世田谷散策記 タイトル
せたがや地域風景資産 #1-19(抹消)

等々力7丁目荒井家・鈴木家かいわいの巨樹群

*この項目は抹消されました

樹齢300年を超えるケヤキ等がある。荒井家のケヤキは玉川全円耕地整理以前の道に沿って植えられており、その延長が鈴木家の竹垣のある小道となっている。(選定当時の紹介文の引用)

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1、等々力7丁目界隈の巨樹群について

等々力周辺の地図(国土地理院)
等々力周辺の地図

国土地理院地図を書き込んで使用

目黒通り、駒沢公園通り、駒八通りに囲まれた地域が、等々力7丁目です。更には、目黒通りと環八をショートカット的に結ぶ上野毛通りも横切っていて、この地域はどこへ行くのも便利であると同時に、抜け道的に通る人も多いので、閑静な住宅地の割には交通量が多いです。

私自身も比較的よく通る道沿いの地域なので、全く知らない土地ではありませんでした。タイトルに巨樹群とあるように、この付近には巨樹・・・、というより、走っていて周りに大きな木や畑など、緑が多いなと感じていました。

等々力7丁目界隈 鈴木家の界隈の写真
鈴木家の界隈

この辺りは緑が多く、連続した風景をつくっています。

等々力7丁目界隈 鈴木家の写真
鈴木家

立派なケヤキの木がそびえていました。

今回(*最後に訪れたのは2011年です。今では随分と風景が変わっています。)、今まで通り過ぎていたのを、途中下車といった感じで訪れてみました。

歩いてみると、タイトルにある荒井家が上野毛通りの北側に、南側に鈴木家の大きなお屋敷があり、そこを中心に緑が多くあるといった感じでした。

この他にも大きな畑があったりと、思っていたよりも緑の風景が連続していて、やはりこの地域は緑が多かったんだと、再認識した次第です。

等々力7丁目界隈 荒井家の森の写真
荒井家の森

樹木が山盛り状態になっていました。

特に圧巻だったのが、荒井家の敷地。存在感のある大ケヤキを中心に、広い敷地には多くの木が植えられていて、木が敷地からあふれんばかりといった感じでした。まさにタイトルにある巨樹群といった様子でした。

玄関前なども植木が多く、しかも手入れが行き届いていて、いかにも地主の土地といった雰囲気のするお宅でした。

きっとこの2つの家はこの辺りの大地主さんになるのでしょうね。土地の広さと木の立派さに恐れ入りました・・・といった感じです。

等々力7丁目界隈 住宅地にある大木の写真
住宅地にある大木

思わず足を止めてしまう光景です。

等々力7丁目界隈 お店と一体化した木の写真
お店と一体化した木

ユニークな店ですね。玄関に木があります。

2つの地主さん以外でも、この界隈を歩いていると、畑だったり、木の多い敷地が多くありましたが、それよりも目に止まったのが、さりげなく住宅街の中に大きな木が残っていたり、レストランの建物に木が組み込まれていたりする風景です。

この界隈ではなるべく木を残すように宅地開発をしているのでしょうか。ちょっと面白い風景です。

等々力7丁目界隈 取り残された古いアパートの写真
取り残された古いアパート

億ション地帯になぜか残っていました。

等々力7丁目は北が深沢3丁目、東が深沢1丁目に接しています。深沢といえば、比較的大きな森や畑が近年まであったことで知られていますが、そういった土地は近年では静かな環境や贅沢な空間を利用した高級マンションに替わりつつあります。

今では深沢や駒沢公園周辺、そしてここ等々力もそういった高級マンションが多い地域になりました。

昔は駅から遠く、辺りに畑や雑木林ばかりで何もないような土地は安く、家賃の安いアパートがあり・・・といった感じだったのですが、そういったアパートがあった場所に高級マンションが建つ様子を見ると、時代は変わったなと感じてしまいます。

昭和40年代後半の等々力7丁目界隈の航空地図(国土地理院)
昭和40年代後半の等々力7丁目界隈の航空地図

国土地理院地図を書き込んで使用

2009年の等々力7丁目界隈の航空地図(国土地理院)
2009年の等々力7丁目界隈の航空地図

国土地理院地図を書き込んで使用

戦前戦後の古い航空写真を見ると、この界隈には畑が多く、純農村だったことが分かります。戦後しばらくは畑が多かったものの、どんどんと開発の手が伸び、畑が宅地に変わっていきます。

風景資産に選定されたのが2002年。2009年ごろでも、その様子は変わりがなく、荒井家、鈴木家を中心に多くの立派な木がこの界隈にあることが確認できます。

しかし、その後、所有者の都合により、土地の再開発が行われ、この素晴らしい風景は消えてしまいました。

実は、荒井さんの家系の方からメールをいただき、少しお話を聞けました。

お家の事情で、本宅の土地に手を入れることになったそうです。全部で1000坪の敷地だったというから驚きです。風景資産に選ばれた立派なケヤキなどの樹木は、駒沢公園等に寄付を考えたそうなのですが、一度掘り起こされた木は枯れてしまうとのことで断念し、その木材は家具へ再利用されたそうです。

2、感想など

等々力7丁目界隈 紅葉する荒井家の大ケヤキの写真
紅葉する荒井家の大ケヤキ

とても存在感のある木でした。

こういった風景資産に自分の家が選ばれるというのは、どういった気分なのでしょうか。迷惑なのか、誇りに感じるのか、実際に自分がその立場になってみないとわからないことです。

でも、選ばれたことで緑を守らなければといった義務感が増えたり、家の周りを写真を撮っていく人が増えたりするのは、少々面倒に感じそうです。

項目が抹消されたと聞き、久しぶりにグーグルマップで家にいながら等々力7丁目を散策したのですが、この界隈のあまりの変わりように驚いてしまいました。

あの荒井家の立派なケヤキの木はもうないんだな・・・と思うと、少し寂しくもあり、所有者もこれで肩の荷が下りたのかな・・・と思ったり、広い土地を持つ方々の様々な苦労話を聞いてきたので、色々なことを考えてしまいます。

せたがや地域風景資産 #1-19
等々力7丁目荒井家・鈴木家かいわいの巨樹群
2025年2月改訂 - 風の旅人
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・備考この項目は抹消されました
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