世田谷散策記 ~せたがや百景~

せたがや百景 No.74

多摩川灯ろう流し

お盆の灯ろう流しは夏の水辺の代表的な風物詩。多摩川の灯ろう流しは川筋をきれいにという市民運動から生まれた。夜の闇に流れていく灯ろうの明かりが郷愁をさそう。(せたがや百景公式紹介文の引用)

・場所 :ーーー (二子玉川緑地公園付近)
・備考 :現在では行われていません。

***  このページの内容  ***

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* 多摩川灯ろう流しと世田谷区たまがわ花火大会 *

世田谷区たまがわ花火大会を写した写真
世田谷区たまがわ花火大会

当日は川崎側でも花火大会が行われるのでとんでもなく混み合います。

多摩川の夏の風物詩である灯ろう流しとのことですが、残念ながら現在では行われていません。

調べてみると、第1回多摩川灯ろう流しが昭和51年に行われています。おそらくこれは区が主催したイベントとしての灯ろう流しで、お寺などが行っていた伝統的なものはもっと古くからあったと思います。

近年の多摩川の夏の風物詩といえばなんといっても世田谷区たまがわ花火大会・・・、でしたが、あまりにも雨での中止が多く、秋に開催日が移動してしまいました。

多摩川の花火大会は2010年で第32回を数えていて、同じく区民祭が33回ということからおそらく区民祭開始の翌年昭和54年から始まったのではないかと思われます。

これも区が行うイベントの花火大会で、古くは明治時代後期に玉川遊園地や料亭街によって花火大会が行われたという記録があるので、世田谷での花火大会ということになると起源は少なくとも明治まで遡るようです。

世田谷区たまがわ花火大会を写した写真
世田谷区たまがわ花火大会の花火

現在は1時間ほどのプログラムになっています。

聞くところによると、最初は昭和51年から行われている灯ろう流しがメインイベントで、花火大会がサブのイベントだったとか。

灯ろう流しだけでは寂しいし、行事として人があまり集まらないし、スポンサーもあまり付かないしと花火でもちょこっと上げてみようかといった感じだったのでしょうか。

その辺の事情は分かりませんが、いつの間にか花火大会だけになってしまいました。なんて言うか・・・これが本当なら笑ってしまうような話です。

でも灯ろう流しに比べると花火大会の方が訪れる人の数も規模も段違いですから、主催する側も同じお金をかけるなら花火の方に力を入れた方が効率がいいでしょうね。

それに灯ろう流しを行って花火を上げると、花火を開始する時間が遅くなるし、灯ろうを流しを楽しんでいたら花火を見る為のいい場所がなくなってしまうし、人の誘導や混雑も半端ではなくなり、主催者側もあれこれと面倒が増えて大変だと思います。

世田谷区たまがわ花火大会を写した写真
川崎側から見た花火

用賀のビルや二子玉川のビル群が背景になります。

地方では花火と同時に灯ろう流しが行われる事も多いですが、ここでは花火との距離が近いので川の近くにいるのは危険だし、多摩川は流れが速いのでボートで引っ張ったりするのも難しそうです。

それに近年の花火大会は警察の交通整理や東急の臨時列車の運行などといった便宜上の理由で川崎側と同日開催となり、二子玉川周辺はとんでもなく混雑します。

大規模な交通規制に駅周辺の観客の誘導、駅の混雑といった事から察しても、花火大会と灯篭流しの同時開催というのはちょっと無理かなと思えます。

でもやはり情緒というものを考えると少し寂しいし、花火大会が秋に変更された事だし、ぜひこの機会に小規模でもいいので復活してもらいたいものです。

ちなみに写真を見ての通り、花火大会は川崎側から見たほうが適度な距離感と川面に反射するのできれいです。放送が聞こえないので次に何が打ちあがるとかわからないのと、ちょっと駅から歩かなければならないのが難点ですが、適度に河川敷が空いているのでくつろいで見ることができます。

実際に見たことはありませんが、同じように二子玉川公園などから見る川崎側の花火もきれいかもしれません。

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* 世田谷と周辺の灯ろう流し *

狛江市、多摩川灯ろう流しを写した写真
多摩川灯ろう流しの様子

舟から灯籠を流していきます。

インターネットで調べてみると、現在多摩川で行われている比較的大きな灯籠流しは狛江市の河川敷と、かなり上流になりますが羽咋市の河川敷で行われているものぐらいのようです。

昔は正月のどんど焼きと夏の灯篭流しはどこでも行われているようなありふれた行事だったのですが、今では、特に都会ではめっきり減ってしまった行事です。

その理由の一つに、ゴミの問題や安全対策とかで、実際問題として灯ろう流しを開催するのにかなりの費用や手間がかかってしまうといった現実があります。

だから手軽に行うというのが難しくなり、中止、或いは規模の縮小やら流す場所を変えたりといった事も相次いでいます。流してもすぐに回収されてしまっては本来の意味をなさないような気もしますが、回収の手間などを考えるとこれもまた仕方のないことです。

狛江市、多摩川灯ろう流しを写した写真
多摩水道橋のたもと

下流にはロープが張られていて、これ以上流れないようになっています。

世田谷のお隣で行われている狛江市の灯ろう流しについて書くと、世田谷通りが多摩川を横切る所に架けられている橋、多摩水道橋のたもとの河川敷で行われます。

日にちは8月中旬頃。比較的近くの同じ多摩川という事で、世田谷で行われていた灯ろう流しもこんな感じなのかなといった参考になるはずです。

話を聞くと、江戸時代から灯篭流しが行われていたようです。そして面白く感じたのが、以前は狛江市でも花火大会を行っていて、観光協会が花火大会と同じ日に灯ろう流しを主催していましたが、現在では花火大会がなくなり灯ろう流しだけが続けられているといった状態です。世田谷区の逆ですね。

ただ、現在では観光協会の主催ではなくなり、近くの玉泉寺の住職や実行委員会のボランティアによって開催されているようです。

観光協会が主催する以前、ちょっと昔の川遊びが盛んに行われていた昭和初期頃には海の家ならず川の家が共同で主催していたのだとか。

主催者が変わってもずっと続けられているのは素晴らしい事であり、伝統の重さを感じます。

用賀プロムナードでの灯ろう流しを写した写真
用賀プロムナードでの灯ろう流しの様子

思い思いの絵を描いた灯籠を流します。

世田谷区内では用賀のプロムナードのせせらぎで子供祭りの一環として小規模な灯ろう流しが行われています。

小さな水路のほんの短い距離なので多摩川に流すのに比べると流しそうめんみたいな感じかもしれませんが、町会レベルで安全かつ手軽にとなるとこういった形になってしまうのも現在の事情ではしょうがない事です。

でも子供たちが楽しげに行っている様子は規模の大小を問わずいいものです。区内には多くのせせらぎがあるので、そういった場所で行うのもいいかもしれません。

調布市、野川の灯ろう流しの様子を写した写真
野川の灯ろう流しの様子(調布市)

僧侶による法要が行われる中、川の両岸からどんどんと流していきます。

その他世田谷の近所で行われている灯ろう流しをピックアップすると、野川の上流でも行われていて、調布市の深大寺付近、ちょうど中央高速道が野川を横切る場所で行われています。ここは有名なお寺である深大寺のお膝元なので、供養のお経を読み上げる僧侶も多く、楽隊までいるので雰囲気がとってもいいです。

それに川幅が多摩川みたいに広くないので、川の両岸から灯ろうを流せ、しかも珍しく自分で灯ろうを流す事ができます。灯ろうが流れていくのを眺めるにはこのぐらいの川が最適かなと思えます。なかなかお勧めの灯ろう流しです。

大田区、洗足池灯ろう流しを写した写真
洗足池の灯ろう流しの様子

船で池の中央へ出て流します。

また川ではありませんが、大田区の洗足池の灯ろう流しも有名です。ここではボートに載せて池の真ん中付近で流します。大きな池に灯ろうが揺らめく光景は幻想的であり、また川とは違った趣があります。デートスポットとしても有名です。

その他、溝の口の二ヶ領用水でも高津区民祭の時に灯ろう流しが行われますが、これはちょっと人工的過ぎるかな・・・といった感じでした。

* 感想など *

用賀プロムナードでの灯ろう流しを写した写真
灯ろうを見守る子供たち

自分の流した灯ろうが流れていく様子を真剣に眺めていました。

日本ではひな流しに灯ろう流し、盆船や八朔船を流したり、大祓の人形を流したり、海や川に思いを託して流す行事が行われています。

小さいころに笹船を流したりしませんでしたか。ひな流しでもそうですが、子供は何かを流すというのが大好きです。本当に楽しそうに流します。灯ろう流しの本当の意味は分からなくても家族と一緒に何かを流したという楽しい記憶は残るはずです。

小さなせせらぎでもいいので子供たちのためにこういった行事が都会でももっと行われるようになって欲しいと願います。

ー 風の旅人 ー

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* 地図、アクセス *

・住所現在行われていません。花火大会会場は鎌田1丁目付近の多摩川二子橋公園
・アクセス最寄り駅は東急田園都市線二子玉川駅。
・関連リンク世田谷区たまがわ花火大会(公式サイト)

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<せたがや百景 No.74 多摩川灯ろう流し 2009年4月初稿 - 2018年4月改訂>