世田谷散策記 タイトル
せたがや地域風景資産 #1-17

富士見橋より見た富士山の見える眺望(上野毛)

上野毛3丁目(五島美術館の横)

晴れた日には富士山が眺められ、隣接する美術館への来館者が足をのばすこともある。国分寺崖線の名所のひとつともなる場所であり、玉川地域のみずとみどりをめぐるルートである「おもいはせの路」の一部である。(紹介文の引用)

広告

1、上野毛富士見橋と富士山の眺望

上野毛富士見橋の銘の写真
富士見橋の銘
上野毛富士見橋 関東の富士見100景の銘の写真
関東の富士見100景の銘

世田谷で富士見橋といえば、「せたがや百景」に選定されている成城の富士見橋がよく知られていますが、比較的広範囲で富士山を望むことができた区内には、他にもいくつも富士見橋があります。

背の高い建物が密集している現在では、富士山が見えなくなってしまった富士見橋がほとんどですが、上野毛には今でも富士山が見える富士見橋があり、成城と同じく国土交通省が選定した「関東の富士見100景」に選定されています。

上野毛富士見橋のある通りの写真
富士見橋のある通り

五島美術館の塀が続いています。

上野毛富士見橋の写真
富士見橋

富士山側に歩行者用のスペースが設けられています。

富士見橋がある通りは一車線の道路ですが、一方通行ではありません。でも、富士山側には歩行者用の簡易歩道が設けられているので、車を気にせずに富士山を見ることができます。

そもそも、この界隈は美術館やらお屋敷が並んでいるといった超セレブ界隈だし、抜け道として利用しにくいのもあり、車はあまり通らなかったりします。

上野毛富士見橋 夕日をバックに通過する大井町線の写真
夕日をバックに通過する大井町線

列車が狭い切り通しを進んでいきます。

橋の下は川ではなく、成城の富士見橋と同様に鉄道の切り通しとなっています。

成城のほうは、今では切り通しに蓋がされ、足元を鉄道が走り抜ける光景を見ることができませんが、こちらではまだ健在。東急大井町線がひっきりなしに通っています。

ただ、狭い切り通しなので、冬の太陽が低い時期には影が多くなり、この場所で大井町線と富士山を絡めた写真を撮るのは、難易度が高いような気がします。

上野毛富士見橋 再開発前の富士山の眺望の写真
再開発前の富士山の眺望

2008年の写真です。現在と比べるとビルがなくすっきりしています。

富士山の眺望は・・・、ちょっと微妙な感じです。二子玉川の再開発前でも手前にマンションがあったので、そこまでいい風景といった感じは受けませんでした。

再開発では二子玉川駅の南側に高層ビルが建てられていき、視界に次から次へとビルが入るようになりました。

現在では・・・、実際には見ていませんが、他の人の写真を見ると、富士山は見えるには見えるけど、ビルの間に見えるといった感じのようです。

上野毛富士見橋 富士山の眺望の写真
富士山の眺望

2009年の写真です。手前にマンションがなければ・・・ってな感じです。

この場所でも、愛好家に人気のダイヤモンド富士を見ることができます。ダイヤモンド富士とは、富士山の山頂に太陽が重なる現象のことです。

10月30日と2月12日がその日となり、関東の富士見100景に選ばれているだけあって、その日は多くの愛好家などが訪れているようです。

どちらも季節の微妙な変わり目。朝はきれいに見えることが多いのですが、昼以降に雲がでやすくなります。湿度や気温から2月の方が見ることのできる確率が高いと思いますが、あくまでも天気次第となります。

五島美術館の写真
五島美術館

この富士見橋のすぐ横は五島美術館です。すぐ足元を通っている東急線(東急グループ)の事実上の創業者である故五島慶太氏が、生前に収集した日本と東洋を中心にした古美術を展示している私立の美術館です。

収蔵品の目玉は、国宝の「源氏物語絵巻」と「紫式部日記絵巻」です。これらは美術館の開館にあたって旧大名家から買い取ったとか。鉄道王の財力恐るべしといった感じです。

敷地の横を通る大井町線も、自分の庭に鉄道を通す感じだったのでしょうか。って、実際は、晩年、赤坂からここに越してきたので、自分の手掛けた鉄道の傍に引っ越してきたことになります。

五島美術館 庭園内からの眺望の写真
五島美術館の庭園

富士見橋よりも眺めがよかったです。

美術館内には崖線を利用した広大な庭園があります。多くの木が植えられていて、五島氏が趣味だった石灯ろうや石仏などが多数置かれています。

庭園内からの眺望も良く、ここからも富士山を眺めることができ、一般には非公開ですが、庭園内には富士山の眺望を堪能できると思われる富士見亭茶室もあります。

ただ、二子玉川の再開発によって多くのビルが建ってしまったので、富士見橋以上に昔の眺望が惜しまれる場所となってしまいました。

2、感想など

上野毛富士見橋 再開発と富士山の写真
再開発と富士山 2009年

赤いクレーンが青空に映えていていい感じでした。

成城と上野毛と区内に二つある富士見橋。昔はいい眺めだったのでしょうが、残念ながら今では両方ともあまり眺望がよくありません。

いまだに人口が増え続け、都市化や高層化が進んでいる東京の現状では、こういった事はしょうがない・・・で済ませていいのか分かりませんが、富士山スポットに限らず区内のほとんどの場所で視界が遮られ、窮屈な風景になっているような気がします。

せたがや地域風景資産 #1-17
富士見橋より見た富士山の見える眺望(上野毛)
2025年2月改訂 - 風の旅人
広告

・地図・アクセス等

・住所上野毛3丁目(五島美術館の横)
・アクセス最寄り駅は東急大井町線上野毛駅、もしくは田園都市線二子玉川駅。
・関連リンク関東の富士見百景(国土交通省)
・備考関東の富士見100景、ダイヤモンド富士は10月30日と2月12日
広告
広告
広告