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せたがや百景 No.46

給田小学校の民俗館

せたがや地域風景資産 No.3-18

給田小学校の古民家

給田小学校の一角にワラ葺のままの農家が保存されている。農具などの農村生活に深い関りがあった道具類も併せて保存され、小さな民俗館となっている。農村だったころを思い出させる。児童にとって得がたい郷土教育の教材でもある。(せたがや百景公式紹介文の引用)

・場所 : 給田4-24-1
・地域風景資産の関連団体 : 千歳民俗資料保存会
・備考 : 内部の見学はできない模様

*** 給田小学校の古民家、民俗館の写真 ***

給田小学校の古民家、民俗館の写真
校門から見る民俗館など

奥は古農具などが展示された資料館

給田小学校の古民家、民俗館の写真
給田小学校の古民家

可愛らしいおもちゃのようなたたずまい

* 給田小学校の民俗館、古民家について *

2008年、2009に西沢つつじ園を訪れたついでに給田小学校の民俗館も見ておこうと訪れてみたのですが、2008年はかなり大掛かりな工事を行われていて校庭自体が閉鎖されていました。2009年には工事が終わって学校自体は新しくなっていたのですが、肝心の民俗館の姿がどこにもありませんでした。

その後調べてみると、学校の工事が完全に終わった後で解体した民俗館を復元するらしいとわかり、まあまた来年のツツジの季節にでも訪れてみようかなといった感じでした。2010年になって民俗館が完成し、落成式が1月30日に行われたというニュースを目にしました。おっ、ようやくできたのか。せたがや百景のページで写真もなく、全く形になっていないのはこの項目だけ。とりあえず見るだけでも見ておくかと、20号を通った時に寄ってみました。

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日曜日の夕方だったので完全に人気がなく、普段はどういう状態になっているのか分かりませんが、一般の人が見学し難そうな感じでした。玉川小学校の平和資料館のような構造だったら訪れやすいのですが・・・。これだと少なくとも要予約ってな感じで、人が来たら雨戸を外して・・・となりそうな予感。

でも校門のすぐそばに設置されているので、内部に興味がなく、ただ単に見たいだけの人には見やすいようになっています。それにしても民俗館って・・・、遠目から見るとなんかプラスティックでできたおもちゃの家みたいな感じでした。どこまで復元して、どこを新しくしたのかは遠くからだったのでよくわかりませんでしたが、立地条件を含めてあまりにも昔と違いすぎて何とも感想に困ってしまいます。

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ただ小学校の校庭にあるので安全、防火という意味で茅葺き屋根をトタンで覆ったりするような安全対策が施されるのはしょうがないといえばしょうがないのでしょうが、これでは古民家と言えるのでしょうか。古民家を現在の規制の多い小学校にわざわざ近代的に改装して置いておくメリットは・・・、これなら素材からして安全対策を万全にしたレプリカをおいてもいいのでは・・・、当時のあるべき姿に復元して民家園などに移築するというのも一つの選択肢だったのでは・・・、というのが、今後のこの項目のテーマになりそうな感じです。

ちょっと脱力感を感じつつも、内部を見学したわけではないので、あくまでも第一印象の感想でした。そのうち機会があれば民俗館内部の見学をしてみたいな。そうすればまた評価がいい方向に変わるかもしれないし。でもそういう機会ってあるのかな・・・?と思いつつ、時が過ぎました。

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それから一度も訪れることなく4年の月日が流れ、その存在を忘れていた頃、2014年の第三回せたがや地域風景資産に選定され再びこの古民家を思い出す事となりました。普段から公開したりするような活動を行っているのかな。行ってみなければ。

と最初は思ったものの、選定の趣旨などを読むと、「宍戸家より給田小学校に移築・保存され古民家は、せたがや百景にもなっている。日常的な児童の憩いの場であると共に、千歳民俗資料保存会と児童による掃除や障子の張り替え、PTA や地域の団体による行事など、学校、地域、子ども、保護者の協働による「生きた風景」となっている。小学校の敷地内にあることから、セキュリティ上、地域風景資産としての公開性に一定の制限がつくことはやむをえない。海外では景観をテーマとした環境教育、児童教育が盛んである。古民家を通して、子どもたちに昔の建築物や地域活動に興味を持ってもらうなど、環境教育の場として一層活動を広げていくことが期待される。」とありました。う~ん、どうなのでしょう。

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勝手な想像で書くのもなんなのですが、世田谷には農大の博物館に次大夫堀公園民家園、北烏山九丁目屋敷林市民緑地など本物の古民家や道具、生きた景観があります。むしろそこを訪れる方がいいのではと思ってしまいます。近年では本物を知らないで育ってしまう子供達が多く、社会に出てから色々と困ることも多々あるようです。

例えば古民家園では囲炉裏で煙を出して、茅葺き屋根に虫が付かないようにしています。だから煙ったく、煤っぽい臭いもあります。それが本物の民家です。農機具も実際に畑で使わなければただの置物でしかありません。実際に次大夫堀公園で田植えをしている子供たちの方が生きた体験をしているのではないでしょうか。

海外では景観をテーマとした環境教育、児童教育が盛んであるとありますが、それは調和した景観なのではないでしょうか。単に校庭に置かれている、しかも現代風にアレンジされた古民家で景観を云々というのはちょっと趣旨が違うような・・・とまず感じてしまったのですが、きっと単なる憂いなのでしょう。

<せたがや百景 No.46 給田小学校の民俗館 2009年7月初稿 - 2015年10月改訂>
( せたがや地域風景資産 No.3-18、給田小学校の古民家 )