世田谷散策記 せたがや風景資産のバーナー
竹山市民緑地の案内板の写真

せたがや地域風景資産 No.1-24

喜多見五丁目竹山市民緑地の竹林と垣根

喜多見にはかつて農村だった面影である竹林がよく残っています。竹垣のある風景とともに昔の農村だった雰囲気を強く感じられる場所となっています。

・場所 : 喜多見5丁目20
・登録団体など : 喜多見ポンポコ会議
・備考 : 4、5月は閉園

*** 喜多見五丁目竹山市民緑地の竹林と垣根の写真 ***

喜多見五丁目竹山市民緑地の写真
竹山市民緑地

竹垣で囲まれているのがいいですね。

喜多見五丁目竹山市民緑地の写真
竹山市民緑地内

竹林内は遊歩道が整備されています。

喜多見五丁目竹山市民緑地の写真
竹林の様子

結構深い竹林です。

喜多見五丁目竹山市民緑地の写真
竹林内の交差点

迷子になりそうな雰囲気です。

喜多見五丁目竹山市民緑地の写真
土蔵

補修がかなりされていますが、雰囲気はあります

喜多見五丁目竹山市民緑地の写真
屋敷社の祠

竹の神様がいそうですね

緑地横の竹垣がある道の写真
竹の垣根が続く道

竹林に面した道です。

緑地横の竹垣がある道の写真
反対側から

大木もあり雰囲気がいいです

緑地横の竹垣がある道の写真
竹の垣根と緑のトンネル

散歩道によさそうですね。

緑地横の竹垣がある道の写真
念仏行列と竹垣

少し違った雰囲気になるのでは

* 喜多見五丁目竹山市民緑地の竹林と垣根について *

喜多見は古墳が多く残っていたり、歴史ある神社があったり、喜多見藩の名残があったりと古き時代の面影が多く残っている地域です。その喜多見を古くからの古道であるいかだ道が突っ切っています。いかだ道とは、かつて多摩川上流で伐採した材木は筏に組んで下流に流し、江戸に運んでいました。その筏に乗った船頭が再び上流に戻っていくために使った道のことです。多摩川沿いになるべく最短かつ増水で通行止めにならないコースが選ばれ、その道中には宿屋、休憩所、食事処があったようです。

line

そのいかだ道は知行院の先で直角にカクカクと曲がっています。そこの角から次太夫掘公園方面に向かう狭い道沿いには竹の垣根、いわゆる竹垣が設けられています。この道は狭いながら喜多見に暮らす人には玉堤通りや世田谷通りに抜けるのに便利な道となっていて、そこそこ通行量があります。

そういった生活道といった雰囲気と、旧道っぽく緩やかなカーブを描いている様子、何より古くからの大木と美しい竹垣が相成っている様子は素晴らしく、とっても趣のある風景を作っています。これぞ喜多見というか、世田谷の中でも美しい道の一つだと感じています。

line

この竹垣の中は竹林と個人のお宅になっています。この道沿いには個人のお宅の玄関と竹垣が続くだけですが、反対側、「喜多見5丁目 子供の遊び場」に回ると、竹山市民緑地への入り口があります。通り沿いに案内板がなかったので、私も長いことこの竹垣の中が市民緑地になっていることを知りませんでした。風景資産を知ってからも市民緑地の入り口が見当たらないので閉鎖してしまったのだろうと思っていたのですが、いつ閉鎖したんだろうと調べていたら遊び場の中に入り口があることを知り、初めて中に入ることができました。

竹の種類は孟宗竹で、竹林内部には散策できるように遊歩道が設置されています。実際に竹林内を歩いてみると、意外と歩ける場所が多いのに驚きます。というより、こんなに広い竹林だったんだと驚きました。奥のほうは個人のお宅になるようで立ち入り禁止となっていますが、土地の所有者の古めかしい土蔵や何気なく竹林内に祠などもあり、竹林散策の雰囲気を盛り上げてくれます。

竹取物語でも思い出しながら、そういった祠もかぐや姫が育ててくれた老夫婦のために作ったものかも・・・などと勝手に想像すると竹林散策が一層楽しくなるかも。とまあ竹林の中を実際に歩けて、竹林の雰囲気を味わえるのがここのいいところです。

line

この竹山市民緑地は個人所有の土地ですが、世田谷トラストの市民緑地制度を利用して、平成14年6月にオープンしました。「竹山」という名前は、竹山さんの土地というわけではなく、昔、竹林が平地にあっても竹山と呼ばれていたことからつけられたようです。これは喜多見というよりも世田谷全体的にそう呼んでいたようです。

管理は世田谷トラストの協力の下、竹山市民緑地ボランティアワークショップが行っていて、園路整備、下草刈り、竹の間引きなどを行っています。また筍掘りや竹細工教室などといった季節のイベントも行っているようです。ちなみに竹林保護のため、筍の旬の季節である4、5月は閉園していて、中には入ることができません。

line

世田谷で竹林といえば、芦花公園を含め百景に出てくる粕谷地域が知られているかと思いますが、基本的に竹林というのは農村によくあるものなので、かつて区内全域が農村だった世田谷ではあちこちに竹林があり、当り前の風景となっていました。そして比較的湧水の多かった世田谷区内では良質のタケノコが取れ、ちょっとしたタケノコの産地として知られていました。何より農家にとって春先の貴重な現金収入となっていたようです。

line

ただ、良質なタケノコを生産するにはかなり手間をかけなければならないし、土地の価格が上がった現在では割の合わないものとなってしまい、力を入れて生産する農家はいなくなってしまいました。もちろん畑が多かった喜多見でも以前は多くの農家が竹林を持っていたそうです。

今ではそういう風景は少なくなってしまいましたが、この竹山市民緑地以外にも喜多見小学校の湧き水が流れる近辺や古墳などにその名残が見られ、比較的竹林が多い地域とも言えます。また次大夫掘公園民家園にも竹林があり、古民家と合わせてかつての農村風景を感じることもできます。

<せたがや地域風景資産 No.1-24、喜多見五丁目竹山市民緑地の竹林と垣根 2011年6月初稿 - 2015年10月改訂>