* 能勢公園と池田児童遊園 *
第一回目の風景遺産に選定されている船橋3丁目の「季節の野草に出会う小径」は千歳丘高校のグラウンドを取り囲むように続いています。この小道の入り口は烏山川緑道と、反対側が船橋地区会館の真ん前にあります。この地区会館は面白い事に子供が遊べる遊具のある広場が付随している・・・と最初は思ったのですが、遊具が置いてある部分は池田児童遊園といった公園になるようです。
この池田児童遊園というのは少々変っていて池田さんがこの土地を遺贈したから池田という名前が付けられている公園になります。この公園は幾つかの遊具と共に大きなケヤキを中心とした樹木も多くあり、とてもいい子供の遊び場になっています。この池田児童遊園と道を挟んだところにこの項目の船橋三丁目能勢公園があります。
能勢公園も実は能勢さんから遺贈されたもので、お隣の池田さんの土地の樹木に癒されてきたといった事もあり、池田さんに倣ってといった感じで遺贈されたそうです。個人の名前の入った公園が二つ並んでいるのも珍しい事ですね。10年後に訪れたら更に隣接して、いや隣接していなくても付近に鈴木公園とか、田中公園など新しい個人名の入った公園ができているかも・・・などと地域に心温まる連鎖が生まれている事を少々期待してしまいます。
この船橋三丁目能勢公園が開園したのは平成21年です。ちょうどその時に隣の池田児童遊園の改修も行われ、両方の公園の活用方法が地域で話し合われました。そして決まったのが、池田児童遊園の方は遊具を沢山置いて、活発な子供の遊び場としていくと同時に、これまで通り大きな木々がそびえているといった落ち着いた空間も大事にしていくという事。
能勢公園の方はあまり敷地が広くない事もあり、静かに自然と親しむ場とし、能勢邸だった頃の面影を残しつつ花木や野草などを観賞する庭としていくことになりました。そしてその管理をの中心的役割を担うのが、すぐ近くの「季節の野草に出会う小径」で活動している船橋小径の会となります。
能勢公園の特徴はまず門がある事です。これは昔の邸宅の名残ですが、門から中に入れるわけではなく、オブジェとしての飾り門となっています。知らずに通りがかると何だろうといった感じです。
この門の横には井戸があり、訪れた時には楽しそうに子供達が水遊びをしていました。まだ現役で頑張っている井戸ですが、これも能勢邸の名残となるようです。
それ以外の部分は柵がしてあり、入れないようになっています。この部分は庭のような感じになっていて、石灯籠が置いてあったり、ビオトープ(小さな池)があったりします。門があって、石灯籠があってと全体的には日本庭園っぽい印象はするものの、植えられている植物が野草が中心なので、訪れる季節やタイミングによっては草がぼーぼーな状態で、放置された土地のように感じるかもしれません。