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せたがや地域風景資産 No.1-7

校庭で子どもたちを見守る松の木

昭和15年に開校した 池之上小学校の校庭には樹齢100年以上と言われる赤松の老木があり、その逞しい存在感でやさしく子供たちを見守り続けている。

・場所 : 代沢2丁目42-9 (池之上小学校内)
・登録団体など : 池之上小学校
・備考 : 池之上小学校の敷地内にあるので原則非公開です。

*** 校庭で子どもたちを見守る松の木の写真 ***

池之上小学校の写真
池之上小学校

こちら側は裏門ってことになるのでしょうか。

池之上小学校と松の写真
校舎と松の木

外から見える範囲で

* 校庭で子どもたちを見守る松の木について *

京王井の頭線の池ノ上駅のすぐ目の前に池之上小学校があります。不動産情報で言うなら駅から徒歩0分、或いは1分以内といった絶好のロケーションとなるでしょうか。東京の小学校でこの立地条件はなかなか凄いものがあります。

でも公立小学校に電車通学する子供はほとんどいないでしょうから、かえって駅前の人や車の多い煩雑な立地条件、それに踏切もあるので、トラブルに巻き込まれる確率とかいろいろと考えると、小学校が駅前であることにあまりメリットはなさそうな気もしますが・・・、どうなのでしょう。

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この池之上小学校の校庭には立派な松の木があり、それが風景資産に選定されています。なんでも「まっぴー」という愛称もあるとか。これは「まっぴー」を見ておかなければ・・・。といっても「松を見に来ました」と普通に小学校に入っていくわけにも行かないし、敷地の外からちゃんと見えるだろうかと心配しながら訪れると、なんとか遠めですが敷地の外から見ることができました。

日曜日だったので誰もいなく、子供たちを見守っているかは分かりませんでしたが、その佇まいは百景に出てくる砧小学校の百年桜といい勝負といった感じでしょうか。そのうち機会があれば近くで見てみたいものですが、なかそういう機会はなさそうです。普通の人が入れるのは選挙の時や地域のイベント時ぐらいでしょうか。

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松の木に触れる前にまずは池之上小学校について書くと、池之上というのはこの辺りの地名が下北沢村の小字「池の上」に由来しています。ただ少々こだわりがあって、初代の岸上校長が格調を高める意味で「の」を「之」に付け替えたとか。ちなみに井の頭線の駅名は「池ノ上」となっていて、なかなかこだわりがあるというか、ややこしいことになっています。

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で、話を戻すと、創設は昭和15年9月です。その当時この地区にある小学校は代沢小学校だけだったのですが、昭和8年に井の頭線が開通してからというもの、この界隈の人口が急増していき、代沢小学校がマンモス化した為に池之上小学校が開校することとなりました。その時からこの松の木はあり、学校のシンボル的存在になっているようです。

その当時の話では草ぼうぼうの牧草地に学校が建てられたようで、当時の生徒の一番の思い出は校庭の草とりだったとかなんとか。生徒が校庭を整備している時代だったんですね。また小学校の横には昭和30年代頃まで海外植民地学校があった事でも知られています。

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実際、池之上小学校ではこの松の木はどういった存在なのでしょうか。調べてみると、創立70周年記念式典での北村博校長の式辞にいい例えがありました。

在校生の代表として参列している5、6年生に向けた言葉で、”今日は、この式典で、二つのことばを、君たちに贈ります。一つ目は、「根ばり」です。本校のシンボルであります赤松は、樹齢推定100年以上といわれています。松は、よく「枝ぶり」を評価されますが、地面の下に根を深く、広くはりめぐらす「根ばり」に私は思いを寄せます。この「根ばり」は、本校の教育目標「たくましくて 思いやりのある子」の「たくましくて」にあたります。松の木のように、「根ばり」をもって「たくましく」成長してください。・・・”とありました。

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松の種類は赤松で、樹齢が100年以上となるようです。そう考えるとやはり砧小学校の百年桜と同じような存在となるでしょうか。春になると華やかに花を咲かす桜の思い出は強く印象に残るけど、この校長先生の言葉のように年中緑で地味な存在でも地面に深く根張りし、さりげなく見守り続けてくれる力強い安心感がこの松にはあるかもしれません。そしてきっと子供たちはこの老松から逞しさというか、芯の強さといった事を自然と授かり卒業しているのでしょう。

とまあ卒業生でもないし、遠くから松を見ただけなので勝手な推測で書いてみました。ただ、正直言って現状では一般的な風景というよりも単なる卒業生の思い出の風景でしかないような気がします。

<せたがや地域風景資産 No.1-7、校庭で子どもたちを見守る松の木 2011年5月初稿 - 2015年10月改訂>