* 成城3丁目桜ともみじの並木について *

アスファルトに木陰が映っても絵にならないのですが、土だと絵になるものです。
不動橋の南側、崖線の上にせたがや百景では成城三丁目桜ともみじの並木、せたがや地域風景資産では成城三丁目桜と紅葉の並木と称された小さな小道がひっそりとあります。この小道は今でも舗装されていなく、道沿いには桜やモミジなどが植えられています。
なんでも元々この道は三千坪の敷地をもっていた方が玄関への道を華やかにといった感じで木々を植えたものだそうです。春には桜を、秋にはもみじを楽しもうといったところでしょうか。お金持ちのする事は・・・(ため息)、といった感じですね。

伐採されてしまった木も多く、桜に関してはいまいちな感じです。
この小道は散歩道としてとても雰囲気のよい道だった事から百景に選ばれました。
春に桜を楽しめ、新緑の季節には緑の木々と木陰の趣を楽しめ、秋には紅葉を楽しめと四季を通じて楽しめるというのは散歩道としての鉄則です。
ただ現在では桜に関しては寿命や病気で伐採されてしまった木も多く、本数が少なくなってしまいました。元気なのは入り口にある木ぐらいでしょうか。

モミジのトンネルの向こうに喜多見の町が見えます。
紅葉に関しては今でもまずまずといった感じです。場所によってはモミジのトンネルとなっていて、百景に選ばれているだけはあるかなと思えます。
紅葉は光を選ぶので、いい時間帯に訪れるとそこそこ雰囲気を楽しむ事ができます。とはいえ、今では雰囲気のいい遊歩道や緑道があちこちに整備されているので、とりわけこの小道が特別に雰囲気がよいかと考えてしまうと、ちょっと考えてしまいます。
でも雰囲気の良い道というのはどんな道でしょう。お金をかけてせせらぎを作ったり、道にタイルを敷き詰めたり、道の脇にオブジェを並べたような道でしょうか。造られた雰囲気の良さと普段の生活からにじみ出てくる雰囲気の良さは違うかなと思います。

背の高い大きなモミジの木があります。
ただ・・・、やはり通り全体の雰囲気からすると、今でも道が舗装されていないのは評価できるとしても、周りの家を含めた全体的な周辺環境とか、雰囲気とかを考えると、この小道が現時点で趣きがあると感じるかどうかは賛否が分かれそうです。
とはいえ、ここは生活道路であって、きれいな散歩道を目指しているわけではありません。ここに暮らしている人が毎日のように通勤通学で通り、どう感じ、どう改善したいかといった思いが積み重なっている道です。
地面が舗装されていないと雨の日などは水たまりができて大変だとか、車が汚れるとか、秋には落ち葉が大変だとか色々あると思います。未舗装の道なので区に舗装の依頼をすればしてくれますし、木も邪魔なものは伐採してくれます。
でもこういった道を残し続けているのは、この道を使っている人たちがこのままの状態に満足しているからなのでしょう。秋の落ち葉などの掃除も大変でしょうが、こういった道を残す努力をしていること自体が素晴らしいことなのかもしれません。