サマー世田谷ふるさと区民まつり
上用賀2-1(馬事公苑内とケヤキ広場で開催)夏の緑を背に真っ赤なカンナの花が咲く8月初旬、馬事公苑を舞台に「ふるさと区民まつり」が開かれる。郷土芸能、ミニSL、おみこし、盆踊りや阿波踊りに馬の曲芸や試乗も加わり、大変な人気を呼ぶ。植木市や数えきれないほどの出店もたち並んで世田谷の一大夏の風物詩となった。(せたがや百景公式紹介文の引用)
1、世田谷ふるさと区民まつりについて
ご当地Tシャツや手ぬぐいなどのグッズを販売していました。
世田谷で大きなイベントといえば何でしょう。って考えるまでもなく、玉川花火大会です。そのほか、ボロ市も広く世間に知られ、区外から多くの人が訪れています。
もう一つ忘れられがちですが、この項目の「ふるさと区民まつり」。このイベントも他の二つに負けていないほどの集客数を誇っています。とはいえ、天候次第では来場者数が半分以下になったり、イベント内容によっては不調だったりと、年によって波があったりします。
公式の観覧者数が発表されていて、おおよその数字になるかと思いますが、2009年の「ふるさと区民まつり」は34万人(2日間)、2009年のたまがわ花火大会は世田谷岸29万5千、川崎岸7万8千の合わせて37万3千人、平成20年度(2008~9年)のボロ市は77万人(4日間)です。
まるで東南アジアの市場の駐輪場みたいでした。
「ふるさと区民まつり」が行われるのは、毎年8月の第1週目の週末。会場となるのはJRA馬事公苑です。オリンピックの為の工事で馬事公苑が使えない時は、規模を縮小し、世田谷区役所や若林公園で行われていました。
天候不順などの要因で来場者数は上下しますが、だいたい平均すると毎年40万人前後の人が訪れている感じなので、とても大きなイベントだといえます。
自転車を駐輪場に停めようとしたら、駐輪場に置かれている自転車の数にビックリしました。ずらっと万単位で自転車が並んでいて、圧巻の光景でした。
一昔前、東南アジアの市場ではこういった光景は日常的でした。そういった光景を思い出し、ちょっと懐かしく感じたのは私だけかもしれませんが、ある意味で区民まつりのハイライトの一つ・・・かもしれません。
ただ、帰りに自分の自転車を探すのに苦労する人が多く、駐輪場をさ迷っている人も多くいました。目印となる番号なり、記号などの立て看板でも設置してくれると嬉しいのですが・・・。
ボランティアスタッフはおそろいのシャツを着ています。
この「ふるさと区民まつり」は、昭和53年に第1回目が開催され、2017年時点で第40回と着実に回数を重ね続け、今ではすっかり世田谷の夏の風物詩として定着しました。
特筆すべきことは、開催して以来ずっと「世田谷区民まつり実行委員会」を中心に、区民の手づくりイベントとして行われてきた事です。世田谷区規模になると、イベント会社に発注して・・・みたいな印象を持ってしまいますが、違うのです。
会場を訪れると、若い学生達が一生懸命頑張っている姿を目にします。こういったボランティアの人々の努力で区民まつりが毎年行われ、その積み重ねで今に至っています。
世田谷区制施行75周年の際には、永年にわたり区民の連帯感と愛着心の向上に多大なる貢献をされてきたということで、「世田谷区民まつり実行委員会」が世田谷区から永年の功労を表彰されています。
2、会場の様子とイベントの内容
グラスアリーナに設置され、毎年背景のデザインが変わります。
訪れたことのある人には説明の必要はないと思いますが、行ったことのない人、初めてその存在を知った人は、ふるさと区民まつりって何を行っているの?面白いことやっているの?と興味がわいてくるでしょう。
それと同時に「ふるさと」って・・・世田谷にふるさとっぽいものってあるの?といった疑問もわいてくるかもしれません。
実際のところ、世田谷は知名度があってもそれはトレンドでの話題で、世田谷の深い部分、歴史や伝統での認知度はほとんどありません。
伝統のある事・・・・、例えば、世田谷城跡は残っているものの、その城主がだれかわかる人は少なかったり、区外の人にも知られるような伝統芸能というものも特にないし、他の地域の人に誇れること・・・、比較的世間に知られているのはボロ市ぐらいでしょうか。
アンケートではぶっちぎりで人気第一位でした。
物産展に参加している自治体などの演目が行われます。
*馬事公苑は2021年に行われた東京オリンピックの会場となったため、大規模な改修工事が行われました。ここに掲載している写真や内容はそれ以前のものになります。
せたがや区民まつりは馬事公苑と、馬事公苑と世田谷通りの間にあるケヤキ広場を会場として行われます。
ケヤキ広場には世田谷と関わりのある地方の物産展がずらっと並びます。色んな地域からやってくるふるさと物産展は毎年人気で、区民まつり30周年の際のアンケートでは断トツで一番人気でした。
物産展が目当てで、物産展を物色するついでに区民まつりを覗いていくという人も多くいるそうです。すぐ真ん前の農大でも秋には収穫祭が行われ、地方からの野菜や農大生製作の加工品が人気なので、この付近に暮らしている人はなかなか幸せな環境かもしれません。
ここには並木ステージが設けられていて、物産展を開いている地方からの伝統芸能なども演じられます。日曜日には神輿パレード用の神輿が集結し、園内へパレードしていきます。その時はケヤキ広場が大変にぎやかになります。
一番混み合う場所です。時間帯によっては身動きができなくなります。
馬事公苑内のメインストリートには各種団体のブースや露店が並びます。
せたがや区民まつり実行委員会のブースが一番目立つところにあり、Tシャツや手ぬぐいなどの世田谷ご当地グッズを販売していましたが、どのくらい売れるものなのでしょうか。
ご当地といえば玉電Tシャツや羊羹も売られていました。こういった世田谷関係のグッズで世田谷が盛り上がっていけばいいですね。とはいえ、普段そういったものを身に付けている人を見かけることはないので、売り上げの方がちょっと気になってしまいます。世田谷ナンバーも不評のようですし・・・。
また、朝のオープニングの時間に訪れたら何気に行列ができている店もありました。限定品とかもあるようなので、そういった情報を事前に入手しておくと、いい物が手に入るかもしれません。
オープニングの演奏の様子です。
華やかで人気のあるステージイベントは大小3カ所のステージで行われます。
芝生のあるグラスアリーナにメインステージが設けられ、ここでオープニングからフィナーレのコンサートまで主な行事と様々なイベントが行われます。
土曜日の夜の阿波踊りやサンバが熱く踊るせたがや踊りざん舞、日曜日の夜の一流のアーティストによるフィナーレコンサートは人気のステージで、毎年とても混雑しているようです。
他のステージはメインアリーナの奥にあるメインスクエアのスクエアステージ、ケヤキ広場にある並木ステージです。
メインステージを含めて、ステージでは区内の学生や団体によって演奏や踊り、地方の伝統芸能、子供用の戦隊ショウやポニー演技など多種多様な演目が行われます。
区内の神輿の団体(睦会)が集まります。見物人も多いので張り切って担いでいました。
大きなイベントとしては、土曜日の夕方から行われる盆踊り、阿波踊り、ねぶた、サンバなどが踊るせたがや踊りざん舞に、日曜日の昼過ぎに行われる区内の団体によるおみこしの連合行進、そしてフィナーレのコンサートです。
この時はステージなどが混むのは当然ですが、会場内では規制が行われたりするので、通路などでも身動きが取れないほど混雑する場合があります。
大きな太鼓なのでひと際目立っていました。
おみこしの連合行進と太鼓の饗演は、区内の御自慢の山車や太鼓を持つ団体や馬事公苑周辺の町会や神輿団体が参加し、ケヤキ広場から馬事公苑内をパレードします。
区民まつりの昔から変わらないイベントの一つで、多くの神輿と太鼓が列をなしてパレードする様子はこれぞ夏祭りといった感じで、見ていて楽しいです。
圧巻は桜丘の稲荷森稲荷神社の大太鼓です。このクラスの大きさの太鼓はなかなかありません。観客から「わぁ~大きいね」と聞こえてきます。10月の秋祭りでは千歳船橋の駅周辺の商店街などを練り歩きます。その様子はとても迫力があり、祭り好きの間では人気があります。
とはいえ、昔は花形だった神輿イベントも今では人気は下降気味。阿波踊りとともに昭和が最盛期ということになるでしょうか。
工作を楽しめるエリアです。
馬事公苑の芝生やダートコースの中には、子供が遊んだり、体験したり、工作したりするエリアがあります。
まず子供コーナーと名付けられているエリアでは、色々な手作り工作が体験できます。製作できるのはキラキラバッジ、竹細工、紙染め、パラシュート、プラバンや革のキーホルダーなどです。
アクセサリーになるようなかわいらしいものが多かったので、男の子よりも女の子の方が多く、アクセサリーなどかわいらしいものの製作に夢中になっていました。
昔ながらの遊びを楽しめるエリアです。
みんなで「昔あそび」をしよう!といった昔遊びコーナーでは、お手玉、けん玉、ベーゴマ、めんこ、草笛、水鉄砲、縄跳びなど昭和時代に流行った遊びを年配の人の指導で遊ぶことができます。
時々子供と一緒になって熱くなっているお父さんもいたりします。自分の子供の頃を懐かしく感じるのでしょう。自分の子供と同じ遊びが出来たら幸せかもしれません。
その他、子供コーナーにはフェイスペインティング、バルーンアート、世田谷の昔話の紙芝居などもあり、幼児から楽しめる内容となっています。
この他にも馬の試乗、囲碁・将棋コーナー、大道芸、落語や小芝居が行われる演芸コーナーなど様々な遊ぶエリアが設けられています。こういった子供達に楽しんでもらおうとか、色んな事を体験してもらおうといった体験コーナーの充実ぶりは、さすが世田谷。よく頑張っていると拍手を贈りたいところです。
馬場の芝生でゴルフできるのはここぐらいではないでしょうか。
障害物の坂路を使用した面白い試みです。
また会場である馬事公苑をうまく利用したイベントもあります。馬場となっている芝生を利用してのミニミニゴルフ、同じく馬場の障害物用の坂道を利用したローラーコースターも面白い趣向です。広いスペースがあるというのはいいもので、子供たちが元気に走り回っていました。
そして一番面白く感じたのが、武蔵野の林が残るエリアを利用したお化け屋敷ならぬ肝試しです。薄暗くなってからのイベントで、両日350人限定で整理券を配布しているほど非常に人気の高いイベントとなっています。
こういったイベントは馬事公苑でイベントを積み重ね、子供たちの反応などをみて試行錯誤しながら生まれたのでしょう。
一時期祭りの顔となっていました。桜新町の町を9月に練り歩きます。
古い記録を見ると金曜日に前夜祭を行っていた時期もありましたし、クラシックカーによるパレードを行ったり、代官屋敷から世田谷通りをミス世田谷や神輿などがパレードしていた時期もありました。
って、世田谷にもミス世田谷というものが存在していたとは・・・、古き良き時代といった感じです。
平成の初め頃は有名サッカー選手を招いて少年サッカーフェスティバルを行っていたり、富永一郎氏による漫画コーナー、流行に合わせてカラオケ大会を行っていた時期もありました。ジャンボ迷路や熱気球、レーシングカーが登場するような年もあったようです。
目玉となっているイベントが地方のお祭りのものだった時期もありました。ふるさと区民まつりとしては方向感がなく、ちょっと微妙な時期だったのかもしれません。
せたがや百景でいうなら昭和59年の第七回区民まつりでは百景の候補地の写真パネルと投票箱が設置され、百景の選定に一役買っています。
地元大蔵の太鼓団体の演奏です。
イベントというものは面白かったり、訪問者に何かしらメリットがないと人は集まらないものなので、毎年40万人もの人が集まっている事を考えればそれなりに誰でも楽しめるようなイベントだと思いますし、それを継続しているのは素晴らしい事だと思います。
世田谷が故郷だと感じられるイベントかと考えると、微妙に感じる部分はありますが、世田谷にふるさとと誇れるような芸能、しかも集客率を確保できるようなものがあるかといわれると、これまた難しい問題かと思います。
古くからの文化は廃れていく傾向です。過疎化が進む地方ならともかく、人の多い都会では単に人々が関心を示さなくなったから廃れるのであって、そういったものを今更行っても盛り上がりません。新しいことをどんどんやっていくほうが世田谷らしいような気がします。
ちなみに目黒の区民祭はあの秋刀魚を1万5千匹焼くという目黒秋刀魚祭りです。落語の目黒の秋刀魚に因んだアイデアや区の内外への話題性もあっていいのですね。これだといった特徴があると実行委員の人もやりやすいかもしれません。
また隣の川崎市高津区の区民祭は大山街道を利用したもので、大山詣でを再現したり、パレードを行ったりしています。世田谷では阿波踊りやサンバ、盆踊りが盛んなので「せたがや踊りざん舞!」といったようなイベントは、今後の世田谷の顔となるといいかなと感じたりもします。
3、感想など
子供たちが笑顔で観客に向かって手を振っていました。
せたがや区民まつりは、どうやったら訪れる人が楽しめるのかを試行錯誤し、時代や人々の趣向に合わせながら毎年40万人もの集客を誇っています。
40万人もの人を満足させることは想像以上に大変なことですし、40万の来客をおもてなしするのも大変です。そしてそれを持続しているのも凄いことです。永年の功労を表彰されているのもわかる気がします。
実際のところ、せたがや区民まつりは特に何が凄いといったイベントではありません。ボランティアの手を借りていろんなことをやっている手作りのイベントです。
区民まつりと難しく考えるよりも、規模を大きくした夏祭りといった感じで訪れるのがいいのではないでしょうか。露店あり、遊んだり、体験する場所があり、神輿や阿波踊りなどと夏祭りの要素はなんでもありです。おまけに物産展など親も楽しめる要素もあります。
手軽に一日楽しめる夏祭りのテーマパーク。それがせたがや区民まつりでしょうか。次どこのブースへ行きたいと目を輝かせながら一生懸命親の手を引く子供を見て思いました。
せたがや百景 No.86サマー世田谷ふるさと区民まつり 2025年8月改訂 - 風の旅人
・地図・アクセス等
| ・住所 | 上用賀2-1(馬事公苑内と公苑前のケヤキ公園で開催) |
|---|---|
| ・アクセス | 最寄り駅は田園都市線用賀駅、小田急線千歳船橋駅、経堂駅、世田谷線上町駅など。駅から少々離れています。 |
| ・関連リンク | 世田谷区民祭り実行委員会 |
| ・備考 | 8月第一週末に開催 |