森の児童館
上野毛4丁目29-18昭和55年に開館した児童館である。森の公園に囲まれるように立地しており、緑豊かな環境の中で子どもたちが遊べる場所となっている。児童館の運営は、「森の児童館運営協議会」があり、地域のコミュニティとともに運営がなされている。 (紹介文の引用)
1、森の児童館について


通り沿いには桜が植えられています。
上野毛4丁目の駒沢通り沿いに、世田谷区立の森の公園と森の児童館があります。
この児童館の歴史は古く、昭和50年に近隣の小学校のPTAと住民の会により森の児童館施設を創る会が発足し、昭和55年に児童館が落成し、開館式とイベントが行われました。
2010年には、30才となり、30周年を祝う30周年記念パーティーが盛大に行われました。2024年時点だと、44才・・・。間もなく半世紀を迎えることになります。
ちなみに、羽根木公園にあるプレーパークは、2009年に30周年を迎えているので、日本で最初のプレイパークと言われている羽根木プレイパークよりも1歳年下ということになります。

児童館の裏側の様子です。木々に囲まれた空間があります。
児童館のある森の公園は、一般的な遊具が置いてあって、園内が歩きやすいように整備されている公園ではありません。
児童館を中心として、駒沢通り側と、児童館の裏側に木々が植えられているだけのスペースがあるといった公園です。
敷地内には、幹の太いケヤキやクスノキが多く生えていて、広々としていながら木々という障害物があるので、鬼ごっこなどで駆け回るのに最適な感じです。影も多くできるので、日差しの強い日でも遊びやすいというメリットもあります。

ロッジ風の建物です。
児童館の方は、山小屋を意識したようなデザインの建物です。図書館や公民館みたいに無機質で真四角いビルではないところが、子供の施設らしくていいです。
児童館の利用者は、小学生ぐらいの児童が主な利用者となるのでしょうが、乳幼児の親子の自由な交流を大切にする子育てひろば活動を行っていたり、中高生にも卓球やミニバスケット、図書室を開放していたり、中高生向けの相談やイベントもあったりと、幅広い年齢層に対応しています。
この包容力は、古くからこの地で子供たちのために頑張ってきた施設の強みですね。ここで育った子供が大人になり、そして子供を産み、子育てで悩み、子供だった頃を思い出し、そうだ児童館へ行ってみよう・・・といった流れになるほど、長い歴史を積み重ねているわけで、お母さんにまで気配りがいくのも、自然な成り行きなのでしょう。

色々とイベントなど行っているようです。ホームページでも確認できます。
森の児童館では、運営協議会の方々と協力して、毎月様々な行事を行っています。
行事に関しては、クッキング、手作り、図書、花づくりといった4つの「もりの木会」のグループがあり、それぞれにお料理やお話し会などを開いています。詳しい行事内容は、児童館の掲示板に張られています。(ホームページでも確認できるようです。)
2011年の春でいうなら、トマトクラブ(トマトの栽培)、ご飯ものをつくろう、パフェをつくろうといったクッキング、お話会や映画会、入学・進学おめでとう会、卓球を楽しもうといったイベントが募集されていました。
普段からこういった施設を利用することで、学校で学ぶことにプラスして、知識や経験、人間関係が身につきそうですね。何より館長さんはじめ優しい館員さんやボランティアの人たちが見守り指導して下さるので、学校が苦手な子供も安心して遊び、学べる事でしょう。
もちろん、他の区内にある児童館でも似たようなことを行っているので、何か生活に物足りなさを感じたり、学校生活に馴染めなかったりした場合、こういった施設に足を運んでみるのもいいかと思います。

(*イラスト:poosanさん 【イラストAC】)
私の話ですが、若いころ、一人でユーラシア大陸の横断を試みました。その時、言葉の通じない国々を旅しながらしみじみと感じたことがあります。それは、人間が一人でできることには限界があり、一人で頑張っても、空回りするだけ。人を頼るべき時に頼らないと、ダメだということ。そして、世界は自分が思っているよりも親切であふれているということ。
単純な例ですが、切符の買い方がわからないとか、道に迷った場合、その様子を見て、たまりかねて誰かが助けてくれることもありますが、人に尋ねるなどしなければ、いつまでもわからないままです。行きたい場所に行けません。今一歩、勇気を出して踏み出すことが必要です。
困っていることは、恥ずかしいことではありません。本当に困っているときは、他の人に助けを求めればいいのです。カッコ悪いとか、スマートじゃないとか。そんなことを気にしている時点で、いい旅、いや、いい人生を送れません。生きるってことは正解のない道のりです。誰しもわからないことだらけなのです。

(*イラスト:poosanさん 【イラストAC】)
世の中はうまい具合に回っていて、困ったときには、なぜか助けてくれる役割の人とめぐり合い、事態が一気に好転・・・、しないまでも、解決に向かって歯車が回っていくものです。
道を尋ねたことで、道が分かっただけではなく、他にもい情報を教えてもらえるかもしれません。或いは夕飯をごちそうになることもあるかもしれません。
他人から親切にされると、他人にも親切にしたくなるもの。同じような場面に遭遇したら、今度は自分が助ける番。人種とか関係なく、助け合って生きていくというのは、こういう事の積み重ねなんだ。旅をしていて、とても実感したことです。

児童館の前で24時間365日、雨にも負けず笛を吹き続けています。
子供の悩みは単純そうで、単純ではありません。とても広範囲に及びます。特に人間関係や家庭の問題などといったことは、小中学生が一人で悩んでどうにかなる問題ではありません。大人ですら難しい問題です。
生活力も、権限もない子供が、困った・・・と一人で悩んでも、考えが巡り巡って同じことの繰り返しになります。そして時間が止まったように、ひたすら我慢するだけになってしまいます。
そこから抜け出すには、道を尋ねるのと一緒で、誰かに打ち明ける勇気を持つこと。もちろん誰でもいいわけではなく、解決に向けてちゃんとした知識を持ち、行動してくれる大人、一番いいのはこういった施設や相談所に相談するといった行動することだと思います。
ちょっと勇気を出してみると、時計の針は進みます。きっと物事はいい方向に向かうはずです。
2、もりのこどもまつり

児童館で一番大きなイベントです。
秋には、児童館で一年で一番大きなイベント「森のこどもまつり」が行われます。この日は、子供たちによる子供たちの祭りといった感じで、多くの子供たちでにぎわいます。

多くの出店が並び、子供たちが楽しんでいました。
公園部分では子供が遊べるゲームや屋台風の店、製作体験できるブースが並びます。お金がかかるものでも少額だし、子供だけお祭りといった感じなので、周りに気を使うことなく子供が楽しんでいました。

多くの保護者がカメラを回しながら見守っていました。
小学生や幼稚園児のステージ発表もあり、訪れたときは太鼓の演奏や小さなチアガールの演技が行われていました。
この「森のこどもまつり」は、名前の通り子供のイベントなので、部外者の大人が訪れても面白いイベントと感じないと思いますが、小さな子供を連れて訪れると、とても喜びそうでした。
3、感想など

春には鯉のぼりも飾られます。新緑の木々の中を走りながら遊ぶと楽しそうです。
上野毛にある森の児童館と森の公園。散策の目的地として考えるなら、木の多い小さな公園といった感想になるでしょうか。
でも、ここは地域で長い間かけて育んできた大切な場所であり、多くの子供たちが育っていった場所でもあります。
ちょっと木陰のベンチに座り、自分が子供だった頃のことでも思い浮かべてみてはどうでしょう。昔の自分にあって、今の自分が失ってしまったもの。或いは、実現できた夢と実現できなかった夢。この場だからこそ何か感じることがあるはずです。
せたがや地域風景資産 #1-16森の児童館 2025年5月改訂 - 風の旅人
・地図・アクセス等
・住所 | 上野毛4丁目29-18 |
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・アクセス | 最寄り駅は東急大井町線上野毛駅 |
・関連リンク | 森の児童館(世田谷区) |
・備考 | ーーー |