旅人が歩けばわんにゃんに出会う タイトル
旅人が歩けばわんにゃんに出会う ~ ユーラシア大陸横断編 ~

#23 ハノイ旧市街のワンコ

ベトナム、ハノイ 2001年10月
Hanoi,Vietnam / Oct.2001
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ベトナム ハノイ旧市街付近の写真
ハノイ旧市街付近

ベトナムの首都は北部にあるハノイである。南部にあるホーチミン市のほうが経済や街の規模が大きく、その名をよく耳にするため、ホーチミンが首都だと勘違いしている人も少なくない。

確かに経済規模や人口では譲るものの、ハノイはベトナムの政治・文化の中心であり、都市の規模も国内第2位。大都市であることに変わりはない。

ベトナム ハノイ旧市街の写真
ハノイ旧市街

しかし、実際にハノイの街を歩いてみると、首都らしからぬ落ち着いた佇まいを感じる。そう思わせるのは、街の中心に個性豊かな「旧市街」が広がっているからだろう。

細い路地が入り組み、通りには古い商店がずらりと並ぶ。歩いていると、下町らしい人情味あふれる光景に何度も出会った。東京でいえば、谷中や千駄木あたりの商店街がどこまでも続いているような、そんな風情に近いかもしれない。

ベトナム ハノイ旧市街の墓石屋の写真
ハノイ旧市街の墓石屋

この旧市街最大の特徴は、同業組合ごとにエリアが区分されていることだ。俗に「ハノイ36通り」と呼ばれ、通りごとに金物屋や乾物屋、面白いところでは墓石屋といった同じ業種が集まっている。

そのため、角を曲がるたびに街の雰囲気がガラッと変わる。散策好きな人間にとっては、まるで色とりどりの味を少しずつ楽しめる「クッキーの詰め合わせ」のような街だ。歩を進めるだけで次々に新しい発見があり、一向に飽きることがない。

ベトナム ハノイ旧市街のワンコの写真
ハノイ旧市街のワンコ

ハノイ(Hanoi / Hà Nội)、Vietnam Oct.2001

そんな旧市街をそぞろ歩きしているとき、一匹のワンコに出会った。

差し込む西日の光加減が実に印象的で、背景もベトナムの日常を切り取ったかのように素晴らしい。これはまたとない好機と、慌てて鞄からカメラを取り出しシャッターを切った。

しかし、ファインダーを覗き込むまでのほんの少しの差で、それまで可愛く上を見上げておねだりしていたワンコは、もらったエサを食べ始めていた。後日、現像した写真に写っていたのは、下を向いたきりの姿。なんとも惜しい一枚になってしまった。

「あと二、三秒早ければ……」というのは、街角スナップではよくあることだ。偶然の一瞬を捉えるのは本当に難しい。特に猫よりも動きのある犬は、チャンスだと思った次の瞬間にはもう別の動きをしている。

次は絶対に逃さないぞと、目を光らせながら再び歩き回ったものの、結局これ以上の瞬間には巡り合えなかった。

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#23 ハノイ旧市街のワンコ
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