世田谷散策記 せたがや百景のバーナー
せたがや百景のロゴマーク

せたがや百景 No.82

環八アメリカ村

アーリーアメリカンスタイルの白い建物のレストラン郡や住宅展示場が立ち並んでいる一角。誰いうともなくアメリカ村と呼ばれている。車社会に忽然と出現した都市の新しい名所だ。週末には湘南海岸へ行く若いサーファーや家族連れで賑わう。(せたがや百景公式紹介文の引用)

・場所 : 東名のインターから瀬田交差点方面にかけて
・備考 : 現在は面影がありません。

*** 東京インター入り口付近の写真 ***

環八東京インター入り口付近の写真
環八と東名高速入り口の交差点

交通量の多い交差点です。

環八東京インター入り口付近の写真
東名高速入り口とマクドナルド

1985年に国内500店舗目として営業開始したとか。

環八東京インター入り口付近の写真
かつてのアメリカ村と呼ばれた辺り

今は面影がありません。

環八東京インター入り口付近の写真
当時の面影を残していたデニーズ

H24年にコンビニになってしまいました。

環八東京インター入り口付近の写真
住宅展示場

今なお健在ですが、珍しい存在ではありません。

環八東京インター入り口付近の写真
東名の通行止め

気象状況によってたまにあります。

環八東京インター入り口付近の写真
大混雑の東名高速

渋滞70キロにはビックリしました。

* 環八アメリカ村について *

「アメリカ村。環八に?どこだろう・・・」 そして調べて、「えっ、ここが・・・」とびっくりしました。普段見慣れた場所で、しかも一度もここをアメリカ村などと感じたことがなかったからです。

百景の選定が昭和57年なので、アメリカ村と呼ばれたのは昭和50年代の話になるのでしょうか。その頃は石油ショックが終わり、高度成長期の真っ盛り。マイホームブームにマイカーブーム。その先駆けとして瀬田の住宅展示場があり、東名高速道路の入り口にはマイカーでのレジャーに行く人々が寄るための色々なお店が建ち並んでいて、いかにもアメリカっぽい風景になっていたようです。

line

実際にその頃の写真を見ると広いスペースに大きな洋風の建物のレストランが並んでいて、映画に出てくるアメリカ郊外の雰囲気にちょっと似ているかなと思えます。昔の本の記述の中には他県ナンバーも多いとあったので、やはりせたがや百景に選ばれるだけのアメリカ村といった雰囲気が強烈にあり、区外の人などにはちょっとした観光地というか、ちょっと立ち寄ってみたいような場所になっていたようです。

しかしながら今ではそういったレストランはなくなってしまい、住宅展示場は健在ですが、当時はモダンだった洋風の建物も今ではごく当たり前となり、どこにでもあるような国道沿いの風景となってしまいました。

line

選定時の文章では週末にはサーファインを持った若者が集まり、湘南に向けて出発してと書いてあることから考えると、当時は携帯電話もない時代なので、高速道路に乗る前に集合していたのではないでしょうか。そういう点で高速のインター付近に飲食店があるのは都合が良かったに違いありません。

現在では文明の利器である携帯電話というものが普及しているので、現地で「今どこ~?」ってなこともありですし、「ちょっと遅れるから先に行っていて~」なんていう事も可能です。それに東名高速道路には海老名パーキングエリアというとても施設の充実した巨大なパーキングエリアがあり、そこで待ち合わせの方が何かと便利です。今やそれぞれのサービスエリアが話題や味、サービスで勝負している時代なので、待ち合わせには退屈しないようになっています。

line

そう考えると飲食店がインターの手前にあっても流行らない時代となってしまったように感じます。内回り側にあるデニーズだけは昔から健在でしたが、それも平成24年だったかにコンビニに変ってしまいました。交差点の角にあるマクドナルドは百景選定後の1985年に営業を開始したものです。なんでもちょうど国内500店舗目だとか。常にドライブスルーが混雑している印象です。

最近ではコーヒー専門店スターバックスが交差点付近のビルで営業を始めましたが、行く末はどうなるのでしょう。見た感じではドライブスルーはそこそこ流行っている感じはします。まあブランド力があるので砧公園を利用した人なども休憩に訪れている感じなので大丈夫でしょうか。

line

もっと象徴的なのは、昔はインター付近の環八にガソリンスタンドが幾つかありましたが、今では内回りと外回りに一つずつあるだけです。全国的にガソリンスタンドは減少傾向にありますが、日本の大動脈である立地で考えると、ここが減ってしまうのはちょっと微妙に感じます。もちろんガソリン価格の高騰で給油のスタイルが変わったというのもありますが、それでもやっぱりインターでの人の流れの変化を感じずに入られません。

現在の高速インター付近というのは近所で準備しそこなったものや車内飲食できるものを思いつきで買うぐらいで、多くの人が速やかに通過して行く場所となっている感じです。近所で準備をして、まずは海老名インターまで行ってそこで休憩をして、目的地へ。帰路も海老名などのサービスエリアで休憩や食事をし、インターを降りてもすぐ解散。家族旅行の場合は、近所のスーパーに寄ってといった感じでしょうか。レストランなどよりもファーストフード店やコンビニが盛況するといった時代になってしまったんだなと感じてしまいます。

line

現在高速の入り口でたむろっているのはオートバイぐらいでしょうか。ツーリングに行くのに東名高速の入り口で集合ってな感じでたまに見かけます。特に台風の被害で西湘バイパスが通行止めになっていた期間は結構いました。

また時代の流れで言うと、猿岩石がヒッチハイクでユーラシア大陸を横断といった番組が流行ったときなどは、インターの入り口で「大阪」「京都」などといったプラカードを持った若者が結構いました。今はほとんど見かけませんが、たまに頑張っている若者がいます。

line

高速道路が千円均一となったときにはマイカーブーム再びといった感じで、高速のインター付近が活気づくような雰囲気でした。そういったことを考えると、アメリカ村から「日本の大動脈東名高速の入り口」といったようなタイトルに直した方がいいかもしれません。

マイカーブームから始まって、サーフィンの若者=マリンスポーツの流行、スポーツカーの増加(社会の高性能競争)、ヒッチハイク(旅ブーム)、外車の増加(富裕層の増加)、自動二輪の二人乗り(規制緩和)、スポーツカーの減少(環境問題)、付近のガソリンスタンドの減少(原油高)、高速のETC割引や千円均一などといった時代の流れを映し出していていいかもしれません。

line

今後はどうなるのでしょう。ガソリンが高くなり続けると、ハイブリッド車や軽自動車が増えるのでしょうか。それともマイカーブームの終焉となって通行する乗用車が減り、商用車やトラック、バスばかりになるのでしょうか。はたまた少子高齢化で二人用の小型車が主流になったり、電気自動車や次世代燃料の車が開発されるのでしょうか。何にしても車文化、レジャー文化の行く末を見るのには面白い場所であり、そして世田谷の一つの誇れる場所でもあると思います。

<せたがや百景 No.82 環八アメリカ村 2008年6月初稿 - 2015年10月改訂>