* 旅と散策の違い *
散策とは何だろう。己を知ればってやつで散策とはどういった性質のものかを理解しておくと散策もやりやすくなります。
そこで散策と似た旅と比較しながら散策の魅力について書いていきます。
旅と散策。ほぼ同じに感じる人もいれば、まったく違うと感じる人もいると思います。
旅も散策もちゃんとした定義のある言葉ではなく、広義な言葉なので、人それぞれの解釈ができてしまうのはしょうがないことです。
旅といっても、一人で世界一周旅行をするのと、家族での温泉旅行ではまったく様子が異なるし、旅先の海外で行う散策と自宅の近所を回る散策も見る風景、感じ方が別の次元だと言えます。
ただ旅も散策もどちらも似たようなものというか、同じ直線の延長上にあるととらえている人が多いようです。
辞書的な感じで違いを書くと、旅というのは日常の行動範囲や習慣から脱出し、新しい風景や人物に出会うことにあります。
だからわざわざ旅に出て日常と変わらない風景や自分にとってありふれた風景を見ても感動をあまり感じません。むしろわざわざ移動してまで訪れることが面倒に感じるはずです。
その逆に強烈に日常とかけ離れた風景や建物などには強く惹かれます。そういった風景は手間や時間を掛けてでも見に行きたいと思うはずです。日常と差異が大きい海外旅行が人気なのはそういった理由からです。
普通に考えるなら世田谷区民が余暇を利用して旅をしたいと思った場合、同じ区内、もっと言うなら都内は旅の目的地になりにくいと言えますし、周囲を田畑に囲まれて暮らしている地方の人にとっては、建物だらけの区内の至る所が物珍しく、旅の目的地になります。
その一方、散策には旅のような定義はありません。だから日常の行動範囲から脱出しなくても行えますし、新しい風景や人物に出会うことは望ましいけど、出会いがなくても成立します。
旅よりもハードルが下がるというか、旅よりも大袈裟ではない旅?ってっ変な表現ですが、日常ベースの簡易的な旅といった感じで、日常からの脱出が旅で、家からの脱出が散策というのが言い得ているかもしれません。
楽しみ方も旅の脱日常、現実逃避的な楽しみに対して散策は日常的な楽しみ、ってやっぱり変な表現ですが、日常的な感覚で楽しむ事ができます。
そして旅とは違って強烈なインパクトは・・・あったほうがいいけど、それほど重要ではありません。近所の公園の桜が咲いたといった小さな変化でも出かけるきっかけになり、それでいて満足感が得られるものです。
それに旅と違って時間に縛られません。日常での時間を見つけ、日常にプラスアルファで楽しむ趣味といった感じです。
例えば子供が幼稚園に行っている昼間に中途半端に時間が余っているお母さんでも・・・、って気力があればですが、少しずつ小分けにしてあちこち散策して回ることも可能です。
もちろん子供を自転車で迎えに行った帰りに一緒に今日は桜がきれいだから遠回りしていこうといったことも散策の一つの形です。
更に言うなら旅と違って日常の感覚に近いので日常の金銭感覚、要はあまりお金を掛けずに行えます。日本人はなぜか旅に出ると懐が緩みがちですね・・・。
といった感じで、散策は旅のようにしっかりと準備して大きな感動を味わうのではなく、気軽に小さなワクワク感を探すのが散策と表現するのがしっくりきます。
休日の過ごし方で思い切って遠くに旅に出ようか、あるいは手軽に散策で済まそうかと迷った際には、自身の疲れや気力、精神的にリフレッシュが必要かどうかなど考慮して決めるといいかと思います。