世田谷散策記 ~世田谷を楽しもう!~

世田谷を楽しもう! 〜世田谷散策入門〜

世田谷といえば住宅地ばかりで見るべきものはほとんどない・・・、散策して回っても退屈なのでは・・・と、多くの人が思うことでしょう。

実際、旅や観光では印象の薄い世田谷ですが、散策に関しては、実によくできた町だったりします。まさに散策のためにある町・・・っていうのは言い過ぎかもしれませんが、小さなスポット、小さな魅力が各所に散りばめられていて、様々なニューズに応えてくれます。

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* 散策のレパートリーが多い世田谷 *

世田谷のイメージ(*イラスト:あーやんさん)

(*イラスト:あーやんさん 【イラストAC】

世田谷は散策を行うのに適した町だといえます。家から脱出するのが散策だ!といっても、やはり何かしらの目的や目的地がなければ足が向き難いし、いつもの散歩コースを歩くだけでは、ただ歩くだけを目的とした散歩になってしまいます。

一般的に散策と散歩は同義語で扱われますが、「策」という文字が入っている散策は、計画性を持って歩くこと、そして旅のようなワクワク感があること、要は目的意識のある散歩とか、歩くことに好奇心を感じる散歩となり、例えば季節の花を見るとか、いつもと違った公園を訪れてみるとか、今まで行ったことのない場所へ行ってみるといったような行為となるはずです。

そういった散策を行うのに目的地となりやすい場所が多いのが、世田谷です。散策の町を目指しているわけではないので、それが褒め言葉になるのかどうかは分かりませんが、散策に関しては様々な魅力と無限の可能性を秘めていると感じます。それを私なりに9つに分けて紹介していきます。

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第1に、世田谷はメディアの露出度が高いです。

ロケのイメージ(*イラスト:R&Mさん)

(*イラスト:R&Mさん 【イラストAC】

情報番組、バラエティー番組などといったメディアによく区内の事柄が登場しています。おかげで三軒茶屋、二子玉川、下北沢、成城などといった町は、全国的によく名が知られています。

なので、テレビで下北沢の特集をやっていたから久しぶりに行ってみようとか、サザエさんの町、桜新町の紹介をやっていたから行ってみようとか、隣駅の商店街の町歩きをやっていたから散策がてら行ってみようとか・・・などなど、出かけるきっかけが豊富です。

また、グルメ番組、グルメ情報誌に登場するレストランやケーキ屋などといった飲食店も豊富にあり、そういったメディアからの情報がきっかけとなって下北沢を訪れ、せっかく下北沢まで来たのなら森厳寺に行ってみようかな・・・と、次の行動につなげやすいです。

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第2に、世田谷区内には映画やドラマのロケ地が多いです。

映画のイメージ(*イラスト:やまやまさんさん)

(*イラスト:やまやまさんさん 【イラストAC】

映画やドラマなどに世田谷区内の町並みや緑道、公園などがよく登場しています。こういったロケ地に憧れて区外から訪れる人も多かったりします。主人公の気持ちになぞりながら登場する場面を歩いてみたりすると、意外と楽しかったりするものです。

身近な風景となる区民にとっても、話題になっているから行ってみようか・・・とか、昔はちょっと趣きが違っていたのか・・・とか、いい散策のきっかけになるのではないでしょうか。

とはいえ、世田谷が登場するのは最近の作品よりも、色々とおおらかで、規則も緩かった昭和や平成初期の作品が多いです。今、人が多く暮らす世田谷で大がかりな撮影をやろうとすると、色々と手続きが大変ですし、苦情の対応も大変です。なので、最近では自治体などの協力を得やすい、地方でのロケが多くなっています。

東宝スタジオ
東宝スタジオ

ちなみに、世田谷でロケが多かったのは、撮影所が多かったから。砧には東京メディアシティ撮影所(国際放映)やNHK放送技術研究所があり、成城の南には世界に誇る東宝の撮影所、ウルトラシリーズの円谷プロダクション(移転)、大蔵には東宝ビルト(東宝撮影所に吸収)があり、この界隈は撮影関係のメッカとなっていました。

特に特撮関係で強かった東宝ビルドがあったおかげで、古いウルトラマンや仮面ライダーなどを見ると、世田谷区内の登場場面がやたらと多いです。予算削減という面もあったようですが・・・。

祖師ヶ谷大蔵駅前のウルトラマンの像
祖師ヶ谷大蔵駅前のウルトラマンの像

ロケ地というわけではありませんが、サザエさんのモデルとなった桜新町のサザエさん商店街、円谷プロの最寄り駅だった祖師ヶ谷大蔵駅のウルトラマン商店街などは地域を上げて特徴を出しています。

また、撮影所があることで、成城や砧など区内に在住している俳優、芸能人が多く、ワイドショーで取り上げられたり、トーク番組などで近所のお勧めスポットを紹介してくれたりといったこともよくあります。

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第3に、世田谷には季節を感じられる公園、緑道や緑地公園が多いです。

都立砧公園
都立砧公園

世田谷は昭和の初めまでは農村地帯だったので、比較的多くの緑が残っていて、区内には砧公園、駒沢公園、芦花公園、祖師谷公園と大規模な都立公園が4つもあり、区立公園も沢山あります。

更には、北沢川や烏山川などといった、かつての川の流れを利用した緑道も多くあったり、馬事公苑といった特殊な公園もあり、緑を求めての散策が行いやすい環境が整っています。これは他の区に比べても恵まれていると言えます。

とはいえ、住宅地の面積や人口との割合にしたら、猫の額程度と言うことができるかもしれません。ただ、緑が多くない分、どこの公園も地域の人の憩いの場となっていて、手入れがよく行き届いています。おかげで気持よく利用することができます。

次大夫堀公園民家園
次大夫堀公園民家園

また、散策の途中に立ち寄りたい小さな寺社も多くあり、秋祭りを行っている神社だけで50以上もあるので、驚いてしまいます。これも他の区に比べて多いです。

農業関連で付け加えるなら、東京農大があるのも世田谷の特徴で、農大の農業をテーマにした博物館があったり、かつての農村を再現した次大夫堀公園や岡本公園の民家園なども人気となっています。

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第4に、多摩川と国分寺崖線があります。

多摩川と富士山
多摩川と富士山

世田谷区内は建物が密集していて、圧迫感のある景観ばかりです。でも、多摩川の土手や河川敷に行くと、広々とした風景と、広い空を楽しむことができます。そう、区内で一番雄大な景色が見られるのは、多摩川を絡めた風景だったりします。

そして多摩川や野川沿いに続く国分寺崖線では、区内であまり見られない高低差のある風景を見ることができます。

高低差のある土地は近年まで開発を免れてきたので、自然公園となっていたり、財閥の庭園となっていたり、急な斜面に家が建っていたりと、その表情は多彩です。成城や等々力渓谷はその代表となります。

国分寺崖線発見マップ(*発行:世田谷区)

国分寺崖線発見マップ(発行:世田谷区)

崖線の景観は、せたがや百景や地域風景資産にも多く登録されていて、「国分寺崖線発見マップ」「世田谷・みどりのフィールドミュージアム」(世田谷区)などといった散策用のマップも発行されています。

少し体力が必要になりますが、崖や坂を組み合わせた崖線の散策コースは、住宅地世田谷とはまた違った一面を見ることができるので、人気があります。

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第5に、大きくはないけど世田谷には意外と立派な美術館、博物館があります。

蘆花恒春園
蘆花恒春園

世田谷は、大正や昭和初期には郊外別荘地として人気があり、財閥などが別荘をこぞって建てていました。その名残りというか、縁というか、小さいながら国宝を収蔵する美術館があります。

また、近郊住宅地として世田谷に移り住んだ文化人たちも多く、例えば徳富蘆花、長谷川町子、賀川豊彦などといった人の功績をたたえた記念館もあり、世田谷文学館には世田谷所縁の作家の展示があります。

野毛大塚古墳
野毛大塚古墳

この他にも、手軽に訪れられる野毛大塚古墳、代官屋敷、世田谷城址跡などの歴史的な史跡も幾つかあり、出土品などを展示している郷土資料館や宇奈根考古学博物館もありと、全国的には名は知られていない小さな博物館、美術館、記念館などが沢山あります。

有名じゃなければわざわざ訪れなくても・・・と思ってしまうかもしれませんが、観光地のように混雑していないし、無料や少額の入場料で入れるので、手軽に訪れることができます。やはり散策では気軽さが一番です。

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第6に、世田谷はイベントの多い町です。

せたがやボロ市
せたがやボロ市

世田谷の大きなイベントは、玉川花火大会、世田谷ボロ市、区外に知られているかどうかわかりませんが、世田谷区民祭りの三つが規模や来客数が多いイベントです。

こういった大きなイベント以外にも、馬事公苑で行われる馬に関するイベント、商店街が地域の個性を生かしたイベント、例えば下北沢の阿波踊りやサザエ通り商店街のネブタ、松陰神社通り商店街の幕末維新祭りなどといった個性的なイベントは、地域外から多くの人が訪れています。

もちろん伝統的な祭りも健在で、町会が行う盆踊り、各神社や寺院で行われる祭りや行事なども多く、一年中大小様々なイベントが行われています。そういったイベントに合わせてその周辺を散策するというのもいいきっかけとなります。

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第7に、世田谷には評判のいいお店が多いです。

パン屋のイメージ(*イラスト:リコさん)

(*イラスト:リコさん 【イラストAC】

区内には商店街だけではなく、住宅地の中にも隠れ家的なこじゃれた店があったりします、

特にレストランにパン屋、おしゃれな雑貨や服を扱った店は、地域の情報誌だけではなく、全国放送の番組に取り上げられるぐらい有名な店も多くあります。

世田谷に暮らしていると、人が多くてうんざりすることもありますが、個性的な店がとても多いのは、人が多いからこそのメリットでもあります。地方ではなかなかこうはなりません・・・。

ラーメン屋の行列
ラーメン屋の行列

以前は、世田谷通りや環七のラーメン屋が多く取り上げられていましたが、今ではパン屋の話題が多いでしょうか。日本一のパンの町といった感じもします。

私の場合はラーメンの食べ歩きも兼ねて散策していましたが、そういった食べ歩きやパン屋などの買い歩きといった趣向と合わせて町歩きすることもできます。

それに散策を兼ねて歩いて店を訪れれば、浮いた電車賃でパンが1個余計に買える・・・と思うと、意外と楽しく歩けてしまうものです。

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第8に、世田谷は交通の便がとてもいい町です。

路線バスのイメージ(*イラスト:メルさん)

(*イラスト:メルさん 【イラストAC】

世田谷区内は電車やバスといった交通の便がいいので、散策のルート選択が自由に設定できます。

例えば、今日は天気がいいし、季節もいいから、いつも歩いている北沢川緑道の終点である田園都市線の池尻大橋付近まで歩いて、電車で帰ってこようといったことも可能ですし、成城から大蔵、砧公園と抜けて用賀からバスで帰ることもできます。

もちろんこれは世田谷以外、都会ならどこでもできることなのでしょうが、四方八方自由に設定できるのは散策において重要で、往復歩くと大変だけど、片道なら行ってみようとか、復路は体力や時間に余裕があれば歩いてとか、体調や気分次第で無理なく行えます。選択肢が複数選べると、臨機応変に対応でき、散策の幅が広がります。

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最後、第9に、せたがや百景という手ごろな目標があります。

せたがや百景の冊子
せたがや百景の冊子

世田谷を散策しよう。と思っても、何から手を付けていいのかわからないという人も多いはずです。

でも安心。世田谷区内の史跡や寺社、公園、美術館などを100個集めた「せたがや百景」というものが存在します。区民による投票によって選定された百景なので、それなりに有名な項目が多く、散策の目的地にするのに最適です。

ただ、この百景が誕生したのは、昭和59年(1984年)。もう40年以上経っているので、消滅していたり、今の感覚では古く感じる項目もあります。でも、100景を一通り回ってみようという試みは、散策の一つの目標や目的になるはずです。(世田谷百景の冊子 ダウンロード

せたがや風景マップ(世田谷区)
せたがや風景マップ(世田谷区)

この他、平成になって制定された「せたがや地域風景資産」というものもあり、こちらは小さな風景が多いのですが、百景後に出来た風景などが含まれているので、同時に回ってみるのもいいかと思います。(せたがや風景マップ ダウンロード

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といったように、メディアの露出度が抜群で、撮影のロケ地が多くあり、有名な飲食店やおしゃれな雑貨店などが至る所にあり、気持のいい公園や緑道が多く、起伏のとんだ地形や大きな川もあり、寺社、博物館等も多く、イベントも多い上に交通の便がよく、更には散策の目標となる「せたがや百景」もあると、世田谷は散策に好条件が揃っています。まさに散策の町と言えるのではないでしょうか。

更には、世田谷は旅をするには小さな地域ですが、散策をして歩くには十分な広さがあります。一通り回るだけでもそれなりに時間がかかります。

二子玉川の再開発
二子玉川の再開発

それに、三軒茶屋や二子玉川の再開発のように、世田谷の町は日々発展しているので、同じ場所を歩いても前回と違った発見が色々とあるものです。

それは小さな発見かもしれませんが、「あれっ、前にはなかった」といったような発見をすると、何かうれしいもので、散策を継続して行うのにとても大事な要素になりえます。

* 世田谷散策の仕方 *

戸惑いのイメージ(*イラスト:ちょこぴよさん)

(*イラスト:ちょこぴよさん 【イラストAC】

世田谷散策を効率よくするにはどうしたらいいのですか?などと聞かれることもありますが、こればかりはなんともいえません。散策に効率を求めるのもいいけど、それでは作業的な行為になってしまい、用事が入ったり、天候不順などが重なると、飽きてしまう可能性が高いです。

なんていうか、旅や散策は目的地に着くことよりも、その行為をしている間が楽しいのであって、効率よく目的地に着くことが正解だとは限らないのです。

例えば、迷子になりながら苦労して目的地にたどり着いたなら、普通に訪れるよりも感動が大きいことでしょう。迷って訪れた路地にきれいな花が咲いていたり、さりげなくいい風景があれば、それは偶然の出会いとなり、親近感がわいてきたりもします。

困っているときに道を教えてくれるような親切な人と出会い、温かな気持ちになったり、偶然入った店の店員との会話に新しい発見があるかもしれません。

感動のイメージ(*イラスト:ミミントさん)

(*イラスト:ミミントさん 【イラストAC】

どういっためぐり合わせで人生が開けるかわからないからこそ、人生は楽しいのです。旅は人生の縮図。散策は人生のミニチュア?と言っていいのかわかりませんが、散策でも同じことではないでしょうか。

そう、どこに幸運や楽しさが落ちているかはわからないのです。それを見つけ、拾い上げる確率が上がるのは、王道(効率)よりも人の歩かない道(非効率)の方ではないでしょうか。

私の好きな言葉は、「君が歩けば、そこに道ができる。」「人生に無駄はない。」です。行動していれば経験が積み重なり、結果やら成果というものは、後からついてくるものです。

結果が後からついてくるイメージ(*イラスト:ちょこぴよさん)

(*イラスト:ちょこぴよさん 【イラストAC】

だから他人のお勧めを実践して満足するよりも、非効率でも自分のペースで無理なく行うのが一番だと思っています。それが自分らしい人生であり、自分らしい散策になるかと思います。寄り道ばかりの人生を送っている私が言うので間違いありません。(笑)

とはいえ、少しだけアドバイスをすると、まずは散策自体が自然と楽しく行えることが大事です。

例えば、カメラを趣味にするぞ!プロ顔負けの写真を撮るぞ!と、初心者が張り切って高価でプロが使うような立派なカメラを購入したとします。

カメラが趣味なイメージ(*イラスト:ちょこぴよさん)

(*イラスト:ちょこぴよさん 【イラストAC】

最初からいいものを使い、高い目標を抱いていて、とても意識が高いように思えますが、いいカメラは重たいし、荷物になるしと、持ち出すのがそれなりに大変です。スマホの方がいいじゃない・・・と、そのうちカメラを使うことが億劫になってしまっては、本末転倒です。

まずは、いつでも持ち出せるような軽いカメラで写真を撮る行為が楽しくなることが大事で、その延長でこういった写真が撮りたいからこういう高価なカメラが欲しいとか、持ち歩くのにこれぐらいまで妥協できるからこの中級の軽いカメラにしよう・・・などと、次のステップに進んでいくものです。

散策に限らず、新しく物事を始める際には、欲張らず、身の丈にあったことからやり始めるべきです。

道のりイメージ(*イラスト:ちょこぴよさん)

(*イラスト:ちょこぴよさん 【イラストAC】

散策に関しても、いきなり壮大な計画を立てるよりも、最初は電車やバスを多用してでも興味がある事柄や有名なスポットを回ってみて、町を散策をすること、人によっては定期的に出かけることが自体が当たり前というか、楽しくなる事が大事かと思います。

なので、まずは散策よりも、食べたりショッピングするほうが多いというのも、全然ありだと思います。そして次の過程で、お腹を空かせる目的も兼ねて、あまり興味がないけど史跡や寺社などを訪れてみようだとか、緑道を長い距離歩いてみようかなとか、興味の範囲や行動範囲を広げていけばいいのです。

更にステップアップして、季節感や話題性、プチ贅沢などを取り入れていき、変化やメリハリを加えると、長く続けられる趣味になるのではないでしょうか。

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散策するのにあったら便利なものは、やっぱりマップです。わざわざ買わなくても世田谷区が発行している無料の散策用のマップがあります。いつも置いてあるとは限りませんが、図書館や役所関係の場所にあると思います。

せたがや花マップ(*発行:世田谷区)

せたがや花マップ(発行:世田谷区 *ダウンロードサイト

私的にお勧めなのが世田谷花マップで、これには季節の花が咲いている場所や公園が記してあるので、これに行きたい寺社やお店などを書き込めば立派な散策用のマップになります。一枚のマップなので本のようにかさばらないのがいいです。スマホのなかった時代に散策をしていたので、このマップを一番重宝していました。

私のサイトに感化されたのか(?)、今では散策用のマップが充実していて、「せたがやガイドブック」「せたがや見どころマップ 歩いて出会う世田谷 24の物語」(世田谷区産業振興公社)、「せたがや風景MAP」「せたがや百景」(都市デザイン課)、「国分寺崖線発見マップ」「せたがや花マップ」「世田谷・みどりのフィールドミュージアム」「世田谷名木百選」(みどり政策課)、「野川マップ」(土木部 豪雨対策・下水道整備課)

地域別にも、「大山道マップと史跡ガイド」「等々力渓谷マップ」「上野毛・瀬田周辺の自然・坂・歴史を散策」(玉川総合支所)、「下北沢周辺の文士旧居跡」(北沢総合支所)などがあります。

自分の趣向に合わせて選ぶとよいでしょう。地図に行きたい場所を書き込んだり、地図を見ながらどこからどこまで歩いて・・・と考えるのが楽しくなると、もう立派な散策人です。

地図を見るイメージ(*イラスト:管理栄養士べじみさん)

(*イラスト:管理栄養士べじみさん 【イラストAC】

旅だと、せっかく時間やお金をかけて遠方へ出向くのだから、この機会を最大限に楽しみたいとばかりに、ガイドブックに書かれているお勧めをあれもこれもと詰め過ぎてしまいがちですが、近場の散策の場合は、そういった完璧さを求めても堅苦しくなるだけです。

足が疲れたり、時間的に余裕がなくなったなら、また、いつでも来れる。今日は無理をせず、次の機会に訪れればいいや・・・といった気軽な感じで行うのがいいかと思います。

そう、うまくいかなければ、気軽に何度でもやり直せるのが、散策です。なので、ガイドブックのような型にはまったやり方ではなく、自分らしい散策を心がけましょう。

散策をしながら歩いていれば、自ずと次の散策の目的地や目的が見つかるものです。ここに桜があるんだ。また春に訪れてみよう・・・。お寺巡りは意外と楽しいぞ。他の地域にある寺もめぐってみよう・・・。そういった感じで、次の散策に繋がっていくのが、ガイドブックにない自分らしい散策になります。長く散策を楽しんでいる人は、こういった散策をしています。

複数で町歩きのイメージ(*イラスト:tomoeさん)

(*イラスト:tomoeさん 【イラストAC】

旅は道連れといいますが、やはり友人などと散策するほうが、感動を共有できたり、レストランでランチをする場合にも入りやすいです。散策もより楽しくなると思います。

ただ、あまりにも興味の対象が違いすぎると、目的地の選定で「ここ行きたい」「それ興味がない」と、あっちがいい、こっちがいいと、なかなかまとまらないかもしれません。双方で少しずつ妥協するなど工夫してみてください。

若いとその過程も楽しかったりするかもしれませんが、年がいっているとそういったことが煩わしいと感じ、一人の方がいいとなってしまうかもしれません。

しかしながら、最初は仕方なくパートナーの好きな寺巡りに付き合っていたのが、気が付いたら自分のほうがのめりこみ、詳しくなっていた・・・といったこともあります。何がきっかけで人生が変わるかはわかりません。いろんなことを試してみるのもいいものですよ。

歩きスマホのイメージ(*イラスト:ちょこぴよさん)

(*イラスト:ちょこぴよさん 【イラストAC】

最後に、散策するにあたって気を付けてもらいたいのが、世田谷は人口約80万人も擁している人口密集地帯です。場所や時間帯によっては、非常に混雑します。

周囲に気を付けていないと、車や自転車に接触することもあります。特にスマホの地図を見ながらのながらスマホとか、複数人で歩く場合には、くれぐれも通行人や車には気を付けましょう。楽しい散策をするための一番大事な部分です。

「世田谷を楽しもう!」~世田谷散策入門~ 2025年5月改訂 - 風の旅人
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