旅人が歩けばわんにゃんに出会う タイトル
旅人が歩けばわんにゃんに出会う ~ ユーラシア大陸横断編 ~

#15 香港仔のワンコ

香港 香港仔 2000年1月
Aberdeen, HongKong / Jan.2000
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戦争のイメージ(*イラスト:ふじさん)

(*イラスト:ふじさん 無料イラスト【イラストAC】

「戦争」と聞いて、どの戦争を真っ先に頭に思い浮かべるだろうか。多くの犠牲者を出した太平洋戦争という人もいれば、朝鮮戦争だったり、ベトナム戦争、オイルショックを引き起こした中東戦争、ハイテク兵器が使用された湾岸戦争、現在進行形で行われているウクライナ戦争を思い浮かべる人もいると思う。

どの戦争を思い浮かべるかは、自分にどれくらい影響があったかとか、戦争が起こった時の自分の年齢などに拠るので、人それぞれ違ってくるのは当たり前。二度と思い出したくない!という辛い記憶を持った人もいるだろう。

ベトナム戦争の激戦地の写真
ベトナム戦争の激戦地にて

私の場合は、ベトナム戦争がすぐに頭に思い浮かぶ。おそらく私と同じようにベトナム戦争を思い浮かべる人は、それなりに多いのではないかと思う。

私の子供の頃は、ベトナム戦争が流行っていた。と書くと、不謹慎に思うかもしれないが、流行っているという表現が適切だったように思う。

私自身、実際のベトナム戦争は知らない。でも、戦争が終わって10年も経つと、色々と落ち着き、ベトナム戦争を描いた映画が多く上映されるようになった。またゲームでも、ファミコンウォーズや大戦略などが流行り、戦争を模したサバイバルゲームが流行ったり、モデルガンもよく売れていた。

日々の生活の中でも、交通戦争や受験戦争といった表現も頻繁に使われ、戦争というものをよくわかっていない子供には、戦争が流行っていたり、何かカッコいいように感じる日常だったように思う。そういった子供時代を過ごした影響だとは思うが、今でも戦争というと、ベトナム戦争が真っ先に頭に浮かんでくる。

ボートピープルのイメージ(*イラスト:acworksさん)

(*イラスト:acworksさん 無料イラスト【イラストAC】

そんな私の思い出はともかく、戦争が起これば多くの人が死に、多くの人が住む場所を失うことになる。

国を追われ、難民となる人も多いが、これは最終手段になる。そう簡単に国を脱出できるはずもなく、その道中は過酷なものとなるからだ。

よくニュースで流れるのが、小さな船に多くの人が乗りこみ、運を天に任せた感じで脱出している様子。いわゆるボートピープルというやつ。ベトナム戦争でも大きな国際問題となった。

ボートピープルや難民の受け皿の一つとなったのが、香港。ベトナム戦争が終わった後、中華系人種への弾圧もあって、最終的にはベトナムから20万人以上という難民が香港に押し寄せた。

土地の少ない香港では暮らす場所も限られる。多くの難民が暮らしたのは、なんと水上。香港の南の香港仔(Aberdeen)一帯は、かつては水上生活者の船で埋め尽くされていたそうだ。

香港仔を埋め尽くす船の写真
香港仔を埋め尽くす船

船での水上生活は、のんびりとしていて楽しそうにも思えてしまうが、実際は過酷である。風雨が強いと船が揺れるし、小さな子供が暗がりで海に転落してしまう事故も絶えない。

衛生環境的にもよくないということで、香港政府は陸に公営住宅を造り、彼らを陸に定住させる政策を行った。その結果、私が2000年に訪れたときには、水上で暮らす人はほぼいなくなっていた。

香港仔を行き交うサンパン船とビル群の写真
香港仔を行き交うサンパン船とビル群
香港仔 独特な帽子を被って作業をする女性たちの写真
独特な帽子を被って作業をする女性たち

現在の香港仔は整備され、普通の港・・・とはなっていなく、凄まじい数の船が係留されていて、これはこれで驚く。伝統的な船サンパン(荷物の運搬や人の輸送に使われる小型の平底の木造船)もちらほら見かけるが、周囲には高層ビルが建ち並び、古い映画、例えばブルースリー主演の燃えよドラゴンのような情緒はあまり感じられない。

古き良き時代を感じられるといえば、市場や港を歩いていると、「サンパン?」と観光客向けの船に呼び込んでいるおばちゃんや、作業しているおばちゃんたちの帽子。日本で言う菅笠のような帽子は、昔も今もそう変わらないだろう。

市場の番犬 香港仔(Aberdeen)、HongKong Jan.2000
市場の番犬

香港仔(Aberdeen)、HongKong Jan.2000

そういった香港仔の市場でワンコを発見。大きな犬が退屈そうにこっちを見ていた。市場の番犬といったところだろうか。

大人しそうな犬だ。長い鎖に繋がれてはいるし、近づいてみるか。そう思うものの、サイズが大きいので、やっぱり怖い。

近づくなり、いきなり態度が豹変して、凄まじい勢いで吠えられでもしたら、腰を抜かしてしまうかもしれない。犬好きが犬に吠えられて旅ができなくなったとなっては、シャレにならないし、みっともない・・・。

水上生活のワンコ 香港仔(Aberdeen)、HongKong Jan.2000
水上生活ワンコ

香港仔(Aberdeen) HongKong Jan.2000

香港仔では水上生活者の姿は見かけなかったが、水上で暮らすワンコがいた。水上のレストランの店番をしている様子は、なかなかおしゃれで、まるで地中海といった雰囲気。

でも、ワンコは船酔いはしないのだろうか・・・。人間と同じように慣れってやつなのだろうか・・・。船酔いしやすい体質なので、ちょっと気になってしまう。

旅人が歩けばわんにゃんに出会う
#15 香港仔のワンコ
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