世田谷を楽しもう! 風の旅人 世田谷散策記

世田谷を楽しもう! 〜世田谷散策入門〜

制作のテーマは「世田谷を楽しもう!」です。世田谷といえば住宅地ばかりで見るべきものはほとんどない・・・、散策して回っても退屈なのでは・・・と多くの人が思うことでしょう。

地方から親戚や友人が上京してきた時に連れて行く場所は、近年大河ドラマで知名度が上がった豪徳寺や松陰神社、あとは季節やその人の趣向にあった場所、例えば下北沢に行ってみたいとか、長谷川町子美術館や東宝撮影所に行ってみたいとか、話題性で有名なお店とかといったぐらいです。

でも散策は観光とは違います。お出かけのアクセントとして加えることができ、様々な組み合わせで楽しくすることができます。

旅や観光では正直今一歩といった印象の世田谷でも散策に関しては実によくできた町なのです。まさに散策のためにある町・・・っていうのは言い過ぎですが、ここでは散策に関しての世田谷の魅力について紹介しています。

*** このページの内容 ***

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* 散策のレパートリーが多い世田谷 *

世田谷は散策を行うのに適した町だといえます。家から脱出するのが散策だ!といってもやはり何かしらの目的や目的地がなければ足が向き難いし、いつもの散歩コースを歩くだけでは、ただ歩くだけを目的とした散歩になってしまいます。

一般的に散策と散歩は同義語で扱われますが、「策」という文字が入っている散策は計画性を持って歩くこと、そして旅のようなワクワク感があること、要は目的地や目的意識がある散歩となり、例えば季節の花を見るとか、いつもと違った公園を訪れてみるとか、今まで行ったことのない場所へ行ってみるといったような行為となるはずです。

そういった散策を行うのに目的地となりやすい場所が多いのが世田谷です。散策の町を目指しているわけではないのでそれが褒め言葉になるとは思えませんが、散策に関しては様々な魅力と無限の可能性を秘めていると感じます。それを私なりに8つに分けて紹介します。

まず第1に、世田谷はメディアの露出度が高いです。

情報番組、バラエティーなどテレビ、雑誌によく区内の事柄が登場しています。おかげで全国的にも世田谷の有名な町名は知られています。

テレビで砧公園やっていたから行ってみようとか、下北沢の特集をやっていたから久しぶりに行ってみようとか、隣駅の商店街をやっていたから散策がてらいってみようとか・・・などなど。

またグルメ番組、グルメ情報誌に登場するレストランやケーキ屋などといった飲食店も豊富にあり、そういったメディアからの情報がきっかけとなって下北沢に行ってみようとか、そのついでに森厳寺に行ってみようとか思う人も多いかと思います。

第2に、世田谷区内には映画やドラマのロケ地が多いです。

町並みや緑道、公園などがよく登場しています。こういったロケ地に憧れて区外からロケ地を聖地と見立てて訪れる人も多かったりしますが、区民にとっても時間があるし、電車一本ならちょっと行ってみようかな・・・といったきっかけになるはずです。

ロケ地というわけではありませんが、桜新町のサザエさん商店街、祖師ヶ谷大蔵駅のウルトラマン商店街などは地域を上げて特徴を出しています。

また俳優、芸能人の家も多いので、ワイドショーで取り上げられて、あっ近所だから行ってみようとか、トーク番組などで近所のお勧めスポットを紹介してくれたりといったこともよくあります。

第3に、世田谷には季節を感じられる公園、緑道や緑地公園が多いことです。

世田谷は昭和の初めまでは農村地帯だったので、比較的多くの緑が残っていて、区内には大規模な都立公園が4つもあり、区立公園も沢山あります。

更には馬事公苑といった特殊な公園もあり、緑を求めての散策が行いやすい環境が整っています。これは他の区に比べても恵まれていると言えます。

また散策の途中に立ち寄りたい小さな寺社も多くあり、秋祭りを行っている神社だけで50以上もあるので驚いてしまいます。これも他の区に比べて多いです。

農業関連で付け加えるなら東京農大があるのも世田谷の特徴で、農大の農業をテーマにした博物館、あるいはかつての農村を再現した次大夫堀民家園なども人気となっています。

第4に、多摩川と国分寺崖線があることです。

これは意外と重要で、区内で一番雄大な景色が見られるのは多摩川を絡めた風景、特に多摩川の土手となり、そして多摩川沿いに続く国分寺崖線では区内であまり見られない高低差のある特徴的な風景を見ることができます。

高低差のある土地は近年まで開発を免れてきたので、自然公園となっていたり、財閥の庭園となっていたり、山岳地帯のように急な斜面に家が建っていたりとその表情は多彩です。成城や等々力渓谷はその代表となります。

この独特の崖線の景観はせたがや百景や地域風景資産にも多く登録されていて、国分寺崖線発見マップ(世田谷区)、世田谷国分寺崖線散策マップ(世田谷トラストまちづくり)などといったものも発行されています。

名前の付いた急な坂を組み合わせた崖線の散策コースは住宅地世田谷とはまた違った一面といった感じで人気があります。

第5に、大きくはないけど世田谷には意外と立派な美術館、博物館があります。

世田谷は昭和の初めに郊外別荘地として人気があり、財閥関係者が別荘を建てた名残りで小さいながら国宝を収蔵する美術館があります。

また近郊住宅地として世田谷に移り住んだ文化人たちも多く、例えば徳富蘆花、長谷川町子、賀川豊彦などといった人の功績をたたえた記念館もあります。

このほかにも手軽に訪れられる野毛大塚古墳、代官屋敷、世田谷城址跡などの歴史的な史跡も幾つかあり、全国的にはもの凄く有名ではないけど、小さな博物館、美術館、記念館などが沢山あります。

有名じゃなければわざわざ訪れなくても・・・と思ってしまうかもしれませんが、観光地のように混雑していないし、無料や少額のものが多くいので手軽に訪れることができます。やはり散策では気軽さが一番です。

またこういった史跡や美術館など集めたせたがや百景というものもあり、選定が昭和なのでちょっと古い部分もありますが、散策の目的地にするには最適かと思います。

第6に、世田谷はイベントの多い町です。

世田谷でイベントといっても区外に知られている大きなイベントは玉川花火大会、世田谷ボロ市、区外に知られているかどうかわかりませんが、世田谷区民祭りの三つが規模や来客数が多いイベントです。

こういった大きなイベント以外にも馬事公苑で行われる馬に関するイベント、商店街が地域の個性を生かしたイベント、例えば下北沢の阿波踊りやサザエ通り商店街のネブタや松陰神社通り商店街の幕末維新祭りなどといった地域外から多くの人が訪れるイベントも多いです。

もちろん伝統的な祭りも健在で、町会が行う盆踊り、各神社や寺院で行われる祭りや行事やなども多く、一年中大小様々なイベントが行われています。そういったイベントに合わせてその周辺を散策するというのもいいきっかけとなります。

第7に、世田谷には評判のいいお店が多いです。

区内には商店街だけではなく、路地にも隠れ家的なこじゃれた店があり、実に多くの店があります。

特にレストランにパン屋、おしゃれな雑貨や服を扱った店は、地域の情報誌だけではなく、全国放送の番組に取り上げられるぐらい有名な店も多くあります。

以前は世田谷通りや環七のラーメン屋が多く取り上げられていましたが、今ではパン屋の話題が多いでしょうか。日本一のパンの町といった感じもします。

私の場合はラーメンの食べ歩きも兼ねて散策していましたが、そういった食べ歩きやパン屋などの買い歩きといった趣向と合わせて町歩きすることもできます。

それに散策を兼ねて歩いて店を訪れればパンが1個余計に買える・・・と思うと、意外と楽しく歩けてしまうものです。

最後、第8に世田谷は交通の便がとてもいい町です。

電車やバスといった交通の便がいいので、散策のルート選択が自由に設定できます。

例えば今日は天気がいいし、季節もいいからいつも歩いている北沢川緑道の終点である田園都市線の池尻大橋付近まで歩いて、電車で帰ってこようといったことも可能ですし、成城から大蔵、砧公園と抜けて用賀からバスで帰ることもできます。

もちろんこれは世田谷以外、都会ならどこでもできることなのでしょうが、四方八方自由に設定できるのは散策において重要で、往復歩くと大変だけど片道なら行ってみようとか、復路は元気だったら歩いてとか、体調や気分次第で無理なく行えます。

やっぱり遠出した場合、同じ道を戻るのは気分的にしんどいものですから・・・。

といったように、メディアの露出度が抜群で、撮影のロケ地が多くあり、有名な飲食店やおしゃれな雑貨店などが至る所にあり、公園や緑道が多くて、起伏のとんだ地形や大きな川もあり、寺社、博物館等も多く、イベントも多い上に交通の便がいいと世田谷は散策に好条件が揃っていて、まさに散策の町と言えると思います。

更には世田谷は旅をするには小さな地域ですが、散策をして歩くには十分な広さがあります。一通り回るだけでもそれなりに時間がかかります。

それに三軒茶屋や二子玉川の再開発のように世田谷の町は日々発展しているので、同じ場所を歩いても前回と違った発見が色々とあるものです。

それは小さな発見かもしれませんが、「あれっ、前にはなかった」といったような発見は何かうれしいもので、散策を継続して行うのにとても大事な要素になりえます。

ただ、散策するのにデメリットもあり、世田谷は人口約80万といったとても人が多い町です。場所や時間帯によっては非常に混雑します。

周囲に気を付けていないと車や自転車に接触することもあります。特にスマホの地図を見ながらとか、複数人で歩く場合にはくれぐれも通行人や車には気を付けましょう。

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* 世田谷散策の仕方 *

世田谷を散策を効率よくするにはどうしたらいいのですか?などと聞かれたことがありますが、こればかりはなんともいえません。散策に効率を求めるのもいいけど、それでは作業的な行為になってしまい、面倒などが重なると飽きてしまう可能性が高いです。

なんていうか、旅や散策は目的地に着くことよりもその行為をしている間が楽しいのであって、目的地に真っ直ぐ着くことが効率いいとは限らないのです。

例えば迷子になって訪れた路地にきれいな花が咲いていたり、さりげなくいい風景があったりと新しい出会いがあるかもしれませんし、迷子になって道を尋ねた人や偶然入った店の店員との会話に新しい発見があるかもしれません。世の中どういっためぐり合わせで人生が開けるかはわからないから楽しいのです。

だから自分のペースで無理なく行うのが一番だと思います。それが自分らしい人生であり、自分らしい散策になるかと思います。寄り道ばかりの人生を送っている私が言うので間違いありません。(笑)

とはいえ少しだけアドバイスをすると、まずは散策自体が自然と楽しく行えることが大事です。

例えばカメラを趣味にするぞと初心者が張り切って高価でプロが使うような立派なカメラを購入したとします。最初からいいものを使い、高い目標をもってといいように思えますが、いいカメラは重たいし、荷物になるしと持ち出すのが億劫になってしまっては本末転倒です。

まずはいつでも持ち出せるような軽いカメラで写真を撮る行為が楽しくなることが大事で、その延長でこういった写真が撮りたいからこういう高価なカメラが欲しいとか、持ち歩くのにこれぐらいまで妥協できるからこの中級の軽いカメラにしようとか次のステップに進めるようになるのです。

まずは欲張らず気軽に身の丈にあったことをするのが一番大事です。

ということで散策に関してもいきなり壮大な計画を立てるよりも最初は電車やバスを多用してでも興味がある事柄や有名なスポットを回ってみて、散策をすること、人によっては定期的に出かけることが自体が当たり前というか、楽しくなる事が大事かと思います。

最初は散策よりも食べたりショッピングするほうが多いというのもいいと思います。そして次の過程であまり興味がないけど史跡を回ってみようとか、緑道を歩いてみようと興味の範囲や行動範囲を広げていけばいいのです。

更にステップアップして季節感や話題性、プチ贅沢などを取り入れていき、変化やメリハリを加えると長く続けられる趣味になるのではないでしょうか。

散策するのにあったら便利なものはやっぱりマップです。わざわざ買わなくても世田谷区が発行している無料の散策用のマップがあります。いつも置いてあるとは限りませんが、図書館や役所関係の場所にあると思います。

私的にお勧めなのが世田谷花マップで、これには季節の花が咲いている場所や公園が記してあるので、これに行きたい寺社やお店などを書き込めば立派な散策用のマップになります。一枚のマップなので本のようにかさばらないのがいいです。

これ以外にも史跡用のマップ、風景資産用のものなど散策に役立つマップがあります。まずはこういった無料の地図を利用して散策を行うといいかと思います。地図を見ながらどこからどこまで歩いて・・・と考えるのが楽しくなると、もう立派な散策人です。

旅は道連れといいますが、やはり友人などと散策するほうがレストランでランチをする場合にも入りやすいですし、散策も楽しいと感じると思います。

ただあまりにも興味の対象が違いすぎると目的地の選定であっちじゃ、こっちじゃとなかなかまとまらないかもしれません。双方で少しずつ妥協するなど工夫してみてください。

若いとその過程も楽しかったりするかもしれませんが、年を取るとそういったことに煩わしいと感じるかもしれません・・・。

でも最初は他の人の興味の対象だったのが、気が付いたら自分のほうが興味が湧いて詳しくなっていたり・・・といったことも多々あるので、いろんなことを試してみるのがいいかと思います。

「世田谷を楽しもう!」~世田谷散策入門~ -風の旅人- (2018年11月更新)

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