世田谷散策記

 ~せたがや百景~

せたがや百景 No.66-2

世田谷美術館

日比谷公園の約2倍の園内には一面緑の芝生が敷きつめられている。ゆるやかな起伏と木々が公園の景観にほどよい変化を与えている。家族連れやグループでのんびり一日楽しむには絶好の場所で、遠近各地から訪れる人々が多い。園内にオープンした区立世田谷美術館も人気を呼んでいる。(せたがや百景公式紹介文の引用)

・場所 :砧公園1−2(都立砧公園内)
・備考 :砧公園はNo.66-1で紹介しています。美術館の開館時間は10-18時(月曜定休日)。施設の利用案内や営業時間などは公式サイトを参照。
せたがや百景の案内板の写真

広告

広告

* 区立世田谷美術館について *

世田谷美術館前の並木通りの写真
美術館前の並木通り

美術館周辺はとても雰囲気がいいです。

砧公園の北側、清掃工場や世田谷市場がある通りに面して駐車場があり、その西側の一角に世田谷美術館とレストランがあります。

砧公園は都立の公園ですが、世田谷美術館は世田谷区立の美術館になります。

現在美術館を管理しているのは公益財団法人せたがや文化財団で、世田谷パブリックシアター、世田谷文学館などといった区内にある文化、芸術に関する施設も一括して管理しています。

昔は美術館といえば美術の観賞といったことしか行われていなかったのが、美術館でコンサートといったような垣根を超えたことも行われるようになりました。

世田谷美術館 出会いの広場の円柱の写真
出会いの広場の円柱

周囲は美術館に合わせて芸術っぽい雰囲気に造られています。

用賀駅方面から砧公園に向かう人は、プロムナードを通り、そして環八の信号があるところの入り口から中に入るのが普通だと思います。

それよりも北側、杉並の方へ環八沿いを歩くと、立派過ぎる歩道橋、パークブリッジがあり、さらにその先に石造りの入り口がひっそりとあります。

地元の人以外は使うことがない入り口ですが、ここが美術館の正面玄関といった感じで、真っすぐ進んでいくと途中には円形の柱が設置された出会いの広場があり、美術館の前の並木道に続いています。

世田谷美術館の建物の写真
世田谷美術館

屋根のアーチと建物の直線が美しい建物です。

世田谷美術館は砧公園が整備されてから約20年後の昭和61年(1986年)に開館した区立の美術館です。

収蔵品コレクションは・・・、一応一覧を見てみたものの何がどういった価値があるのかわからないので、とりあえず案内通りに書くと、収蔵作品はH・ルソー、F・ボテロ、Aボージャンなどの素朴派と呼ばれる画家たちや、世田谷区ゆかりの作家のものなど3200点あるそうです。

また、別館として区内に住む画家の住まいを美術館とした「向井潤吉アトリエ館 (弦巻)」「清川泰次記念ギャラリー (成城)」と老朽化したアトリエを解体、新築した「宮本三郎記念美術館 (奥沢)」もあります。

世田谷美術館 美術館の壁の写真
美術館の壁

壁には四角い凹にこだわった装飾がなされています。

美術館の建物は、地下1階、地上2階の鉄筋コンクリート製です。

建物の設計は建築家の内井昭蔵氏によるもので、この建築によって毎日芸術賞、日本芸術院賞を受賞し、この後も多くの建築を手掛けています。

建物の特徴としては、遠くから見ると屋根の曲線と建物の直線の対比が特徴的で、緑の中に茶色っぽい赤色の屋根がよく生えているような気がします。

近くで見ると、壁が普通のタイル張りではなく、穴の開いた・・・なんでしょう、セラミック製の装飾でしょうか。詳しくないのでよくわかりませんが、なんだかラーメンどんぶり的というか、防音効果のありそうな感じの装飾で飾られているのが印象的です。

世田谷美術館 噴水のある中庭
噴水のある地下中庭

地下部分はとてもオシャレな空間となっています。

設計にあたって公園内にある美術館ということを意識して設計したとのことですが、どうなのでしょう。現在では背後に清掃工場が建ってしまっていて、美術館がすっきりと見えないのが残念なところです。

地下部分は地下の中庭、サンクンガーデンとなっていて、噴水があり、ゆっくりとくつろげるオープンカフェがありと、とてもおしゃれな空間となっています。

近年では土地の有効活用として地下を利用する建物が増え、こういったサンクンガーデンをよく目にします。特に地下鉄の駅やビルなどに多いでしょうか。

ここのサンクンガーデン部分はおそらくかなり綿密に、そしてこだわって造られています。美術館とあって、曲線、直線を大胆に使い、また壁や階段、床などの模様をうまく配置し、全体で美術館にふさわしい美術的センスを感じられる空間です。さりげなくセンスがいいといった感じでしょうか。

世田谷美術館 屋外モニュメント
美術館の屋外モニュメント

美術館の周囲はとても雰囲気の良い空間となっています。

毎年、年に数回期間を決めて行われる企画展は私のような美術にはあまり興味のない人間でも「おっ!行ってみようかな~」と思うような展示を行っている事があります。

変わったものとしてはヨルダン展とか大英博物館展、メソポタミア文明展、秦の始皇帝展、日本ものでは東寺国宝展、熊野古道や平泉をテーマにした展示も行われていました。美術館が博物館みたいになってしまうのも地域の美術館らしいところでしょうか。

海外へ行かなくとも貴重なものが見られる海外の企画展はなかなか魅力的です。普段の生活においてもいい刺激になるのではないでしょうか。興味のある文化や地域のものが行われるときにはぜひ足を運んでください。

世田谷美術館 ムンク展の入場券
ムンク展の入場券

また以前は比較的名が知られている画家の展示も行われていて、1989年にはシャガール展、1992年にはゴッホ展、1997年にはムンク展が開催されました。(他にも有名な画家がいるかもしれません・・・)

シャガールとゴッホの時は知りませんが、ムンク展の期間中は桜の時期と重なったのもあってかなり多くの人が訪れていたように記憶しています。私もあの有名な「叫び」を見たくて訪れましたが、その時が世田谷美術館に入った最初で最後の時となっています。

あの当時は有名な芸術家の絵画が流行った時期であり、景気も良かったので区立の美術館でもそういった企画が行われたのでしょうが、今では大きな企画は東京都美術館で行われ、なかなか世田谷美術館まで回ってこない感じです。

世田谷美術館 雪の日の「ル・ジャルダン」の写真
雪の日の「ル・ジャルダン」

美術館と木々に囲まれた素晴らしい環境にあります。

世田谷美術館 レストラン脇での記念撮影
レストラン脇での記念撮影

レストランは披露宴にも使われます。

美術館に付随するようにあるレストランはフランス料理の「ル・ジャルダン」です。そこそこ有名で、グルメサイトなどの評判はいいようですが、お値段の方もそれなりにといった感じです。

美術館に付随し、しかも緑豊かな砧公園にあるということで店内、店外ともにとても雰囲気がよく、時々貸切で結婚披露宴が行われています。砧公園を散策していると披露宴前に記念写真を撮っている新郎新婦の姿を見かけることもあるかもしれません。

広告

  • ・せたがや百景
  1. せたがや百景とは?
  2. 世田谷公園
  3. 大山道と池尻稲荷
  4. 世田谷観音とその一帯
  5. 世田谷線(玉電)が走る
  6. 太子堂下ノ谷界わい
  7. 太子堂円泉寺とけやき並木
  8. 北沢川緑道桜並木と代沢の桜祭り
  9. 代沢の住宅街
  10. 代沢阿川家の門
  11. 北沢八幡の秋祭り
  12. 淡島の灸の森巌寺
  13. 若者と下北沢のまち
  14. 下北沢北口の市場
  15. 天狗まつりと真竜寺
  16. 下北沢の阿波おどり
  17. 羽根木神社の参道
  18. 梅と桜の羽根木公園
  19. 松陰神社と若林公園
  20. 上馬の駒留八幡神社
  21. さぎ草ゆかりの常盤塚
  22. 招き猫の豪徳寺
  23. 世田谷城址公園
  24. ボロ市と代官屋敷
  25. 蛇崩川緑道
  26. 駒沢給水所の給水塔
  27. 弦巻實相院界わい
  28. 宮ノ坂勝光院と竹林
  29. 収穫祭と東京農大
  30. 経堂の阿波おどりと万燈みこし
  31. 奉納相撲の世田谷八幡
  32. 北沢川緑道ユリの木公園
  33. 松原のミニいちょう並木
  34. 松原の菅原神社
  35. 下高井戸の阿波おどり
  36. 日大文理学部の桜
  37. 上北沢の桜並木
  38. 船橋の希望丘公園
  39. 廻沢のガスタンク
  40. 芦花公園と粕谷八幡一帯
  41. 粕谷の竹林
  42. 烏山西沢つつじ園
  43. 烏山寺町
  44. 烏山の鴨池
  45. 北烏山の田園風景
  46. 旧甲州街道の道筋
  47. 給田小学校の民俗館
  48. 祖師谷つりがね池
  49. 上祖師谷の六郷田無道
  50. 武家屋敷風の安穏寺
  51. 上祖師谷神明社
  52. 成城学園前のいちょう並木
  53. 成城の桜並木
  54. 成城学園の池
  55. 成城住宅街の生け垣
  56. 成城の富士見橋と不動橋
  57. 成城3丁目桜ともみじの並木
  58. 成城3・4丁目の崖線
  59. 野川と小田急ロマンスカー
  60. 喜多見氷川神社と梼善寺跡
  61. 喜多見慶元寺界わい
  62. 宇奈根氷川神社
  63. 砧小学校の桜
  64. 大蔵団地と桜
  65. 大蔵の五尺藤
  66. 大蔵の総合運動場
  67. 砧ファミリーパーク
  68. 東名高速の橋
  69. 大蔵の永安寺
  70. 岡本玉川幼稚園と水神橋
  71. 岡本三丁目の坂道
  72. 岡本もみじが丘
  73. 岡本民家園とその一帯
  74. 岡本静嘉堂文庫
  75. 多摩川灯ろう流し
  76. 多摩川の緑と水
  77. 新二子橋からの眺め
  78. 兵庫島
  79. 多摩川沿いの松林
  80. 多摩川土手の桜
  81. はなみずき並木の二子玉川界わい
  82. 瀬田の行善寺と行善寺坂
  83. 環八アメリカ村
  84. 玉川台自然観察の森
  85. 用賀観音の無量寺
  86. 馬事公苑界わい
  87. サマー世田谷ふるさと区民まつり
  88. 駒沢緑泉公園
  89. 駒沢オリンピック公園
  90. 桜並木の呑川と緑道
  91. 谷沢川桜と柳の堤
  92. 上野毛五島美術館一帯
  93. 上野毛自然公園
  94. 玉川野毛町公園
  95. 野毛の善養寺と六所神社
  96. 等々力渓谷と等々力不動
  97. 等々力の満願寺
  98. 等々力の玉川神社とその周辺
  99. お面かぶりの九品仏と参道
  100. 田園調布のいちょう並木
  101. 奥沢駅前の広場

* 世田谷美術館さくら祭 *

世田谷美術館さくら祭 美術館前に並ぶ出店
美術館前に並ぶ出店

ワークショップや物産展、フリーマーケットが中心です。

東京都内でも桜の花見スポットとして有名な砧公園ですが、桜の時期に大きなイベントが行われているわけではなく、ただただひたすら花見客が多いといった感じです。

万単位の人が訪れるのでそれに合わせて羽根木公園の世田谷梅まつりのような大きな桜まつりを砧公園でも行えばといいんじゃない・・・といった気もしますが、砧公園自体、大きなイベントは行われていなく、秋に行われる世田谷区動物フェスティバルぐらいでしょうか。

砧公園では桜まつりが行われていませんが、世田谷美術館前広場では小規模な桜まつり、世田谷美術館さくら祭がボランティアなどによって行われます。

世田谷美術館さくら祭 屋外コンサートの写真
屋外コンサート

美術館前にステージが設置され、芝生が観客席になります。

世田谷美術館さくら祭 美大生による創作アートの写真
美大生による創作アート

美術館の桜まつりらしい演出です。

世田谷美術館さくら祭は世田谷美術館の前で週末の2日間にわたって行われるイベントで、屋外コンサートや美術アートの作品の展示があったり、交流地域である群馬県川場村の物産展、レストラン「ル・ジャルダン」の模擬店、フリーマーケットなどの店も出ます。

小さなイベントですが、ボランティアによっての手作り感のあるほのぼのとしたイベントで、大勢でワイワイと花見に来た人たちにはあまり興味が湧かないかもしれませんが、一人や少人数で花見に来た方には気軽に立ち寄れ、楽しい時間を過ごせるイベントとなるはずです。

広告

広告

* 感想など *

世田谷美術館 屋外のモニュメント
屋外のモニュメント

美術館らしく様々なモニュメントが置かれています。

砧公園内にある世田谷美術館。とてもいい環境にある美術館で、中に入らなくても建物や周囲に置いてある像などを見るだけでもなんか芸術的な気分に浸れます。

美術館といえば、なんだか足が向きにくい場所のように感じたり、高い入場料を払ってまでは・・・という人が多いかと思います。でもここの常設展は一般でも200円と料金が安く、砧公園を散歩に訪れたついでに、たまには絵の観賞をしてみようかな・・・といった軽い気持ちで入ることができます。

時には気分を変えるためにも絵画などの観賞をしてみるのも悪くないかと思います。ゴッホやシャガールだけが美術ではありません。何か自分に足りないピースが見つかるかもしれません。

ー 風の旅人 ー

広告

広告

* 地図、アクセス *

・住所砧公園1−2
・アクセス最寄り駅は田園都市線用賀駅。駅からバスも出ています。

広告

広告

広告

<せたがや百景 No.66-2 世田谷美術館 2009年4月初稿 - 2018年9月改訂>

広告