* 世田谷地域の秋祭り *
1、池尻稲荷神社(池尻)
<2018年の開催日は9月15、16日(土日)>
世田谷の大山道、現在の国道246号や東急田園都市線の東の端、池尻にある稲荷神社の祭りです。
都心に近いだけあって社務所のある建物は高いビルで、社殿の背後には首都高が走っているといった都会的な感じの境内となっています。
秋祭りは9月第3週の週末頃に行われます。境内には露店が少し並び、奉納演芸は都会的というか、えらく上品な感じの奉納演芸が行われていました。昼間には神楽が奉納されたり、茶会が開かれたりします。
ここの祭りの特徴は隔年で池尻自慢の宮神輿が運行されることです。台座や屋根に施された彫刻が美しく、すらっとした姿から貴婦人と呼ばれているとか。神輿好きなどが集まり、運行されない年よりも賑わいます。
宮神輿が運行されない年は五町会の神輿がのんびりと町域を回ります。この年は地元の人がのびのびと秋祭りを楽しんでいるといった感じです。
<詳細・関連ページ> せたがや百景No.2
2、三宿神社(三宿)
<2018年の開催日は9月22、23日(土日)>
三宿神社はおしゃれな町として知られる三宿町域の氏神様です。烏山川緑道沿い、三宿幼稚園の横、三宿緑地の下といった立地になります。
倉稲魂命を祀った稲荷神社となりますが、廃寺となった多聞寺の毘沙門堂を利用して毘沙門天を祀っていた過去があります。祭りの時に「毘沙門天」の幟が立てられたりと、地元の人にはお稲荷様でありながら「毘沙門さま」でもあり続けているようです。
祭礼は毎年9月23日に本祭、前日に宵宮が行われます。神社の前の烏山川緑道にも露店が並び、かなり賑やかな感じの雰囲気になります。奉納演芸ではかつて「狸囃子(たぬきまつり)」という神楽が奉納されることで有名でしたが、現在では行われていなく、カラオケ大会となっています。
関東大震災と昭和20年の空襲と、二度の厄災を免れたという三宿自慢の縁起のいい神輿が広いとは言えない三宿の町域を大勢の子供たちに引っ張られる太鼓と回ります。
<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.2
3、太子堂八幡神社(太子堂)
<2018年の開催日は10月7、8日(土日)>
三軒茶屋といえば三軒茶屋駅周辺なのですが、古くから大山道、現在の世田谷通りを挟んで北と南で村が分かれていたので、三軒茶屋の秋祭りは二つあります。
北側の町域は下北沢に向かう茶沢通りやキャロットタワーを中心に栄えている地域で、太子堂の名の通り太子堂八幡神社を中心とした氏子地域となっています。
祭礼は10月の第二日曜日に本祭、前日に宵宮が行われています。
ここの秋祭りの特徴はなんと言っても屋台の多さです。三軒茶屋のメインストリートである茶沢通りの太子堂3丁目交差点から神社まで続く通り沿い、そして神社の周りや太子堂八幡広場、参道やら境内に多くの屋台が並び、世田谷でもトップクラスの繁華街らしく一番多くの屋台が出る秋祭りとなっています。
両日とも神楽殿で奉納演芸が行われ、昼間は相模流の萩原社中によって里神楽が随時神楽殿にて奉納され、夕方から深沢高校の和太鼓、太子堂囃子、その後奉納演芸などが行われます。
神輿は6つの町会の神輿が運行されます。日曜日には茶沢通りが歩行者天国となり、露店や観客の中を賑やかに、そして威勢よく練り歩き、神社へと宮入りしていきます。
<詳細・関連ページ> 地域風景資産No.2-6
4、駒留八幡神社(上馬、三軒茶屋、駒沢)
<2018年の開催日は10月13、14日(土日)>
三軒茶屋のもう一つの祭りが駒留八幡神社の祭礼となります。世田谷通りの南側が町域となり、神社は世田谷通りの環七付近にあります。
祭礼は毎年10月15日に神事のみを行い、それ以外の行事は15日以降の週末に「こまどめまつり」として行われています。
境内はそこそこ広いので、多くの屋台が境内に並びます。特に飲食関係の店が充実していて、普段はひっそりとしている境内がとても賑やかな感じになります。
土曜、日曜の夕方から神楽殿にて奉納演芸が行われます。演芸の内容は地域の舞踊会などの舞が中心です。地元のお囃子若駒連によってお囃子や獅子舞も奉納されます。
日曜日は各町会の神輿渡御が行われます。駒留八幡神社には宮元、茶屋、一三、東西の4つの睦会が所属していて、それぞれの町域を回った後、夕方前になると神社に宮入してきます。
宮入は年によって連合でやってきて勢揃いしたり、次々と個別にやって来たりします。どちらにしても静かだった境内が一気に賑わい、境内が熱気にあふれます。
また10年に一度ぐらいといった回数で神社秘蔵の約250年前に造られたという宮神輿が運行される事もあります。
<詳細・関連ページ> せたがや百景No.19
5、駒繋神社(下馬)
<2018年の開催日は9月15、16日(土日)>
駒繁神社は下馬の蛇崩川沿いの高台にある神社です。「こまつなぎ」と変わった名がついていますが、源頼朝が奥州征伐へ向かう途中にこの地を通り、愛馬芦毛から降りて「馬(駒)を松に繋いで参拝した」という故事から、明治以後に駒繁神社と名が改められたそうです。
駒繁神社の秋祭り(例大祭)が行われるのは9月の第三日曜日とその前日です。境内や緑道に露店が並び、二日間とも夜に神楽殿で奉納演芸として各町民舞会による民舞が奉納されます。これが結構凝っていて寸劇のような出し物だったり、舞踏だったりと色々と趣向を凝らしている感じでした。
駒繋神社には立派な神輿がありますが、普段は担ぎ手が集まらなく、担がれることはありません。平成19年には鎮座950年式年大祭が行われ、25年ぶりに宮神輿が担がれ、神主さんは馬上の人となるような大がかな神幸祭が行われました。
普段は日曜日に町会神輿が運行されています。各町会が神輿を運行しているのですが、やはりここも人手不足で子供神輿が中心だそうです。町会神輿は昼頃から渡御が行われ、順次宮入をしてきます。
<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.5
6、野沢稲荷神社(野沢)
<2018年の開催日は8月25、26日(土日)>
環七の龍雲寺交差点から少し入った場所にある神社で、その創建についての詳細は明らかではなく、駒繋神社から分かれたものだとか、かつての本殿は若林の稲荷を移したものが使われていたとか言われています。
ここの祭礼は他の神社よりも一足早い8月第4週の日曜日とその前日に宵宮が行われます。世田谷で一番最初に神輿が担がれる祭礼でもあります。
宵宮の昼間には子供太鼓山車が運行され、その後は子供たちのための遊び場となり、ゲームや子供カラオケ大会が行われます。夜になると神楽殿で奉納芸能の踊りやカラオケが行われ、地元南風連によって獅子舞も演じられます。
本祭の日は宮神輿が運行されます。大、中、小の三種類の神輿があり、基本的には毎年大神輿が使われますが、特別な事情があるときには中神輿が運行される事もあります。
近年は9月でも8月と同じぐらい暑い日が多いのですが、やっぱり8月だと思うだけで暑く、その熱い中運行される神輿はやっぱり気合が入っているかなといった感じです。
<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.6
7、若林稲荷神社(若林)
<2018年の開催日は9月8、9日(土日)>
若林村には古くから若林鎮守三社といわれる福寿稲荷神社、北野天満宮、天祖神社があり、祭りも一年ごとに順番に行われてきました。
現在では天祖神社は福寿稲荷神社に合祀され、若林稲荷神社と改称され、一番古くからある北野天満宮は規模が縮小され、昔のようなきちんとした三社ではなくなってしまいましたが、お祭りはかつての若林鎮守三社祭という形式を残しながら若林稲荷神社で毎年9月第二日曜日と前日に行われています。
ここの祭りでは神社の前の通りに多くの露店が並びます。普通の住宅街に露店が並ぶというのは近年あまり見られなくなったので、ある意味懐かしくもあり、珍しくもある祭り風景となっています。
宵宮ではカラオケ中心にフラダンスやよさこいなどの奉納演芸が行われ、本祭の日に屋根にきちんと三社の紋が入っている宮神輿が運行されます。
若林といえばカーナビの試験に使われるとかいわれるほど狭い道がごちゃごちゃしている町域です。それに町域の真ん中を縦に東京の大動脈である環七、横に世田谷線が通っています。狭い路地を進んだり、踏切を何度も横切ったり、下町的な雰囲気のある商店街を進んだり、大通りを練り歩いたりと、担ぐ人には色々と風景が変わって面白いかもしれません。
<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.7