* 玉川地域の秋祭り *
1、久富稲荷神社(新町、桜新町、駒沢)
<2018年の開催日は10月6、7日(土日)>
桜新町といえばサザエさんの作者長谷川町子氏が暮らし、サザエさんのモデルになった町です。商店街をあげてサザエさんでアピールしていて、町のいたるところでサザエさんを見ることができます。
桜新町は新しくできた町名で、もともとは新町村でした。そしてこの地域の氏神だったのが久富稲荷神社と駅の北西にある伊富稲荷神社になります。
祭礼は久富稲荷神社と伊富稲荷神社の二社祭として10月第一週末に行われています。
この祭りの最大の特徴は長い参道に並ぶ屋台です。久富稲荷神社は大山道だった駅前通りから神社まで約250mものとても長い参道が続いています。といっても民家の玄関なども普通にあり、所々にある鳥居がなければ歩行者用の通路と感じてしまうようなカジュアルな感じの参道です。この参道に屋台がずらっと並ぶ様子は圧巻で、時間帯によっては身動きが取れないほど混雑します。
奉納演芸は土日ともに行われ、日曜日は夕方の早い時間は地元の団体による素人奉納演芸で、遅い時間はプロの歌手などのステージになります。
神輿は日曜日に担がれ、もう一つの伊富稲荷神社を訪れたり、桜新町駅前やサザエさん通りを練り歩きます。子供にやさしい地域なので、太鼓車を引っ張る子供の多いこと。たくさんのお菓子をもらい、張り切って引っ張っていました。
<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.41
2、深沢神社(深沢、駒沢)
<2018年の開催日は10月7、8日(日月)>
深沢は名前の通り深い沢、呑川が台地を削った深い沢地を中心とした地域です。現在の呑川は暗渠となり川がありませんが、親水公園や緑道となっていてとても散策の楽しい風景となっています。
駒沢通りの南側に三島公園があり、その奥に三島幼稚園と深沢神社があります。三島の名が示すようにかつては三島神社で、深沢村の村社となっていました。
祭礼は体育の日に行われていて、日曜日が宵宮、月曜日が本祭とちょっと変った感じの日程になっています。露店は境内と周辺の道に出るので、そこそこにぎわいます。奉納演芸は宵宮は素人演芸で、本宮がプロの演芸となります。
かつて広い深沢村では一年おきに上地区と下地区とで祭礼を行っていました。上地区は現在の深沢神社を中心とした地区で、下地区は駒沢公園の南部に当たる地域で駒八通りの深沢交差点近くに神明社で行われていました。そういった名残りだと思うのですが、現在でも神社の北側を回る年と神社の東側を回る年に別れています。
宮入前の深沢不動からは女神輿も運行され、賑やかに宮入りしていきます。
<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.42
3、用賀神社(用賀、上用賀)
<2018年の開催日は10月6、7日(土日)>
田園都市線の用賀駅周辺、用賀、上用賀、玉川台といった地域の氏神は用賀神社になります。とても広大な氏子地域を持ち、駅から比較的近いのもあって初詣などは大行列ができます。
用賀神社の祭礼は体育の日に行われていましたが、体育の日が変動となったため、今では10月10日前後の週末、ここのところの日程を見る限りでは体育の日の前日に行われています。
境内や周辺には多くの店が並び、多くの人が訪れてにぎわいます。奉納演芸は宵宮も本宮も17時から21時までみっちりと演目が行われます。早い時間は素人によるカラオケや舞踊が中心ですが、遅い時間になるとプロによる大道芸だったり、本祭の日は演歌歌手のステージだったりします。
用賀神社の神輿は神社の宮神輿を使って本祭の日の午後に行われます。渡御は全体的に商店街の渡御が中心なので賑やかな感じの神輿渡御となっています。
<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.43
4、瀬田玉川神社(瀬田、玉川)
<2018年の開催日は10月20、21日(土日)>
瀬田と言えば国道246号と環八が交わる瀬田交差点が有名かと思います。その瀬田交差点を下っていくと大商業地となっている二子玉川に至ります。瀬田と二子玉川は元々は一つの瀬田村で、高台が住居で、川辺の低い土地が田畑などになっていました。
瀬田の村社だったのが瀬田玉川神社になります。ちょうど大山道の慈眼寺ルート沿いの崖地に立地しているので、二子玉川からだと結構坂と階段を登らなければなりません。
瀬田玉川神社の祭礼は10月第三週末に行われています。神社と周辺には屋台が多く並び、奉納演芸も色々と行われ、夜になると多くの参拝客でにぎわいます。
ここの祭りでちょっとややこしいのが、神社では瀬田地域の祭りが行われ、二子玉川でも神酒所が設置され、そこで玉川地域の祭りが行われることです。
神輿もそれぞれ別で、瀬田の神輿は神社の急な階段を山神輿のように上り下りし、東京の大動脈である環八の瀬田交差点を颯爽と渡っていき、玉川の神輿は飲食店の多い商店街や駅前の大通りを女神輿とともににぎやかに練り歩きます。
<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.44
5、中町天祖神社(中町)
<2018年の開催日は10月1、2日(月火)>
かつて野良田村だった中町。田舎めいているという住民の意見を考慮し、位置的に玉川村(現在の玉川地域)の中央にあることから改名されました。地図を見ると確かに真ん中にあるように見え、中町という名もいいとは思うのですが、中町という割には駅から遠く、結構鉄道には不便する土地だったりします。
中町天祖神社の祭礼は今も昔も曜日に関わらず10月1日に宵宮と2日に本祭が行われています。10月1日は都民の日といった中途半端な休日で、大人的には実質的に平日ですが、意外と賑やかで、多くの露店が並び、多くの子供たちが訪れていました。
祭礼は宵宮に神輿が運行され、中町町域をぐるっと担いで回って夜に神社に戻ってきます。本祭の日は祭典式、夜にはマジックや演歌などプロによる奉納演芸が行われます。
<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.45
6、上野毛稲荷神社(上野毛)
<2018年の開催日は10月6、7日(土日)>
大井町線の上野毛駅周辺が上野毛です。ちょうど二子玉川や瀬田の南側になります。
環八の上野毛駅前の交差点から多摩川に向かって崖線を下る上野毛通り沿いの坂は稲荷坂と名付けられていて、その途中に上野毛の氏神である上野毛稲荷神社があります。
祭礼は10月第一週末か、第二週末に行われています。おそらく10日前後の週末となるようです。小さな神社で、しかも坂の途中というあまりいい立地ではないので、露店も少なく、少々閑散とした感じの祭りです。
土曜日の宵宮は夕方から模擬店が出て、子供用のイベントや神楽殿にて素人による奉納演芸が行われます。
日曜日のは本祭の日は神事等が行われ、昼から子供神輿に太鼓車、大人神輿が巡幸され、町域を回り、夕方に宮入します。夜は宵宮と同じように奉納演芸が行われ、最後に祝い餅が配布されます。
<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.46
7、野毛六所神社(野毛)
<2018年の開催日は9月22、23日(土日)>
多摩川の二子玉川より下流、ちょうど第三京浜の玉川インターよりも南側に野毛町があります。
野毛(ノゲ)とは崖を意味する言葉で、その言葉通り国分寺崖線上に町域が広がっているのですが、世田谷の中でも特にこの辺りは崖の傾斜がきつく、坂もきつく、野毛の名の通りといった土地柄に感じます。
野毛の村社は野毛六所神社になり、変わった石像が多く並ぶ善養寺の裏手に鎮座しています。境内には水神様が祀られていて、多摩川の水利で生活してきた野毛らしさを感じます。
祭礼は9月第四日曜日とその前日に行われています。宵宮の日に子供神輿や太鼓車が運行されますが、坂の多い土地なので大変です。太鼓車にいたってはハンドルとブレーキ付きのカートに改造されていたりします。
本祭の日は午前中に例大祭が行われます。参列者は紋付き袴を着用するので、本格的というか、区内の中ではちょっと変った祭りの風景になります。午後からは大人神輿の巡幸が行われ、夕方に宮入。坂が多いので神輿の担ぎ手も大変です。その後ビンゴ大会や奉納演芸、投げ餅が行われます。
<詳細・関連ページ> せたがや百景No.94-2
8、玉川神社(等々力、玉堤)
<2018年の開催日は9月15、16日(土日)>
等々力といえば、都内唯一の渓谷であり、東京都名勝に指定されている等々力渓谷があります。近年では億ションの多い地域として、閑静な高級住宅地といったイメージを持つ人も多いかと思います。
目黒通り沿いに等々力村の村社だった玉川神社があり、境内には玉川地域の耕地整理を推し進めた玉川村の村長豊田正治氏の功績をたたえた石碑があります。
祭礼は9月第三週末に行われています。露店は境内、そして神社の横の通りにずらっと並びます。それなりに混み合う時間もありますが、全体的には静かな感じといった印象です。
神楽殿では宵宮の日には地元商店連合会のプロによる奉納演芸、本祭の昼には神楽、夜には地元の人たちの素人演芸が行われます。そして随時近隣に名が知られる地元の等々力囃子の演奏が行われます。
神輿は旧等々力村の各町会で神輿が運行され、日曜日には等々力駅近くの玉川総合支所から連合で神社にやってきます。5つの団体の神輿が揃って宮入り道中を行う様子はとても賑やかです。
<詳細・関連ページ> せたがや百景No.97
9、宇佐神社(尾山台)
<2018年の開催日は10月6、7日(土日)>
世田谷の多摩川沿いのほぼ南端に尾山台があります。すぐお隣は天下に名の知れた大田区田園調布です。
尾山台は古墳が多くある地域です。崖線上に狐塚、八幡塚、天慶塚などといった古墳が点在しています。その一つである八幡塚を守るように鎮座しているのが尾山宇佐神社で、尾山台の氏神となります。
祭礼日は10月の第一日曜日に本祭、前日に宵宮が行われています。小さな町域だし、尾山台駅の商店街は玉川神社の氏子地域だしと、露店の数も少なく、小さなお祭りといった感じです。
本祭の日は午前中に大祭式や神輿の御霊入れが行われ、昼から神輿や太鼓車が出発し、町内を巡幸して夕方に戻ってきます。この地域は町域が崖線にかかるので、アップダウンが多く、神輿や太鼓車の巡行も大変です。
夜には宵宮と同じように抽選会が行われ、その後奉納演芸が行われ、最期に餅がまかれます。
<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.49
10、奥澤神社(奥沢)
<2018年の開催日は9月8、9日(土日)>
沢の多い世田谷の一番奥にあるということから名がついたという奥沢。現在では自由が丘と田園調布の間に位置していて、住宅地として人気の高い場所です。
かつては鷺草伝説で知られる奥沢城があり、その跡地にはお面かぶりで有名な九品仏浄真寺が建てられたりと、歴史的に魅力のある土地柄です。
その奥沢にある奥沢神社の祭礼は9月第2土曜日に宵宮、翌日曜日に本宮となっています。境内には露店が並び、夜には奉納神楽やお囃子の演奏も行われます。それ以外でも各商店街で色々とイベントを行れ、町全体がとても賑う祭りとなっています。
奥沢神社の祭礼を特徴づけているのはなんといっても宵宮に行われる大蛇のお練りです。藁を編んで造った大蛇が町内を練り歩き、厄除けを祈願するといった行事で、区の無形民俗文化財に指定されています。23区内といった都心部では珍しい行事なので、地元の人だけではなく、区外から多くのアマチュアカメラマンなども訪れます。
本祭の日は夕方前に7つ町会の6基の神輿が連合で宮入してきます。大勢の担ぎ手と6基の神輿が駅前の通りを練り歩く様はとても賑やかで、祭礼のハイライトになっています。
<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.50
11、東玉川神社(東玉川)
<2018年の開催日は不明>
世田谷のほぼ最南端に位置する東玉川町は元々は等々力村の飛び地で、町域変更によって新しい町となりました。
元の字は諏訪分。この呼び名はこの地に諏訪社という神社があったから付けられたと言われていますが、別に大平分という呼び方も残っています。
諏訪社の生まれ変わりである東玉川神社の例大祭は8月22日に行われてきましたが、現在では週末に移され、8月22日前後の日曜日になっています。8月の第三日曜日、もしくは第四日曜日といった感じです。
祭礼に関してはほとんど情報がないのでよく分かりませんが、神輿はなく、境内に露店はなく、地域の人が子供のために金魚すくいなどの店を出しているといった感じです。
後は奉納演芸となるのですが、これは年によってまちまちのようで、落語だったり、歌舞伎の三味線だったりと、えらく凝ったものが演じられたりもします。
<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.51