* 祖師谷中橋について *

川沿いにグラウンドがあります。今まで何個のボールが仙川に流れていったのでしょう・・・。
滝坂道が仙川と交わる部分に架けられている橋は宮下橋で、その近くの丘にせたがや百景に登場する上祖師谷神明社があります。
境内の街道沿いに石橋供養塔が置かれていて、古くから街道にあり、人々のために役立ってきた宮下橋の供養が行われてきました。
この宮下橋の北側には駒澤大学の野球練習場と祖師谷寮があり、練習時間に通りかかると選手の掛け声とノックの音が響いてきます。
駒大といえば正月の箱根駅伝が有名ですが、野球部も以前はそこそこ強かったように記憶しています。
最近はどうなっているのでしょうか。よく分かりませんが、2014年には駒大野球部出身のDNAの中畑監督と広島の野村監督が采配を振るっていたので、プロ野球界ではエリート校?なのかどうか知りませんが、それなりの野球部と言えるのではないでしょうか。
上祖師谷神明社のお祭りのときに何人かの野球部員が狩り出されているのはこの地域ならではと言えるかもしれません。

ガラスがはめ込まれたアーチが特徴の橋です。
この宮下橋の少し上流側、ちょうどグラウンドの裏手の道に祖師谷中橋がかかっています。
この橋は西側の部分にガラスのタイルを利用したアーチが取り付けられているのが特徴です。
公衆トイレなど水場でよく見る感じのデザインなのでそう感じるのかもしれませんが、清潔感があるというか、ちょっと涼し気な感じを受けます。

橋の奥にある建物は個人のお宅です。
アーチ部分の背後にはおしゃれな洋館が建てられています。
最初は何かの施設というか、この橋と関係あるのかと思ったのですが、近づいてみると個人のお宅でした。
橋に合わせて建てたものなのでしょうか。その辺の事情はよく分かりませんが、門のところにデザイン賞だったかかのプレートが誇らしげに飾られていました。
対岸から眺めると、この家のために祖師谷中橋が架けられたように見えるぐらいよく風景にあっています。笑

ありふれた都会の川といった感じです。
1990年頃から始まった仙川の大規模な治水工事で、流域の多くの橋が架け替えられることになりました。
この祖師谷中橋は、その際に世田谷区で計画された「仙川6橋の橋作りプロジェクト」の一つとして架けられました。
あまり詳しくは分かりませんが、この「仙川6橋の橋作りプロジェクト」は行政サイドの都合によって途中で中断になったようです。
実際この付近の橋が目を引くほどデザイン性に飛んでいるわけではなく、黒橋や灯篭が置かれている宮前橋ぐらいが少し特徴あるといった感じです。

近くで見ると結構亀裂が入っています。
祖師谷中橋の設計者はステュディオ・ハン・デザインによるものです。
予めPCコンクリートの桁が設定されていて、密集した住宅地域のたたずまいに仰々しいデザインやモニュメント性は相応しくないので、個性的なデティールを散りばめた軽やかなデザインの橋となったようです。
確かにその通りですね。控えめのデザインだからこそ橋が周囲に溶け込んでいる感じがしますし、風景のアクセントになっているものの周りの景観を壊すようなことはないし、また他の橋と少し違うことで渡る楽しさがあります。

距離がわかりやすく書かれていて、散歩に良さそうです。

川沿いのお宅の生垣が素晴らしいですね。
仙川沿いはウォーキングコースにもなっています。祖師谷中橋付近は車道と被っていますが、少し歩くと歩行者専用の遊歩道になっています。
この遊歩道は川に面する側に植栽をするなど、川の風景に対して住宅を閉じないような工夫がされていて、川辺らしく開放感を感じられます。
また、歩きやすいように案内板が設置されていたり、目標やアクセントとなる橋もありと、雰囲気がいいだけではなく、歩くことに魅力的な遊歩道になています。
祖師谷公園の親水テラスも含めこの付近の仙川は、都会的な河川風景ではありますが、川沿いの開放感のある風景と親しみのある風景があり、けっこう魅力的な界わいとなっているように感じます。