世田谷散策記 せたがや百景のバーナー
せたがや百景の案内板の写真

せたがや百景 No.66

砧ファミリーパーク

日比谷公園の約2倍の園内には一面緑の芝生が敷きつめられている。ゆるやかな起伏と木々が公園の景観にほどよい変化を与えている。家族連れやグループでのんびり一日楽しむには絶好の場所で、遠近各地から訪れる人々が多い。園内にオープンした区立世田谷美術館も人気を呼んでいる。(せたがや百景公式紹介文の引用)

・場所 : 砧公園内
・備考 : 都立公園。世田谷美術館は区立、月曜定休日。施設の利用案内や営業時間などは公式サイトを参照。

*** 砧公園の写真 ***

砧公園を写した写真
環八側の入り口

用賀駅方面のメインゲートです。

砧公園を写した写真
入り口付近のケヤキ並木

秋には色とりどりです。

砧公園を写した写真
アスレチック広場

いつも子供の元気な声がきこえてきます。

砧公園を写した写真
梅林

まとまった数の梅の木があります。

砧公園を写した写真
バラ園

アスレチック広場の横にあります。

砧公園を写した写真
バラと母子像

サッカー場の前に古くからあります。

砧公園を写した写真
砧大塚

祭礼用の祭壇だったとか。

砧公園を写した写真
円柱

美術館の前辺りにあります。

砧公園を写した写真
吊り橋

谷戸川に架かる橋です。

砧公園を写した写真
パークブリッジ

環八に架かる橋です。

砧公園を写した写真
東名高速の南側

こちらにも少し公園のスペースがあります。

砧公園を写した写真
野球場

2面仕様のナイター施設完備です。

砧公園を写した写真
サッカー場

サッカー人気からか多くの子供が練習に励んでいます。

* ねむの木広場の四季とねむの木 *

砧公園のねむの木広場を写した写真
桜の季節
砧公園のねむの木広場を写した写真
新緑の季節
砧公園のねむの木広場を写した写真
紅葉の季節
砧公園のねむの木広場を写した写真
雪の季節
砧公園のねむの木広場を写した写真
ねむの木

開花しているときです。

砧公園のねむの木広場を写した写真
ねむの木の花

明るくなるとしぼんでしまいます。

* バードサンクチュアリ *

砧公園のバードサンクチュアリを写した写真
観察台

のぞき穴から見学ができるようになっています。

砧公園のバードサンクチュアリを写した写真
保護区内の池

公園内にこんな池があるとはビックリです。

* 世田谷美術館 *

砧公園の世田谷美術館を写した写真
美術館の建物

タイル張りの美しい建物です。

砧公園の世田谷美術館を写した写真
噴水のある中庭

中の方もこだわった造りをしています。

砧公園の世田谷美術館を写した写真
美術館の屋外モニュメント
砧公園の世田谷美術館を写した写真
ムンク展の入場券

* 世田谷美術館前での桜まつり *

砧公園の桜祭りを写した写真
コンサート

この日は芝生が観客席になります。

砧公園の桜祭りを写した写真
美術館前に並ぶ出店

ワークショップや物産展が中心です。

* 世田谷区動物フェスティバル *

世田谷区動物フェスティバルを写した写真
動物フェスティバル

毎年秋に行われます。

世田谷区動物フェスティバルを写した写真
会場とステージ

多くのブースが並び、多くの人が訪れます。

世田谷区動物フェスティバルを写した写真
動物ふれあいコーナー

山羊から兎まで様々な動物がいます。

世田谷区動物フェスティバルを写した写真
牛の乳搾り体験コーナー

滅多にできない体験です。

* 季節のスケッチ 春先 *

砧公園の四季を写した写真
菜の花とスイセン

バードサンクチュアリの前に咲いています。

砧公園の四季を写した写真
チューリップの花壇

桜の少し後に咲きます。

* 季節のスケッチ 桜 *

砧公園の四季を写した写真
休日の朝

昼にかけて芝生が人出埋まっていきます。

砧公園の四季を写した写真
立派な桜が並ぶ様子

なかなかの活況でした。

砧公園の四季を写した写真
夕暮れの桜のトンネル
砧公園の四季を写した写真
雨の日の桜もまた

* 季節のスケッチ 新緑 *

砧公園の四季を写した写真
新緑

派手さはないけど力強さがある季節です。

砧公園の四季を写した写真
もののけ姫の世界?

雨が降ると水たまりができます。

砧公園の四季を写した写真
写生にいそしむ子供達
砧公園の四季を写した写真
七夕飾り

* 季節のスケッチ 紅葉 *

砧公園の四季を写した写真
サルスベリの紅葉
砧公園の四季を写した写真
サッカー場と紅葉した木
砧公園の四季を写した写真
もみじ
砧公園の四季を写した写真
落ち葉が降り積もったベンチ

* 季節のスケッチ 雪の日 *

砧公園の四季を写した写真
銀世界
砧公園の四季を写した写真
雪の日の朝
砧公園の四季を写した写真
サワラ並木
砧公園の四季を写した写真
雪合戦

* 砧公園について *

環八にある東名高速入り口付近に都立砧公園があります。他に区内には駒沢オリンピック公園、芦花公園(蘆花恒春園)、祖師谷公園といった都立公園があり、世田谷区は23区の中でも都立公園が多い区だといえます。園内の敷地面積は約391,262㎡と広大で、どれくらい広いかというと百景の文章では日比谷公園の2倍という表現をしていますが、今時の単位表現でいうなら東京ドーム(46,755㎡)の約8倍ということになるのでしょうか。

と言っても日比谷公園にしても東京ドームにしても訪れたことがなければ比較できないだろうし、仮に訪れていてもその何倍と言われても単に大きいんだなといったぐらいしか想像できないような気がします。たぶん一番簡潔に書くなら一辺が625mの正方形の大きさというのが分かりやすいような気がします。どうでしょう。想像が付きましたか。

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これだけ大きいと園内には色々な施設や特徴のあるスペースがあります。私なりに解釈するなら園内は大まかに分けて5つの顔があります。とまあ勝手に五つに分けて解説すると、まず一つ目は環八側から入ってすぐのエリアです。ねむの木広場を中心としたこのエリアには芝生が敷き詰められていて、子供の遊具施設があるアスレチック広場があり、売店があって、梅林やバラ園もあったりと普通の公園っぽい場所です。

ここの芝生は犬も連れ込むことが出来るので、朝などは愛犬愛好会といった方々が集まったり、昼には犬を連れた家族連れなどが芝生でくつろいだり、夕方頃には子供を連れたお母さんや学校が終わって遊ぶ子供達の姿を見かけます。用賀駅から一番近い入り口付近だし、気軽に遊べる場所といったところで、明るい時間帯は常に賑わっているといった感じがします。

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次は運動公園としての一面です。環八側の入り口付近、東名高速側には2面の野球場があり、ねむの木広場よりも奥(西側)に少年サッカー場があります。どちらの設備もナイター完備なので、平日の夕方などに少年サッカー教室や野球教室が開かれ、休日には試合が行われています。

昔は野球が人気スポーツでしたが、今ではサッカーの方が人気があるようで、サッカー場はいつも大勢のちびっ子サッカー少年や保護者の人がグラウンドを取り囲んでいます。野球場の方は大学などのソフトボール部などの練習や少年野球の練習を時々見かけますが、おじさんの姿が多いように思います。砧公園のお隣は大蔵運動場で、向こうにはちょっと立派な野球場があるので、そっちの方で子供達の野球教室とかをやっているのかもしれません。

またこれだけ広い公園なのでジョギングやランニングにも最適なわけで、部活で走っている高校生や大学生、サッカーチームや野球チームの子供達が集団で走っている光景もよく目にします。専用のジョギングコースというのはないのですが、サイクリングコースを利用したりファミリーパーク内の外周を利用したりと他の利用者の迷惑にならないようにしているようです。

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三つ目は芸術的な一面です。公園の北側には駐車場があり、その西側の一角は美術館関連の建物が並びます。これは世田谷美術館とレストランです。世田谷美術館は昭和61年(1986年)に開館した区立の美術館で、地下1階、地上2階の鉄筋コンクリート製の建物で延床面積は8,223㎡です。

収蔵品コレクションは・・・、一応一覧を見てみたものの何が価値があるのかよくわからなく、どれを代表収蔵品として紹介していいのやらわかりませんでした・・・汗。とりあえず案内板通りに書くと、収蔵作品はH・ルソー、F・ボテロ、Aボージャンなどの素朴派と呼ばれる画家たちや、世田谷区ゆかりの作家のものなど3200点あるそうです。素人の目にはもの凄く有名な画家のものか、国宝とか文化財といった名札が付いているものしかわからないので、何とも判断に困ってしまうのですが、国宝級の有名なものを見たぞといった満足感を味わいたいなら五島美術館、静嘉堂文庫美術館の方が見応えがあるのかもしれませんね。

ただ毎年、年に数回期間を決めて行われる企画展は私のような美術に興味のない人間でも「おっ!」と思うような展示を行っている事があります。変わったものとしてはヨルダン展とか大英博物館展とかメソポタミア文明展、秦の始皇帝展、日本ものでは東寺国宝展、熊野古道や平泉をテーマにした展示をやっていました。美術館が博物館ぽくなってしまうのも地域の美術館らしいところでしょうか。

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また以前は比較的名が知られている画家の展示も行われていて、1989年のシャガール、1992年のゴッホ、1997年のムンクをテーマにした企画展がそうで(他にも有名な画家がいるかもしれませんが・・・)、それなりに来館者が多かったように思えます。私が知る限りではたぶん世田谷美術館が一番盛り上がったのは97年にムンク展を開催したときではなかったでしょうか。期間中はかなり多くの人が訪れていたように記憶しています。という私もその時が世田谷美術館に入った最初で最後の時となっています。

また、別館として区内に住む画家の住まいを美術館とした「向井潤吉アトリエ館 (弦巻)」「 清川泰次記念ギャラリー (成城)」と老朽化したアトリエを解体、新築した「宮本三郎記念美術館 (奥沢)」もあるようです・・・初めて知りました・・・。それから付随しているレストランはそれなりのフランス料理出す雰囲気のいいお店で、名前は「ル・ジャルダン」。そこそこ有名で、グルメサイトなどの評判はいいようですが、お値段の方もそれなりにといった感じです。時々貸切で結婚披露宴が行われていたりします。

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四つ目はファミリーパークと呼ばれている部分です。おそらくこれが一番砧公園らしいと言うか、砧公園の特徴となっている部分だと思います。ここは先に挙げた3つの部分とはサイクリングロードで区切られた西側にあり、大蔵総合運動場までの広い芝生のスペースです。この中は芝生でくつろげるようにということで、自転車の乗り入れや犬などのペットの持ち込みも禁止という徹底ぶり。だだっ広い芝生で自由にくつろぐことが出来る憩いの空間です。後述しますが、このエリアは元々はゴルフ場だったので、場所によってはゴルフ場の中を歩いているような感じを受ける事でしょう。

また都内でも有名な桜の名所でもあり、砧公園全体でソメイヨシノやヤマザクラなど約930本が芝生を囲むように咲く様子はとても美しいものです。もちろんシーズンの週末にはだだっ広い芝生が花見客のビニールシートで埋まってしまうほどの混雑をします。休みの日の早朝に写真を撮りに出かけると、もう既に場所取りが始まっていたりしてビックリすることもあります。また花見の時期の月曜日の朝に訪れると公園全体がビール臭いです。この時期は月曜日に雨が降るとほっとする周辺住民も多いのではないでしょうか。

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五つ目は野鳥の森としての一面です。これは知らない人も多いというか、広すぎて気がつかないというか、恐らくは興味がなくて気がつかないだけだと思いますが、ファミリーパークの更に西側、大蔵総合運動場側の一部はバードサンクチュアリという野鳥の保護区となっています。その区画は人が入ることが出来なく、中にはさりげなく池などもあったりします。

その様子は展望台に設置された観察用の窓からいつでも見ることが出来るのですが、肉眼ではちょっと遠くて厳しそうです。季節的には秋から冬にかけて観察会などが開かれているようなので、その時期が一番いいのでしょうか。見る事のできる鳥は展望台に設置されている案内板によると、シジュウカラ、ヒヨドリ、キジバト、カワラヒワ、ハシプトガラス、オナガドリ、ムクドリ、コジュケイ、カルガモ、ハクセキレイだとか。

でも砧公園ではカラスを一番よく見るような気もします。とりわけ花見時期の夕方は食べ残しをあさりに来たカラスだらけです。縄張り意識が高いのかしょっちゅう喧嘩して羽をむしりあっていたりします。また時々雨上がりなどにはカルガモが公園内に出来た水たまりで遊んでいてほのぼのとすることもあります。

でもよく考えてみると、本格的な野鳥の森が併設されている公園というのは・・・、調べてみるとやはり区内ではここだけのようです。そう考えるとかなり特徴のある施設ということになるのですが、やはり都会の野鳥の森では根本的に中途半端すぎるような気もします。

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その他では砧公園内にはさりげなく谷戸川が流れています。それでもって地下貯水池というものがあったり、吊り橋があったりします。

砧大塚という古墳みたいな山もあります。これは東名高速道路にあったものを工事の際に移動してきたとか。しかも古墳でなく催事用の塚だとか。ってわざわざ移動してくるほどだったのだろうかと思ってしまいます。

東名高速といえば、公園の南端は東名高速ではなく、実は南側に高速道路に沿って少し緑地があります。これも一応砧公園の敷地となります。梅林はアスレチック広場横とファミリーパーク内の二カ所にあり、ファミリーパーク内の方が早く開花します。

近年ではバラ園が増殖中。サッカー場の前にはちょっと前から母子像の周りにバラが植えられていましたが、アスレチック広場にも大きなバラ園が設置されました。なぜかバラに目覚めつつある公園です。

環八には歩行者専用のパークブリッジが架けられています。通行人がほとんどいないのにとっても丈夫で立派な橋としてテレビに紹介されました。もちろん税金の無駄といった番組ですが・・・。

用賀駅から砧公園まではいらか道という遊歩道っぽい道でつながっています。その道沿いには百人一首の句が彫られています。また、いらか道の周辺には梅林が数カ所残っています。かつて用賀地区に広がっていた梅林の名残です。

イベントとしては、秋になると世田谷区動物フェスティバルが行われています。愛犬家が多い場所柄なので、獣医さんや犬の訓練師などによる犬関係の事が多いのですが、動物ふれあいコーナーなどでは多くの動物にふれあう事ができ、子供達に大盛況です。

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というのが砧公園の現在の状況です。さて、一体このような広大な砧公園はどのような経緯で公園となったのでしょうか。ちょっと歴史を紐解いてみると、昭和15年(1940年)の東京都が計画した緑地化計画まで遡ります。これは関東大震災の復興が終わった昭和初期に、悪化する都市環境の改善と都民のレクリエーションの為に計画された緑地化計画で、都内に6カ所の大緑地が造られました。その一つが砧大緑地だったのです。

その後太平洋戦争が始まり、計画は一時中断。国家防衛が優先され、戦時下は防空緑地として整備され、軍事訓練場、滑空訓練場、戦技術訓練場などが造られました。戦争が長期化すると、食糧不足に対処するために野菜などの栽培や空襲に備えて防空壕が掘られたりしたそうです。記録によると実際に空爆を受けているようです。

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戦後になると、再び緑地として整備が始まり、昭和24年には野球場とキャンプ場が新設されました。その後戦後の復興が進むと、都民のレクリエーションへの欲求が高まり、昭和30年には都営のゴルフ場が建設されました。公営なので使用料も安く、好評だったようです。

昭和41年になると、「より多くの都民の、レクリエーションの欲求にこたえるのが緑地本来の姿である」という事で、ゴルフ場を廃止して、広い芝生の砧ファミリーパークとして整備しました。当時の東京は高度成長期の真っ直中、どんどんと空いた土地に建物が建てられ、自由に遊べる広い芝生などといった場所がどんどんとなくなっていました。そのため開園と同時に都民がどっと押しかえるほどの大盛況だったようです。

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その後も整備され続け、現在では芝生面積が約25ヘクタールもある公園となりました。芝生ばかりだと維持が簡単そうに思えますが、芝生は芝刈りなどの手入れが必要なので、何気に維持するのに手間がかかるものです。おまけに園内には木々が多いので、風の強かった翌日や落葉の時期は園内の掃除を行っている人は大忙しです。こういったきちんと管理してくれる人がいるからこそ広大な園内の環境が守られています。

こういった管理者以外にも犬の散歩がてら落ちているゴミを拾って歩いている人や花壇の手入れをする団体なども多くいて、頭が下がる思いをします。

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世田谷に住んでいる人なら、百景の中でこれは他の地域に住んでいる人よりもよく知っているぞといった一番身近な項目があると思います。それは単純に家が近かったり、学校や職場が近かったり、その行事に毎年参加していたり、よく散歩するコースだったりといった感じで、その場所や建物などに何かしらの愛着を感じているのではないでしょうか。

私にとっての一番身近な項目はこの砧公園になります。と言っても何かをしているわけではなく、ボランティアの人が掃除をしているのを傍目に犬の散歩をしたり、時々運動不足だとジョギングしたり、手持ちぶさたな休日を過ごしているときなどにカメラを持って散歩するといった感じです。

ボランティアに参加したりして深く公園に関わっている方のように公園に愛情を感じているかと言われると微妙なところですが、一応私にとってホームグラウンドという事になるのでしょうか。その分気合いを入れて制作したので他よりも写真が多くなってしまいました・・・。汗

<せたがや百景 No.66 砧ファミリーパーク 2009年4月初稿 - 2015年10月改訂>