* 阿波踊りとしもたかサマーフェスティバル *
せたがや百景を1番から順番に見ていくと、これで阿波踊りは3回目の登場になります。下北沢、経堂、そしてこの下高井戸。更にはちょっと北になりますが、杉並区の高円寺での阿波踊りは日本国内でも徳島に次ぐ規模と人気を誇っています。そう考えるとこの世田谷の北側から杉並にかけての一帯は阿波踊りが盛んな地域と言えます。
ただ、それは百景選定時の話で、少々過去の話となってしまったようです。残念ながらこの下高井戸の阿波踊りは随分と昔に行われなくなってしまいました。その詳しい経緯などは聞いていないので推測でしか書けませんが、恐らく踊り手不足ではないでしょうか。
現在下高井戸を本拠とする阿波踊りの連というのは聞きません。もし地元に有名、あるいは熱心な阿波踊りの連が存続していれば経堂や下北沢のように規模の如何を問わなければ続いていた思います。
商店街としても公道を使った阿波踊り大会を開催するのはあれこれと法的手続きをしたり、多くの人員を動員して交通整理や誘導を行ったり、苦情を受けたりと非常に面倒なものです。
地元の連が参加するのなら人付き合いやら自分が楽しく参加するためだとかであまり苦になりません。それに商店街でも応援しようとか、町会や小学校PTAなどとも協力すれば楽しく面倒を行う事ができます。
でも地元の連が参加しなければ面倒ばかりが増え、重荷とか負担に感じてきます。それに大きな大会ならともかく小さな大会ではやはり地元の連が出るのと出ないのとでは盛り上がりが違います。そういった事から地元連の踊り手が少なくなり、開催するのが困難になってしまったのでは・・・と想像できるのですがどうでしょう。
現在阿波踊りの後継として8月の終わりの週末に「しもたかサマーフェスティバル」が行われています。
2010年時点で第40回目ということなので、阿波踊り大会の時からのカウントなら同じく45回目の下北沢と37回目の経堂の間に始まったという事になると思われます。
このフェスティバルは広い駐車場を使っての典型的な商店街のイベントといった感じで、会場には出店がでて、中央に設置された櫓ではイベントや踊りが行われます。
踊りに関して書くと、盆踊りやよさこい、松沢サンバなどが舞台を中心に踊られます。
松沢サンバとはすぐ近くにある松沢小学校の創立100周年に創られたサンバ調の踊りで、あの派手な衣装をまとって情熱的に踊るサンバとは違いますが、下高井戸名物になっているようで、この曲が流れると子供達が喜んで踊っていました。
プログラムを見る限りでは完全に下高井戸から阿波踊りは消えてしまっていました。それに下北沢の阿波踊りで嫌々踊っていた昭和信用金庫の方々が同じ衣装で生き生きとよさこいを踊っているのを見ると、昭和を知らない世代を中心に時代は阿波踊りからよさこいなどの別の踊りに変わりつつあるのかな・・・と考えてしまいました。