* 世田谷新町公園について *

この一画は背の高い黒松などで囲まれています。
桜並木とサザエさんで知られている田園都市線桜新町駅の駅前通りは旧国道246号、かつての大山道になります。
面白いことに、この道の南北では区画の様子が異なっていて、北側はきれいに区画整理がされているものの、南側の神社などがある方は道が狭く、袋小路が多くなっています。
南側の方は地主との折り合いがつかなかったために区画整理ができなかったそうです。駅の南北でこうも違うと面白いなと感じてしまいますが、道が狭くて車の出し入れに苦労している人には切実な問題かもしれません。
そういった桜新町の駅から北に2ブロックほど行くと、昭和12年の土地区画整理事業により開設された世田谷新町公園があります。

緑の季節にはケヤキの木の存在感が増します。
世田谷新町公園は背の高い木々に囲まれていて、大きさ的にはどこにでもあるような小規模な公園といった感じです。
住宅地の中にあるありふれた感じの公園なのですが、仰々しい名前というか、よくよく考えると変な名前が付けられています。
住所は桜新町で新町は隣の地域だし、世田谷区内のありふれた公園にわざわざ「世田谷」と付けられているのも変です。
実はこれには理由があって、この世田谷新町公園はそんじょそこらのありふれた公園ではないのです。なんと世田谷で1番最初に設置された区立公園第一号なのです。
だから名前に名誉ある?世田谷がついていたりするのです。
そして、その当時は桜新町という町名は存在していなく、この場所は旧町域で新町三丁目だったことから新町公園となっています。
そういった経緯を含め、町名変更があった後でも大事にその名前が使われているようです。

小規模なせせらぎが設けられています。
現在の世田谷新町公園は南側一帯が駐輪場や放置自転車保管所となっているので、空間的に広々とした印象を受け、また日当たりもいいことから明るい感じのする公園となっています。
公園内には小規模ながらせせらぎも設置され、夏になると小さな子供たちが水遊びをするといった光景が繰り広げられているようです。
立派な木が多く、遊具やせせらぎなどといった子供が楽しめるものも設置されていて、公園に必要な要素がコンパクトにまとまっているなといった印象です。

会の方が描いた手製の看板です。
ボランティアの方々が手入れする花壇も多くあり、一年中なのかどうか分かりませんが、訪れた時には花がきれいに咲いていました。
ボランティア活動は、花づくりを中心に週1回公園の清掃をしているとのことですが、それ以外も地域の人たちが自分の庭のように手入れや清掃を行っているのかな、と感じるぐらい園内がきちんと手入れされていてとても雰囲気よく感じました。
それに利用者もそれが分かっていて、あまり汚さないようにと利用しやすい環境が相乗しているような感じです。
このように地域のボランティアの人が集まってきて、手入れがきちんと行き届いた公園だと親としても子供を遊ばすのに安心かと思います。

木々が多く、遊具もあり、多くの子供たちで賑わう時間帯もあります。
園内に背の高い木が何本もそびえているのもここの特徴でしょうか。
まるでかつての屋敷林を彷彿させてくれるように公園を黒松が取り囲み、中心に大きなケヤキの木があります。
木々に囲まれ、また地域の人などに見守られながら遊ぶというのは子供ながらに安心感があるものです。
ケヤキの木は昭和43年に世田谷区の木として制定されている事からも、やっぱり世田谷第一号の公園としてはケヤキの大木は外せないところでしょうか。

立派な碑が設置されていました。
昔はここの公園だけにせたがや地域風景資産の碑が設置されていました。
今では全部の場所にプレートが設置されているようですが、これも世田谷の第一号公園が故なのでしょうか?
なんか色々と第一号公園という特別な部分を強調して書いてみましたが・・・、まあ、普通な感じの素敵な公園です。