* 蛇崩川緑道 下馬~三軒茶屋 *
蛇行する緑道内の道
蛇崩川らしく通路が蛇行していて面白いですね。
蛇崩川・・・。ちょっと変わった名前が付いている川です。名前に蛇という文字が入っていることで想像が付くでしょうが、かなり曲がりくねった川です。
ただ名前の由来に関しては色々な説があり、必ずしも曲がりくねっているから蛇崩川というわけではなく、地名的には「蛇崩=崖崩」と解釈されています。
実際に大雨になるとよく崖崩れを起こしていたようで、その事と曲がりくねった川の様子から蛇崩れになったとか、あるいは崩れた崖から大蛇が出てきたという伝説から蛇崩れとなったといった説もあります。
現在では耕地整理や河川の流路変更でかなり川の流れが整えられましたが、それでも部分的にはよく曲がっている川で、今でも蛇崩川の名前がふさわしい川だと感じます。
駒繁公園
桜があるので子供を遊ばせながら花見をしている人もいました。
川の全長は世田谷区内が約3kmで、目黒区が約1kmと合わせて4kmほどの川です。昭和50年にはそのほぼ全てが蓋をされて緑道となりました。
下流から蛇崩川を遡って解説していくと、東急線の中目黒駅のすぐ南側で目黒川に合流しています。
その手前、山手通りから目黒川までのちょっとの区間は蓋がされていないので、唯一川面を見ることが出来ます。と言ってもありふれたコンクリートで固められた川を見ても・・・といったところでしょうか。
ここから遡っていくと、まずは東横線沿いに西に進み、新しくなった目黒区役所付近で北に進路を変えて線路をくぐり、くねくねと蛇行しながら世田谷にやってきます。
最初に入ってくるのは下馬1丁目。そして三宿通りを横切り、駒繁公園に至ります。駒繁公園は遊具の置いてある公園なので通りがかるといつも子供たちの姿を見かけ、楽しそうな声が響いています。
駒繁神社の橋
緑豊かで昔の面影が一番強い場所です。
駒留中学校~駒繋神社
大きく弧を描いている様子が美しいです。
駒繁公園のすぐ横は駒繁神社です。神社の鳥居前の朱橋が暗渠となっているのも緑道となった影響で、神社の緑と合わせて雰囲気がよくなっています。
神社があるのが少し高台で、この付近は神社に沿ってかなりきついカーブを描いています。さらにこの先の住宅地にかけても弧を描きながら緑道が整備されていて、住宅地ながら川の流れを感じることができます。
駒繁公園から駒留中学校の間は川筋にあまり手を加えないで緑道にした区間で、かつての蛇崩川らしさが一番よくわかる部分だと思います。
駒留中学校校門前
この付近は桜がきれいです。きっと通学が楽しいでしょうね。
駒繁神社からカーブを描きながら緑道は進んでいき、駒留中学校に至ります。
この付近は桜が多く植えられていて、美しい桜並木となっています。蛇崩川緑道で一番桜がきれいな場所ではないでしょうか。
昔は駒留中学校と聞くと荒れたイメージがあったのですが、今はどうなのでしょう。こんなきれいな桜並木を見ながら通っていれば・・・などと思ってしまうのですが・・・。
三軒茶屋の南
ひたすら真っ直ぐで、通路といった感じです。
駒留中学校を過ぎると、しばらくは真っすぐな川筋になります。かなり真っ直ぐなので、この付近は川筋を大幅に整備したのでしょう。
そして世田谷郵便局前の交差点の北側で国道246号を横切ります。一旦緑道は途切れ、歩行者が道を渡るためには大きく迂回しなければなりません。
* 蛇崩川緑道 三軒茶屋~弦巻 *
環七付近
妙に下町っぽい風情があります。
国道246号を越えてからは世田谷郵便局や世田谷警察署の北側を通り、緑道と一体化した丸山公園に至ります。
丸山公園を過ぎると大きく進路が西に変わり、環七に向かっていきます。この付近の緑道は緑に囲まれた緑道といった感じです。
そして環七を越えるとしばらくは弦巻通りと平行します。この付近はあまり生活通路になっていないのか、適度に緑道内の通路が蛇行していて歩くには少し不便かもしれませんが、緑道としての雰囲気はとてもいいです。
サツキと藤棚
百景の案内板が設置されているので、ここが一番のスポットでしょうか。
弦巻通り沿いのツツジ
この時期は道路脇がカラフルです。
駒沢中学校付近の交差点近くにある小泉公園の真ん中を突き抜けると、ここからは弦巻通りの歩道と一体化します。
この付近にはサツキ・・・未だにツツジと区別が付かないのですが、どうもツツジのような気がするのですが・・・と、藤棚があることが特徴です。5月の連休付近には両方とも見頃を迎えるので、なかなか通りが華やかです。
特にサツキに関しては一見の価値がありといったぐらい華やかです。この付近が百景の切り絵となっているので蛇崩川緑道を象徴する区間となるでしょうか。
水道管がある道
面白いような、不気味なような、変わった道です。
その後弦巻中西交差点付近でまた大きく進路が北に変わり、弦巻通りと別れを告げて弦巻神社の東側を通り、松丘小学校南側へ至ります。
この付近には水道管のようなオブジェが忽然とあって、昔から何だろうと気になっていたのですが、ようやく納得しました。
しかしながらこれは危ないです。変わったものが好きな私としてはこういう趣向は好きなのですが、安全を考えると賛同しかねます。
なんせ夜には黒い鉄の固まりなのですから。それが歩道の真ん中に取り付けられていては溜まったものではありません。夕暮れ時に自転車などで勢いよくぶつかったら大変です。
水道管のオブジェ
柵やガードレース代わりにするよりはいいかと思います。
蛇崩川緑道を進む子供神輿
水道管のを避けながら進んでいく様子は見ていて面白かったです。
ゴルフ練習場から松丘小学校や中央図書館付近にかけては完全な緑道なっていて、緑道の脇には水道管を使用したオブジェが設置してあり、これはアートというか、楽しげでなかなか面白い趣向です。こういう通行の邪魔ならないものならどんどんと設置して欲しいものです。
弦巻神社の神輿渡御ではこの緑道を通るのですが、水道管のオブジェを除けながら進んでいく様子が見ていてちょっと面白かったです。
JRA弦巻公園
この付近が源流となるようです。
松丘小学校の南側、中央図書館を過ぎると桜新町の駅前から世田谷通りに抜ける道を横切ります。
この後はいまいち川筋がはっきりしなくなります。おそらく東急バスの営業所の下を通り、大山参りの旅人の像がある弦巻四丁目の公園を通っていると思われます。
この後は西弦巻保育園の前の通りの下を通り、松丘幼稚園、JRA弦巻公園付近に向かっているようです。
源流はと言うと、このJRA弦巻公園辺りだそうです。この先にある馬事公苑内にある池という説もありますが、どうもそちらは品川用水へ流れていたようで違うみたいです。
* 感想など *
桜の季節の散策
散策を楽しむ人も多いようです。
川筋を考える旅というのは面白いものですね。新しい発見でした。地図で辿っても面白いし、また実際にデジカメを携えながら自転車でのんびりと緑道をサイクリング、あるいは徒歩で散策するというのも結構楽しいものです。もちろん往復しなければならないことを考えると、短い都市河川の話ですが・・・。
そういう意味でも比較的短く、鉄道の便のいい蛇崩川緑道はおすすめです。特に桜の時期の下馬とツツジやサツキの咲く頃の弦巻はお勧めです。
せたがや百景No.24 蛇崩川緑道
ー 風の旅人 ー
2018年3月改訂