* 大蔵の五尺藤について *

電柱に百景の案内板が取り付けられているのはここだけではないでしょうか。
砧公園には昔からよく行っているのですが、近くにある五尺藤については全く知りませんでした。せめて公園の周回道路沿いにあれば、「あっ、きれいな藤が咲いてる!」といった感じで気がつくのですが、ちょっと奥まった場所の、しかも個人の庭だったりするので、古くから地元に暮らしている人ぐらいしか知らないのではないでしょうか。
そういった状況なのか、大蔵の町を歩いていたら電信柱に百景の案内板が取り付けられているのを発見しました。大蔵には五尺藤がありますよってな感じでしょうか。
昔はこのように電信柱に百景の案内板を取り付けてその存在をアピールしていたのでしょうか。それともここだけが特別なのでしょうか。広告料は区が払っているのでしょうか。色々と気になってしまう看板です。

外から見るとこんな感じです。
実際に住所を調べて訪れてると、表札も見えなくなるぐらい緑の垣根が生い茂っているお宅が五尺藤の和田さん宅でした。これでは中が見えない。門からは緑のトンネルの奥に藤がちょっと見えるだけでした。
さて、どうしよう。勝手に入ったら不法侵入だよな。チャイムを探すものの見つかりませんでした。
中に進んでいって写真を撮らせてくれるようにお願いしようか。う~ん。とちょっと悩んだものの、小心者なので外からズームで撮ってその場を後にしました。
せたがや百景の中でも一個人の所有物はこの五尺藤と阿川家の門。門の場合は外からでも見えるからいいのですが、さすがにここは庭にあるから気軽に見るのには厳しいものがあります。

とてもきれいな感じの玄関です。
翌年、今年こそは写真を撮りに行くぞ・・・。とまあ使命感に燃えつつ、ちょこっと他の人のホームページなどで調べてみると、藤の開花時期には庭を一般に開放しているようで、気軽にとまではいかないまでも失礼しますとそのまま中に入っていけばよかったようです。ということで、再び訪れてみました。
残念ながら不在でお話は聞けませんでしたが、玄関前には鉄製の頑丈な藤棚が設置してあり、素敵な空間が出来上がっていました。
満開少し手前でしたが、藤棚から垂れている花は長いものもあり、接木してから80年も経つようですがまだまだ五尺藤は健在といったところでした。ただ花の蜜を吸いに来ている虻が沢山いてちょっと危険。無断で長居するのも気が引けるし、写真だけ撮らせてもらい早々に立ち去ることにしました。
和田さんは園芸家だとか。それで立派な藤が育っているようです。それから同じく和田さん宅にはツツジ科のカルミアが植えられています。これは日本で一番古いカルミアだとか。なんでも岩崎弥太郎氏が自社船で個人的に運んだものの一本だそうです。気が付かなかった。また訪れなければ…。