世田谷散策記 せたがや風景資産のバーナー
せたがや地域風景資産のロゴマーク

せたがや地域風景資産 No.3-1

せせらぎと絵陶板のある烏山川緑道

太子堂地区まちづくり協議会の提案をもとに住民参加で整備された、せせらぎや絵陶板がある、歩いて楽しい緑道である(平成2年完成)。完成後も地域の町会、自治会、市民団体が自主管理を続けている他、小中学校の生徒による花壇づくりや清掃も行われ、地域の“憩い”“教育”“交流”の場である。(紹介文の引用)

・場所 : 太子堂2-32先から三宿1-7先まで
・登録団体など : 楽働クラブ
・備考 : ーーー

*** せせらぎと絵陶板のある烏山川緑道の写真 ***

烏山川緑道の写真
絵陶板の柱の街灯

絵陶板がこの緑道の特徴になっています。

烏山川緑道の写真
花壇と絵陶板

緑道のいいアクセントになっています。

烏山川緑道の写真
桜の時期の緑道

 散策が楽しい時期です。

烏山川緑道の写真
緑道とせせらぎ

この付近は水路っぽくなっています。

烏山川緑道の写真
せせらぎとキャロットタワー

せせらぎに設置されているオブジェが素敵ですね。

烏山川緑道の写真
三宿幼稚園付近

この辺りは子供の姿も多いです。

烏山川緑道の写真
桜とせせらぎ

散策をしている人が多かったです。

烏山川緑道の写真
菜の花と桜

四季を感じられる植物があると落ち着きます。

烏山川緑道の写真
大きな花壇

幼稚園の前にありました。

烏山川緑道の写真
緑道に並んだ出店

三宿神社の祭礼では緑道に多くの屋台が並びます。

* 関連の写真(三茶ラテンフェスティバル) *

烏山川緑道の写真
緑道と竹灯篭

竹灯篭が並び、いつもとは違った雰囲気になります。

烏山川緑道の写真
竹灯篭の明かりを楽しむ人々

多くの人が散策や演奏を楽しんでいました。

* せせらぎと絵陶板のある烏山川緑道について *

かつて生活、農業用水として区内を流れていた小規模な都市河川のほとんどは、水量が少なくなったことで川の流れが維持できなくなってしまいました。これは周辺の地域の宅地化、都市化の影響に拠るもので、雨水が地面にしみ込まなくなったことで源泉となる地下水や湧き水の水量が減少し、また下水道の普及で生活用水だけではなく、雨水も流れ込んでこなくなったからです。

こういった河川の多くが暗渠化され、地下の流れは下水用に転用され、地上は緑道などに利用されています。とりわけ緑道部分は同じ川でも地域によってせせらぎが設置されていたり、桜並木になっていたり、特徴的な植物が植えられていたり、散策がしやすいような遊歩道になっていたりと個性や変化があって歩いてみると楽しいです。そしてこのような特徴的な風景は地域の顔となり、せたがや百景や地域風景資産に多く登場しています。

line

そういった都市河川の一つ烏山川は、区内を流れていた二級河川で、寺町にある鴨池、正式には高源院の弁財天堂の池が源流の1つになります。烏山から粕谷、八幡山を通り、船橋、経堂、そして世田谷の中心部付近にある世田谷城址公園、それから世田谷八幡神社、豪徳寺、松陰神社、太子堂円泉寺など歴史にゆかりのある寺社の近くを流れ、三宿付近で北沢川と合流して目黒川となり、最終的には東京湾に注いでいます。

line

1970年代以降暗渠化の工事が行われ、地下の水路は下水用となり、かつて川だった流路のほとんどが「烏山川緑道」として整備されました。全体的に幅が広く歩きやすい緑道になっています。緑道といえば、すぐ近くを流れる北沢川の方が区民には馴染みがあるのではないでしょうか。

北沢川は烏山川に並行するような形で流れ、同じようにほぼすべての流路が緑道となっています。同じような感じの川なのですが、北沢川の方はせたがや百景や地域風景資産に多く登録されていて、烏山川は今回が初めてになります。この差は流域に住む住民の考え方の違いとかなのでしょうか。ちょっと不思議です。

line

この項目にでてくる烏山緑道は三軒茶屋から下北沢へ続く、茶沢通りからもっと東、太子堂の下の谷の辺りから三宿にかけてです。ここの特徴は3つあり、一つは緑道沿いに絵陶板が埋め込まれていることです。この絵陶板は子供が描いたもので、動物や昆虫だったり、自分だったりと色とりどりの可愛らしい絵が、柱型の電灯や緑道沿いの壁などに埋め込まれています。さすがにじっくり見て歩く人はいないかと思いますが、緑道のいいアクセントになっているのは確かです。

二つ目はせせらぎが設けられていることです。せせらぎ自体は多くの緑道や公園に設置されているのでそう珍しいものではありませんが、ここのせせらぎは派手さはないけど、せせらぎの途中に高級感ある石のオブジェが設置されていて、それが緑道全体と一体感があり、とても雰囲気がいいものとなっています。写真を見ると夏などには水遊びをしている子供が多いようですね。

最後の一つは花壇が多いことです。しかも大きな花壇もあります。紹介文の説明に、「地域の町会、自治会、市民団体が自主管理を続けている他、小中学校の生徒による花壇づくりや清掃も行われている」とあるようにとてもきれいに管理されています。こういった活動によって地域の憩いの場ができ、活動を通じて地域の人々の交流の場ができ、子供たちも地域活動の意義、社会貢献などを学べる場となっています。

line

現在では歩きやすく、雰囲気のいい緑道になっていますが、整備される前は舗装されていない緑道に水溜りができ、ごみの投棄も多かったようです。こういった環境を是正するために住民から整備案が出されたのですが、最初はせせらぎの設置に関しては緑道に面する居住者などから昔の汚い川の思い出がよみがえるとか、子供の声が増えて騒がしくなるなどの理由から反発があり、反対署名運動があったそうです。何事もなかなかすんなりといかないのが都会、いや今の日本でしょうか。

でも話し合いを重ねていくうちに賛成する人が多くなり、実現に至りました。そういった努力や議論の過程も結果として雰囲気がいい緑道になった一端を担っているのかもしれません。ちなみにせせらぎの水は太子堂中学校のプールの水と循環によってまかなわれているそうです。

line

植えられている植物や花壇の花以外にも季節を感じる風景もあります。秋になると三宿神社の秋祭りが行われ、そのときには緑道に出店が多く並びます。にぎやかな感じとなり、いつもとは違った雰囲気になります。

それからこれはこの項とは少し場所がずれているようですが、夏には三軒茶屋でラテンフェスティバルが行われます。そのときに茶沢通りからこの項の手前までの区間で竹灯篭でのライトアップが行われ、その雰囲気の中でバンドなどの演奏が行われます。緑道でこういうイベントが行われているのはここだけなので、こういったイベントを通して緑道の素晴らしさ、そして地域の素晴らしをも伝えていけたらいいのではないでしょうか。

<せたがや地域風景資産 No.3-1、せせらぎと絵陶板のある烏山川緑道 2015年4月初稿 - 2015年10月改訂>