* 代沢阿川家の門について *
代沢の住宅街にドカッと赤くて大きな目立つ門があります。ここまで大きいとさすがに通る人はお寺?江戸時代の武家屋敷跡?なんの文化財?などと気になるはずです。それぐらい迫力のある門です。
これは阿川さん宅の個人所有の門で、阿川家は将軍家の休息所となったほどのお家柄だとか。しかも「阿川の森」と呼ばれるような広大な敷地を擁していたそうです。そう聞くと納得です。
現在では門は健在なものの、百景選定当時と比べて雰囲気が変わってしまったようです。敷地内に見える母屋は今時の建物になっていて、周りの風景もおしゃれな感じになっています。
というより、古い赤門が今時の建物の間に埋まっている・・・、といった感じです。でも不思議とそんなに違和感を感じませんでした。
門に近づいてみると、門はきれいな朱色に塗られ、屋根もきちんと補修されていました。風雨による劣化がほとんど感じられないほどです。補修前の状態がどうだったのか知りませんが、相当な手間と金額がかかったはずです。
田舎にある私の親戚の家も文化財だったかに登録されていますが、補助金などはほとんど貰えません。あまり詳しくありませんが、国の重要文化財とか、美観地区に指定されているとか、何か特殊な事情がない限り、個人が住んでいる家を補助金(税金)をかけて残すようなことはしないはずです。
この場合も恐らくそういったケースで、門だけは先祖の誇りなので残すとして、それ以外の旧主屋は古くなってきたし、維持するのが大変だから今時の家に建て直そうといった感じではないのでしょうか。
古い家は・・・維持するだけでお金がかかりますし、よほど愛着がない限り都会では暮らしにくいものです(空調、防犯、火災、シロアリ等々)。これもまた時の流れだということで諦めましょう。ほんと、年代物の古い家は大変です。