにきれいにはなりません。

こういった作業を行っているのは地域のボランティアの方々で、そのおかげで雰囲気のいい空間と良好なせせらぎの環境が維持されているといったわけです。いちおう地域風景資産の登録団体は北沢川文化遺産保存の会となっていますが、「北沢せせらぎ公園協議会」「北沢せせらぎクラブ」「北沢川児童遊園保存協力会」「代田自治会」の4団体が管理協定を締結し、代田川緑道保存の会緑道の清掃等を行っているようです。

詳しくは分かりませんが、緑道内に設置されていた案内板によると「代田川緑道保存の会」が代田川緑道ニュースや清掃の案内を行っていて、せせらぎの開始部分から鎌倉橋までの担当になっているとの事です。今では少しボランティアの団体が変わっているかもしれません。

<せたがや百景 No.7 北沢川緑道桜並木と代沢の桜祭り 2008年6月初稿 - 2015年10月改訂>
( せたがや地域風景資産 No.1-6、代沢せせらぎ公園と北沢川緑道 )