世田谷を楽しもう! 風の旅人 世田谷散策記

世田谷花ごよみ

世田谷区内にあるちょっといいかもと感じた花の名所や花のある風景を訪れた範囲内で紹介しています。

ものすごく有名だったり、広大なスポットはありませんが、手軽に季節を感じられる場所かなといった感じです。

この他にも緑道や公園の花壇などにも花が植えられていますので、色々と遠回りをしつつ気に入った花の風景を探してみてください。

*** このページの項目一覧 ***

line line

広告

* 梅 (2月頃) *

・羽根木公園

羽根木公園の梅

小田急線梅ヶ丘駅の北側にある小高い丘に区立羽根木公園があります。野球場あり、テニスコートあり、子供の遊び場がたくさんありといった総合公園です。

園内の南側斜面には昭和42年に世田谷区議会に当選した55名が55本の梅の木を植樹したことに始まる梅林があり、現在では梅の木が約700本植えられています。

2月にはせたがや梅まつりが行われ、郷土芸能などのステージイベントや茶席、撮影会などが行われ、会場内には地元自治体の売店が並びます。都内では最大規模の梅林となり、区外からも多くの人が訪れています。

梅林には様々な品種の梅の木が植えられていて、一度に多くの木が咲いて梅爛漫になるというよりは、いつ訪れてもほどほどに咲いているといった感じです。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.17

・砧公園

砧公園の梅林

東名インターの近くにある砧公園。環八の入り口から入ってすぐの広場はねむの木広場で、その北側には梅林があります。

ここには紅白の梅に、枝垂れ梅などが植えられていて、密集しているのと、似た種類が植えられているので、開花時期には梅爛漫となり、ちょっとした梅林風景となります。

梅林の下で花見をするのもよし、梅林の中を歩いて梅の香りに癒されるのもよしといった感じです。

ファミリーパーク内にも梅林がありますが、ねむの木広場のほうが日当たりがいいのでお勧めです。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.66-1

・用賀いらか道

いらか道沿いの梅林

用賀駅から砧公園までは用賀プロムナード、通称いらか道でつながっています。いらか(瓦)が敷き詰められた道はとても雰囲気がよく、地面に百人一首の歌が彫られていることでも知られています。

この瓦道の辺りはかつて梅林が広がっていて、再開発前は用賀駅から砧公園への行くのに、東急の車両基地や梅林の中を通って行っていました。

現在ではめっきり減ってしまいましたが、今でも梅林を維持している方がいて、いらか道からも梅林を眺めることができます。青梅の季節には梅の販売もしています。せたがや育ちの用賀産梅酒なんていうのを作って話のネタにしてみるのもいいのでは。

<詳細・関連ページ> せたがや地域風景資産No.1-14

・静嘉堂文庫庭園

静嘉堂文庫庭園の梅

岡本にある静嘉堂文庫は旧三菱財閥の創始者岩崎弥太郎氏の弟、弥之助、その子、小弥太によって収集された和漢の古書が収蔵されています。

イギリス様式の建物は美しく、また日本近代建築の父であるジョサイア・コンドル氏が設計した岩崎家の廟もすぐ近くにあります。

静嘉堂文庫自体は一般の人は入れませんが、収集した古美術品、茶器などを展示した静嘉堂文庫美術館が隣接してあります。

この美術館の裏は崖を利用した庭園となっていて、梅の木が植えられています。そこまで多くありませんが、梅が咲いているのをきっかけに訪れてみてはどうでしょう。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.73

* こぶし (3月頃) *

・五島美術館庭園(上野毛)

上野毛五島美術館のコブシ

上野毛にある五島美術館といえば東急の創設者五島氏の敷地を利用して、収集したコレクションを展示した美術館です。源氏物語絵巻など国宝を有する収蔵品が有名ですが、崖の庭園の雰囲気の良さも区内随一です。(要入園料)

五島美術館の庭園には、東京都天然記念物に指定されている樹齢260年とも言われているコブシの木があります。

このコブシの木はもともとは五本で大きなコブシの木群を形成していましたが、2002年の台風の際に2本倒木し、現在は3本の木で構成されています。樹勢も衰え、一度満開になると次の満開まで力を蓄えなければならなく、3年ごとに満開になるといったサイクルになっているようです。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.91

* ハナミズキ (4月中旬頃) *

・二子玉川の花水木

二子玉川駅前通りの花水木

ハナミズキの町二子玉川ということで、町づくりの一環として二子玉川の花(シンボルツリー)として指定し、昭和53年から玉川高島屋、建設省、東京都、世田谷区などの協力を得て着々と植え続け、その数は500本以上となります。

アメリカから友好の象徴として贈られた原木が二子玉川小学校や二子玉川公園に植えられ、4月29日にはハナミズキフェスティバルも行われています。

ハナミズキは駅前の通り、砧線跡歩道、二子玉川公園、駒沢通など駅周辺の道沿い、公園に多く植えられています。

近年では再開発によって町がおしゃれになり、ハナミズキがおしゃれな街並みに一役買っているといった感じです。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.80

・玉電砧線跡歩道の花水木並木

砧線跡歩道の花水木

駅の北側、高島屋の少し北側に花水木が並木となっている遊歩道があります。

区内には川を暗渠にした緑道が多くあり、ここもそういった緑道に似た感じですが、実はこの遊歩道は玉電砧線の線路跡で、廃線となった後に砧線跡歩道として整備されたものです。

旧246号付近から多摩堤通りまで線路跡らしく真っ直ぐの遊歩道で、普通の道路よりもハナミズキを近くに感じながら歩くことができ、開花の時期は歩いていて気持ちいいです。

<詳細・関連ページ> 世田谷散策プラスNo.32

・谷沢川の花水木並木(中町)

谷沢川のハナミズキ並木

谷沢川といえば下流域の等々力渓谷、あるいは国道246号付近の桜並木が有名ですが、上の橋から駒沢通りまでの間ではハナミズキ並木を見ることができます。

区内の川沿いには桜を植えているところが多く、ハナミズキが川沿いに植えられている場所は見かけません。川の縁にはサツキなども植えられていて、いかにも水路っといった感じがなく、ちょっといい雰囲気です。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.90

広告

* ツツジ (4月中旬頃~) *

・烏山ツツジ緑地・西沢つつじ園

烏山ツツジ緑地のツツジ

烏山の国道20号にある烏山総合支所入り口交差点の北側に昭和大烏山病院があり、ちょうどその裏手に区外にも知られるツツジの名所があります。

ここは約3000平方メートルにおよぶ西沢さんの西沢つつじ園と区の烏山つつじ緑地1000平方メートルとに分かれていて、一面ツツジが咲く様子を見ることができます。

平坦な土地なのでお寺のように立体感はありませんが、様々な色で咲くツツジはまるでカラフルな絨毯のようで訪れる人を魅了します。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.41

・烏山寺町妙寿寺

烏山寺町妙寿寺のつつじ

烏山の寺町は26の寺院で形成されています。寺町は緑が多く、程よく自然の環境が残っていて、散策するのにちょうどいい環境となっています。

寺町を形成している妙寿寺は関東大震災で被災し、この地に移ってきました。客殿の旧鍋島候爵邸は明治期の建物を移築したもので、世田谷区指定文化財に指定されています。

この客殿前にはツツジが植えられていて、つつじの季節にはとても美しい光景になります。これは檀家である西沢ツツジ園の西沢さんがツツジを寄進したものです。普段は非公開ですが、客殿が一般公開しているときに2階から眺めると壮観です。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.42

・和田掘給水所

和田掘給水所のつつじ

世田谷区の北東、京王線の代田橋駅の南に和田掘給水所があります。住所は大原なのになぜ杉並区の地名、和田堀なのか。もともと和田堀に建設する予定だったからだとか。凄くいい加減です。

この和田堀給水場は名前の通り水道施設です。敷地内には神殿風の建物やらローマ競技場のような建物やらとユニークな建物が多く、その建物の周りにはツツジが植えられていて、独特な景観を形成しています。

東京水道局の敷地なので普段は入ることができませんが、つつじの季節には敷地内が一般公開されます。

<詳細・関連ページ> 世田谷散策プラスNo.8

・世田谷公園

世田谷公園のつつじ

三宿通り沿い、住所的には池尻になりますが、世田谷公園があります。開放感のある大きな噴水がある広場を中心に都会っぽく縦長の構造をしていて、あまり広いとはいえない敷地内には所狭しと野球場、プール、テニスコート、洋弓場、交通児童公園、タイムカプセルの丘、SL広場、遊具広場、プレイパークが設置されています。

噴水広場に面したタイムカプセルの丘にはツツジが植えられていて、開花時期には丘全体が鮮やかな色に包まれます。

噴水越しに見てもいいし、丘の上から眺めるのもいいです。噴水広場自体が絵になっているので、どのような見方をしてもいい感じです。また子供の日にかけて鯉のぼりも設置されます。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.1

・弦巻通り

弦巻通りのツツジ

環七の駒留陸橋から弦巻を西へ横切っている弦巻通りは蛇崩川緑道と並行しています。

向天神橋交差点付近では道と緑道が一体化し、歩道部分が広くとられています。この付近では歩道にツツジが植えられていて、つつじの開花時期には通りが華やかになります。

通りの両脇の植え込みにツツジが植えられている光景はたまに目にしますが、ここでは歩道の両脇にツツジが植えられています。まるでツツジの花道状態。歩道を歩くとちょっと幸せな気分を味わえます。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.24

・岡本一丁目谷戸の坂市民緑地

喜多見ふれあい広場からの眺める富士山

砧公園から流れ出す谷戸川。東名高速をくぐった先から川の流れを見ることができ、静嘉堂文庫の先で丸子川に合流します。

その谷戸川が始まる付近の丘は岡本一丁目谷戸の坂市民緑地となっています。植木が山盛りの緑地といった感じで、斜面にはツツジやサツキが植えられていてちょっといい景観を作っています。

<詳細・関連ページ> 世田谷散策プラスNo.24

* バラ (5月中旬頃) *

・都立園芸高校

都立園芸高校のバラ園

深沢にある都立園芸高校は園芸に特化した高校です。広い敷地はかつての兎々呂城跡で、ハナミズキの原木や徳川家光(第三代将軍)が遺愛したと言われる松(ゴヨウマツ)の盆栽2鉢(三大将軍の松)があることで知られています。

創立80周年記念行事の一環として、平成2年にバラ園が開設されました。開園に当たっては、園芸高校出身で世界的に有名なバラの育種家鈴木省三氏が長年に渡って収集した約200種類のバラが寄贈され、栽培されています。貴重な原生種もあるので、管理、育成している生徒はいい勉強ができているはずです。

バラのシーズンにあたる毎年5月には、バラ園の公開が行われ、その際にバラ園を見学することができます。あまり一般的に情報が出回る公開ではありませんが、結構多くの人が訪れ、希望すれば生徒が丁寧に解説してくれます。バラの一部は秋にも咲くので、11月の園芸展の際にも見学することができます。

ちなみに鈴木省三氏は「ミスターローズ」の異名を持つほどのバラ作出家で、1938年に現在の奥沢付近に「とどろきばらえん」も開園しています(~1974)。バラ園の隅に石碑が建てられていて、「この薔薇を愛す」とだけ書かれているのが印象的でした。

<詳細・関連ページ> せたがや地域風景資産No.1-15

・瀬田フラワーランド

瀬田フラワーランドのバラのアーチ

砧公園の南側、瀬田の住宅街の中に瀬田フラワーランドがあります。「花づくりのできる公園」として、昭和61年に開園した公園で、正式名称は瀬田農業公園となります。

フラワーランドの名の通り一年中様々な植物を楽しむことができますが、やはり印象的なのがバラ。ここに植えられているのは地味な宿根草などが中心なので、バラの華やかさがひと際鮮烈に感じてしまいます。

特に管理棟の横にあるバラのアーチは見事で、このバラのトンネルをくぐると少し幸せな気分になれるかも。

<詳細・関連ページ> 世田谷散策プラスNo.27

・砧公園

砧公園のバラ園

東名インターの近くにある砧公園は、桜と広い芝生で知られています。広大な園内には木々が多く、またあちこちに花壇があり、チューリップや菜の花などといった植物が植えられています。

昔からサッカー場の前にある母子像の周りにバラが植えられていましたが、近年ではアスレチック広場の斜面に本格的なバラ園が設置されました。

ボランティア団体KPAが管理や手入れを行っているようで、春と秋のバラの開花時には団体によってバラを観る会が開かれ、バラ園が解放されます。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.66-1

・大蔵総合運動場

大蔵総合運動場のバラの花壇

砧公園の西側、大蔵通りを挟んだ向かい側にあるのが「世田谷区立総合運動場」です。体育館、野球場、陸上競技場、テニスコート、温水プールに、アスレチックコーナーなど各種子供の遊び場もあり、多種多様の施設がある総合運動公園となっています。

ピラミッド型をした体育館はその特異的な外観から特撮やドラマなどの撮影によく使われています。入り口からその体育館へ続くメイン通りの真ん中は花壇になっていて、そこにはバラが植えられています。

園内には木々が多く、落ち着いた雰囲気があり、バラの咲く5月頃には運動公園がちょっとおしゃれな景観となります。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.65

広告

* アジサイ (6月頃) *

・蘆花恒春園花の丘

蘆花恒春園花の丘のアナベル

環八の千歳台交差点付近に蘆花恒春園(芦花公園)があります。芦花公園は文豪徳富蘆花が暮らした土地を整備した公園で、園内には東京都の史跡に指定されている徳富蘆花氏の旧宅や墓石、遺品などを展示した記念館があります。

この芦花公園の南側には花の丘という区域があります。花の丘にはシンボル的存在である15本ある高遠コヒガン桜が並んでいて、春にはとても素晴らしい風景となることで知られています。

丘の中央には花壇があり、ボランティアの方々によって四季折々の花を楽しむことができます。この花の丘の通路沿いにはアジサイの一種、アナベルがたくさん植えられています。

アナベルは白いアジサイで、アジサイ独特の彩鮮やかといった風景にはなりませんが、通路沿いに白い花が並ぶ様子は圧巻です。

<詳細・関連ページ> せたがや地域風景資産No.1-31

・世田谷線沿線

世田谷線とアジサイ

三軒茶屋から下高井戸までを結ぶ東急世田谷線。小柄でカラフルな車両が走る様子はどこか楽しそうで、愛くるしく感じます。

この世田谷線の沿線にはアジサイが多く植えられています。特に世田谷八幡神社付近ではまとまって植えられていて、ちょっとした世田谷線の撮影スポットになっているようです。

彩鮮やかなアジサイとカラフルな世田谷線の車両。子供が喜びそうな組み合わせで、線路沿いで子供をあやしたり、一緒に写真を撮っている姿を見かけます。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.4

・目青不動の教学院最勝寺

教学院最勝寺のあじさい

世田谷線の三軒茶屋駅はキャロットタワーの足元にあります。駅を出てすぐの線路沿いに教学院最勝寺があります。こんな場所にお寺が・・・といった感じです。

線路沿いからは広い駐車場を通ることになりますが、元々の参道は狭い路地に通じていて、その参道にはアジサイが植えられています。昔はアジサイ寺としても有名だったようですが、現在では家が密集しているので、通路に植えられているといった印象を受けるかもしれません。

ちなみにこの教学院最勝寺の不動堂には江戸五色不動の一つ目青不動があります。目黒不動、目白不動といったあれです。

<詳細・関連ページ> 世田谷散策プラスNo.3

・岡本公園と丸子川

岡本民家園のアジサイ

坂の多い岡本町。崖の下を崖から湧き出る湧水を集めながら丸子川が流れています。

水神橋付近から岡本公園までは親水公園として整備されていて、美しい小川といった感じで、春には桜を、梅雨頃にはアジサイも楽しむことができます。

岡本公園では湧水を利用してかつてホタルを飼育していましたが、今ではザリガニがいるぐらいでしょうか。ここでは水生植物などを見ることができ、また付随する民家園では古民家とアジサイを楽しむことができます。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.72

・静嘉堂文庫岩崎廟

静嘉堂文庫岩崎廟のアジサイ

岡本にある静嘉堂文庫はイギリス様式の美しい建物で、建物内には旧三菱財閥の創始者岩崎弥太郎氏の弟、弥之助、その子、小弥太によって収集された和漢の古書が収蔵されています。

一般の人は入れませんが、収集した古美術品、茶器などを展示した静嘉堂文庫美術館が隣接してあります。

静嘉堂のある丘には日本近代建築の父であるジョサイア・コンドル氏が設計した岩崎家の玉川廟もあります。財閥の墓なのでこれがまた凄く、小さな聖堂といった感じです。

この廟の周りにはアジサイが植えられています。アジサイの季節には廟が彩鮮やかなアジサイに囲まれ、どこかメルヘンチックな印象を受けます。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.73

* ねむの木 (6~7月頃) *

・砧公園ねむの木広場

砧公園のねむの木

東名高速東京インターの入り口付近にある桜と広い芝生で有名な砧公園。環八の入り口から入ると、大きなねむの木がある「ねむの木広場」があります。

ねむの木は豆科の植物で、初夏、6月から7月ころに開花します。筆の刷毛のようなピンク色の花を咲かせ、開花時期には少し甘い香りが周囲に漂います。

なぜねむの木なのか。それは夜になると葉が閉じる習性があることに由来していて、まるで木が眠っているようなのでそう名付けられたようです。

大きなねむの木が大量の花をつける様子はなかなか見ごたえがあり、広い空間もあるので、ちょっとだけ「この木なんの木気になる木」といった気分になれます。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.66-1

* さぎ草 (7月頃) *

・九品仏浄真寺

九品仏浄真寺のさぎ草

奥沢にある九品仏浄真寺は九品仏の名となっている9体の品を結んだ阿弥陀如来像。世田谷一立派な楼門。そして都の天然記念物となっているカヤとイチョウの大木、そして東京都の無形民俗文化財に指定されているお面かぶり(二十五菩薩来迎会)行事等で知られています。

浄真寺の境内はかつて奥沢城でした。そして鷺草伝説の残る地でもあります。奥沢城主の娘の常盤が飼っていた白鷺を縁に世田谷城主吉良頼康に嫁ぐものの、寵愛を一身に受けたために他の側室から妬みをかい、罠にかけられて殺されてしまうといった悲劇的なお話です。

そういった伝説の地である浄真寺には小さな池が設けられていて、常盤伝説に出てくるさぎ草が植えられています。伝説に思いを馳せながら鑑賞してみてはどうでしょう。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.98-2

・大蔵妙法寺

大蔵妙法寺のさぎ草

桜並木で有名な世田谷通りの大蔵団地付近は坂道となっていて、その坂を下ると仙川があります。この仙川に架かる橋から大きな大仏が見えます。これは大蔵妙法寺の回転大仏で、時間によって向きが変わるといった面白い大仏様です。この他境内に大きな枝垂れ桜があることでも知られています。

夏には本堂前で鷺草展が行われます。鷺草は世田谷区の花で、育て方の講習などもよく行われていますが、湿地帯に育つ植物なのでなかなか育てるのが難しいです。

ここではうまく鉢植えで育てていて、その鉢が本堂の前にずらっと並ぶ様子は圧巻です。鷺草をじっくりと見たいというなら妙法寺がお勧めです。

<詳細・関連ページ> せたがや地域風景資産No.3-13

* 蓮、睡蓮 (7月頃~) *

・烏山高源院の弁天池(鴨池)

烏山高源院の弁天池の睡蓮

烏山寺町の一番北にある高源院には目黒川(烏山川)の源泉となっている弁天池があります。自然の湧水によって水が蓄えられているといった環境から烏山弁天池特別保護区に指定されています。

かつて冬になるとカモが飛来し、越冬していたことから鴨池と親しみを込めて言われていましたが、現在では留鳥のカルガモしかいません。

池はそこそこ広く、夏になると池の大部分を睡蓮の葉が埋め尽くします。そして7月ころになると可憐な花を咲かせます。水辺の鳥や昆虫も多く、小さな生き物の様子を観察するのにもいい場所です。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.43

・代田の円乗院

代田の円乗院の蓮

小田急線世田谷代田駅の南側、環七付近から北沢川緑道の桜並木とせせらぎが始まります。その始まり付近に円乗院があります。

境内には高野槇の枯木が不気味な感じで聳えています。これは空襲で焼かれたもので、代田地域の空襲の記憶をとどめようと保存されているものです。

庫裡の前には大きな鉢がたくさん並んでいます。寒い時期に訪れると何だろうこの鉢の大群は?といった感じなのですが、これらは蓮の鉢です。

夏になると大きな葉と大きな花を咲かせ、境内がさわやかな感じとなります。

<詳細・関連ページ> 世田谷散策プラスNo.7

・大蔵妙法寺

大蔵妙法寺の蓮

回転大仏と大きな枝垂れ桜があることでも知られている大蔵の妙法寺は、木々や花が多く、とても季節感を感じられる境内となっています。

夏前には花菖蒲、夏には蓮が見ごろになります。といっても大きな池があるわけではなく、どちらも水を張ったプランターやバケツなどで育てられています。

これがなかなか立派な花を咲かせていて、プランターなどでもこんなに大きく、きれいに育つものなんだなと感心してしまいます。

<詳細・関連ページ> せたがや地域風景資産No.3-13

<世田谷散策記 世田谷花ごよみ 2018年11月改訂>

広告

*****   季節の花   *****

広告

広告