世田谷散策記 ~せたがや百景~

せたがや百景 No.70

岡本三丁目の坂道

せたがや地域風景資産 No.1-23

岡本の富士見坂-岡本3丁目の坂

国分寺崖線には多摩川沿いに下る坂道が何本も通っている。岡本3丁目の坂道はなかでも勾配が強く、急な坂をたどるとき国分寺崖線の斜面を実感する。坂上からは丹沢の山々も眺望できる。(せたがや百景公式紹介文の引用)

・場所 :岡本3-33付近
・関連団体:不明
・備考 :関東の富士見100景(国土交通省選定)、ダイヤモンド富士(2月9~10日、11月1~2日)、下り一方通行

***  このページの内容  ***

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* 岡本三丁目の坂道について *

岡本三丁目の坂道
岡本三丁目の坂道

坂の右側は歩行者用の階段になっています。

岡本三丁目の国分寺崖線にある通称「岡本三丁目の坂」は都内でも屈指の急坂です。歩行者用の階段がついていて、車道も滑り止めの付いた舗装で、下りのみの一方通行となっています。

かなり強烈な印象を与える坂道で、昔から特撮やドラマなどの撮影に使われています。

ウルトラマンシリーズでは瀬田から成城付近の坂がよく使われていますが、この坂と成城のお茶屋坂は真っすぐで撮影映えするのでちょくちょく登場しています。

岡本三丁目の坂 坂を下から見上げた図
坂を下から見上げた図

壁のような坂に映った自分の影を入れてみました。

東京は坂が多い町なので、部分的にここよりも急な坂道は数多くあると思いますが、車が通行でき、ここまで長く、真っ直ぐで急な坂道は都内でも数えるぐらいのはずです。

ちょっと調べてみると、豊島区にある「のぞき坂」が車が通れる東京一の急坂とされていて、勾配は13度(22%)あるようです。

実際にこの坂を訪れたことがないので比較はできませんが、都内に岡本三丁目の坂よりも強烈な坂が他にもあることに驚きました。

この岡本の坂の方は案内板が設置されていないのでどれくらいの傾斜があるのかわかりませんが、同じ岡本にある急な無名坂は21%の表示板が設置されています。

恐らく似たような勾配かと思うのでこれを参考にすると100mで21m上がると言うことなので、サイン、コサイン、タンジェントを駆使して角度の計算すると、11.8°といった計算になります。適当な推測ですが、これよりも少し小さい数字になるかと思われます。

岡本三丁目の坂 桜の季節
桜の季節

ミニ桜並木になっていたりします。

実際に坂を通行するとなると、坂の上に立ったときに吸い込まれそうな気分になります。車で通ると、重力に従って加速がどんどんついていくのがよくわかります。

バイクだとまさにジェットコースター、いやスキーのジャンプ台を滑走しているような気分でしょうか。

フレームとブレーキが華奢な自転車だと少なからず身の危険を感じます。坂の途中でブレーキが壊れたと思うと・・・、ゾッとします。

実際に坂の途中で自転車を停めて写真を撮ろうとすると、スタンドをかけても自転車がズルズルと下っていってしまう状態です・・・。安全のために子供には絶対に自転車で下らせたくない坂でもあります。

逆に登りの場合は目の前に壁が聳えている・・・と言った気分です。階段の方を登るとまだいいのですが、自転車を押しながら坂を登ると、結構足にきます。

ある意味いい筋トレ場所でもあり、早朝など坂を自転車やランニングで登ってトレーニングをしている人もいます。

岡本三丁目の坂 下校時の坂道
下校時の坂道

みんなで登れば楽しい・・・かも。

坂の下には玉川幼稚園をはじめ、砧南小学校、中学校があります。登校時間には坂を下っていき、下校時間になると子供たちが元気にこの坂を登って来ます。

毎日のようにこの坂を登っていれば健脚になるに違いありません。そしてみんなで登った坂のことはいい小学校時代の思い出になるでしょう。

坂の上が見通しの悪い交差点になっている事もあってか、よく登校時間に岡本派出所の駐在さんが坂の上に立って交通整理をしています。

その駐在さんに通る子供たちが次から次へと元気よく挨拶しているのも印象的でした。

岡本三丁目の坂 紅葉の季節
紅葉の季節

秋には桜の木が紅葉します。

坂を下った右側は日産自動車教習所がありましたが、今では小山自動車学校に合併してしまったようです。

この界わいでは小山→東急→日産の順で教習料が安かったので、交通が不便ながら人気がある教習所でした。東急が移転し、日産が小山になってしまい。随分と自動車学校の構図が変わってしまいました。

この教習所での普通車の路上教習はこの坂は・・・通らず、隣の坂を登っていきます。

さすがにここほどの急な坂ではなく、いわゆる女坂みたいな感じになっていますが、教習の度に坂道発進の練習・・・、いや特訓になっているに違いありません。

岡本三丁目の坂 早朝の富士山と坂道
早朝の富士山と坂道

坂のほぼ正面に富士山や丹沢山系が見えます。

この坂の凄い事はもう一つあって、富士山がきれいに見えることです。晴れた日の朝、特に冬場などには遠方に富士山がきれいに見えます。真正面ではないのですが、ほぼ正面に見えるのでなかなか絵になっていると思います。

ただ写真にこだわっている人などには張り巡らされている電線が邪魔なので不評です。それに早朝は坂道が日陰になるので、どうにも写真を撮りにくいといった感じです。見る分にはいいかなといったところでしょうか。

岡本三丁目の坂 関東の富士見100景の案内プレート
関東の富士見100景の案内プレート

東京富士見坂で登録されています。

坂の上には「関東の富士見100景」のプレートが埋め込まれています。平成16年11月という日付と国土交通省の文字が入っているので、最近国土交通省が選定した百景のようです。

興味深いのは「せたがや百景」の選定時には岡本三丁目の坂道と呼ばれていたのですが、この「関東の富士見100景」では東京富士見坂になっている事です。

岡本三丁目の坂というのも俗称ですが、正式には富士見坂と呼ばれているのでしょうか。富士見坂というのはどこにでもありそうな名前なので、岡本三丁目の坂の方が愛着があっていいような気もするのですが・・・。

気になって・・・というより、ダイヤモンド富士はいつだろうと国土交通省の関東の富士見100景のページを見てみると、53番が東京富士見坂になっていて、その項にはこの坂の他に田園調布周辺や目黒駅周辺といった感じで6つの項目が一緒に載っていました。

要は東京で富士山が見える坂道という事でこれら全部を含めた総称が東京富士見坂となっているようで、特にこの坂を富士見坂として命名したわけではなかったようです。

岡本三丁目の坂 富士山のアップ
富士山のアップ

なんとか顔を出しているといった感じです。

ちなみにダイヤモンド富士が見られるのは2月9~10日と11月1~2日頃だとか。ただ2009年は2月8日がベストだったようで、若干ずれる事もあるようです。

この界隈では東名の橋やら瀬田の交差点付近、あるいは上野毛の富士見橋などでも見れるので、もし天気が悪くて駄目でも少し日にちと場所をずらせば見ることができます。

あまりうまく撮れていませんが、東名の橋の項にダイヤモンド富士の写真を載せています。

* 感想など *

岡本三丁目の坂 夕日で赤く染まる坂
夕日で赤く染まる坂

坂が赤く染まります。

世田谷には多くの坂があります。特に国分寺崖線には街道、脇街道として使われてきた歴史ある坂や、生活道路として使われてきた趣きのある坂が多いです。

そういった坂の宝庫である世田谷にあって、この岡本三丁目の坂は歴史があったり、趣きがあったり、雰囲気がいいとかではなく、ただただ強烈にインパクトがある坂です。

でもその強烈さゆえに多くの人に知られ、多くの人を惹きつけ、世田谷の坂を語るには外せない坂となっています。

昔ながらの坂に比べると、単に真っすぐで趣のない坂といえばそうかもしれませんが、子供たちが坂を通学している様子や坂が夕日で赤く染まる様子は真っすぐな坂である故にシンプルで奥行きのある絵になります。撮影に使われるのも写真を撮っていてわかる気がしました。

ー 風の旅人 ー

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* 地図、アクセス *

・住所岡本3丁目33付近
・アクセス最寄り駅は田園都市線二子玉川駅、あるいは用賀駅。駅から少し離れています。
・関連リンク関東の富士見百景(国土交通省)

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<せたがや百景 No.70 岡本三丁目の坂道 2008年6月初稿 - 2017年10月改訂>
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