* 緑丘中学校の大ケヤキについて *
前項目の「江戸城御囲い松の兄弟松」で書いたように、上北沢は鈴木家を中心に栄えてきました。その鈴木家の邸宅があったのが、現在の「緑丘中学校」「早苗幼稚園」の敷地付近になります。
具体的には早苗幼稚園の辺りには池があり、敷地の垣根のように植えられていたのが、前項目の「江戸城御囲い松の兄弟松」で、その池の畔の築山に植えられていた松が緑丘中学校の南側のフェンス沿いにある立派な松だったのですが・・・、現在では枯れかかっていました。校門のところにある立派な松も当時のものでしょうか。
敷地へのアプローチは早苗幼稚園の西側にある道となり、ちょうど緑丘中学校のフェンス辺りに大きな茅葺きの長屋門がありました。残念ながらこれは昭和23年に中学校建設に先立って取り壊されています。ちょうど中学校の校庭部分に母屋がありましたが、昭和20年5月25日の空襲で焼失したそうです。その建物の裏にあったのが、現在校庭にそびえている大ケヤキです。そしてこの大ケヤキから後ろ、現在の校舎がある部分付近から勝利八幡神社にかけては杉林と竹薮に覆われていたようです。
現在の大ケヤキは緑丘中学校の校庭の真ん中という訳ではないのですが、トラック内というか、中央付近にあります。あちこちの学校を見て回ったわけではないのですが、校庭の真ん中にこういった木などの障害物がある事は珍しいのではないでしょうか。邪魔といえば邪魔だし、木陰ができて休むのにちょうどいい場所にあるといえばそうかもしれません。ただ陸上競技などはいいとしても、校庭の一面を使用して行う競技の場合は不便しそうです。