世田谷散策記 せたがや百景のバーナー
せたがや百景の案内板の写真

せたがや百景 No.31

北沢川緑道ユリの木公園

北沢川緑道でもこのあたりは都会的な趣きのある遊歩道だ。レンガタイルを敷き、芝生を植え、スツールが置かれていて、公園のような緑道となっている。近所の人々のゆきとどいた手入れで、いっそう心地よい憩いの空間となっている。(せたがや百景公式紹介文の引用)

・場所 : 宮坂2丁目付近
・備考 : 第2回せたがや界隈賞、5~6月頃がユリノキの花の開花時期

*** 北沢川緑道ユリの木公園の写真 ***

北沢川緑道ユリの木公園の写真
山下駅前の緑道入り口

東側はここから始まります。

北沢川緑道ユリの木公園の写真
緑道と世田谷線山下駅

正面が山下駅で道が途切れます。

北沢川緑道ユリの木公園の写真
真っ直ぐに続く緑道

ひたすらまっすぐです。

北沢川緑道ユリの木公園の写真
ユリの木公園の様子

歩きやすいようになっています。

北沢川緑道ユリの木公園の写真
ユリの木公園の案内板
北沢川緑道ユリの木公園の写真
路面に埋め込まれたプレート
ユリの木の花の写真
ユリノキの花

砧公園のもの。ちょっと散りかけです・・・。
チューリップの花にも似ています。

ユリの木の葉の写真
ユリノキの葉

葉の形から「半纏(はんてん)木」、「奴凧(やっこだこ)の木」、「軍配(ぐんばい)の木」とも呼ばれています。

北沢川緑道ユリの木公園の写真
秋のユリの木公園

緑一色からカラフルな並木になります。

北沢川緑道ユリの木公園の写真
秋の緑道

落ち葉も多いです。

ユリの木の葉の写真
モザイク画のような紅葉

じっと見ていると眼がチカチカしてきます。

山下公園の写真
緑道の脇にある山下公園

ここにもユリの木が植えられています。

* 北沢川緑道ユリの木公園について *

北沢川緑道は代沢付近の桜並木に引き続いて2度目の登場です。場所的には世田谷線の山下駅から小田急の経堂駅方面にかけてで、およそ600mほどひたすら直線的に緑道が続いています。代沢付近では水の流れ、せせらぎがある緑道だったのですが、ここでは完全な暗渠となっていて、緑道部分にはユリの木の並木が続き、真ん中の通路にはレンガが敷き詰められてちょっとおしゃれな感じになっています。そしてこの区間は緑道なのですが、ユリの木公園とも名付けられています。

それにしても植えられているのがユリの木って・・・、百合といえば球根から育つきれいな花の・・・いわゆる草としてなら知っているけど、木ってどういう事?この文章を読んでいる方が私並みに植物の事を知らなければ、緑道云々よりもまずユリの木って何?といったところではないでしょうか。

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ということで、まず他のサイトから仕入れた知識を自慢げに披露すると、ユリの木の正式な学名は「Liriodendron tulipifera」で、ギリシャ語の「leirion(ユリ)」と「dendron(樹木)」が語源となるモクレン科ユリノキ属の落葉高木です。外国では花の形からチューリップツリーと呼ばれているそうです。

花の開花は5~6月頃。薄緑色でチューリップのような花を咲かせますが、高い位置にあるのと、葉っぱの色と似ているのであまり目立ちません。ざっとこんな感じでしょうか。「百合の木」ではなく、植物名が「ユリノキ」というのが正式なのですね。少々紛らわしい命名となっているのですが、これには有名な話があって、明治23年に後の大正天皇が小石川植物園を訪れた際に、そこにある日本最古のユリノキ種の木を見て「ユリの木」と命名したそうです。

チューリップ自体がユリ科の植物なので、チューリップツリーでもユリノキ(ユリの木)でも結局の所は同じ事なのかな・・・。その他にも葉っぱの形から「半纏(はんてん)木」、「奴凧(やっこだこ)の木」、「軍配(ぐんばい)の木」とも呼ばれているようで、この植物の別称の多さの方にビックリさせられます。

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さて、緑道とユリノキの関係ですが、この緑道を整備するに当たって住民の要望で植えられたようです。レンガを敷き詰めた遊歩道全体のデザインもよく、第二回のせたがや界隈賞を受賞したようです。案内板が設置されていました。でもなんでユリノキに決まったんだろう。誰が提案したんだろうといった疑問がありますが、それについては記述がなかったのでわかりません。

でもユリノキ自体は多くの大きな葉を付けることから夏は涼しげな木陰をつくり、街路樹にはふさわしい木だといえます。実際に気がつかないだけで、調べてみると結構ユリノキ並木というのは各地にあるものです。例えば皇居の周りの内堀通り(半蔵門から桜田門付近)や赤坂の迎賓館前にも植えられています。って、例えが皇室関係ばかりだと高貴な感じもしますが・・・。これってやっぱり大正天皇の命名の影響でしょうか・・・。

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それはさておき、どこもかしこも桜並木やイチョウ並木、花水木並木では芸がないので、ここのユリノキ並木は世田谷の中でも特徴があっていい判断だったと思えます。でも・・・、調べる前はユリノキとはなんて珍しいんだ。東京でもここだけだとか・・・などと思っていたのですが、実際のところはもの凄く珍しい街路樹でも木でもない事がわかってしまうと、なんともがっかりです。

しかしながら本当に評価すべき所は緑道がきちんと管理されていて、きれいに保たれている部分ではないでしょうか。特にお年寄りが散歩するに段差はないし、真っ直ぐで視界も良好だし、自転車も通らないしと安全でいいと思います。ただ精神的に真っ直ぐの道を歩くというのは疲れるといったこともあるかと思います。そういう意味では途中に花壇などを造ったり、銅像、石像などの設置とかをすれば歩く際の目標となり、より良い散歩道になりそうな気がします。

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春から秋までは緑一色といった感じの緑道ですが、晩秋になるとユリノキが紅葉し、緑道が色とりどりの明るい雰囲気になります。ユリノキの葉は一つ一つが大きいので緑色の葉、黄色くなった葉、茶色くなってしまった葉が遠目でもはっきりとわかり、それがモザイク画、或いは点画のような感じになり、絵画的というか、とっても素敵です。なんていうか、モザイクタイルをちりばめたような緑道というのでしょうか。ここまで季節によって雰囲気が変わるのには驚きました。

私的にはこの時期が一番美しいと感じますが、まあそれは人それぞれでしょう。ただ落葉樹なので紅葉した葉が地面に落ちるのは自然の理。一つ一つの葉が大きいのでこれが結構なゴミとなり、後片付けも大変です。小さな葉が大量に落ちるイチョウとどっちが大変なのだろうかと考えると、やはり同じ量だとしても葉が大きいとかさばる分大変かと思います。見るだけの通行人は秋らしくていいだとか、きれいだなと写真を撮るだけですが、掃除をされている付近の住民の方々は本当にご苦労様です。

<せたがや百景 No.31 北沢川緑道ユリの木公園 2009年4月初稿 - 2015年10月改訂>