#28 路上に佇む大きな看板犬
ベトナム ホイアン 2000年2月Hội An,Vietnam / Feb.2000
ベトナムの人気の観光地として名が挙がるのが、古くからの港湾都市ホイアン。旧市街には古い町並みが残り、夜になるとトゥボン川沿いではアジアチックなランタンが灯り、とても幻想的な雰囲気になる。しかも世界遺産になっているときたら、観光客の人気にならないわけがない。
とはいえ、これは最近、おそらくここ10年ちょっとの話。世界遺産になったのが1999年。私が訪れたのが2000年。世界遺産になったということで、訪れる人はそこそこ多かったが、あまりの寂れようにガッカリして町を去った人が多かった。ベトナム観光の三大ガッカリの一つ。などと言われるほどだった。
実際、旧市街を歩くと、建物は朽ちていて、寂れた感が随所に漂っていた。そういった物悲しさに趣きがあるとも言えるのだが、世界遺産という称号に惹かれ、何か華やかなものを期待して訪れた人にとっては、裏切られた感が強くなり、よりガッカリ感が増してしまったようだ。
ホイアン(Hội An)、Vietnam Feb.2000
そんなホイアンの旧市街をぶらぶら歩いている時のこと。大きな犬の置物が道端に置いてある・・・と思いながら近づいてみると、本物だった。
道端でじっと動かない様子は、まるで置物とか、宮殿の前で門番をする近衛兵のよう。それよりも、このワンコの大きさに驚く。私が今まで出会った放し飼い、或いは野良犬の中で、もっとも大きい部類になるだろう。
これだけ大きい犬が店の前に座っていたら、目を引くこと間違いなし。来客も多くなるかもしれない。野良だとしても、立派な看板犬として就職できそうだ。
とはいえ、さすがにこの大きさで放し飼い状態だと、いくら犬好きでも近づくのは怖い・・・。実際、歩いていて犬に気が付き、驚いて逃げるように避けている人も多かった。そんな人間の様子を悲しげな表情で眺めているワンコが切なかった。「好きで大きく生まれたわけじゃないんだ・・・」と心の中で思っているかもしれない。
#28 路上に佇む大きな看板犬