世田谷を楽しもう! 風の旅人 世田谷散策記

北沢、烏山地域の秋祭り

世田谷の秋祭りを地域ごとに紹介しています。「世田谷地域」「砧地域」「玉川地域」は別ページになります。秋祭り以外のイベントは「世田谷歳時記ー秋」に載せています。

世田谷では農村だった名残で今でも多くの秋祭りが行われています。基本的には江戸神輿を威勢よく担いで回るスタイルですが、地域ごとにこだわりや特徴があって見て回ると面白いです。

*** このページの項目一覧 ***

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* 北沢地域の秋祭り *

1、北澤八幡神社(北沢、代沢)

<2018年の開催日は9月1、2日(土日)*今年は550年祭、宮神輿の運行の特別年です。>

北澤八幡神社の秋祭りの写真

世田谷の中でも知名度抜群の下北沢ですが、地名としての下北沢はありません。下北沢と呼ばれているのは駅名からそう呼ばれているのもありますが、この付近一帯が下北沢村と呼ばれていた名残りです。その旧下北沢村の村社だったのが北澤八幡神社になります。

北沢八幡神社の秋祭り(例大祭)はせたがや百景に選ばれ、「多くの神輿が宮入してくる様子は時代絵巻のよう」「その規模は山の手髄一」と紹介されるほど区内では有名なお祭りです。

関東大震災を契機に郊外へ移り住む人が増え、祭りの本場である東京の下町から多くの鳶などの職人も多くこの地に移住してきたことから神輿の文化が発展していきました。

祭礼は9月の第一土曜日に宵宮、翌日曜日に本祭となっています。境内には露店が並び、多くの人でにぎわいます。

神楽は毎年吉村社中によって舞われ、神楽の合間にはお囃子、巫女舞などが舞われます。日曜日の夜には琉球舞踊、インド舞踊、ベリーダンス、日本舞踊などが演じられ、とても華のある奉納演芸となっています。

祭礼中は8つの睦会(町会)の神輿がそれぞれの地域で運行されますが、日曜日の午後には茶沢通りに一同に揃い、順番に宮入をしていきます。この様子はなかなか圧巻な光景で、祭りのハイライトとなっています。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.10

2、代田八幡神社(代田、代沢)

<2018年の開催日は9月15、16日(土日)>

代田八幡神社の秋祭りの写真

環七通りが小田急線と交わる付近の西側にかつて代田村の村社だった代田八幡神社があります。旧代田村は現在の代田1~6丁目の他に、現在の大原1、2丁目、そして飛び地として現在は代沢に含まれる松代、溝ヶ谷、山下地域といった大きな町域を持っていました。

現在では住所は代田ではなくなりましたが、旧代田村だった下代田地域では北沢川緑道の代沢せせらぎ公園に下代田西町会の御酒所が設置され、町会による出店が少し並んだり、日曜日には神輿が神社にやってきます。

祭礼は9月第三土曜日に宵宮、翌日曜日に本祭が行われます。宵宮の日は昼間に子供神輿や太鼓車が町内を回り、神社にもやってきます。夜は両日とも神楽殿で奉納演芸が行われます。

神輿は日曜日に北沢川緑道沿いにある円乗院前から「代田一」「代田二」「東下代田」「西下代田」の4町会が連合で渡御し、環七を通り神社へ宮入りします。普通の状態でも混雑する環七通り。世田谷で最も渋滞を引き起こす神輿渡御となっています。

<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.16

3、大原稲荷神社(大原)

<2018年の開催日は9月8、9日(土日)>

大原稲荷神社の秋祭りの写真

甲州街道の東端に位置するのが大原で、ちょうど環七(環状七号線)と交わる交差点が大原交差点となります。大原の氏神大原稲荷神社は京王線の代田橋駅のすぐそばといった凄い立地条件ですが、給水場や線路施設の際に敷地を削られてしまったので、ちょっと中途半端な感じの境内となっています。

祭礼は9月第二土曜日に宵宮、その翌日の日曜日に本祭が行われます。境内に露店は数店のみで、あまり人がいません。宵宮では奉納演芸が行われますが、観客があまりいなく、立地条件はいいのにちょっと寂しい状態です。

神輿は日曜日に運行されますが、参道が狭くて担いで入れないため踏み切りのそばで神事や宮入が行われます。

夕方になると女神輿が加わり、神輿2基で甲州街道の側道を渡御します。この時、反対側の側道には隣町である杉並区和泉町の熊野神社の神輿も渡御してきます。お互い意識しながら激しくもみ合いながら進み、途中でお互い向き合って差し上げ合います。なかなか面白い光景で、ここの祭りのハイライトとなります。

<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.17

4、羽根木神社(羽根木)

<2018年の開催日は9月1、2日(土日)>

羽根木神社の秋祭りの写真

羽根木と聞くと、せたがや梅祭りで有名な羽根木公園を思い浮かべる人が多いかと思いますが、飛び地整理などで現在の羽根木の町域は羽根木公園よりももっと北側、京王井の頭線の北側から和田堀給水場までの地域となります。

羽根木の鎮守様が羽根木神社になります。創建は不明ですが、地図などによると江戸時代には既にこの場所にあり、昔は羽根木稲荷神社、或いは通称で「北原の御稲荷様」と呼ばれていたようです。

祭礼は基本的には毎年9月の第一土曜日が宵宮、その翌日の日曜日が本祭となります。ここのお祭りを訪れるとビックリしますが、なんと境内の真ん中にドカンと櫓が建てられています。これは盆踊りの櫓で、秋祭りと盆踊りが同時に行われています。

盆踊りが行われるのも特徴的ですが、女神輿が運行されるのもここの特徴です。元気のいい女神輿と男神輿が昼過ぎに宮出ししていき、夜に帰ってきます。宮入の時は大いに盛り上がり、境内が熱気に包まれます。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.16

5、杓子稲荷神社(梅ヶ丘)

<2018年の開催日は不明>

杓子稲荷神社の秋祭りの写真

梅ヶ丘の古道、滝坂道から少し住宅街の中に入ったところに杓子稲荷神社があります。

この稲荷神社は地元の人から「おしゃもじ稲荷」とも呼ばれていて、百日咳にかかったときに稲荷様へお参りし、おしゃもじでご飯を食べたそうです。いわゆる咳の神「おしゃもじ様」という信仰があったようです。

杓子稲荷神社の秋祭りが行われるのは10月17日に近い日曜日で、小さな神社なので神輿が出ることもなければ、露店がずらっと並ぶこともありません。

神事のみが行われるといった感じで、それ以外では境内で氏子関係者が焼きそばなどを作ったり、餅つきを行ったりしていました。

<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.19

6、菅原神社(松原)

<2018年の開催日は9月29、30日(土日)>

菅原神社の秋祭りの写真

松原の氏神は菅原神社で、松原と赤堤一部の氏神として崇拝されてきました。社伝によると、石井兵助がこの地に移住してきて寺子屋を開き、寛文五年(1665年)に学問の大切さを教えるために学問の神様である菅原道真公を祀る「大願成就南無天満宮自在天神」と刻んだ石碑を建てたのが始まりだとされています。

菅原神社は天神様、菅原道真公を祀っているので、25日が天神の日といった特別な日になります。昔は菅原神社も9月25日に本祭を行っていましたが、今では9月第四日曜日に本宮祭、その前日に宵宮祭が行われています。境内に露店が15店ぐらい並び、奉納演芸も神楽殿で行われます。

菅原神社では町会神輿が運行されていて、それぞれの町域を宵宮、本宮と回ります。本宮の日には菅原天神通りの甲州街道付近、神社から見て踏切の先に各町会の神輿が集まり、そして菅原天神ばやしを先頭に連合で神社に向って渡御していきます。

基本は4町会4基の神輿となりますが、松二、松竜会では女神輿も列に加わる事もあります。順番は番号の若い順となり、先頭は毎年一つずれていきます。連合渡御は神社の前までとちょっと短めですが、それぞれの町会が楽しそうに担いでいるのが印象的でした。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.33

7、赤堤六所神社(赤堤)

<2018年の開催日は9月22、23日(土日)>

赤堤六所神社の秋祭りの写真

経堂の北側、世田谷の北部の真ん中付近にあるのが赤堤です。世田谷線のすぐそばの丘に赤堤の氏神である六所神社があります。約1,000㎡の社叢林があり、うっそうとした鎮守の森の雰囲気が感じられ、また赤の社殿が周囲の緑に良く映え、晴れた日に訪れると木漏れ日が美しく感じる神社です。

秋分の日に本祭、前日に宵宮が行われます。広い境内には多くの露店が並び、多くの人でにぎわいます。

夕方から赤堤幼稚園児による浦安の舞が奉納され、その後舞踊、そしてプロによる奉納演芸が行われます。舞踊は近年では琉球舞踊が定番で行われているようで、鮮やかな衣装で回れる独特の踊りはとても楽しいです。本祭の日の昼間には神楽も奉納されます。

赤堤六所神社では神社の宮神輿ではなく、町会神輿、いわゆる町神輿が運行されます。下高井戸の商店街が中心となった神輿で、昼間神社に宮入りした後、夕方威勢よく商店街を練り歩きます。

<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.21

8、勝利八幡神社(上北沢、桜上水)

<2018年の開催日は10月6、7日(土日)>

勝利八幡神社の秋祭りの写真

桜上水にあるとても縁起のいい社名が付けられている神社ですが、正式には八幡社で、勝利八幡というのは通称になるようです。

桜上水というのもなかなか響きのいい地名ですが、玉川上水の土手に続く桜並木が見事だったので地元の人が桜上水と呼び、それが昭和12年にできた京王線の駅名となり、そして昭和41年の新住居表示の際に上北沢が分割され、その東半分が桜上水と名付けられたもので、この神社は元々は上北沢村の村社でした。

少し前までは勝利八幡らしく体育の日に祭礼が行われていましたが、今では体育の日の前の日曜日に本宮祭、その前日の土曜日に宵宮祭が行われているようです。

勝利八幡神社の祭礼は基本的には合祀されている山谷稲荷神社と同時進行といった形を取ります。役員の人も共通ですし、関係者の着ている半纏にも両方の神社の名が入っているし、奉納演芸も桜上水、上北沢各地の有志によって行われています。

ただ、山谷稲荷の方では神輿が出ますが、こちらでは神輿渡御が行われていなく、奉納演芸はこちらでは行われていますが、山谷の方では行われていません。

奉納演芸は、宵宮の日に上北沢、桜上水の関係団体などによる素人奉納演芸が行われ、演目はカラオケが中心で舞も少しあるようでした。本祭の日は17時半から一時間ほど巫女神楽、いわゆる巫女舞が行われます。恐らく経堂の天祖神社と同じような内容となるはずです。

<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.22

9、山谷稲荷神社(上北沢)

<2018年の開催日は10月6、7日(土日)>

山谷稲荷神社の秋祭りの写真

上北沢の八幡山駅近くにある山谷稲荷神社ですが、旧上北沢村の山谷地区に鎮座する稲荷神社になります。

この稲荷社は創建が慶長十九年(1614年)ともいわれる古い神社ですが、明治40年に上北沢村の村社である勝利八幡神社に合祀されました。しかしその後山谷では良いことが起きないと、仮屋の祠を祀る事となり、今でも地元の人々の信仰対象となっています。

祭礼日は勝利八幡神社と同じ日で、体育の日の前の日曜日に本宮祭、その前日の土曜日に宵宮祭が行われています。

小さな仮屋での祭礼となるので、露店が並んで、奉納演芸があって・・・ということはありませんが、宵宮にあたる土曜日には子供神輿や太鼓車が運行され、本祭の日曜日には大人神輿が運行され、甲州街道を威勢よく渡御していきます。

<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.23

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* 烏山地域の秋祭り *

10、八幡山八幡神社(八幡山)

<2018年の開催日は9月22、23日(土日)>

八幡山八幡神社の秋祭りの写真

京王線の八幡山駅の南側に八幡山町が広がっています。八幡山町は環八通りが左辺、旧滝坂道の118号線が底辺、赤堤通りが右辺の三角形というか、京王線が短い上辺となった台形の形をしています。八幡山の名はこの地に建てられた八幡社に因んで付けられたものだと言われています。

祭礼は毎年秋分の日前後に行われます。境内に多くの出店が出ることから夕方から夜にかけては両日とも混み合い、大道芸などの奉納演芸も行われます。

神輿渡御は秋分の日の9月23日に行われます。宮出しは朝9時で、宮入は19時半頃。渡御時間が長いのが特徴です。

またここでは世田谷で一番立派な山車が運行されます。八幡神社の祭礼以外でも毎年区民祭の神輿パレードでも先陣を切っていて、渡御の様子などを見ると八幡山のご自慢の一品といった感じでした。

<詳細・関連ページ> せたがや地域風景資産No.3-15

11、粕谷八幡神社(粕谷)

<2018年の開催日は不明 体育の日ころ>

粕谷八幡神社の秋祭りの写真

大正時代の文豪徳冨蘆花所縁の蘆花恒春園、通称芦花公園の一角といった感じで粕谷の村社だった粕谷八幡神社があります。

徳冨蘆花の旧宅のすぐ裏という場所柄、蘆花とも関係があり、小説にも度々登場し、氏子の一人として450円を奉納しているといった記録も残っています。

現在では体育の日、あるいはその近辺で祭礼が行われています。祭礼は一日のみで、境内には地元の団体の出店が少し出て、抽選会が行われます。

以前は人手がなく子供神輿しか出せませんでしたが、近年では芦花中学の生徒が担いでくれることとなり、小さいながらもちゃんとした神輿が担がれ、町内をまわっていきます。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.39-2

12、烏山神社(北烏山、南烏山)

<2018年の開催日は9月23、24日(日月)>

烏山神社の秋祭りの写真

世田谷の北西部に位置するのが烏山です。烏山が発展するのは甲州街道が整備された江戸時代になってからで、東の高井戸宿、西の布田宿(調布)の中間に位置している事から間の宿として街道沿いを中心に家が建ち並び、世田谷では珍しく農業ではなく商いで生計を立てる人が多かったようです。

街道沿いはだいたい今の南烏山六丁目を上宿、四丁目を中宿、三丁目を下宿と区分されていて、今でもこの三つの区分で祭礼やイベントが行われています。

烏山の氏神様は烏山神社です。祭礼は毎年固定日で、9月23日に宵宮、翌24日に本祭となっています。23日は秋分の日で祝日になる場合が多いのですが、24日は平日の事がほとんどで、この人手不足のご時世に平日に祭礼が固定され、神輿渡御が行われるのは区内でも中町とここだけと珍しいです。

祭礼の流れは、宵宮の日に三町による神輿の連合渡御が旧甲州街道を練り歩きます。各町ともお囃子の山車を連れての渡御なので、とても華やかで、祭りのハイライトと呼べるような神輿渡御となっています。

本祭の日は各町会ごとに御酒所から町内へ神輿渡御が行われます。両日共に夜には奉納演芸が行われ、大祭式は24日に行われます。

境内が比較的広いので、多くの出店が所狭しと並びます。近くに大きな団地が多いせいか、小さな子ども連れのお母さんが昼間に散歩がてらやってきているといった感じで、結構昼間から人がいるなといった印象を受けました。

<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.26

13、給田六所神社(給田)

<2018年の開催日は10月27、28日(土日)>

給田六所神社の秋祭りの写真

甲州街道沿いというか、京王線沿いの西端に位置するのが給田です。街道の南側を流れる仙川の南側の丘に給田六所神社があります。府中六所宮(現在の大国魂神社)の分霊を勧請して造られた神社です。

祭礼はちゃんと確認していないので不確かですが、10月第四週とか第三週の週末に行われているような感じです。

土曜日に子供の神輿と大太鼓が巡行します。太鼓はとても大きく、近くで音を聞くととても迫力があります。そして夜には地元の有志によって奉納演芸大会が行われ、翌日の日曜日はプロによる演芸大会が行われます。

六所神社の祭礼で注目すべきはお囃子です。ここのお囃子はなんと地元の小学生が中心で、その名も「給田小学校子どもばやし」といいます。昭和53年に結成され、その活動は30年以上も続いているというから驚きます。

<詳細・関連ページ> 世田谷の秋祭りNo.27

14、上祖師谷神明社(上祖師谷)

<2018年の開催日は10月6、7日(土日)>

上祖師谷神明社の秋祭りの写真

滝坂道の西端に位置するのが上祖師谷です。仙川沿い、そして都立祖師谷公園がある付近です。

滝坂街道沿いの丘には村社だった上祖師谷神明社があります。祭礼は10月第1日曜日に本祭、前の日に宵宮が行われています。

境内はそこそこ広いので多くの出店が並び、普段とは比べものにならないほど賑やかになります。特に夜になると華やかで、普段は真っ暗で存在感のあまりない丘が明るくなり、闇に浮かび上がるような感じになります。

土曜日は地元の有志による素人演芸が行われ、日曜日は神輿の渡御が行われ滝坂街道などを太鼓車や子供神輿とともに進んでいき、夜はプロによる奉納演芸が行われます。

<詳細・関連ページ> せたがや百景No.50

世田谷散策記 北沢、烏山地域の秋祭り 2018年8月改訂

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