世田谷散策記 せたがや地域風景資産 タイトル

せたがや地域風景資産
第1回選定 #1-10の紹介

平成14年に世田谷区と地域団体によって選定された「第1回せたがや地域風景資産」の#1-10の紹介です。詳細は個別のページをご覧ください。

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#1-1 池尻稲荷神社を中心とする旧大山道

池尻稲荷神社 旧大山道の碑

池尻稲荷神社は17世紀に建立された。江戸時代の大山道に面しており、境内には涸れずの井戸があり旅人の喉を潤したといわれる。現在でも井戸は健在である。 その入口には、旧大山道の石碑や涸れずの井戸のモニュメントなどの歴史を語るものが置かれている。(紹介文の引用)

場所:池尻2-34-15、旧大山道 備考:せたがや百景No.2

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池尻稲荷神社付近の旧大山道 神輿が進む様子
旧道を進む神輿

渋谷から三軒茶屋、二子玉川を通って厚木に続いている国道246号は、雨乞いで知られる大山阿夫利神社に続いていることから、昔は大山道と呼ばれていました。

とはいえ、現在の246号の道筋は、昔ながらの商店街などを避けて整備されているので、かつての大山道とぴったり重なる部分は少なかったりします。

池尻大橋駅の南口付近、国道246号の南側から斜めに枝分かれしていく細い道があります。この道は緩やかに湾曲した道で、道なりに進んで行くと、三宿の交差点付近で再び国道246号に合流します。

この道筋はかつての大山道になりますが、残念ながら古い時代の面影を探すのは困難で、唯一、古くからこの地にある池尻稲荷神社にかつての面影を感じるぐらいです。

地域風景資産に選ばれたのは、大山道というつながりで、地域活動や他地域との交流を行っていることが評価されたからになります。

#1-2 双子の給水塔の聳え立つ風景

せたがや地域風景資産の案内板 双子の給水塔

大正13年3月に当時の渋谷町の水道供給施設として竣工した。現在は、非常時用の応急給水槽として機能している。洋風の装飾等の意匠が施されており、当時を物語る建造物である。(紹介文の引用)

場所:弦巻2-41 備考:ーーー

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駒沢給水所 正面入り口
正面入り口と給水塔
駒沢給水所 双子の給水塔
二つ並ぶ給水塔(見学会時)

大正6年、急激に人口が増え続けている渋谷町によって、多摩川から渋谷まで水道水を送る計画が発案されました。計画は綿密に練られ、鎌田に砧下浄水所を造り、ここで多摩川から汲み上げた水を濾過し、その水をポンプで駒沢給水所に送り、駒沢給水所からは自然の重力で渋谷まで送る事になりました。

完成は大正13年3月。この大プロジェクトの設計者は、中島鋭治水氏。砧下浄水所の多摩川の川底に管を入れて水を取る伏流水方式や、加圧して駒沢給水塔へ送るポンプ方式は、当時の技術としては斬新なものだったようです。

中継地点となった駒沢給水所には、高さ22.72メートルの双子の給水塔が造られました。この塔のデザインは秀逸で、当時の人々から丘のクラウンと呼ばれていました。

#1-3 玉石垣のある風景(桜丘)

桜丘 玉石垣

玉石垣のある区間の千歳通りは、品川用水を埋め立てて拡幅整備された道路である。標高の高い当地区は深く開削されたため、多摩川で採取した玉石が法面保護に利用されていた。なお、現在では採石が禁止されている。玉石垣は区内各所で見られるが、この場所はまとまってあり、地域を代表するデザインコードとなっている。(紹介文の引用)

場所:桜丘2-17、3-37、5-4~5-6 (千歳通り) 備考:ーーー

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桜丘 千歳通り 桜並木と玉石垣

世田谷通りの馬事公苑前辺りの交差点から千歳通りが始まります。千歳通りは、農大の横を通り、桜丘を通り抜け、千歳船橋駅の西側で小田急線を横切り、その先で環八と交差し、そして滝坂街道や六郷田無道につながっている道です。

この千歳通り沿い、桜丘の桜丘中交差点から笹原小東交差点の間では、道路沿いの壁に玉石垣が多く使われています。かつてこの道には品川用水が流れていました。その法面に使われたのが、玉石垣で、現在でも土木遺産として残されています。

また、ちょうどこの付近、世田谷通りから笹原小東交差点まで桜並木が続いているので、春の開花時期にはピンク色の桜のトンネルと玉石垣のコラボレーションとなり、とっても素晴らしい風景になります。

#1-4 心なごむ桜丘の原風景

桜丘 屋敷林が残る風景

桜丘が農村であった時代から民家が集まっている場所であり、屋敷林も残されている。田園風景が広がり、地域の原風景をとどめている。 (紹介文の引用)

場所:桜丘4-2、4-5 備考:ーーー

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桜丘 農作物の販売所

桜丘の町域は、千歳船橋駅や商店街を中心に住宅地があるといった世田谷によくある都会近郊型地域となるのですが、一方で駅から離れた場所では、今なお土の香りがするような田畑が豊富に残っていて、そういった風景が地域風景資産に選ばれました。

とりわけ桜丘4丁目付近は駅から遠いのと、区画整理が行われていなかったのもあって、都市開発の波に負けず、かなり遅い時期まで原風景が残っていました。

さすがに現在では畑のある風景はめっきりと少なくなってしまいましたが、まだ少し残っています。また、屋敷林が残っているお宅があったり、農村らしい秋祭りが行われたりと、その名残を感じることができます。

#1-5 経堂の西洋館と庭(消滅)

経堂 西洋館
2011年の西洋館

昭和初年の建築でシェークスピアの家をモデルにしている。所有者は、近傍の私立学校と関わりが深く欧米のマナー教育の場としても機能してきた歴史がある。(紹介文の引用)

場所:ーーー(経堂2-29) 備考:現存しません。

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経堂迷路と呼ばれる経堂駅北口エリア。そのごちゃごちゃとした住宅地の一画に、昭和初期に建てられた西洋館がありました。広い敷地に、目立つイギリス風の建物。この界隈ではとても存在感のある建物でしたが、所有者の都合で取り壊され、現在は普通の住宅地になっています。

#1-6 代沢せせらぎ公園と北沢川緑道

代沢せせらぎ公園

下水道整備に伴い、一旦、暗渠となった川を下水処理水を活用し、旧来の植生等にも配慮したせせらぎをよみがえらせている。平成8年完成。管理は住民団体が区と協定を結んで行っている。(紹介文の引用)

場所:代沢4-36、代沢3~5 備考:ーーー

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桜の時期の北沢川緑道
桜の時期の北沢川緑道

下北沢の南、森厳寺や北沢八幡神社のさらに南側を、玉川上水から分水した北沢川(北沢用水)が流れていました。昭和の時代になると、流域の宅地化が進み、用水としての需要がなくなったことから地下に下水管を設置し、川は埋め立てられました。

その流路を利用したのが北沢川緑道で、代沢付近では下水の再生水を利用したせせらぎが設置され、かつてあった川の流れを彷彿させてくれます。

また、川の流れがあった昭和初期に北沢川に沿って桜並木が植樹されました。その美しい桜並木は今も残されていて、春には多くの花見客で賑わいます。

#1-7 校庭で子どもたちを見守る松の木

池之上小学校

池之上小学校は昭和15年に開校した。それ以前は松林であったが、この松の木は残され、現在まで学校のシンボルとして愛されている。「まっぴー」という愛称もある。(紹介文の引用)

場所:代沢2-42-9 池之上小学校内 備考:校舎建て替えで風景が変わっています。

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池之上小学校の赤松
2011年の池之上小学校と赤松

京王井の頭線の池ノ上駅のすぐ目の前に池之上小学校があります。不動産情報で表現するなら、駅から徒歩0分、或いは1分以内といった絶好のロケーションです。東京の小学校でこの立地はなかなか凄いものがあります。

この池之上小学校の校庭には、学校創立当時からあったという立派な松の木が生えています。学校のシンボルとなる木は、桜が多いように感じますが、地味ながら地面にしっかりと根付く松というのも、悪くないかもしれません。

#1-8 桜上水の野菜畑

桜上水の野菜畑

1街区全てが農地である。なだらかな傾斜があり、眺めの良い場所となっている。生産緑地の指定を受けている。 (紹介文の引用)

場所:桜上水2-12 備考:ーーー

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桜上水 土と農の交流園

桜上水・・・。なかなかおしゃれな響きのする町です。昭和41年の新住居表示の際、北沢の右半分が独立して誕生しました。

北沢川が流れるこの地は、とても農業が盛んな土地でしたが、戦後になると開発の波が押し寄せ、それまであった田畑は住宅地となり、広い地主の土地や牧場は大きな団地や日大などの学校に変わりました。

今なお多くの田畑が地域に残っているというわけではありませんが、一区画全てが畑となっている場所が残っていて、その隣地には土と農の交流園もあり、この界隈では農業が盛んだったころの名残を感じることができます。

#1-9 松林と大欅のある世田谷新町公園

世田谷新町公園の銘板

土地区画整理事業により昭和12年に開設された世田谷区で第1号の公園である。松や欅の大木が多く残され、緑の豊かな空間である。(紹介文の引用)

場所:桜新町2-6-1 備考:ーーー

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世田谷新町公園の外観

田園都市線の桜新町駅の北側に、世田谷新町公園があります。背の高い黒松が周囲にそびえ、園内にも立派なケヤキがある公園です。

この世田谷新町公園。実は世田谷区立公園の第一号になります。なので、昔風に公園名に世田谷が入っていたりします。

ボランティアの方が週一回園内の手入れを行っているので、園内はとても整った印象を受け、とても雰囲気のよい公園だと感じます。

#1-10 呑川親水公園

呑川親水公園

平成5年に親水公園として整備された。せたがや百景(昭和59年選定)に選ばれている。(紹介文の引用)

場所:新町1、深沢6~8 備考:ーーー

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桜の時期の呑川親水公園
桜の時期の呑川親水公園

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