代沢の住宅街
代沢2~3丁目関東大震災後の区画整理で誕生した世田谷の代表的な住宅街。戦前から高官や著名人が居を構えた。坂が織りなす地形の表情が変化に富み、散歩には好適。生垣に四季の移ろいを楽しむことができる。(せたがや百景公式紹介文の引用)
1、代沢の住宅街について

私の中では世田谷の高級住宅街といえば成城が一番で、東京の西部では隣接する大田区の田園調布と双璧を成しているものと思っていました。そもそも代沢には来る事もなかったので、その存在や実態を知りませんでした。
今回「せたがや百景」に選ばれているので、とりあえず行ってみなければと、しぶしぶ(お金持ちの家を見ても楽しくないので・・・)訪問してみました。そして、びっくり。これはちょっと凄いかも・・・、いや、かなり凄いぞ。と、考えが一転しました。

まず第一に敷地がでかい。それも半端なくでかい。これが一般の家っていうようなお宅も多々ありました。更には、立地が斜面の区画も多く、坂に建てられている建物はどことなくおしゃれというか、品格があるような造りをしていて、塀が高いせいか圧倒感も感じたりします。
更に更に、家自体がありきたりなものではなく、かなり凝った造りをしていました。それがお金持ちにしかできないぞといった凝り方なので、正直に参りましたといった気分になります。
次の項目に出てくる赤門で有名な阿川さん宅も凄かったし、代沢は予想外に凄い地域でした・・・。

歩いてみて感じたのは、どの家も新しいということです。もちろん新しく建てた家もあるでしょうが、きっとまめにリフォームとかをして外観を保っているのではないでしょうか。ただ大きいだけではなく、きれいで、庭も凝っていてと、ただただ感服。
それから二世帯住宅が多いような気がしました。建て直したついでに今風の二世帯にしてしまおうといった感じなのでしょうか。敷地面積はあるし、今後ともこの土地を守っていくことを考えると、家族の仲さえ悪くなければ他に新居を構えるよりもいいのは確かです。
相続のこととかを考えても・・・考える必要もないのかな。いや、これだけの土地だと相続税の額も凄いことになっていそう・・・。


区内では成城が高級住宅地として有名で、今や全国に知られています。成城の場合は小田急線の開通後に開発が進んだので、代沢よりも新興住宅になります。
代沢と成城の違いは・・・、これはあくまでも私の歩いて感じた印象ですが、代沢の住宅地では品とか格式を感じ、成城の方は格式張らない自由な雰囲気を感じました。
その理由は、ここ代沢では石垣というか、石の塀が通りに続いていて、歩いていると重厚とか、格式張ったというか、堅い印象を受け、成城では生垣やフェンスが多く、大きな家があっても威圧感をあまり感じなかったからです。

*国土地理院地図を書き込んで使用
また百景の文章に、戦前から高官や著名人が暮らしていたとあります。しっかりとした立場の人が住居を構えていたことが想像できます。
成城の場合は、東宝撮影所が近くにあり、俳優が多く暮らすことで人気となりました。生垣の柔らかさや、芸能人のカジュアルさ、そういった威圧感の少ない自由な雰囲気が成城の魅力になるのでしょう。
まあ本当のお金持ちからしたら、ミーハーな成城なんかと一緒にしてくれるな。となるのでしょうが・・・。金持ちのマウントの取り合いはなかなか壮絶だったりします・・・。
2、感想など

古くからの木もたくましく残っています。
江戸川乱歩の怪人二十面相シリーズ。小学生だった時にドキドキ、ワクワクしながら読んだものです。二十面相が盗みに現れる場面で、夜の静まり返った閑静なお屋敷街がよく登場し、二十面相が石塀を乗り越えたり、塀の上を奇術師のように走り抜けていました。
ここ代沢の長い石塀が続くお屋敷の感じが、そういうイメージとぴったり重なり、散策しながら怪人二十面相を何十年ぶりかに思い出しました。戦前に高官や著名人が居を構えていたということなので、まさにピッタリなイメージです。
とまあ、私の中ではちょっと格式張った雰囲気を感じ、怪人二十面相が盗みに入りそうなイメージがするのが、代沢の高級住宅街です。長い石塀の上を軽業で走る二十面相を想像しながら散策すると、何かワクワクするような気分になれました。
ただ、二十面相は簡単にイメージできても、自分がここに暮らすイメージというのは全くわいてきませんでした・・・。笑。
せたがや百景 No.8代沢の住宅街 2025年5月改訂 - 風の旅人
・地図・アクセス等
・住所 | 代沢2丁目、3丁目界隈 |
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・アクセス | 下北沢駅、池ノ上駅から徒歩 |
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