世田谷散策記 ~せたがや百景~

せたがや百景 No.62

砧小学校の桜

小学校の校庭に咲く春の桜は誰にとっても懐かしい思い出のあるものだ。砧小学校の桜の老木には地区の子ども達の入学と卒業を何十年にもわたって見守りつづけてきた。(せたがや百景公式紹介文の引用)

・場所 :喜多見6-9-1
・備考 :小学校の敷地内にあるので見学は基本的に不可。

***  このページの内容  ***

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* 砧小学校の桜について *

砧小学校 トンネル門と玉石垣
トンネル門と玉石垣

昔の正門でしょうか。現在は全く使われている気配がありませんでした。

世田谷通りから東宝スタジオや成城駅の方へ道が分かれているのが砧小学校交差点で、その交差点の南側の高台に砧小学校があります。

明治35年に喜多見、朝陽の両校が合併して誕生したのが砧小学校の前身、砧尋常高等小学校で、明治40年に新校舎ができてこの地に引っ越ししてきました。

世田谷通りは古くからの街道である登戸道を整備した道です。世田谷道りを砧小学校交差点から少し登戸方面に進むと左側にそれて、すぐに世田谷道に戻る細い道がありますが、これは旧道で、ちょうど砧小学校の下を通っています。

砧小学校の下では道は切り通しのようになっていて、小学校側の崖には玉石垣が施してあります。この切り通しは付近の住民が学校に通う子供たちのために頑張って削って、付近の川原から玉石を集めてきて石垣を積み上げたそうです。

石垣の間には普段は使用していなさそうなトンネル門と呼ばれる入り口もあり、ちょっと変わった景観をつくっています。かつてはここが正門だったのでしょうか。こういった門を持つ小学校は全国を探してもなかなかないはずです。

砧小学校 砧の石碑
砧の石碑

在学中は目に止まらないものですが、卒業してから眺めると懐かしいものです。

この砧小学校の校庭には百年桜と呼ばれている桜の木があります。それがせたがや百景に選ばれているのですが、残念ながら外からは体育館が邪魔をしていてその様子を見ることはできません。

近年では子供を狙った犯罪が増え、小学校などの警備が厳しくなりました。それはとてもいいことなのですが、休みの日に小学校の校庭に咲いている桜を気軽に見れない世の中になってしまったのは残念です。

桜の咲いていない時期に小学校の周りをカメラをもってうろちょろしていると不審者に間違われそうなので、桜の時期を待って訪れることにしました。

閉まっている校門の横にはインターフォンがあり、「ご用の方は受付に連絡ください」とあり、押そうか・・・、結構勇気がいるな。桜を見せてください・・・って変に思われないだろうか。と悩んでいたところにちょうど部活を行っている先生が通りがかり、写真を撮らせてくれるよう頼むと、「いいですよ」とあっさりと許可がおりました。

子供のいない春休み中ならこんなものなのかな。それに私のように写真を撮ったり、桜を見学する人が多いのでしょうか。

砧小学校の桜
砧小学校の桜

1分咲といったところ。

校庭に入らせてもらうと、校庭の目立つところに大きな桜がありました。百景に選ばれ、また地域の人々から百年桜と親しまれているだけあって立派な桜です。しかも2本並んでいるので壮観です。

一回目訪れたときは残念ながら一分咲きといった感じで少し寂し感じでしたが、枝ぶりがよく観察できました。校舎の方から眺めると二本の桜で扇を作っているような感じです。

砧小学校の桜 満開の様子
満開の様子

後年改めて見学に行きました。

翌年訪れたときには満開でした。校庭の隅にも何本か立派な桜や若い木があったので、桜の老木が見守る校庭といったところでしょうか。子供達にとっては木登りをしたりして遊ぶのにはちょうどいい大きさの木でしょうね。

砧小学校がこの地に建てられたのは明治40年(1907年)の事です。その時に砧学校から青桐が、朝陽学校から桜が移植されたそうです。かれこれ百年以上経っている事になり、随分と前から100年桜という呼ばれ方をしているわけです。

一般的に・・・と言っても諸説紛々ありますが、ソメイヨシノの寿命は60年といわれているので、樹齢百年を超えているこの木はとんでもなく老木だといえます。

砧小学校の桜 樹木医からのメッセージ
樹木医からのメッセージ

木の治療について書いてありました。

ただ近年では昔に比べると衰弱してしまったようです。木の所に案内板が添えてあり、樹木医の解説によると一番の原因は土が堅くなって根が働かなくなったことだとか。

そのために枝に支えの木を取り付けたり、根の付近に囲いを付けて人が入れないようにして、その部分の土を掘り返したりと治療を行っているようです。

公園や街路樹となっている桜は、枝が邪魔になったり、少しでも空洞になっていたりすると枝が伐採されてしまいます。風の強い日に枝が落ちてけがをしたら色々と大事にあるからです。

ただここの場合は夜間人はいないし、枝の下には入れないようになっているし、台風が来るような日に桜の木の下で遊ぶような子供もいないし、他よりも環境がいいような気がします。

治療を受けて、まだしばらくは枯れずに頑張れそうな感じですね。ぜひともこの桜には今後とも頑張ってもらって、多くの子供達を見守り続けて欲しいと思います。

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* 砧っ子まつり *

妙法寺 砧っ子地蔵
砧っ子地蔵

妙法寺の角で通学する子供達を見守っています。

砧っ子まつり 乗馬体験
乗馬体験

小学校の小さなイベントか思っていたら、様々な催し物が行われていました。

小学校のすぐ近くにある妙法寺の道沿いに砧っ子地蔵が置かれていて、通学する子供達を見守っています。

昔から砧小学校に通う子供達のことを砧っ子と言っているのか、お地蔵様に因んで名付けられたのか知りませんが、夏の初めには砧小学校の校庭を利用して砧っ子まつりが行われます。

このイベントは子供を対象にした縁日みたいなものかなと思って訪れたのですが、警視庁の白バイ隊や騎馬隊が訪れていて、乗馬体験や白バイにまたがれたり、地元の婦人会などによる出店も多く出ていて、この地域では大きな夏祭りとなっているようで。その規模に驚きました。

砧小学校 夏の桜
夏の桜

普通の木です・・・。

砧っ子まつり 盆踊りと桜の木
盆踊り

桜の木を見に行ってみようかなと訪れてみたら・・・、夏になると普通の木といった感じでした。もっともその日は校庭には多くの出店が出ていたし、子供達も鮮やかな浴衣を着ていたので木そのものが目立っていませんでしたが・・・。

桜の時期以外はきっとこのような感じで地味な存在なのでしょうが、さりげなくそこにあり、静かに砧っ子達を見守っているといった感じなのでしょう。ちょうど砧っ子地蔵のように。

* 感想など *

砧小学校 桜と子供達
桜と子供達

春休みだったので遊びに来ている子供もちらほらといました。

いいものですね。校庭の目立つ場所に生涯の思い出に残るような立派な木があるというのは・・・。

今はどうか分かりませんが、昔は桜の開花時期に校庭を開放する日があったと聞いたのですが、それはやはり卒業生などへの配慮なのでしょうか。

ふと懐かしくなって母校の思い出の桜を見たくなるってこともよくありそうな話です。特に桜の時期は色々と感傷的なことも多いですから・・・。

今後とも寿命を延ばし、多くの子供たちを見守り続け、卒業生の思い出の木であり続けてほしいものです。そして願わくば日本一長寿のソメイヨシノになり、まずは都の天然記念物を、ゆくゆくは国の天然記念物を目指してほしいところです。

ー 風の旅人 ー

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* 地図、アクセス *

・住所喜多見6丁目9−1
・アクセス最寄り駅は小田急線成城学園前駅。駅から少し離れています。
・関連リンクーーー

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<せたがや百景 No.62 砧小学校の桜 2008年6月初稿 - 2017年10月改訂>